イグジーザス

【いぐじーざす】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼動開始日 1987年
判定 なし
ポイント 難易度控えめなSFシューティング
2つのバージョンの筐体あり


概要

  • 1987年にてタイトーからアーケードにリリースした横シューティング。
  • 自機である人型機、コスモファイターロビンを操作し、4つの惑星に潜むボスを破壊するのが目的とされる。
  • 1~2人交互プレイ可能、全4ステージ構成、ループ制。

主なルール

  • レバーにて自機の八方向移動操作、ボタンは2つあり各自、ショットボタンとオプションボタンに使用する。
    • 自機には前方ショット(ブラスター)と特殊ショット(ミサイル)の2つの武器が搭載されており、ショットボタンにてそれを同時に放つ。これには使用制限は一切ない。
    • アイテムのオプションを取得している状態(詳細は下記アイテムの項にて)でオプションボタンを押せば、そのオプションを前方に飛ばせる。発射したオプションは自動的に自機側に戻り、これも使用制限は一切ない。
  • 時折出現カプセルを倒せばアイテムを落とす。カプセル自体は敵扱いで、もちろん触れるとダメージとなるの注意。以下その詳細。
    • 「レーザー」(赤のL)…ブラスターが貫通性能に長けるレーザーに変化する。連続で取れば4段階までパワーアップする。ディスラプションとの併用は不可。
    • 「ディスラプション」(緑のD)…ブラスターが攻撃範囲の広い3WAYに変化する。連続で取れば4段階までパワーアップする。レーザーとの併用は不可。
    • 「ミサイル」(黄のM)…ミサイルの性能が変化し、連続で取れば3段階までパワーアップする。
    • 「デストラクション」(紫のD)…画面内の敵を全滅させる効果。
    • 「フルオート連射」(黄のF)…通常では手動押しであるショットが、これを取る事によりボタン押しっぱなしで放てるようになる。連射機能が搭載されている筐体などでは効果の意味はない。
    • 「オプション」(白のO)…1つ取れば鳥型オプションロボが、2つ取れば狼型オプションロボが自機周囲に付き、共にショットを放ってくれる。これを取得している状態でオプションボタンを押せば上記の通りオプションを飛ばせる。また、下記の戦闘機モード中はオプションが自機のパーツの一部となるが、性能自体は特に変化はない(オプションで飛ばせるのも同じ)。
    • 「戦闘機モード」(青のA)…初期の人型である自機をウイングファイター型に変形させる。変形後はダメージをもらっても人型に戻るだけでミスは免れる(いわゆるシールド効果)。但し、人型状態では地面に触れてもミスにはならないが、変形中にて地面に接触するとダメージ扱い(人型に戻る)となってしまう。
  • 各ステージ最後に待ち構えるボスを倒すか、特定時間まで粘ればステージクリア。
    • なお、このゲームはラスボスを倒してもスタッフロールに該当する演出が表示されないまま、難易度の上った状態でステージ1からの再開となる。
  • 戻り復活の残機制ですべてなくなるとゲームオーバー。
    • ミス条件は一般的なシューティング同様「敵か敵弾、障害物、カプセルなど触れる」となっている。
      上記に示した通り、初期の人型で壁に触れてもミスにはならないが、戦闘機モード時はダメージ対象となる。

評価点

  • 難易度的には同時期のシューティングの中でもやや低く遊びやすい部類。
    • パワーアップすれば画面の広範囲を攻撃でき、その状態を常に維持すればクリアは難しくない。
  • BGMに関してもSFな雰囲気が上手く再現された良曲。

