THE KING OF FIGHTERS '96

【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃしっくす】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 アーケード(MVS)
発売・開発元 SNK
稼動開始日 1996年
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2011年2月15日/926ポイント
アーケードアーカイブス
【PS4/One】2017年8月10日/823円(税8%込)
【Switch】2017年12月28日/823円(税8%込)
判定 なし
ポイント システムを大幅転換、後のシリーズの基礎となる
KOF独自の脚色と設定が強まる
投げキャラ最強説
KOFシリーズ関連作品リンク


ストーリー

「KOF'96」大会は以前のような謎めいた大会ではなく、
巨大企業数社のスポンサードによる全世界的スケールのメジャー大会となっていた。
世界各地で予選大会が開催され、強豪を制した9チームの中には、当然のようにかつてのKOF常連達が顔を並べ、
公式試合による実力試しを楽しみにしていた。

しかしながらその中には驚きを隠せないメンバーによるチームも存在した。
「ギース・ハワード」「ヴォルフガング・クラウザー」「Mr.BIG」。
かつて世界の覇権を握ろうとした3人による恐るべきチーム。 やはり彼らの目的はボガード兄弟と極限流空手伝承者の抹殺なのか?
そして、謎の女達とチームを組み、再び出場する「八神庵」…
古代よりの因縁が渦巻く「草薙京」との勝負の行方は如何に。

ついに公式大会として開催される「KOF'96」であったが、既にその頭上には暗雲が垂れ込めていた……。


概要

『餓狼伝説』『龍虎の拳』『怒』『サイコソルジャー』等のSNKゲームの人気キャラが一堂に集まった、オールスター対戦格闘ゲームシリーズの3作目。
KOF'95』から開始された「オロチ編」と呼ばれるストーリー展開に本腰が入ったバージョンでもある。

シリーズとしては初めて、レギュレーションがゴッソリ変わった作品である。ベースのシステムだけでなく、キャラクターのグラフィックや技のモーションが平年より多めに書き直され、前作とは通常技・必殺技ともかなり性能が違っている。

キャラクター

  • 9チーム+ボス2人で合計27人。前作より3人増加。
  • 前作からのプレイヤーキャラクターはビリー、影二、タクマ、ハイデルンと男性4人が不参加で、代わりに4名の女性が参加。内3名がKOFオリジナルキャラ。
    • 龍虎外伝』に登場した藤堂香澄に加え、ハイデルンの養子のレオナ、ルガールの秘書であるマチュアとバイスが新たに参戦。
    • また、『餓狼伝説』のギース・ハワード、『餓狼伝説2』のヴォルフガング・クラウザー、『龍虎の拳』シリーズからはMr.BIGと豪華なメンツが新たに「ボスチーム」の名前で参加している。「Mr.BIGはボスじゃない*1」というツッコミは禁句。そもそもチーム名がラスボスに限定されるようなラスボスチームではないし、中ボスもれっきとしたボスの一つである。
    • 前作まではルガールが連続でラスボスを務めていたが、本作はラスボスと前座である中ボスの2枠が総入れ替えとなった*2。このうち中ボスの神楽ちづるはKOF初の女性のボスとなった。
    • この作品以降「年に1度のKOFの開催」は作品世界だけでなくファンの間でも常態化していった。
      参加メンバーの入れ換えに関する悲喜こもごもは事前情報で少しずつ明るみに出て、ストーリー上での開催前夜と同様に、現実でも稼働前からお祭り気分が盛り上がっていったものであったのだ。
+ 登場キャラ

* 印は前作と比較しての新キャラ

主人公チーム 草薙京 二階堂紅丸 大門五郎
餓狼伝説チーム テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー・ヒガシ
龍虎の拳チーム リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア ユリ・サカザキ
怒チーム レオナ・ハイデルン * ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル
サイコソルジャーチーム 麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎
新・女性格闘家チーム 不知火舞 キング 藤堂香澄 *
キムチーム キム・カッファン チャン・コーハン チョイ・ボンゲ
八神チーム 八神庵 マチュア * バイス *
ボスチーム ギース・ハワード * ヴォルフガング・クラウザー * Mr.BIG *
中ボス 神楽ちづる * (家庭用でのみ使用可能)
ラスボス ゲーニッツ * (家庭用でのみ使用可能)

