ルミナスアーク

【るみなすあーく】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 マーベラスエンターテイメント
開発元 イメージエポック
発売日 2007年2月8日
定価 5,040円
判定 なし
ポイント スパロボKの前史
キャラクターに救われた作品
ルミナスアークシリーズ
1 - 2 - 3 - インフィニティ


概要

  • ルミナスアークシリーズの第一作。開発を担当したイメージエポックにとっても処女作となった。
  • 魔女と人間が対立する世界で、人々の信仰を集める「ルミナス教」の騎士見習いの主人公アルフが世界の命運を左右する戦いに巻き込まれていく……というストーリー。
  • 「ニンテンドーDS初のファンタジーシミュレーションRPG」という触れ込みで発売前からそれなりに話題を集めたが……。

特徴

  • マップ上に配置されたキャラを動かして戦闘を行うオーソドックスなシミュレーションRPG
    • マップを攻略するごとにストーリーが進行する。
    • ストーリー進行に必須ではない会話や読み物は、選択肢により任意で閲覧できる。
    • 難易度は低く、SRPG初心者にもとっつきやすい。ただし終盤は流石にきつくなるものがあるため、こまめな育成は欠かせない。
  • 武器・防具・アクセサリーなどの装備品でキャラの能力を上昇させられる。
  • RPGではさほど珍しくない「属性」についてだが、おなじみの炎・雷・水といったメジャーものの他に、物語で重要なある設定に絡んだ「竜」属性なるものが存在する。この属性は他属性に対して等しく有利になる補正がかかるのが特徴。
  • いわゆる必殺技の「フラッシュドライブ(通称FD)」は敵に大ダメージの一発逆転が狙える。使用するためにはFDゲージを一定量蓄積していなければならないが、うまく決めたときには爽快感がある。
    • キャラクターごとに追加効果も範囲も異なるほか、一部の重要な敵にも専用のFDが用意されている。もちろん使われたらピンチは確実。
  • 「呪言」という独自のアイテムが存在。戦闘やイベントで手に入れたこれらを装備品と合成すると、属性が付加されたり特定のパラメータを上昇させることができる。中には特定の呪言と装備品でレアアイテムが生成されることも。
  • 戦闘に参加したキャラと「アフターブレイク」で会話を楽しめるなど、キャラゲーとしての要素も含んでいる。

評価点

  • 柴乃櫂人氏による可愛らしいキャラクター達。熱血漢にショタロリ、イケメン、果てはジュゴンと案外幅広い。
    • 女性キャラクターに関してはおっぱいが全てを物語っている。また、どういうわけかカップサイズもきちんと設定されていたりと変な力が入っている*1

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  • 光田康典氏による王道で多彩な音楽も好評。
    • クリア後にはサウンドテストが開放される他、なんとストーリー中の全ボイスも再生可能という大盤振る舞い。

賛否両論点

レベル関連の調整

  • レベルアップの度にHP・MPが全回復するので途中から回復アイテムの存在意義が薄くなる。
    • レベルアップで窮地を脱することも可能なので、難易度の低下や救済処置にもなっている。
  • 補助・回復スキルを自分以外の味方にかけた時の経験値が一律30で固定。100でレベルアップする。
    • これらのスキルを持ったキャラは延々と繰り返し使用することで簡単に経験値を稼げる。
    • HP最大のキャラに対するヒールや重複するバフ魔法を唱えることも可能。加えて前述の仕様もあり、レベルアップするとMPが回復するので同じことの繰り返しで簡単にレベルを上げられる。
      • バランスを崩したくないなら自重すればよい話ではある。

