コナミアンティークス MSXコレクションシリーズ

【こなみあんてぃ-くす えむえすえっくすこれくしょんしりーず】

ジャンル オムニバス





対応機種 プレイステーション
セガサターン
発売元 コナミ
開発元 【PS】コナミコンピュータエンタテイメント東京
【SS】コナミコンピュータエンタテイメント横浜
発売日 【PS Vol.1】1997年11月20日
【PS Vol.2】1998年1月22日
【PS Vol.3】1998年3月19日
【SS】1998年7月23日
定価 【PS】各4,800円
【SS】3,800円
配信 ゲームアーカイブス:Vol.1/Vol.2
共に2006年11月22日/600円
判定 なし
ポイント MSXのソフト全30作をエミュレート収録
SS版の優遇移植


概要

主に80年代前~中期のMSXソフト全30作をエミュレート移植したソフト。
アレンジの類ではない原作に忠実な移植だが、あくまでもエミュレート移植なので完全なる移植という訳ではない(詳細は下記にて)。
そのためか、本作にはパッド操作のみで遊べるゲームを選んで収録されている。『魔城伝説II ガリウスの迷宮』や『F1スピリット』といった、継続用パスワードをキーボードで入力するゲームは収録されていない。

PSでは『Vol.1』~『Vol.3』までの分割販売となっている。
後に全てを1本にまとめた『ウルトラパック』がSSにて販売された。

収録ゲーム

※アーケードが原作のゲームのリンクは、原則としてAC版のメイン執筆となっている為、完全にはMSX版の情報がフォローしきれていない可能性があるので注意。また、原作の発売日が明確に判明していないタイトルは年/月表示のみで記載する。

タイトル 原作の発売日 備考 判定 他機種版(VC配信)
Vol.1
コナミのボクシング 1985年
コナミのピンポン 1985年5月 AC版とMSX版はほぼ同時発売。1987年にファミコンディスクシステム用に任天堂より発売された*1『スマッシュピンポン』はこれの移植版 AC/(Wii/WiiU)
モピレンジャー 1985年 隠し操作もあるが、本作の攻略本には記載はない。 なし
ハイパースポーツ2 1984年4月 ACで発売された『ハイパーオリンピック'84』の移植版だが、容量の都合上三分割されており「クレー射撃・アーチェリー・重量挙げ」が収録されている。 AC/FC/LSI/
(Wii/WiiU/3DS)
けっきょく南極大冒険 1983年12月 教育ソフト「I Love」シリーズ第一弾。教科は地理。
FC移植版で追加された「ペギコプター」はない。
なし コレコビジョン/
FC/(Wii/WiiU/3DS)
イー・アル・カンフー 1985年1月 AC版とは大きく異なり、FC版とほぼ同一内容。 なし AC/FC/PS2/360
(Wii/WiiU/3DS)
ロードファイター 1985年8月 AC版からの移植に伴って順位が削除されている。 AC/FC/(Wii/WiiU)
スカイジャガー 1984年12月 MSX『コナミゲームコレクション』にあったSCC音源は非対応。 なし
グラディウス 1986年7月25日 AC版の移植だが、性能の問題から要素の削除やアレンジがなされている。
MSX『コナミゲームコレクション』にあったSCC音源は非対応だが、自機がツインビーになる裏技はコマンドで使用可能。
PS/SSでAC版をプレイする場合は『グラディウス DELUXE PACK』として続編『グラディウスII』と共に完全移植されているこちらをおすすめする。
AC/FC/PCE他多数
ゴーファーの野望 エピソードII 1989年1月27日 MSX1版の仕様を元に移植された。
SCC音源の再現がイマイチかつラグあり。
(Wii/WiiU)
Vol.2
コナミのゴルフ 1984年2月
コナミのビリヤード 1984年
わんぱくアスレチック 1984年 教育ソフト「I Love」シリーズ第二弾。教科は体育。
同じくMSX用ソフト『キャベッチ パッチ キッズ』と同じ。
なし
マジカル ツリー 1985年 なし (WiiU)
イーガー皇帝の逆襲 1985年12月 対戦モードも選択可能。海外ではPC版*2もあった。 (Wii/WiiU)
魔城伝説 1986年1月 無敵化チートは使用不可。 なし (Wii/WiiU)
スーパーコブラ 1984年1月 MSX『コナミゲームコレクション』にあったSCC音源は非対応。 なし LSI/Odyssey2/
多数のPC*3
Atari 2600/5200/
インテレビジョン
/コレコビジョン
ツインビー 1986年5月25日 2Pモードも選択可能。FC移植版に準拠している。 AC/FC/FCD/
X68000/GBA/3DS/
(Wii/WiiU)
グラディウス2 1987年8月22日 SCC音源の再現はイマイチ。
隠しコマンドは使用不可。
PSP/X68000/
(Wii/WiiU)
ハイパースポーツ3 1985年10月 『ハイパーオリンピック'84』のMSX移植版三作目。
「三段跳/棒高跳/自転車(MSX版オリジナル)/カーリング」を収録。
AC/FC/X1/
SG-1000/PC-8001
Vol.3
コナミのテニス 1984年
コナミのサッカー 1984年 (WiiU)
コナミラリー 1985年7月 原作タイトルは『コナミのハイパーラリー』。詳細は余談項を参考
ぽんぽこパン 1984年6月 教育ソフト「I Love」シリーズ第五弾。教科は社会。
ピポルス 1985年6月
王家の谷 1985年3月 全60ステージを収録したバージョン。
15ステージごとのパスワードコンティニュー可能。
カシオ計算機*4
夢大陸アドベンチャー 1986年10月28日 Vol.1に収録の『けっきょく南極大冒険』の続編。
『グラディウス2』との2スロットによる自機のスタイル変更も適用可能。
(Wii/WiiU)
タイムパイロット 1984年1月 ステージ4の名称がAC版の「A.D.1982」から「A.D.1984」になる。 AC/PS2
パロディウス 1988年4月28日 原作正式タイトル『パロディウス ~タコは地球を救う~』。
有名なAC版の元になった、パロディウスシリーズの元祖。
PSP/(Wii/WiiU)
沙羅曼蛇 1987年12月 『グラディウス2』もしくは『F1スピリット』のカートリッジをスロットに同時に入れておかないと真のエンディングが見られない仕様は削除された。 なし AC/FC/X68000/
PCE/SS/PS/PSP
ウルトラパック
上記計30作品を全て収録している。