前作からの変更点

※前作から大きく変更されたもののみ抜粋。

  • 「攻撃避け」から「緊急回避動作」へ
    • 短時間投げ以外に対し全身無敵になるアクションが、攻撃避けから前後の緊急回避(前転・後転)に変更され、打撃への無敵時間を持ったまま前後の移動が出来るようになった。ただしこれは打撃にも終始無敵ではなく、途中で切れるので無闇に使うと却って隙を晒すことになる。
    • 例外として大門とクラークの二人だけは、BCD同時押しで攻撃避けを出すことが可能(カウンター攻撃は出せない)。その結果とある問題が生じることにもなったが…(後述)
  • 「一足跳び」からダッシュへ
    • 前ダッシュが一足跳んで素早く距離を詰めるステップ動作から、走って距離を詰めるラン動作(レバーを進行方向に入れている限り持続する)に変更*3
  • ジャンプの属性分け
    • 大ジャンプコマンドがレバー上のチョン入れから、レバー下要素→上要素に変更。
      今までの大ジャンプコマンドは小ジャンプに変更され、複合の下要素→上要素チョン入れで中ジャンプと4種類のジャンプが出来るようになった。
    • 前ダッシュ中の前方ジャンプは自動的に中ジャンプもしくは大ジャンプに変化する。
  • 空中ガードの追加
    • 他の格闘ゲームと同様、空中技や飛び道具などをガード可能。ただし前方ジャンプ中は空中ガードできない。
  • ダウン回避の追加
  • 飛び道具の大幅弱体化
    • 近接打撃での攻め合いを重視したゲーム性にするために、多くのキャラの飛び道具が画面端まで届かなくなったばかりか、キャラによっては出した直後にその場で消えたり、あるいは単なる打撃エフェクトになる形で全く飛ばなくなった。
      • このことから、まるで『ストリートファイターZERO』のダンの我道拳のようだと揶揄されることもある。また、同社としては、『龍虎の拳』シリーズにおいて、「気力ゲージがコスト分ない状態で必殺技を出すと弱体化」という仕様があり、飛び道具の場合は飛ばなくなっていたため、一部ではこれを彷彿とさせるような意見も。
      • すぐ消えるキャラについてはオーラを弾けさせるようなエフェクトになったため、リーチこそ短いが攻撃判定だけは従来よりもやや大きめになっている。
    • しっかり飛ぶ飛び道具を持つキャラは庵・アテナ・拳崇・クラウザー・舞、超必殺技に戻った龍虎の拳チームの「覇王翔吼拳」のみとだいぶ少なくなっている。
    • シリーズの主人公・草薙京は飛び道具を完全に失ったが、代わりにテクニカルな追加技を多数持つ必殺技を手に入れ、ラッシュ重視のキャラへと大きく変更されている。
  • 特殊技の廃止
    • 中段技や多段技と言った性質を持つ、レバー入力+ボタンで出せる技が無くなった。
    • 次回作以降では復活している。
  • ガードクラッシュの追加
    • 攻撃をガードするとガード弾き値が蓄積。値は時間とともに減少していく。
    • ガード弾き値が一定以上溜まってしまうとガードクラッシュが発生し、一定時間無防備になる。また、パワーMAX状態だった場合は解除されてパワーゲージが空になる。
  • ガードキャンセルの仕様変更
    • 前作で待ちを助長させる要素となっていたが、今回はパワーMAX時限定・かつ必殺技によるキャンセルが不可能に。
      本作のGC緊急回避はMAX状態でなら何回でも可能で、MAX状態を打ち切る副作用はない。
  • パワーゲージMAX時の仕様変更
    • 1.5倍となっていた攻撃力補正が1.25倍に変更。代わりに攻撃で与えるのけぞり時間が若干増え、連続技が入れやすくなる。
      • 攻め合い重視ですぐラウンドが終わってしまう事象を防ぎたかったのかは不明だが、のけぞり時間延長の効果によりパワーゲージMAX時限定の永久・即死連続技を持つキャラもいる。
    • 「体力ゲージが赤く点滅した状態で、パワーゲージをMAXまで溜めて超必殺技を放つ」と技が若干変化し、より威力の高い「MAX超必殺技」が出るようになった。
      • 餓狼伝説シリーズの「潜在能力」、龍虎の拳シリーズの「隠し必殺技」に近い概念。ほとんどの技は演出が変化し、ヒット数と威力が強化されるだけだが、もちろん技の性質や性能に変化があるキャラ(テリーのトリプルゲイザーや鎮の轟欄炎炮など)もいる。特に庵のMAX超必殺技は初見で多くの人にトラウマを刻み付けた。
      • 過去作でも体力ゲージ点滅かつパワーゲージMAX状態で超必殺技を出した場合は威力が劇的に上昇していたが、技の演出や性質は特に差別化されてはいなかった。
    • MAX状態の持続時間が専用のタイマーゲージで視認できるようになった。なお、持続時間はパワー溜めでMAXにした場合は20秒、それ以外の場合では8秒とどちらも増加している。
  • クリティカルヒットの追加
    • はっきりとした効果は不明だが、特定条件下で与えるダメージが微増する。
    • 『'94』で1P側のハイデルンのムーンスラッシャーが相打ち時に威力が上がるバグをヒントにシステム化したものと思われる。
  • カウンターヒットの追加
    • 相手が必殺技を出している間(ゲージMAX状態では通常技も対象)にダウンする攻撃を当てると、当たり判定を残したまま相手が吹き飛び、追撃が可能になる。発生時は発生させた側に「COUNTER」のテロップが表示される*4
      • 例えば通常では1ヒットの対空技が2ヒットする、画面端の相手にふっとばし攻撃がカウンターヒットするとキャンセル超必殺技が繋がる、など、読み勝った際により攻撃的なチャンスが広がるシステムとなった。
  • 援護攻撃に相性度という概念が追加
    • つかみ技や気絶などで身動きが取れないキャラをサポートするための援護攻撃の発動に、相性という条件が追加される。
      • 例えば、京が出ていると大抵のキャラは援護してくれるが、ライバルの庵だけは当然絶対に援護に行かない。アテナが出ていると彼女にベタボレな拳崇は必ず援護攻撃を行う、チャンとチョイは修行でしごかれているせいかキムを絶対に援護しない等。
    • この要素を付加したことにより、キャラ設定がより一層引き立つようになった。
    • 実は前作の時点で少ないキャラに概念が存在しており、京と庵は互いに援護をせず、柴舟はルガール以外を援護せず、ルガールは柴舟とキム以外から援護されず、ルガールは誰の援護にも行かないという仕様があった。
  • コマンド体系の統一
    • 飛び道具系は236、対空技は623、突進技は41236、超必殺技はこれらの複合…といった具合に、同系他作品の標準に近いコマンド系に統一された。
    • SNKの格闘ゲームは、他社の同ジャンルのゲームと比べて奇をてらったコマンドが多い傾向にあるのだが、本作はこれによりキャラごとの操作を覚えるのが比較的楽。ひいては、他のキャラを使うにあたってのハードルが少し下げられたと言える。
      • 例外的にギースのレイジングストームは特徴的なコマンドとしてそのまま続投した。
        後に『リアルバウト餓狼伝説2』でコマンドが変更された際は不評があったため、本作でこのままにしたのは良かったとも言えるが…*5
  • 投げ技外しの追加
    • 例外的にジョーの膝地獄などのつかみ技は投げ技外し不可能となっているが、こちらは援護攻撃で妨害できる。
  • その他の変更点
    • 一部必殺技の出掛かりにガードポイントがあり、敵の攻撃を防御しながら攻撃ができる。『龍虎の拳2』の一部の技にあったものと同様。
    • 気絶値の回復が大幅に遅くなり、気絶しやすくなった*6
    • 挑発がレバーニュートラルでなくとも出せるようになり、硬直時間が短くなった。
    • 使いにくかった餓狼キャラのしゃがみ歩きは廃止された。
    • 超必殺技コマンドはボタン同時押しを使わなくなった。このため同時押し漏れによるコマンドミスや、ネオジオCD版におけるパッド操作でのボタン配置に難儀することがなくなった*7
    • コンボ(連続ヒット)発生時にヒット数がカウントされて表示されるようになった。

