ボンバーマンワールド

【ぼんばーまんわーるど】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
発売元 ハドソン
発売日 1998年1月29日
価格 5,800円(税抜)
プレイ人数 1人~5人
セーブデータ 1ブロック使用
周辺機器 マルチタップ対応
廉価版 PlayStation the Best for Family
1999年8月12日/2,800円(税抜)
判定 なし
ポイント 斜め視点のボンバーマン
ボンバーマンシリーズリンク


概要

プレイステーションでは初となるボンバーマン。今作ではステージを若干斜めから見る視点となっている。
ちなみにアイレムから同名の作品がアーケードゲームとして稼働していたが、全く関係はない。
「スーパーボンバーマン」の名を冠していないものの、本作発売の前年までSFCにて展開していたスーパーボンバーマンシリーズのシステムを多く踏襲している。


ゲームモード

ゲームモードは3種類から選択できる。
基本システムはスーパーボンバーマンシリーズのものをベースとしている。

あらすじ

その昔、世界を暗黒に変えようとした4人の「ダークフォースボンバー」が存在した。
先人たちは力をあわせて「ダークフォースボンバー」たちをブルークリスタルへ封印した。
だが、数百年の時を経たある日、別の時空より現れたバグラーが、ブルークリスタルを破壊して封印を解いてしまった。
封印が解かれた「ダークフォースボンバー」たち(アースボンバー・サイクロンボンバー・ファイアーボンバー・アクアボンバー)は、バグラーの手先となり、4つの世界=地・風・火・水と闇の星を支配し始めた。
悪の限りを尽くすバグラーを倒すため、ボンバーマンは再び立ち上がった!

ノーマルゲーム

  • おなじみの宿敵バグラーを倒すのが目的。全部で5ステージあり、1ステージは全5面構成(通常面3面+ボス戦2面)。
    通常面ではステージ内のクリスタルを全部取って出口に入ればクリアとなる。敵を全滅させる必要はない。
  • ステージ4は中ボスとの対決ステージとなっており、ダークフォースボンバー及びバグラーとの対決となる。
    最終ステージのステージ5でボス戦となる。
  • 中ボスに勝つと乗り物が手に入り、次の面でのボス戦で使える。
    • 乗り物にはR1ボタンを押した時に発動する通常能力と、R1ボタンを押しっぱなしにし、キャラクターが点滅後にボタンを離すことで発動する特殊能力の2種類の能力が備わっている。
    • 乗り物はボスステージ終了後は使用できず、次のワールドに引き継ぐことができない。
      また、一度ボスに負けると再挑戦時は乗り物無しで挑まなければならない。
  • ダークフォースボンバーはファンタジーRPGではお馴染みの土・風・火・水の四大元素をモチーフとしており、ファンタジーRPG的なキャラクターとなっている。
  • スーパーボンバーマン5に引き続き、セーブ機能を搭載。
    パスワードも健在で、スパボンシリーズお馴染みのフルパワーパスワードも使えるようになっている。

バトルゲーム

おなじみの対戦モード。5人まで対戦できる。
通常のバトルの「バトルロイヤルモード」と、出現アイテムを任意に設定できる「マニアックモード」の2種類。

  • 今回対戦で使用できるキャラは戦士や魔法使い、妖精、僧侶などファンタジーRPGのようなボンバーマンである。
    なお、特殊能力は無く、COMの行動パターンはキャラクター毎に異なっている。
  • 今回のバトルステージの一部には二階が存在し、ワープで一階と行き来する事ができる。
  • バトルロイヤルモードのバトルステージ数は、通常ステージ10+隠しステージ2の計12。
    ただし、ハードがPSになった影響もあってか、隠しステージはパスワードで出現する形に変更されている。
    • マニアックモードは「スタンダード」固定。
  • パスワードによる対戦ステージの構成を変更する仕様も引き続き登場。
    ただし、上記の隠しステージ用のパスワードとは併用できない。
  • スーパーボンバーマン5で登場した「みそボンドッジ」も採用されている。
    みそボンは「ON」「OFF」「スーパー」から選択でき、「スーパー」を選択すると、みそボンで相手を倒した際に復活できるようになる。
    • なお、みそボン時に火力が稀に最大になる仕様は無くなっている。
  • バトル勝利時のミニゲームは「スパークボンバー」。一言でいえば、ボンバーマン版電流イライラ棒。
    ボンバーマンを操作し、バーや障害物に触れないよう制限時間内にゴールを目指すゲームとなっており、移動距離に応じてアイテムが貰えるようになっている。

チャレンジゲーム

専用のステージで制限時間内にどれだけスコアを稼げるか挑戦するモード。スコアに応じてランクが決められる。
元は『ボンバーマンGB3』のモード。

  • 通常ステージ1面と、ボスステージ1面の計2面を制限時間内にクリアすることになる。
    制限時間は2分と5分から選ぶことができる。
  • ゲーム開始時、下記の装備アイテムを選ぶことができる。
    • パワーグローブ、ファイアーアップ×2、ボムキック
    • リモコン、フルファイアー、ブロック通過
    • ラインボム、スピードアップ×3、ボムアップ×2
  • 通常ステージは最初から出口が開いた状態となっており、ノーマルゲーム同様、全ての敵を倒さずとも先に進むことが可能。

