カンガルー

【かんがるー】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売元 サン電子
開発元 岐阜特機
稼働開始日 1982年
判定 なし
ポイント 母親カンガルーが主役
子供カンガルーとの愛らしい触れ合いシーン


概要

  • 1982年にサン電子がアーケードにリリースした横視線の固定画面アクションゲーム。
  • 猿の集団にさらわれてしまったカンガルーの子供を救出する為に、ボクシンググローブを着用した母親カンガルーが猿達に挑むというストーリー設定。
  • 1~2人交互プレイ可能。全4ステージ構成のループ制。
    • 全ステージをクリアすると、難易度の上がった状態でのステージ1からのループとなる。

主なルール

  • 母親カンガルー(以下カンガルー)を操作し、画面上部(ステージ3は画面中央部)に待つ子供カンガルーに触れればステージクリアとなる。
    • 子供カンガルーの待つ先には敵である猿軍団や段差が待ち構えており、それらを乗り越えなければならない。
  • コントローラーはレバーと1ボタンを使用。レバーでカンガルーの移動などの操作、ボタンはパンチ攻撃に使用する。
    • レバー左右でカンガルーの左右移動。レバー下で伏せ動作(しゃがみに近い動作)。
    • このゲームのおけるジャンプ動作はレバー上、もしくは斜め上での操作となっている。
    • はしごに近づいた状態でレバー上下でそれを登り降りできる。
    • ボタンで近距離のパンチ攻撃を行う。パンチには小猿やそいつが投げてくるリンゴなどを倒す(消滅)効果がある。
      • パンチはカンガルーが立っている状態のみ攻撃が可能。ジャンプ中や伏せ動作中では一切のパンチは放てない点に注意。
      • パンチはカンガルーの上半身付近にしか攻撃判定がなく、下半身付近は攻撃が届かない点にも注意。
  • カンガルーを邪魔する猿には以下の種類がある。
    • 多数出現するメインの「小猿」はカンガルーを見つけ次第、飛び道具であるリンゴを投げつけてくる。もちろん、小猿そのものやリンゴに触れるとミスとなってしまう。
      • 小猿はパンチを当てると倒せるが、いくらでも沸いてくるので、倒す事に執着していると先に進めない。
      • 猿のリンゴの投げ方には上段や下段といったパターンがある。リンゴはパンチで相殺でき、また上段は伏せ動作にて、下段はジャンプでかわす事が可能。
        但し、カンガルーの立っている段差の位置によってはリンゴの攻撃判定にズレが生じている場合もある為にかわし方に差異が生じる可能性がある。
    • 時折カンガルーと同じ位のサイズの「ツッパリコング」という敵も出現する。こいつはリンゴこそは投げないものの、その大きさ故に無視するのは厳しい存在となっている。
      • ツッパリコングに触れてもミスにはならないが、その代わりに一定時間の操作不能に陥ってしまう。
      • またパンチで攻撃しても画面外に吹き飛ぶだけで完全には倒せない。よって、進路を確保するまで連続で攻撃しなければいけない場合もある。
      • 攻略の役にはたたないが、操作不能時にボタンを押すとカンガルーが白旗を揚げて「降参」のポーズをする。ちょっとしたお遊び演出といったところか。
    • 同じく時折、画面上部から猿が「芯のリンゴ」を下に落としてくる。もちろん、これに触れてもミスとなる。
      • 上記のリンゴ同様に、こちらもパンチにて相殺する事ができる。
    • ステージ3限定で「捕らわれた子供カンガルーを持ち上げて支える猿」が数匹おり、そいつらをパンチにて倒せば子供カンガルーの位置を下げる事ができる。
      • この猿どもをすべて倒せば勝手に子供カンガルーが画面下部に下がっていき、ほとんど移動しない状態でクリアする事が可能。
  • ステージ内にはフルーツアイテムが幾つか設置されており、それを取得すればスコアボーナスが得られる。
    • フルーツの多くは地形の上にぶら下がっている事が多く、ジャンプしないと取れない場合がある。
    • フルーツとは別に「ベル」が必ず各ステージに1つ配置されている。これに触れると、以前に取ったフルーツがすべて復活し、それを再度取得すればスコアボーナスが倍増されている。
      • ベルは一度触れただけでは消滅せず、数回触れればその分のフルーツが復活する。もし、フルーツを最大限までに取得したい場合は、ステージ内を何度も歩き回らないとならない。
      • ベルもまた地形の上にぶら下がっている故にジャンプしないと効力が発揮できない。
  • ステージには小さい崖の段差が随所に存在し、それをジャンプで乗り越えなければならない。
    • もし、ジャンプせずに足を踏み外してしまうと、問答無用でミスとなってしまう。
  • 残機制。ミスするとステージ最初に戻され、アイテムなどの配置がすべてリセットされる。
    • 画面上に制限時間が表示されており、これが0になってもミスとなる。
      • 制限時間はクリア後のスコアボーナスの意味合いも兼ねており、クリアすれば数字表示分のスコアが入る。
  • このゲームはスコアがカンスト(999900)すると0に戻ってしまうバグが存在する。