問題点

  • ゲームデザインの大幅な変更による戸惑いの多さ
    • 過去作から続投しているキャラも性能が根本から変わってしまい、特に全キャラが飛び道具を持つ餓狼・龍虎チームなどの古参組を使うプレイヤーには苦しかった*8
      • ボスチームに関しても過去作品から離れて独自性を打ち出す方針で作られたせいか、どのキャラも原作で使用していた人ほど違和感を覚えるアレンジがされている。特にMr.BIGは全くの別キャラ*9といっていい。
      • 反面、どうも似たような性能ばかりの波動昇龍系の差別化が顕著にはなり、没個性を避けることができたというメリットも一応はある。
    • それに対して、草薙 京は本シリーズの主人公でありながら性能面においては既に量産されつつあった波動昇龍キャラの1人で目立っていなかったため、彼については本作の多数の派生入力による連係を駆使したラッシュキャラへの転向は好評寄りではある。
      • 実際これ以降も京は、裏キャラやクローン版を除けば、このラッシュキャラの方向性で固定されている*10。本作で京独自の性能と戦い方を確立させたと言っても過言ではないだろう。
    • 他、ダッシュ&小・中・大ジャンプ、前後の緊急回避を軸とした動きが以降のKOFの基本となったことから、それなりには受け入れられたようだ。
  • 必殺技が妙に出にくい
    • コマンド受付に癖があるらしく、ナナメ方向を少し長く入力しなければならない。他の作品と同じ感覚で出そうとするとかなり失敗する。
    • 続編『'97』ではこの反省からかコマンド受付が緩和された(しかし逆に緩く「されすぎた」せいで逆の問題が生じてしまったのだが...)。
  • 前作から相変わらずキャラバランスが不安定
    • 鎮・庵・クラークが当時のゲーメストでも上位とされている強キャラ。
      • 鎮は新技「望月酔」の性能が良すぎる。
        これはその場で寝るだけの所謂構え・特殊動作技なのだが、ここから出せる派生技が強力な上に、寝ている間は食らい判定が小さくなる*11上に移動しながら相手を追い詰めることもできる出し得技。多くのキャラは寝ている鎮相手に対処できないために詰んでしまう。
        それを抜きにしても、体力点滅時に超必殺技「轟欄炎炮(C)」を乱発するのも非常に凶悪で、キャラによっては対処が難しい。
        また二段技のジャンプCや、判定が強くやたら攻撃判定の持続時間も長い空中ふっ飛ばしを持ち、小ジャンプから出すだけで固め・暴れ能力も地味に高い。コマンド投げは持っていないもののつかみ投げはあるおかげで同キャラや後述する攻撃避けを持つ大門とクラークにも対処できる点も見逃せない強み。
      • 庵はコマンド投げを持つ+各種必殺技の隙が全体的に小さい+火力が高いなど、基本性能が高く、難易度は高いが屑風→ダッシュC→屑風…という永久コンボを持つ。
        また、飛び道具弱体化が激しい本作において、何故か庵は画面端まで届く地面を這う飛び道具「闇払い」が修正されずそのまま残されているため、鎮の望月酔に対応しやすいという点も大きい。
      • クラークはシステム上優遇されているコマンド投げ(詳しくは後述)を複数持つ所謂「投げキャラ」な上に、そのコマンド投げの性能が非常に高い。コマンドが出しやすいのに間合いが広く、追撃のフラッシングエルボー込みで3セット決めるだけで確実に相手は死ぬほどの威力。そのうえ通常技の性能も高いので、相手をおとなしくさせるのも容易。
        ちなみに上述したフラッシングエルボーの威力の高さのため、超必殺技のウルトラアルゼンチンバックブリーカーをかけるよりスーパーアルゼンチンバックブリーカー→フラッシングエルボーを入れる方が威力が高い(!)。
        ただし、相手が紅丸の時のみ、対クラーク限定の永久を貰う恐れがあるという些細ながら無視できない欠点もある(それでも強キャラの地位は揺るがないが)。
    • マチュアは地上ふっ飛ばし攻撃や(キャンセルも含めた)突進技のメタルマサカーの使い勝手がかなり良い。メタルマサカーの台詞「殺してあげる!」も合わさり印象に残ることに。弱点は地を這う飛び道具・地に足がついた足払い・コマンド投げ・つかみ投げのうちどれも持っていないせいで、先程紹介した鎮を相手にすると対抗手段が無く、ほぼ詰んでしまう点。
    • チョイは多段ヒットするめくりジャンプCや飛翔脚の使い勝手が良い。
    • チャンは鉄球大回転の性能が良い*12。新たに身につけた広い間合い+高威力と良いところが揃っているコマンド投げである大破壊投げや小中ジャンプふっ飛ばし等も、元からの性能の高さに加えてシステム上優遇されていて強力。カウンターヒットとも相性が良い。弱点は対大型キャラ限定の連続技を食らいやすい事で、後述するギース等を相手にすると厳しい。
    • 大門はキャラ性能自体はそれほど変わっていないが、システム変更により強力なふっ飛ばし攻撃とコマンド投げの脅威が増し、強キャラに。地雷震とコマンド投げのおかげで鎮へ対抗できるのも強み。
      • 大門とクラークの2人は攻撃避けが残されているのだが、攻撃避けの最中にも「投げ外し」を受け付けてしまうため、コマンド投げorつかみ投げを持たないキャラは、体力をリードされた後に『攻撃避け中に投げ外しのコマンドを連打で仕込む』のを繰り返されると完全に詰んでしまう*13
    • 紅丸は平均的な性能だが、対クラーク限定の永久連続技を持つ(移植版では不可能)*14
    • クラウザーは体力点滅時に伝家の宝刀・カイザーウェイブを連発する戦法がそれなりに強力。緊急回避動作は終わり際にわりと大きな隙があるため、キャラによっては避けきることは難しい。コマンド投げと本作では貴重な画面端まで飛んでいくしっかりとした飛び道具をゲージ無しで出せる必殺技に揃えている点も見逃せない強み。
      • ちなみに本作のカイザーウェイブは、必殺技クラスの飛び道具は勿論のこと、本作ではなんと覇王翔吼拳といった本技以外の超必殺技クラスの飛び道具まで一方的に貫通してしまう。『餓狼伝説スペシャル』でただでさえ出すのに時間を要するタメコマンドな上に失敗するとジャンプまでして隙を晒すリスクが高い技であるクセして、山田十平衛のせんべいを含む必殺技クラスの飛び道具と相殺されたあの見るも無残なカイザーウェイブとはなんだったのか...さらに、詳細は後述するが、ラスボスのゲーニッツが出す設置型飛び道具「よのかぜ」をも一方的に貫通することができる。加えて必殺技にも画面端まで飛んでいくブリッツボールもあるお陰で他のキャラよりもゲーニッツをパターンにハメやすく、CPU戦をクリアしやすいキャラの一人とも言える。
    • 逆に、当時のゲーメストで弱キャラとされたのはテリー、バイス、ギース。
      • テリーとギースは通常技や必殺技が使い辛く、飛び道具弱体化の影響を受けている点が*15、バイスは所謂大門やクラークと同じく「投げキャラ」に分類される、システム上でも強いコマンド投げをそこそこ持っているキャラなのにその性能が他のキャラのものよりやや劣っていたり、何より投げを仕掛ける起点にする為の通常技の性能が悪い点などがそれぞれの理由として挙げられる。
      • これらのキャラで上位キャラを相手に勝つのは難しい。ギースは特定の状況下でジャンプCの永久コンボがあり、バイスも後述する超必殺投げを利用した自動二択があるがそれでも厳しい。
      • また、本作では香澄も当て身投げ系の技を使えるが、身長差によるキャッチ判定の違いによるものか、香澄では取れてギースでは取れない技もあったり(庵の八稚女・マチュアのメタルマサカーなど)と、元祖当て身投げキャラの面目丸つぶれである。
    • 本シリーズにおいて無欠ではないながらも「バランスがいい」と評されるには、『'98』を待つこととなる。
  • コマンド投げが強すぎる
    • 本作のコマンド投げは一般的な格ゲーと違い、「のけぞりモーション中の相手をいつでも投げられる」「ジャンプし始めを投げられる」「スカりモーションが無い」などの強力な特徴を持っている。
    • 2番目を利用したテクニックとして、何かしらの技をガードさせてそのモーション中に超必殺コマンド投げのコマンドを完成させ、コマンド最後のボタンを押しっぱなしにしておくと、相手が投げられる状態になると同時に超必殺投げが成立する、というものがある。
      超必殺技の成立猶予時間が長いことを利用した自動二択で、結構タイミングを計る必要があるが、完璧に行えば直前の技がガードされようがヒットしようが超必殺投げが確定する。ちなみに通常必殺技は超必殺技より成立猶予時間がずっと短いため、自動二択は不可能。
    • 一方『'95』まで可能だった「投げキャンセル」はできなくなった(コマンド投げが成立しない場合は、通常技のモーションもキャンセル不可能)。
      • この頃は知られていなかったのだが、レバー後と斜め後を連続で入力するいわゆる「屈伸ガード」が『'96』でも使えたというのが現在では発覚している。
        これはゲームの仕様である「のけぞりモーションは投げられるが、ガードポーズを取っていると投げられない」「上下ガードを切り替えると、相手の攻撃判定が出ていなくとも一定時間ガードポーズを維持する」という2つの仕様が合わさり、屈伸している間ガードポーズを取り続けるので投げを回避出来るというもの。
        ただし下段技や中段技を出されると1/2の確率で引っかかってしまうため、そこまで含めての読み合いとなるのだが。
        また同様に『'98』辺りから浸透する「立ちガードリバサハイジャンプ」(レバー後でガード→真下or前斜め下→上要素でジャンプし始めを飛ばしてジャンプが可能になる)も『'96』から使えた事が判明している。