評価点

  • ゲームシステム自体は、概ね3以降のスーパーボンバーマンシリーズのものを踏襲している。
    そのため、シリーズ経験者はもちろん、初心者でも取っつきやすい作りになっている。
  • オープニングとエンディングは3DCGムービー。サターンではアニメだったので上手く差別化が出来ている。
    • 四大元素の力でボンバーマンばかりか見ているプレイヤーまで圧倒するオープニングのムービー・BGMは見ものである。
    • ゲーム内のグラフィックもCGで作られている。
  • ノーマルゲームの敵、バグラーとダークフォースボンバーを演じる声優が豪華。
    • バグラー役の永井一郎氏、ファイヤーボンバー役の銀河万丈氏、アースボンバー役の千葉繁氏など。
  • チャレンジゲームはクリアするだけなら簡単だが高ランクを狙うとなかなか手ごわい。
    • サターンボンバーマンの「マスターモード」程高難易度ではないのでプレイし易い。

問題点

  • 癖のある斜め視点。
    • これまでの見下ろし型の視点から斜め視点に変更となったが、距離感がつかみにくく、ミスを誘発しやすい。
    • バトルゲームの場合、後述する2階層となっているステージでは影響が顕著に出やすい。
  • ノーマルゲームのボリュームの少なさ。
    • 総ステージ数が25と、直近のスーパーボンバーマンシリーズと比較しても半分以下となっている。
    • 出現する敵やギミックもあまり凝ったものが無く、難易度も低めになっている。
  • ノーマルゲームに登場する乗り物の性能にバラつきがある。
    • 前半のワールドに登場する乗り物の能力は強力で、フルパワーパスワードに頼らなければ使用できないリモコンの代用として有用性が高くなっている。
      • ワールド1で登場する「ティーボ」は、通常能力はその場でジャンプと地味であるものの、特殊能力が「画面上の爆弾を爆破し、敵の動きを一定時間止める」と非常に強力。
      • ワールド2で登場する「ランチャアーマー」も、通常能力が「前方に爆弾を2つ発射し、着地後すぐに爆発」となっている。
        (なお、特殊能力では爆弾を4つ発射できるものの、着地後に爆発しないようになっている)
    • 一方、後半のワールドになるにつれ、乗り物の能力は微妙となる傾向になっている。
      • ワールド3に登場する「にゃんじろう」は、通常能力・特殊能力共に「爆弾を放射状に発射する」という、どちらかといえばバトルゲーム向けの能力となっている。
      • ワールド4に登場する「リック」は、通常能力が前方ダッシュとなっている。こちらは状況を見計らえば使えないこともない。
        特殊能力はアイテム「ラインボム」と同じであるが、その時点ではラインボムを入手している可能性が高く、使い道に乏しい。
      • ワールド5に登場する「ロックオンアーマー」は、通常能力がロックオンサイト目がけて爆弾を発射となっている。ただし、射程が非常に短く、ボムキックやラインボムを使用した方がマシなレベルになっている。
        特殊能力に至っては「爆弾の火力を最大にする」というもの。この乗り物を入手した時点では火力が最大になっている可能性が高く、無用の産物と化している。
  • バトルゲームの2層構造となっているステージ。
    • 階層構造を取り入れた点こそ目新しいものの、プラスに働いているとは言い難い。
      1画面に収めている都合上、上層の影になっている箇所は視界が全く利かないため、操作ミスを誘発しやすい。
  • チャレンジゲームにおける装備アイテムの選択肢が事実上一択。
    • ハイスコアを狙うことを念頭に入れると、ゲーム開始時に選ぶ装備アイテムが「リモコン、フルファイアー、ブロック通過」にならざるを得ない。
      • 通常ステージでもソフトブロックからアイテムが出るようになっているが、出るアイテムは「ボムアップ」「ファイアーアップ」「フルファイアー」「スピードアップ」の4種類。
        装備アイテムの選択肢に出ている「パワーグローブ」「ボムキック」「リモコン」「ブロック通過」「ラインボム」はソフトブロックから出現しない。
      • ハイスコアを狙う場合、一度の爆発で複数の敵を同時に倒すことが求められる。
        そのため、爆発のタイミングを自在に調整できるリモコンの優位性が頭一つ抜けている。
        逆に、リモコンが含まれない残りの装備アイテムの組み合わせについては、ほぼ数合わせの存在になっている。
  • ゲームシステムの新要素に乏しい。
    • スーパーボンバーマンシリーズでは、作品を重ねる度にシステム面で新要素が盛り込まれていたが、本作では過去作品のシステムの踏襲がメインとなっている。
      そのため、プレイヤーによっては「代り映えしない」と捉えられてしまいやすい。

総評

ハードがPSになったことによりグラフィック面は向上したものの、独自の斜め視点に癖があるのがネック。
「本作ならでは」の新要素にも乏しく、ともすれば前年まで展開されていたスーパーボンバーマンシリーズから劣化している点があるのも無視できない。
とはいえ、基本のゲームシステムはスーパーボンバーマンシリーズがベースになっているため、ボンバーマンとしてはひとまず楽しめるようにはなっている。
良くも悪くも保守的な作りのボンバーマンだと言えるだろう。


その後の展開

  • 本作の関連作として、1998年4月に「ボンバーマンウォーズ」がPS/SSで発売された。
    • 「あらすじ」にもある「先人たちの戦い」を描いており、ダークフォースボンバー及び本作のバトルゲームのキャラクターが登場している。
      ただし、ジャンルは従来のアクションではなく、将棋やチェスに似たテーブルゲームに変更されている。
  • 2002年12月に発売された「ボンバーマンコレクションVOL.1」に、本作の海外版が収録されている。

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最終更新:2023年12月20日 08:44