マリオvs.ドンキーコング

【まりおぶいえすどんきーこんぐ】

ジャンル パズルアクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 Nintendo Software Technology
発売日 2004年6月10日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(フラッシュメモリ)
レーティング CERO:全年齢対象
周辺機器 カードeリーダー+対応
配信 【3DS】アンバサダー・プログラム
【WiiU】バーチャルコンソール:2014年7月23日/702円(税8%込)
判定 なし
ポイント マリオの原点回帰
マリオvsDKシリーズ第1作目
GB版『ドンキー』の精神的続編
ゲームとしてはあっさりめ
マリオシリーズ・関連作品リンク
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク


概要

ゲームボーイ版『ドンキーコング』の流れを汲むアクションパズルゲーム。「2代目ドンキーコング10周年記念作品」として製作された。
スーパードンキーコング』と同様、グラフィックが3Dで表現されている。

なお、GB版に登場するドンキーコングは初代だったが、今作以降に登場するドンキーコングは『スーパードンキーコング』の2代目(初代の孫)に世代交代している。

ストーリー

家でくつろいでいたドンキーは、「あるいてしゃべる」ふしぎなおもちゃ、「ミニマリオ」のCMを見る。
その可愛さに心奪われたドンキーコングは、あわてて買いに行くも、絶大な人気で売り切れてしまう。
だがどうしてもミニマリオがほしいドンキーは、ミニマリオを生産している「おもちゃこうじょう」に潜入し、生産されたミニマリオをすべて奪い去ってしまう。
と、そこへ騒ぎを聞きつけたマリオがやって来た。
あわてて逃げるドンキーに、それを追うマリオ。

今ここに、世代を越えた戦いが幕を開けたのだった。


システム

  • 逆立ちやバックフリップなど、操作はゲームボーイ版『ドンキーコング』とほぼ同じ。
    • ただし、前作にあった水中ステージは削除されている。
  • ギミック面では赤・青・黄の「スイッチ」が前面に押し出されている。
    • スイッチを押すとその色に対応したブロックが実体化するというもので、これを駆使して先に進むというパズル要素の強いステージが多い。
  • 全6ワールド。各ワールドには通常の6ステージ+ミニマリオステージ+ドンキーコングステージの計8面のステージがある。通常ステージとミニマリオステージの開始前はそのステージの攻略のヒントとなるデモプレイがある。
    • 通常ステージは前半と後半に分かれている。前半はGB版ドンキーコングと同様に鍵を持って扉に入ると突破となり、後半ステージでミニマリオのカプセルに到達し持ち上げるとステージクリア。
    • ミニマリオステージは、これまでの6ステージで救い出したミニマリオをステージにあるおもちゃ箱まで誘導するというもの。おもちゃ箱はステージ内に配置されている文字パネルを3つすべて入手しなければ開かない。
      • ミニマリオはジャンプは一段しかできない他、ジャンプ台は使用可能だが梯子は使用不可(マリオが使用中は停止する)、マリオと同じ場所に向かおうとする、画面から消えると停止する等、一定の法則の下マリオの動きに従ってついて来る。マリオと同様、敵やトゲに当たったりすると死んでしまう。ミニマリオが全滅したらミス。
    • ドンキーコングステージは、ドンキーコングとのボス戦。ステージによって戦い方は違うが、基本的にドンキーに樽や爆弾を当ててライフを削ることになる。
      • なお、ドンキーコングステージのみマリオにライフがあり、先ほどのミニマリオステージで救い出したミニマリオの数がそのままライフ数となる。ステージセレクトから直接挑むとライフ4の状態で始まる。
    • 6ワールドをクリアするとドンキーコングとの最終戦。これは通常ステージと同じくライフが存在しない長丁場の戦いだが、クリアすれば晴れてエンディング。…そして、エキスパートモード(いわゆる裏面)がスタート。
      • エキスパートモードのワールド+では、通常ステージが1マップだけになり「鍵を持ったミニマリオを扉まで誘導するとクリア」という独自のルールになる。また、ミニマリオステージがなくなり、ドンキーコングステージは必ずライフ6の状態で始まる。
  • 各ステージには規定スコアが設定されており、ある条件を満たしてそれを越すと☆が手に入る。
    • 前半ステージをクリアするとその得点や残りタイムが後半ステージに引き継がれるが、後半でミスすると引き継ぎボーナスが全て消滅したうえ前半ステージには戻れない。ハイスコアを目指す上でノーミスは必須のものとなる。
    • ノーマルモードクリア後には「チャレンジステージ」という全12面の高難度ステージを遊べるようになるが、これらは☆を集めることで順次解禁されていく。これらのステージは前半面マップのみで、さらに通常ゲームとは独立しているため☆は入手できず、初期ハイスコアもない。