  • ふっ飛ばし攻撃が強すぎる
    • 本作ではC+Dで出せる地上ふっ飛ばし攻撃は、総じて発生が非常に早いうえに強判定・キャンセル可能という仕様のため、ふっ飛ばしを出しておき、ガードされたらキャンセルして隙の少ない必殺技に繋ぐという固めが非常に強力なキャラが多数いる。キャラ同士の相性によっては、これだけで地上戦での動きを著しく制限される事態になる。空中版ではキャンセルで繋げないものの、空対空・空対地問わず猛威を振るう性能の物も多い。しかも後のシリーズとは異なり中段判定となっている為、しゃがみガード不可。
      前作ではガードキャンセルが全体水準で猛威を振るったが、本作ではこのふっ飛ばし攻撃がコマンド投げと並んで「これ一択」と言えるほどシステムの時点で脅威な点が目立ったことがゲーム性の破綻に拍車をかけてしまった。
      • ただ本作は、先程でも記したようにコマンド受付がシビアなせいで必殺技が出にくい仕様となっているため、ふっ飛ばし攻撃以外の通常技が強いキャラと同じくコマンド入力が苦手な人への救済措置という声も少なからずあった。
    • 地上ふっ飛ばしが強いキャラの代表格はマチュア。空中はクラーク・鎮・チャン・Mr.BIG等が強い。
  • 緊急回避が使い物にならない
    • 本作から過去作の攻撃避けに代わって前後の緊急回避(前転/後転)が採用されたが、初登場となる本作のそれはお世辞にも使いやすいとは言えないものであった。主に(打撃への)無敵時間が殆ど無いのが原因。
      このため、緊急回避で相手の攻撃を掻い潜ろうとしても、無敵時間が満足に無いせいで途中で相手の攻撃に引っかかってしまい、却ってピンチに陥ることもしばしばあった。
    • 相手からのラッシュを仕掛けられてる最中などのピンチから脱出する際も同様。しかも本作はガードキャンセルで使える緊急回避も無敵時間が殆どないせいで、例えば、「画面端を背負わされて相手にラッシュをかけられている時にガードキャンセル緊急回避で脱出して立て直そうとしても、無敵時間が切れた瞬間に相手の攻撃に引っかかって再度画面端に連れ戻されてしまい、また修羅場に....」なんていう八方塞がりな状況も珍しくなかった。
      • 前作のガードキャンセルは強すぎたとはいえ、ゲージを払っているのに変わりないのにこの弱体化は行き過ぎである。
        とはいえ本作はそもそもパワーMAXまでゲージを溜めるのもまた極めて困難なのだが.....(詳しくは後述)
    • 次回作以降は無敵時間が少し延長され、状況次第では脱出や相手の隙に付け入る武器として使えるようになった一方で、投げや終わり際が弱点なのは相変わらずで、リスクとリターンが釣り合った理に適ったシステムとなった。ガードキャンセル版は終始無敵になった代わりに、使うとゲージ及びMAX状態を消費及び終了する仕様に変更された。
  • 挑発のせいでゲージが溜まらない
    • 挑発で相手のパワーゲージを減らせるのは同社の『龍虎の拳』シリーズや前作までの本シリーズと同様だが、本作の挑発は特に強く、相手のゲージを減らしやすい上に動作をいつでもキャンセルできるせいでローリスクという破格の性能。
      これにより、ある技で吹っ飛ばしてダウンを奪ったりした隙に挑発もセットで行い、相手がパワーMAX状態になるのを防止する戦法が地味ながら強力で横行した。
    • このせいで上級者同士の対戦ではパワーMAX状態が終始全く拝めないなんていう光景も珍しくなかった。
      • 本作では新たに演出も変化するMAX超必殺技が初登場したが、前述で記したように挑発のせいで出す条件の一つとなっているパワーMAX状態になれないようでは使いたくても使えない。これでは折角のMAX超必殺技も対戦で日の目を見ないままである。
    • この影響もあってか、次回作以降は基本的に挑発で相手のゲージを減らすことができなくなっている。
  • キャラクター性の変更
    • 先述したように、客演キャラクターの飛び道具が飛ばなくなるなど技の演出や性質が出典から大きく変更され違和感を覚える人も多く見られた本作だが、セリフや技などの演出などにおいても、KOF独自の脚色が目立って見られるようになった。
    • 本作以降のKOFシリーズにおいてキムチームと『龍虎の拳』勢(特にユリ)は完全にギャグ担当になっている。また、一部キャラの技にもパロディが含まれている。KOF初登場のMr.BIGや後のシリーズで復活するタクマなども、この例に漏れずギャグ/ネタキャラ寄りの脚色が前面に出ている。
    • ジョーは本作から『'98』まで挑発の際*16、背を向けトランクスを脱いで尻を出す動作をするようになり、やはり変な方向にギャグキャラ化の一途をたどるはめに。
      • 先程にも記したように本作は相手をダウンさせた後に挑発でゲージを減らす行為がセオリーだった。幸い挑発をキャンセル出来た仕様だったが、おかげで「ジョーと言えば尻出し」と言う印象まで植えつけられる事になってしまった。初代餓狼伝説ではギースからハリケーンアッパーのジョーと呼ばれていたのに…。
    • クラウザーにスープレックス系のコマンド投げやドロップキックもどきが追加され、半プロレスキャラに転向することに。
      • これの影響か、本作以降に登場した餓狼本家シリーズでは異常なほどに筋肉が発達したムキムキなキャラクターになっている。
      • もっとも、元々クラウザーはかつて「カール・クラウザー」というリングネームだった往年のドイツ系名レスラー「カール・ゴッチ」がモデルで、そちらの格闘スタイルもゴッチ氏を信奉するいわゆるUWF系と呼ばれるプロレススタイル(ただゴッチ氏自身はプロレスはレスリングであるべきと言う考えで、キックには批判的であった)に近いものがあったと言う事も追記しておく。どの認定かは不明だがチャンピオンベルトもつけている。
  • ラスボス・ゲーニッツの鬼畜ぶりはファンの間で今でも語りつがれている。
    • 彼のみ超必殺技が常時使用可能という反則仕様
      • 意図的にボス仕様らしくしたとも推測されているが、使用するとゲージ自体は空になる*17事から、設定ミスではないかとも言われている。このせいでせっかく近寄ったと思ったらゲージも溜まっていないのに投げ超必殺を食らうという理不尽な光景が度々見られた。
    • 超必殺技抜きでも「よのかぜ(ЁНОКАЗЭ)」(通称・ここですか?)が嫌らしく、自分から一定距離の4か所の任意の場所*18に飛び越え不可能な竜巻を発生させる物で、下手に防御できない動きをするとこれで弾き返される。
      • また、うかつに飛び込めば「いかがです?」*19と結局餌食になる。
      • さらには画面端でダウンさせられた際に絶妙な距離に立ち、起き上がる前に「ここですか?」を重ね、ガードしても硬直が解けた瞬間「お別れです!」*20を延々とする、いわゆる「ハメ技」を使ってくる。キャラによってはパワーゲージMAXでのガードキャンセルでも反撃や回避ができず完全に詰む…と言われていたが、現在は前述の屈伸ガードやリバサハイジャンプで回避可能なのは発覚している。
    • こんな強さのため、ゲーニッツのボイスの「ここですか?」や「お別れです!」などが耳に残っている方も多いだろう。
    • ちなみに移植版ではプレイヤーも使用可能だが、プレイヤーが使うと技の性能が微妙すぎてCPUほどの強さは無い。
      • 超必殺技が常時使用可能なのはプレイヤー操作でも同じだが、通常技のリーチが極端に短く、必殺技はかなりの先読みでないと対空に使えず、超必殺投げもコマンドが重複している関係で失敗すると死に技が暴発してしまうため使い勝手は良くない。さらにキャンセルで連続技になる必殺技はコマンドの長い超必殺投げしかない。しかもプレイヤー使用時は攻撃力が激減し、必殺技の竜巻を当てても数ドットしか減らないほど。やはりCPUの超反応ゆえの強さだということが解る事例であった。
    • 庵やクラウザーなど、画面端まで届く飛び道具があるキャラならばかなり安定して倒せる方法があるが(加えてクラウザーは超必殺技のカイザーウェイブで唯一、ゲーニッツのよのかぜを一方的に貫通まで可能)、飛び道具の大幅な仕様変更のため、自分の得意キャラの関係でこれを持たないキャラのみで編成するケースが多いのもゲーニッツの強さを助長した面もある。
    • ゲーニッツの陰に隠れがちであるが、中ボスのちづるも攻略法を知らないと超反応+圧倒的な攻撃力でねじ伏せられるためかなり凶悪である。
      • ただちづるはとにかく何でもかんでも反応が早すぎることを逆手に取り、「小技で何かしらの技を誘う→迎撃」のパターンに非常にはまりやすいためゲーメストでも「慣れればただのザコ」と評されていた。
      • またコマンド投げを持つキャラなら、待って近づいてきた所を投げるだけで簡単に勝てる。テリー・アンディ・鎮・チョイ・ギースに至っては特定の必殺技を出し続けるだけでパーフェクトが取れる。
    • ただこれでもCPU戦全体の難易度は、後述の評価点で詳しく述べるが、前作までよりは良心的になってはいる。
      • というのはゲーニッツの鬼畜ぶりに隠れがちだが、ボスが理不尽と感じるくらいに強すぎるのは前二作にも言えたことであり、更に前作まではボスに辿り着くまでの道中も、初っ端から超反応でやや理不尽と感じる難易度だったためである。
  • キングとユリの脱衣KOがまさかの廃止。
    • 確かにこの演出を不快に感じていたプレイヤーや女性・子供層への配慮という意味で仕方ないという意見はあるが、そもそもこの演出は龍虎原作から実装されていたものであり、原作再現という面もあったため非常に残念な限りである。
    • この脱衣KO演出が復活するのは『XIII』まで待つ事になる*21