問題点

なにぶん処女作という事もあり、システム面で不備や粗が目立つ。

  • 所持アイテムのソートが出来ない。昔のRPGでもあるまいし……*2
  • 視点変更が出来ない。戦闘中の画面が一定なので場所によっては敵の位置が掴みにくいときがある。
  • 属性がほぼ死にシステム。
    • 地形に設定された属性がダメージ・回復の威力に反映されるのだが、その倍率補正が小さいために大して役立たない*3
  • 合成した装備品の呪言をひっぺがす事ができず、やり直そうと思った場合もう一度その装備品が置いてある店まで買いに行く以外に方法がない。
  • サブイベントの発生条件が分かりづらく、攻略本を手元に置かないと全てを網羅するのは困難。
  • 特定のポイントを通過した時に発生するフリーバトルが強制
    • 2度目以降は「フリーバトルに入るかどうかを選択する」または「強制的にフリーバトル」の2択が運任せで決定される。レアアイテムの材料調達のために以前通った街まで買い物に戻ったり、サブイベントを見るために長い距離を移動する時など非常に鬱陶しい。
  • 後に『スーパーロボット大戦K』で悪評を広める事になる小峰徳司氏による杜撰なシナリオ・演出。上述したように今作には少なからず問題点があるのだが、シリーズプレイヤーからはスパロボKの件もあり一番の問題点と言われてしまっている。
    + その有り余る問題点の数々
    • 全体的に唐突ないし説明不足な展開のオンパレード。だいたい「話を進める→いきなり敵登場→なんか口論した末に四の五の言わず戦闘」という流れが基本。伏線もへったくれもない。
    • 世界設定などは各街の図書館で知ることができるものの、一度読んだ情報を図書館の外でも閲覧できる機能が無く忘れがちになりやすい*4
    • キャラクターの描写も難あり。
    • 主人公の上司「ヒース」
      • 中盤、アルフ達を教団の敵と発言するのだが、後に「実は身内の怪しい動向を探るetcのためにわざと演技をしていた」とカミングアウトして寝返る。
      • 伏線こそ「裏でカイに彼らの支援を頼む」という形で張っており、よくよく考えれば教団から遠ざける意図があったことは推測できる。しかし、シナリオの杜撰な要素の数々に埋もれてしまったせいで、その貴重な伏線がプレイヤーに気付かれないことも多い不憫な人。
        • 逆に言えば、伏線にちゃんと気付けているとあまり不備は感じられない。他の難ありなキャラクターよりはまだ無難な部類である。
      • 余談ではあるが、彼がアルフ率いる魔女討伐チームにつけた名前の香ばしいネーミングセンスから一部では「あいつは厨二病をわずらっている」「名前は三日三晩寝ずに考えた」などとネタにされている。
    • 主人公の親友「ニコラ」
      • 熱心な魔女オタクという設定ゆえ、ひとたび魔女が現れれば空気を読まずにテンションが上がり暴走する迷惑な役回り。
      • かと思えばルミナス教に父親が暗殺されていたという何気に重い過去を持っているのだが、その設定は大して生かされないままフェードアウトする。投げっぱなしかよ…。
      • ちなみに次回作も同ポジション・同性格のキャラクターが続投している。
    • 同じく親友「レオン」
      • よくいる仲間思いの熱血漢キャラで、ニコラと違って性格自体に問題はないように見える。
      • だが中盤、ルミナス教の粗暴な上司が父親殺しの犯人だと気付いた途端に「やつを倒しに行ってくる!!」とのたまい仲間から唐突に外れる。以降、終盤手前まで割と長い間戻ってこない。
      • アルフたちは教団に敵とみなされている状況なので、このタイミングで単独行動しようとせずともいずれレオン自身の目的も果たされるのではと思わなくもないのだが…。
    • ルミナス教の法王「ヨハネス」
      • OPと終盤以外で大した活躍を見せておらず、影が薄い。形式上の配下であるキングストン達の方が立派に悪役ムーブしていることや、温厚で優しい人柄もあって、いまひとつ敵としての印象も薄い。
      • ラスボスである「神」復活のための生贄として生まれた時から運命付けられた、という可哀想な立場に置かれている。そしてそれに躊躇いを見せるような言動も無くまっしぐらに彼はその生涯を終える。当人に生贄という認識はなかったのかもしれないが、どこか味気なく、やるせない。
    • 魔女の一人「ヴァネッサ」
      • 行動理念の不一致からアルフ達の行く先々で対立を引き起こす。
      • 後に彼女の悪行と思われていたものは殆どがルミナス教の機密実験によるものだったと明らかになっていくのだが、他の魔女たちに合流してくれるのは終盤、ルミナス教の本拠地へ乗り込む直前。長いよ!
      • キャラビジュアルと性格は魔女達の中でもウケが良く、後に同社の別のRPG『アークライズファンタジア』にもゲスト出演した。
    • とあるサブシナリオが戦隊モノのパロディーなのだが、何の説明もなくいきなり敵も味方もなりきったまま会話が進むので何も知らないプレイヤーは終始置いてけぼりにされる。まあ、だからサブシナリオっちゃそうなんだけども。
    • 当然こんなのばっかりではなく、所々には名場面もちゃんとある。しかし、「その場面を切り取って単体で見た」上では確かに良いのだが、前後のストーリー展開が往々にして及第点以下のシナリオ運びなせいで損している場面も多々あり、総合的には否寄りの評価と言わざるを得ない。
  • 同じキャラとのアフターブレイクを続けるとボイス付きでキャラ専用の一枚絵をバックに会話が始まるのだが、キャラクターによってはこの一枚絵が用意されていない事も。
    • 以降の作品ではアフターブレイク可能なキャラクター全てにイベント一枚絵が与えられている。

総評

システム面の不備やシナリオの難点が目につくものの、SRPGとして最低限の遊び応えや戦略性はある。
キャラデザや音楽で難点を帳消しにできるかが評価の分かれ目となるだろう。

余談・その後の展開

  • その後『2』ではSLG部分は幾分改善されたが、シナリオの酷さは1に比べればまだマシな方と今作の汚名返上とまでは至らなかった。シリーズが良作レベルと呼ばれるようになったのはライター交替でシナリオが改善された『3』での話である。
  • 条件は変わっているが『2』でも仲間の回復や道具の使用によるレべリングは有用。
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  • イメージエポック
  • ルミナスアーク

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最終更新:2021年10月20日 15:37

*1 おかげでおっぱいゲーと揶揄されたりもする。

*2 この欠点は『2』にまで引き継がれた。

*3 次回作以降は地形属性が廃止され、代わりに倍率が大きめに設定されたので本作以上に相性を考慮する必要がある。

*4 最後の街の図書館で全冊揃っている為、ここまでくれば読み直すことはできるが……。