評価点

  • 公式サイトで掲げられていた「SIMPLE IS BEST」というキャッチコピーそのままのゲーム内容。
    • ステージを初めて遊ぶ時にはパズル要素に頭を悩ませ、ステージをクリアした後は☆・高得点を取るべくパターンを練ってタイムアタック、という二度楽しめる構成。☆コンプリートも含めて難易度はそこまで高くないため、プレイヤーを選ばないと言える。
      • 無論、☆を獲得すると開放されるオマケステージの難易度の高さは一級品。近年の任天堂らしい手法。
      • ショートカットできる箇所が非常に多く、ハイスコア更新はかなり奥が深い。これはオマケステージにもいえる。
    • マリオシリーズ本流のアクションとは異なるが、「ジャンプしているだけで楽しい」というマリオシリーズの共通の面白さも本作にはある。多彩なジャンプを駆使してステージを駆け抜けるのは単純に気持ちいい。
      • 本作で導入されたスイッチも、ジャンプして押すという操作のためこの面白さを引き立てる役割を果たしている。
  • 前作に比べると操作が楽になった。
    • 簡単に説明すると、前作では逆立ちダブルジャンプをするためには逆立ちしてすぐにジャンプコマンドを入力する必要があったが、本作では逆立ちしていればいつでもダブルジャンプが可能となっているなど、初心者には手軽さを、上級者にはコマンド失敗によるストレス軽減を、それぞれ提供している。
    • 1ステージは短めで、携帯機らしく空き時間に手軽に遊べる。
  • 2代目主演の『スーパードンキーコング』同様の手法を使ったグラフィックは綺麗。マリオもかなり滑らかなアニメーションをする。
    • 前作に比べると地味ではあるが、圧死、焼死、感電死、落下死等の多彩なミスリアクションも健在である。
  • 優れた音響周り。特に効果音が秀逸な他、チャールズ・マーティネー演じるマリオが2重の意味でよく喋る。
    • 紙芝居アニメ時はエセフルボイスだがかなりボイスが入る。ワールドクリア時には一枚絵が表示される(全12枚)。
    • 台詞らしい台詞も多く、『いたストDSWii』以外でゲーム内でよく喋るゲームは今作しか無い。

問題点

  • コースが一つ一つ区切られたのと全体マップなどが特にないためか、全体的にあっさりしたゲーム内容。人によっては物足りなさを感じてしまう可能性も。
    • 前作にあったいくつかのギミックが本作には存在しないので、前作経験者は特に物足りなく感じる。
  • 本作及び前作ではマリオの多彩なアクションが攻略及びハイスコア更新に重要であるが、今作ではそのうちの「横宙返り」(走っているときに逆方向に十字ボタンを入れながらジャンプすると高くジャンプするアクション。スーパーマリオシリーズの3Dアクション作品での同名アクションとほぼ同じ)が十字ボタンを逆に入れる途中に斜め入力が混じると出ない
    • 横宙返りは素早く高く飛べるジャンプアクションであり、クリアタイムがスコア加算されるスコアアタックで特に重要な動作なため、急ぐと焦ってよけいに入力ミスが増えてしまうことも……。
  • ☆及びハイスコアを狙う場合、ステージクリア後に必ず残機増やしミニゲームが行われるため煩わしく感じられる。
    • ミニゲームは2種類あるものの、どちらのゲーム内容も非常にシンプルなものであまり面白くない。また、1つはルーレットのためすぐ終わらせられるが、もう1つはドンキーからプレイヤーの欲しいプレゼントを守るというもので一定時間待たねばならず、更に煩わしい。
    • 未プレイの人からすると「単にプレゼントを集めなければいいのではないか」と思われるだろうが、プレゼントは得点としてもかなり高く、☆を取るには3つ揃えることが必須(プレゼントを3つ集めずハイスコアを達成しただけでは☆が絶対に取れない仕様)のため、プレゼントを取らないという選択肢は無い。
    • また、本作はステージ未クリアでかつ後半ステージでゲームオーバーになった場合、そのステージの前半に戻されるだけであるため、ゲームオーバーのペナルティは実質無いに等しく、残機の存在価値は薄い。このことも残機増やしミニゲームに煩わしさを感じる一因となっている。

総評

前作を超えたとは一概には言えないが、パズルアクションとしては上々のつくりになっているので、決して悪いとは言えない作品。


余談

  • 本作は、本来なら前作のリメイク『ドンキーコング+』として発売する予定であり、GCと連動してのプレイなどが予定されていた模様。
    • それが没となり本作の路線に移った模様である。
  • パッケージに記載が無いものの、実はカードeリーダー+対応ソフトである。
    • カードによって追加コースが遊べるが、本作対応のカードはコロコロコミックでの1000名限定懸賞が5枚と次世代ワールドホビーフェアでの配布が1枚のみ。配布品1枚は期間限定の一部設置店舗で読み込むことも可能だった。GBAソフトに対応したカードe+は現在いずれも入手困難だが、本作の場合は特に希少。
    • さらに、たとえ現存する6枚全てのカードを読み込ませてもゲーム内におけるeカードリーダーの枠が余り、カード番号もところどころ穴抜けになっている。
      • 後の解析によりさらなる未使用コースが存在することが確認されており、本来は対応カードがもっと世に出回る予定だったのかもしれない。
      • なお解析で~からわかる通りコース生成データ自体はドットコードに収録されておらず、カードに入っているのはただのアンロック用データとなっている。それでもWiiU用VCで補完されることはなかった。
  • 元々のハードであるGBAシリーズではそこまで問題にはならないが、Wii Uのバーチャルコンソール版などではそのハードのコントローラーの十字ボタンの出来しだいで出しづらくなっている場合がある。
  • 続編として『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』が発売されている。
    • 『2』では操作キャラがミニマリオへと変わり、本作のミニマリオステージと裏ステージを射影した全く異なるゲームシステムになっている。
      以降、マリドンシリーズは本家ドンキーコングとのシステム面での差別化を図ったのか『2』のシステムが基準となり、もはや「ミニマリオvs.ドンキーコング」シリーズとも言うべき道を歩む事になった。
    • 『2』以降のシステムは、既存のマリオシリーズでは『マリオとワリオ』に近い。
  • 「Nintendo Direct 2023.9.14」において、本作のリメイク版が発表され、2024年2月16日にNintendo Switchで発売された。
    • グラフィックが一新されており、新たにキノピオを用いた2人協力プレイも追加される。
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最終更新:2024年02月16日 10:58