評価点

  • 対戦相手により、僅かながらも試合開始前にキャラ同士で掛け合いが発生するようになった。
    • 「らしい」掛け合いが多く、特に京と庵の「因縁の対決」は今後のシリーズでも内容を変えながら続いていくことになる。
  • 非常にクオリティの高いBGM。
    • 特に主人公チームのテーマ「ESAKA?」は静寂からのハイテンポなギターが評価が高い。
      • 本作以降もたびたびアレンジされ続け、KOFを象徴する1曲となった。
    • 他にも、同様にKOFを代表する八神チームの「嵐のサキソフォン2」、不動の人気を持つ「ギースにかたこり」、タイトルらしからぬ激しい曲調を持つちづるの「FAIRY」、堂々としたサウンドが特徴のゲーニッツの「TRASH HEAD」など名曲が多数。
    • アレンジ版ではフュージョンにおいて有名なミュージシャンが何人か演奏に参加していた。
    • クラウザーのBGMのみ『餓狼2』からの使い回しだったが、元々評価の高い「レクイエム 怒りの日」のアレンジだったこともあり批判はほとんど無かった。
  • 新しく描き直されたグラフィック。
    • 全キャラが描き直された結果、『'95』より色味が若干明るくなり、枚数も増えて動きが豊かになった。
    • 背景も少しの使い回しこそあるが、クオリティは非常に高い。巨大企業のスポンサードによる全世界的スケールのメジャー大会らしい賑やかな雰囲気が出ている。
  • やり応えのあるストーリー。
    • ゲーニッツに敗北しふたたび立ち上がる京、レオナを迎えた怒チーム、庵の元に現れたルガールの秘書のマチュアとバイス、突如参戦したボスチームなど、プレイヤーを楽しませる様なストーリーが揃っている。
  • CPU戦の難易度が(ボスを除いて)緩和された。
    • KOFに限った話ではなく当時のSNK製/ネオジオで発売されていた格闘ゲーム全般に見られた・問題視されていた光景だが、過去作ではCPUが序盤から超反応で強いせいで、入門プレイヤーの敷居を上げてしまっていた。
      しかし本作では遂に見直され、強すぎず弱すぎずの絶妙なアルゴリズムに落ち着いている。
    • 勿論、問題点の項目で述べたように本作もボス(本作はちづる、ゲーニッツ)がやや理不尽とも感じるくらいに強すぎるものの、幸い攻略パターンはあるので、それを踏まえて練習を積んで慣れれば倒せないということはない。