評価点

  • カンガルーを主役にした着目点。
    • 販売当時としてはどちらかといえばあまりメジャーな動物とは言えないであろうカンガルーが主役であり、「子供カンガルーの為に母親カンガルーが助けにいく」という涙ぐましい設定が特徴。
    • 母親カンガルーの前足にはボクシンググローブが着用されており、ボクシングスタイルで猿どもに挑む様がユニークである。
      なお、母親だけではなく、すでに子供カンガルーにもボクシンググローブが着用されている描写があるあたり、実はボクシングスタイルなのは親子の遺伝なのかもしれない。
    • ステージクリアすると母親カンガルーが子供カンガルーと触れ合って「ママー!!」の吹き出しが表示される演出があり、なかなかほっこりさせてくれるのが素敵である。
  • 当時としては珍しかった「格闘要素のある横視点アクションゲーム」。
    • 本作が発売された当時における横視点アクションゲームというと、ドンキーコングを代表するジャンプアクションが多かったが、ボタンを押す事で任意にパンチが出せる同ジャンルの作品は珍しく、本作以外では「ポパイ」程度しか無かった。
  • 書き込まれたグラフィック。
    • グラフィック周りは背景が黒一色なのが寂しいもののファンシーさが上手く描かれており、当時の基準としてはそれなりに書き込まれている模様。
    • カンガルー親子以外にも「可愛らしくも憎らしいやんちゃな小猿」「やけにいかつい容姿のツッパリコング」といった敵の面子も魅力的である。
  • ノリの良いBGM
    • BGMはクラシック音楽の楽曲が採用されている。ステージ開始時は「トルコ行進曲」、ステージ中は「アメリカンパトロール」、ステージクリア時は「おおスザンナ」、ベルに触れると「ウェストミンスターの鐘」が流される。

問題点

  • 難易度の高さ
    • 一般的には俊足動物というイメージにあるカンガルーだが、このゲームの母親カンガルーはかなり鈍足で動きがもっさりとしており全然素早く動いてくれず、それが難易度上昇の原因となってしまっている。
    • 母親カンガルーの図体は大柄な故に敵の攻撃を避けるにも一苦労である他、ちょっとした崖段差にあっさりと道を踏み外しやすかったりと死ぬ要素は多い。
    • 初見でのプレイではこの鈍足で大柄な母親カンガルーの死にやすさに直面するのは必至だと思われ、ある意味『スペランカー』のご先祖様といえる作品なのかもしれない。
    • とはいえ、1ステージあたりは短い構造なので慣れてしまうとさほど苦戦する場面は少なく、決して理不尽な難しさには達していない。その辺はちゃんとゲームバランスが考慮された作りとなっている。

総評

  • 可愛らしいキャラクターや軽快なサウンドなど、分かりやすいキャッチーな要素が込められているのは良かったが、操作感が良くないせいでプレイしてみないと分からない難易度の高さがネックになってしまったのが惜しい。

余談

  • 海外では有名な作品らしくATARIに家庭用移植されていた。
    • 国内では移植されていなかったが、2020年7月16日にSwitchとPS4にアーケードアーカイブスにて配信された。
  • また、海外限定でアニメ化もされている(国内未放送)。
    • ちなみにアニメ版を放送していたテレビ番組「Saturday Supercade」は本作の他にも『ドンキーコング』や『ドンキーコングJR.』、『Qバート』といった当時のアーケードの人気作の多くをアニメにしているが、出来に関しては言うまでもない。
  • 3D格闘ゲーム『鉄拳シリーズ』には、このゲームと同じくボクシンググローブを装着したカンガルーの母子、「ロジャー」というキャラがいる。
    • このゲームとの直接的な関連性は恐らく無いだろうが、鉄拳のスタッフが知っていたのかもしれない。

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最終更新:2024年04月13日 00:26