特徴

  • このシリーズはゲームプレイだけに特化したソフトであり、各収録ゲームの資料集的な情報などは存在しない。
    • 説明書内でも各収録ゲームの簡易な情報とルール説明がされるだけに留まっている。

評価点

  • ロード時間は皆無でウエイトに悩まされる事はない。
  • ボタン一発でゲームをリセットできる(ゲーム選択画面に戻れる)機能が追加されている。
  • Vol.1の『グラディウス』、Vol.2の『グラディウス2』、Vol.3の『夢大陸アドベンチャー』は、原作の「複数カートリッジによる自機変化」が裏技で再現できる。
  • SS版はゲーム画面を「フルサイズ」か「画面左右に空白が空いたサイズ」のどちらかにゲーム中いつでも切り替える事ができる*5

問題点

  • セーブ機能には一切対応していない。エンドレスループ制やプレイ時間が長引く収録ゲームも多いので不便ではある。
  • 特にPS版全般は原作に比べると「ゲームスピード、処理落ちの相違」が確認されており、純粋に原作再現度という観点から見ると決して優れているとはいえない。
    • SS版はその辺がある程度改善されており、PS版よりは優れている。
  • 連射機能は搭載されておらず、連射パッドを使用しない限りは手動で連射しなければならない。
    • SSウルトラパックでもエミュレートがサターンの性能では追い付かないため連射パッドを使っても入力が処理しきれないのか、グラディウス2、ゴーファーの野望エピソード2などではまともに連射機能は使用できず結局手連射に頼らざるを得ない。
    • 特にシューティング系でのプレイは多々辛いものがある。ハードの仕様上オート連射が一切できないPSP版ゲームアーカイブスでは尚更辛く、PSPで連射装置ありで『グラディウス2』をプレーするのなら『沙羅曼蛇ポータブル』収録版を遊んだ方が早い。同作ではオリジナル版が丸々収録されている影響でアーカイブス版の存在意義などほぼ無いと過言では無いだろう。

総評

純粋なる完全再現とはいかないが、原作のゲーム性を堪能するには十分楽しめる出来であるのは間違いないだろう。
SS版は「PS版3ソフトすべてが収録され、価格がPS版単体よりも1,000円安く*6、再現度もこちらの方が上」と、あらゆる面でPS版より優れている。この辺はPSユーザーにとっては批判が多い模様。
2017年現在はいずれも中古で3,000円以上の値がついており、またより再現度の高い移植も増えてきたが、PS版Vol.1とVol.2に限りゲームアーカイブスで安価に購入できるので、そちらでプレイしてみるのもよいだろう。


余談

  • Vol.3収録の「コナミラリー」だが、本来は「コナミ・ハイパーラリー」というタイトルでリリースされていた。
    • Vol.3だけゲームアーカイブスでの配信がないのも、何かしらの権利関係に引っかかっている可能性があるが、収録タイトルのうち『パロディウス』は『パロディウスポータブル』でリファイン版だが収録されているので、ある意味では救済されていると言える。

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最終更新:2023年11月07日 08:37

*1 開発はコナミ

*2 コモドール64/ Amstrad CPC/ BBC Micro/ ZX Spectrum/ Thomson TO7-70

*3 TVボーイ/ PC-6001/ M5/ PV-1000/ Atari XE,XL/ Adventurevision

*4 海外ではZX Spectrum版とMS-DOS版も発売されている。

*5 SSにはPSと違いMSXの標準解像度である256ドットのモードがないため、このような仕様になっている。

*6 総計ではPS版3ソフトを全部購入するよりも10,600円も安く済む。