その他

  • 前作や前々作ほどではないがバグが多い。
    • 素早く6676か6673(最後の方向は入れっぱなし)と入力すると、バグで後ろダッシュができる(前ダッシュグラフィックで後ろに進む)。
    • クラウザーのブリッツボールを上下ともに放ち続けていると、バグで筺体リセットがかかる。
    • 舞の垂直ジャンプDは何故かヒットさせても1ドットしかダメージを与えられない(パワーMAXでも1ドットしか減らない)。
    • キムのC投げをチョイに決めると、何故かダメージが2倍になる。
    • Mr.BIGはバグできりもみやられの吹っ飛び時に食らい判定が存在している為、チョイの真!超絶竜巻真空斬が2ヒットしたり、大門の「(画面端で)天地返し→雲つかみ投げ」等彼専用の連続攻撃が存在する。
    • 超必殺技が出せない状況(パワーMAX未満かつ瀕死ではない状態)で、特定の通常技(ふっ飛ばし攻撃含む)を出している間に超必殺技のコマンドを入れると、その通常技の攻撃判定が何故か復活し再度ヒットするようになる謎の現象が存在する(例:リョウの近距離立ち強P、庵のふっ飛ばし攻撃etc.)。
      • 本作のコマンド入力はボタンを押した時と離した時の両方で判定される(カプコンのストリートファイターシリーズに似た仕様)。
        その為、通常技の判定リセットバグと組み合わせ、判定の強い技(例:チャンのふっ飛ばし攻撃etc.)をガードさせる際、「攻撃→超必殺技コマンドでボタン押し・同離し」とすると、一度で3回ガードさせるなどの強力なガードクラッシュ誘発連携が組めたり、連続技になったりする。
      • 技そのものは通常技のため、元々キャンセル可能な技の場合は多段化した上でキャンセルできる。キャラクターによっては非常に強力。
    • アテナのシャイニングクリスタルビット(以下SCB)の終わり際に特定の投げ技やつかみ技を決めると「画面外まですっ飛んでいく」「途中ですっぽ抜ける」「つかみ技を食らっているのに行動できる」などのカオスな挙動になり、技によってはダメージが増減したりダメージ自体が無くなったりする。
    • アテナがSCBを出している間に攻撃を食らい、ビットが消える前に再度SCBを出すと硬直がすぐに終了し、ビットを付けたまま行動できる。
      • この状態からSCBを出すとビットの二つ目が付くが、先に使用したビットが消滅すると再び硬直が解けるという現象が起こる。
    • バグではないが、CPUの起き上がりにキャラの後ろ半分辺りに飛び道具を重ねると、何故かガードしない。

総評

前作『'95』が『'94』路線を継承したものであったのと比べ、抜本改革ともいえる本作のシステム変更は、当時は批判の対象でもあった。
というのも、出場キャラクターたちはみなKOFだけに出ているわけではないのだ。例えば「飛び道具が飛ばない」「技コマンドが違う」などといった仕様の変更は、それこそ元シリーズからのユーザーに受け入れられたとは言えない結果になっている。

だが、戦いが膠着状態に陥ることの多かった前作までの反省を活かして「攻めて勝つ」ゲームを作ろうと試み、そのきっかけを作った功績は大きい。そしてそれは後のシリーズ作品の基礎として長く受け継がれていく。
「崩れバランスで安定している」とすら言われるほどの本シリーズではあるが、そもそも出発点はお祭りゲームである。ハマる人はハマるだろう。


その後の展開

翌年発売の『KOF'97』は本作での失敗を反省し、練り込み不足だった新システムの数々を原型は残して活かしつつも、改善して発展させ、後の礎とも言えるほどの完成度を見せつけて定着させた。まさに「失敗は成功のもと」と言えるだろう。
一方でキャラバランスにまだ問題が残っていたり、本作とは逆に必殺技の暴発が多発してしまうようになってしまった操作性など、課題は残ったものの、前述の完成度の高いシステムや『'95』から続くオロチ編の完結編である熱いストーリー展開は好評を博し、シリーズを大いに盛り上げた人気作となった。


家庭用移植

オムニバスソフトはSNKプレイモア、それ以前はSNKが発売元である。
一部の機種ではちづるとゲーニッツが裏技で使える。

  • ネオジオROM版(1996年9月27日発売)
    • MVS(アーケード版ネオジオ)と同一規格ハードである為、当然ながら完全移植である。
    • 2011年2月15日からNG版がWiiのバーチャルコンソールで配信されていたが(要900Wiiポイント)、2019年1月をもって終了。
    • また2011年10月からPS3及びPSPのネオジオステーションでも配信されていたが現在は配信終了。
      • このネオステ版ではPS3版のみオンライン対戦も可能。
  • ネオジオCD版(1996年10月25日発売)
    • 恒例のロードの長さは頂けないが、移植度は(以下の調整と修正点を除けば)ほぼ完璧に近い。またBGMはアレンジ音源になっている。紅丸の対クラーク限定永久や、Mr.ビッグのきりもみ吹っ飛びのやられ判定などの怪現象が修正されている。その他にもCPUキングがサプライズローズ連発をしなくなったり、マチュア等一部キャラのふっとばし攻撃の硬直が長くなるなどの調整も受けている。
    • ROM版では使用不可能なちづる・ゲーニッツが隠しコマンド入力で使用でき、さらに京・庵・ちづるの3名で組むと「三種の神器チーム」のストーリー&ED、ゲーニッツを使用してちづる以外の誰かで組むとゲーニッツ専用のストーリー&EDが追加されている。
      • 実はROM版も途中までは使用を想定していたようで不完全ながらEDまで作られていて、後述のPS2版でようやく使用可能となり日の目を見ることができた。
  • セガサターン版(1996年12月31日発売)
    • ネオジオCD版準拠の移植。拡張RAM専用で、ソフト単体とRAM同梱版が同時発売された。専用のROMを使用した前作に比べるとやや読み込み時間は長くなったが、汎用RAMに切り替えたことでコスト的にはユーザーに優しくなった。RAMの恩恵による容量問題のクリアや高い移植度で、評価は非常に高い。また、必殺技の出しにくさが解消されている。
      また本作と97のBGMはネオジオCD版同様アレンジ音源となっており、PS版と同様の仕様に統一されている。ただ完全とまではならなかったか、CD版やPS版にあった2ラウンド目専用のBGMは一部を除いて収録されていない。
      • おそらくサターンのディスク容量不足が原因だと思われる。コピーガード対策の領域が取られており実際に使用できる容量は600MB未満だったため。
    • なぜかキャラボイスが早口で甲高いなど不自然に劣化している。
  • プレイステーション版(1997年7月4日発売)
    • 移植度はまずまずなのだが、ネオジオCD並みにロードが長いのが最大のネックとされる。
    • ちなみにアーカイブスでも配信されている。
  • ゲームボーイ版『熱闘ザ・キング・オブ・ファイターズ'96』(1997年8月8日発売)
    • タカラより低頭身の「熱闘シリーズ」として発売されたアレンジ移植。本作では前作同様原作から何人かリストラされているが、隠しキャラとしてMr.カラテや暴走庵・覚醒レオナが使用可能になっている。また特定の組み合わせによってゲーニッツ撃破後にイベントが発生する要素が追加されている。
    • 前作同様スーパーゲームボーイに対応しており、SGB使用時は専用フレームの他、ソフト1本で対戦可能で、効果音がSFC音源にグレードアップする。