問題点

  • ボリューム不足気味。
    • 1ステージは比較的長めで構成されているが、4ステージしかない為、やはり物足りないと感じるのは否めない。
  • ボタンを押す事でオプションが飛ばせるという当時としては割と斬新なシステムはあるものの、残念ながら性能があまりにも微妙で使いどころが見当たらない空気な存在となってしまっている。
    • はっきりいって、このゲームの攻撃手段はショット関係のみと割り切った方がいいだろう。
  • 難易度は同時期のシューティングの中でもやや低い部類とはいえ、やはり難しい部分がある。
    • ミスするとパワーアップがすべて失われ若干復活が困難だったり、自機が大きめに描かれている影響で敵攻撃が回避し辛い状況もあったり、と微妙に難しい状況に遭遇しやすい場面もある。また、ステージ4は初見で超えるのは難しい障害物避けがあり、ショットを撃っていれば楽にクリアできるという程甘いバランスでもない。
    • また、ステージ4のボス付近以降でゲームオーバーになるとコンティニューができなくなるペナルティがあり、ごり押しでクリアするのは不可能に近い。よって、あくまでも1コインクリアを目指すならば、そう簡単に攻略できるとは考えてはいけないだろう。
  • BGM自体の出来は良好だが、曲数が少ない。
    • ステージ1~3BGMは同じ曲の流用で、ボスBGMもステージ1~2とステージ3~4は同じ曲である。

総評

はっきり言ってしまうと、かなり平凡な出来のシューティングであり、特別表記するような特徴はない。良くいえばすんなりと入り込める親しみやすさを持ち、悪くいえば地味であまりパッとしないゲームというべきか。

グラフィックも当時の基準でみれば可も不可もない平凡なクオリティといったところ。当時のタイトーのACゲームにありがちな、特に可もなく不可なく普通としかいい様のない作品。クソゲーなんて事は断じてないし、間違っても良ゲーと呼べる程の完成度でもない、まさにカタログ紹介向けにぴったりな存在といえる。

家庭用移植

やはり存在感が薄い為なのか、近年まで家庭用移植は一切されなかったが、タイトーメモリーズの降臨により遂に念願(?)の移植がされた。

  • PS2『タイトーメモリーズII 上巻』2007年3月29日発売

余談

  • このゲームは筐体のバージョンが2種類ある。一つはハーフミラーを用いた専用筐体、もう一つは通常筐体であり、双方には若干のゲームルールの差異がある。なお本ページは通常筐体仕様中心の説明をしている。
    • 専用筐体は二つのモニターを用意し、遠景を描くモニターの前に置かれたハーフミラーにもう一つのモニターに描かれた近景を(映写機の要領で)映す事で奥行きを表現している。
    • 専用筐体自体は本作の前(1985年)にリリースされた、『ワイバーンF-0』の筐体を再利用した形となっている*1
      • この2作品以外に同種(画面が二層構造)の筐体はリリースされていないが、技術自体は『ダライアス』や『ニンジャウォーリアーズ』などの複数画面型筐体において「複数の画面を切れ目(モニターの外枠)無しで繋げる」のに活かされた*2
  • ダライアスとの関連
    • 本作の自機の変形時の姿がダライアスのシルバーホークに似ているとの声がある。また『ダライアス外伝』の赤ウェーブ状態でセットで付属する自機の形のオプションは本作の非変形時のオプションが元ネタと思われる。
    • またステージ2の氷柱地帯は後にダライアスシリーズに登場する事となる。
  • ゲームシステムは後にタイトーリリースによるAC作『中華大仙』や『インセクターX』のそれと似ている*3。自機が人型だったり、パワーアップ無双でミスするとすっぴんの戻り復活式だったりと、微妙な類似点がある模様。
    • 自機のグラフィックや、周辺敵のデザインセンスがどことなく『セクションZ』に似ているような気がする。また、ラスボスの攻撃がどことなく『沙羅曼蛇』のリップルレーザーに似ている気もする。

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最終更新:2022年04月01日 17:41

*1 ワイバーンF-0は縦スクロールシューティングなので空中物と地上物。

*2 ダライアス以前にも3画面筐体の3Dレースゲーム『TX-1』(辰巳電子工業1983年)が存在したが、まんまモニターを3つ置いただけなので画面に切れ目が存在する(なおF1なのでフロントガラスの柱と言う言い訳は通用しない)。

*3 但し両者共開発はホット・ビィで、本作とのスタッフの接点は特にない。