オムニバスソフト

  • ネオジオ オンラインコレクション ザ・キング・オブ・ファイターズ -オロチ編-(プレイステーション2、2006年4月20日発売)
    • 『95』『97』と共に収録。ネオジオ版のほぼ完全移植である。ネットワーク対戦にも対応していた(2010年サービス終了)。
    • ROMベースではあるがCD版のアレンジBGMも収録。ちづるとゲーニッツが裏技なしで使える。彼らのEDも収録されているが、三種の神器チームEDは未完成だったネオジオ版に準拠しているためかネオジオCD版以降の追加演出が省かれたもの*22になっている。
    • ゲーム本編自体はネオジオ版そのままのシンプルな内容であり、プラクティスモード等は存在しない。コレクション共通仕様として新たにカラーエディットが追加されている。
  • ザ・キング・オブ・ファイターズ ポータブル '94~'98 チャプター・オブ・オロチ(プレイステーション・ポータブル、2010年6月24日発売)
    • 『94』『95』『97』『98』と共に収録。移植度自体は高く、メディアインストールを使えばロードもさほど長くないのだが、先行して発売していた海外版で音ズレの原因となっていたメモリの使用量を最適化するために音源を圧縮したため音割れが激しい(5作共に)という見逃せない劣化部分がある。
    • 先行の海外版と異なり、隠しキャラはネオジオ版と同じコマンドを要するため、『96』ではちづるとゲーニッツを使用できない。
  • 他、NCDにてキャラのインタビュー等を集めたファンディスク『ザ・キング・オブ・ファイターズ'96 ネオジオコレクション』が発売されている。

余談

  • 各種没データについて
    • 未使用の特殊技、必殺技、超必殺技等が没データとして存在する事が解析で判明しており、没データの中でもAC未使用のボイスはサントラに多数収録されていた。
      • 中でも京の「最終決戦奥義 無式」については、設定自体は本作時点で存在しているものの残念ながら実際のゲームでは使用されなかった。庵の「裏百八式・八酒杯」は移植版の三種の神器チームのEDで、ゲーニッツへのトドメとして使われていた。
      • 「無式」「八酒杯」を含むこれらの技の大半は、次回作『KOF'97』で正式に使われる事となったが、声優が変わる前のさとう玉緒氏のファングアローボイスや、リョウやクラウザーの独自の超必殺技など後の作品でも拾われなかった技や動作もあり、没データのみで埋もれてしまった物も存在する。また、チョイの鳳凰脚など、本作の没データ版と『'97』以降で実装されたものとでそれぞれ動作の内容が異なっているものも存在する。
  • 先に発売された『RB餓狼』で死亡したはずのギースが出場した事で、「死んだのになぜ出てる?」といった形で話題となった。しかも『RB餓狼』のキャッチコピーが「さらば、ギース」だったため「数ヶ月前にさらばとかやっておいたのに堂々と最強・最凶のボスチーム登場と売り込むとは」と散々突っ込まれた。
    • これにより、『餓狼1』であったトンデモ設定「ギースタワーから落下し地表に落ちる寸前で必殺技を使い、激突する衝撃を和らげたので実は死んでいなかった」というネタや「あれはギースの影武者だった」などのネタが読者投稿で寄せられた。
    • 一応補足すると、SNKの格闘ゲーム『月華』(遠過去)、『龍虎』(近過去)、『餓狼』(現在)、『風雲』(近未来)の4シリーズは同一の世界の別時代の出来事という設定になっている。例えば若い頃のギースが『龍虎の拳2』にラスボスとして登場したのがこの設定の活用例である。
      しかしドリームマッチである『KOF』シリーズはその時系列には組み込まれてはおらず、「ある程度共通の歴史を持ち共通の人物が存在するパラレルワールド的別世界」という設定になっている。
      • とは言え、そうでなくとも時代設定の離れた龍虎シリーズのキャラと餓狼シリーズのキャラがそれぞれ原作のままの年齢で競演している以上、このシリーズが時間の事に関してだけは完全に原作設定を無視するスタンスなのは一応既に示唆されていた事ではあったが。
    • なお、上記のように『KOF』自体はお祭りパラレルではあるものの、当時は原典での設定をできるだけ尊重しようという気遣いが見られ、ギースの参戦が決まった後に『餓狼』シリーズ本編が急ピッチで進んだ結果ギースが死亡してしまい、「さすがに本編で死亡したばかりのギースを出すのはダメだろう」ということで、その後は両スタッフや『サムライスピリッツ』のスタッフと共にギースに代わるメンバー候補として、Mr.KARATE、天草四郎時貞、秦崇雷、ワイラー、真・獅子王などが候補に挙げられたのだが、最終的に「餓狼伝説チームとギースのみ『餓狼3』と『RB餓狼』の間に相当する時系列」という設定に落ち着いており、同作のエンディングは『RB餓狼』への展開を意識した内容になっている。
      • しかし、続く『'97』では完全に別世界と割り切ってギースがバックストーリーで暗躍することになり、その後も「『KOF』世界のギースは生存している」という設定で押し通されることになった。
    • 一方で『餓狼』本編では死亡扱いとなっているが、後のシリーズでは隠しボスとして再登場し、そちらでは悪夢の中で現れた幻の「ナイトメアギース」と戦うと言う設定になっている。
    • なお、外伝作品である『KOF MAXIMUM IMPACT』シリーズも同様にパラレルであるものの、そちらは『KOF』本編と違いギースが死んだ世界となっており、やはりナイトメアギースとして登場している。
    • 余り突っ込まれなかったが、クラウザーも当時の設定では『餓狼2』の段階で死亡した事になっており、『餓狼3』の時系列なら確実に死んでいる。
      • 後のSNKプレイモア時代に出た公式小説(時系列は『RB餓狼』以降)で生存していた事が判明した為、現在では矛盾はない。
  • 人気の高いボスチームだが、KOFに揃っての登場はおろか、メンバー個々で登場する機会もしばらくないままであったが(家庭用オリジナル作品*23、家庭用移植のゲスト追加は除く*24、2008年に発売・稼働開始した『'98』のリメイク作である『'98 ULTIMATE MATCH』('98UM)にて、実に約12年ぶりの再結成を果たした。
    • このうちクラウザーは家庭用移植のゲスト出場にも恵まれていなかった為、KOFシリーズ全体としての再登場も約12年ぶりであった。が、その性能は登場機会に恵まれていなかった積年の鬱憤を晴らすかの如く壊れ気味で...
  • ボスチームと並んで、本作独自のシステム構成も『'98UM』で追加されたアルティメット(ULT)モードで再現可能な形で復活している。
    • ULTを選び、「ゲージ:EX、移動:ダッシュ(ラン)、回避:緊急回避」の組み合わせにすると本作準拠のシステムの再現ができる。
  • 当時流行っていた『新世紀エヴァンゲリオン』のパロディと思われる事象がいくつか見られた。
    • ユリの挑発や勝ちゼリフ、レオナの容姿、暴走するキャラや庵のMAX超必殺技etc...。
    • 後の開発者(レオナのデザイナー?)のインタビューでは、『エヴァなんて全く知らない』と言っていたが…。
      • 『'94 RE-BOUT』特典冊子内のこぼれ話によると「綾○でお願いします」と依頼されたとのこと。
  • またカプコン製格ゲーが元ネタになっていると思われる動作もちらほらと見られる(例:リョウの虎煌拳が我道拳のようになったり*25、MAX版龍虎乱舞のフィニッシュ時の虎砲のモーションがケンの神龍拳にそっくり。ジョーのジャンプ強キックやタイガーキックもアドンの技に酷似している)。
    • もっとも、相手側のカプコンも明らかにSNKキャラのパロディである「火引 弾(ダン)」が登場している時点でどうしようも無くなっているのが現実である。
      • 本作でほとんどの飛び道具が飛ばなくなった件について、当時は雑誌等でユーザーから「ダン化現象」等とネタにされた。
  • 『'95』のアメリカンスポーツチームのように、本作でもROM容量削減・ストーリー上の関係の両方の理由から、タクマ・サカザキやハイデルン、如月影二、ビリー・カーンといったキャラがリストラされている。
    • 本作以降のシリーズでもキャラリストラがちょくちょく行われることになり、『'98』『2002』といったストーリーの節目のお祭り的な作品で結構な数のキャラが復活している。
  • 『'97』までの麻宮アテナの声優は主に駆け出しのアイドルなどが担当しており、この作品でアテナを務めたのは『超力戦隊オーレンジャー』に出演して当時売出し中のさとう珠緒氏(当時は「珠緒」)であった。彼女は翌97年から競馬中継に5年以上レギュラー出演しMCを務めた時期もあった他、2000年代以降になるとぶりっ子キャラによって一気にブレークし、現在もテレビを中心に活躍するなど、アテナを演じたアイドルの中で一番(ほぼ唯一)の出世例となっている。
  • 本作で飛ばなくなった飛び道具も多くは後の作品では飛ぶようになっている。
    • テリーのパワーウェイブは'99で飛ぶようになったが、アンディの飛翔拳はXIIでようやく飛ぶようになるなど、飛ぶようになった時期はまちまち。
    • リョウとユリの虎煌拳は以降のKOFシリーズでもほとんど飛ばないままである。KOFXVでも通常は飛ばないが、リョウはゲージ使用版、ユリはためた場合に飛ぶようになった。
    • なお一部作品に登場する裏キャラクターは例外。
  • 誤植でおなじみのゲーム雑誌『ゲーメスト』の紹介記事でのギースの記事にて「おまに烈風拳飛ばないし」というオイオイと言いたくなる様な誤植が存在する。
    • 大きな変化に突っ込みを入れる記事だったので「おまに」の誤表記と思われる。ついでに言えば「おまえ」に撃とうが誰に撃とうが烈風拳は飛ばない。

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最終更新:2024年01月24日 23:16

*1 『龍虎の拳』でのMr.BIGは事件の黒幕だったものの、ゲーム上では中ボス(実際の最終ボスはMr.KARATEことタクマ)と言ったところである。続編の『龍虎の拳2』では一応ラスボスではあり、『餓狼伝説3』の秦兄弟とは異なり後述する隠しボスを出現させなかった場合でもこのMr.BIGさえ倒せればキャラ別エンディングを見ることができたが、隠しボスとして若かりし頃のギースが登場していたためボス扱いされないことも多い。

*2 「ネオジオフリーク」のインタビューで、「ルガールは塵となり消えました。合掌」と言い切られており、以後ルガールは『'98』や『2002』といったストーリーの存在しないお祭り的作品のみの登場に限定された。

*3 前作でもタクマや影二がラン動作のダッシュとなっていたが、これらのキャラは本作では欠場している。

*4 後の作品でもカウンターヒット発生時のテロップは適用されているが、『2001』のみ例外。

*5 ちなみにレイジングストームのコマンドは後の『2001』でK9999の超必殺技にも使われることになった。

*6 気絶寸前から全快までに掛かる時間は、前作までは約5秒、本作では約29秒。

*7 前作までは『B+C』『C+D』『A+C』などがあり、避け動作である『A+B』も含めると、パッドでは『B+C』が普通に押せず、持ち替えを余儀なくされた。

*8 テリーに関しては対空技のライジングタックルが溜め技からコマンド技に変更されており戸惑うプレイヤーが続出していた。

*9 通常技に『龍虎』シリーズで使用しなかった足技があるので、通常技の攻撃範囲は広がっているのだが。

*10 表キャラでもXⅡ、XⅢの二作は例外。さらに後者は追加DLCの裏キャラ版がラッシュキャラ性能になっており、表裏が逆転している。

*11 下段技も、京やテリーのしゃがみDのような「多少浮いている」タイプの足払いは当たらない。

*12 ただこの技はキャラの向きを問わず必ず右側から鉄球の攻撃判定が発生するため、チャンが左向きだと発生が遅くなる弱点もある。この仕様は続編の『'97』でも同様。

*13 このためか、『'97』以降の攻撃避けが使用できるEXTRAモードでは投げ外しが一切不可能になった。『'98』のリメイク版である『'98UM(とFE)』ではエキストラモードやアルティメットモードで攻撃避けを選んだ場合でも再び投げ外しができるようになったが、やはり逃げ切るのと一部キャラが詰むのを防止するためか攻撃避けの最中に通常投げを食らった場合は投げ外し不可。

*14 クラークにコマンド投げの紅丸コレダーを決めた後、何故かダウン中にしゃがみBがヒットするためキャンセル紅丸コレダーで永久が成立してしまう。

*15 テリーはそれ以外にもクラックシュートやパワーダンクといった主力必殺技の弱体化も大きく、ギースも疾風拳はそこそこ使えるが当て身投げの出掛りに隙がありマチュアのメタルマサカー等取れない技も多いなど 『餓狼』と比べて弱体化が目立っている。

*16 『'98』の裏ジョーの挑発のみ例外。また『'99』ではストライカーとしてジョーを使用した際に尻出しを行っていた。さらに『2001』ではなんと勝利メッセージ画面で大々的に尻出しをしてしまっており、これに関しては多くのファンからの顰蹙を買ってしまった。以降は確認されていない。

*17 MAX状態だとちゃんと通常時に戻る。

*18 移植版のプレイヤー操作ではボタンにより出現位置が変わる。

*19 斜め上に発生させたかまいたちで相手を切り刻む「わんひょう・まめつ(ВАНГЁ МАМЭЦУ)」や類似技に前方に発生させる「わんひょう・とこぶせ(ВАНГЁ ТОКОБУСЭ)」もある。なお「わんひょう・まめつ」はプレイヤー操作の場合「やみどうこく」とコマンドが重複している関係で失敗すると暴発して大きな隙をさらけ出してしまうため、「やみどうこくの失敗モーション」とも言われている。

*20 相手の頭を掴み上げ、竜巻を浴びせるコマンド投げ「やみどうこく(ЯМИДОКОКУ)」

*21 同社の別作品を含めるなら、脱衣KOは本作より数ヶ月後稼働開始の『風雲スーパータッグバトル』以来の採用となった。

*22 本来ならゲーニッツに対して京と庵が同時攻撃を仕掛けるシーンが、庵の紅い炎のエフェクトのみになっている。

*23 ギースは他社発売のGBAオリジナル作品『KOF EX』にて登場、ラスボスも勤めた。

*24 ギースはPS2版『2002』とPS2版『XI』に、BIGはPS2版『XI』にそれぞれゲスト出場している。ただしクラウザーだけ家庭用移植でゲスト出場したことが一度もない。

*25 たまに勘違いされるが飛ばない虎煌拳は元々は『龍虎の拳』で気力を失った時のものが由来であり、我道拳はそのパロディである。