甲虫王者ムシキングシリーズ

オリジナル

機種 タイトル 概要 判定
アーケード
AC 甲虫王者ムシキング 子供用アーケードゲーム、そしてトレーディングカードアーケードゲームを爆発的に広めた先駆者。 なし
甲虫王者ムシキング アダー完結編 上記のバージョンアップにして5年越しのストーリー完結作。カードやルールが別物といって良いほど変更された。 なし
ムシキングバトル 合虫ガッツ!! 世界観を一新した後継作…なのに妙な方向に様変わりしてしまい賛否が分かれた。結局流行らず、僅か1年余で撤退。 バカゲー
新甲虫王者ムシキング 5年ぶりに復活したムシキングの新作。ジャンケンルール以外は前作とは全くの別物。課金要素が多い等の問題点も。
教育的内容だった前作と違い、環境問題を提起する激闘編のラスボス絡みの展開を除きコミカルな世界観になっている。
なし
アーケード派生作
AC 甲虫王者ムシキング ポポの冒険編 スピンオフ。名前はこれだが2章もある。途中から記憶ゲーになるが、時間制の複雑な迷路は子供には厳しかった。
甲虫王者ムシキング 対戦バトラーズターミナル ブーム衰退期に生まれた対戦に特化したバージョン。だが、肝心の対戦に人が来ず半年で撤退に追い込まれる羽目に。 なし
家庭用
GBA 甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道~ RPG要素を加えて家庭用進出。シミュレータとしての出来はまあまあ、だが… なし
DS 甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道DS~ GBA版から僅か半年で出た完全版。映画との連動要素もある。 なし
DS 甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道2~ 良くも悪くも、前作から正当進化。 なし
甲虫王者ムシキング スーパーコレクション 今まで付き合ったプレイヤーへの救済と共に感謝の気持ち。ハード性能を考慮するならば良移植に近い。 なし


関連作品

機種 タイトル 概要 判定
AC オシャレ魔女 ラブandベリー 同メーカーによる女児向けTCAGの先駆け。カードを使ったカスタマイズや筐体と言った共通点がある*1
「女児版ムシキング」として紹介される事も多く、全盛期は同時に稼働している風景がよく見られた。
AC 古代王者 恐竜キング じゃんけんを使ったバトルシステムとカードによるカスタマイズは共通。 なし
DS 古代王者 恐竜キング 7つのかけら 上記の家庭用ゲームソフト。アーケード版と異なる点が多い。 なし
AC 昆虫DASH!! ゲーム開始時にゲームモード、キャラクター、ステージを選択し、ボタン連打で昆虫を操作して、蜜を集めてポイントを競う。
筐体やバーコードを使ったカードシステムが旧ムシキングに酷似している。
AC CHUNITHM AMAZON PLUS 「新甲虫王者ムシキングコラボイベント」を開催。
PS4/PS3/
Win/One
龍が如く 極 セルフパロディ「昆虫女王メスキング」が遊べる。 なし
Switch カブトクワガタ ムシキングの開発者である植村比呂志氏とコロコロコミックの小学館が手を組んだインディータイトル。
本シリーズと直接的な関係は無いが、精神的続編といえる内容。
狂気レベルの甲虫愛と機械音声フルボイス仕様 で発売後は一躍話題に。
バカゲー

社会現象と栄枯盛衰

+ ...

本作が大ヒットになったのはご存知の通りだが、圧倒的なヒットを記録した背景には以下の事情が大きい。

  • 「虫」を題材に選んだ
    • 子供、特に男児ならその多くが興味を示すであろう題材であり、更に本作では虫の中でも人気の高く怖がる人の少ないカブトムシやクワガタムシを扱っている。そしてこのわかり易く子供受けしやすいタイトルである。
      • もっとも、カブトムシとクワガタムシ以外の虫も参戦させるとゲームが複雑になるだろうが。
    • 世界各地の甲虫が描かれたイラストを眺めているだけでも楽しい上に、ガチャポンのカードダスのように「カード収集」という要素もあるため、リピーターを獲得しやすかった。
  • 分かりやすいゲーム性
    • 戦闘の基本は「じゃんけん」であり、誰でもすぐルールは飲み込める。シンプルで単調な点は否めないが、メインターゲットである小学校低学年に対してはこの上なくわかりやすい。もちろん、子供騙しというわけではないのでそこはお間違えのないように。
      • ただし、難易度に関しては子供騙し感があるのは事実だが…。
  • 設置のための設備投資費が圧倒的に安い
    • 『ムシキング』はリース物件であるため、リース契約期間終了後はメーカーに筐体を返却しなければならない。その代わりに筐体購入費用が一切かからず、修理費、バージョンアップにかかる費用も全てメーカー持ちである。そのため設置のためのハードルがとても低く、全国のデパートやショッピングセンターといった「子供(とその財産を管理する親)が集まる場所」への設置が急速に進んだ。
    • 法律上では「自動販売機」扱いなので、ゲームセンター以外にも設置できた。おもちゃ屋やスーパーマーケットにもよく設置されていたし、果てはコンビニにも設置されたことがあるくらいである。
    • メーカーは筐体を設置している店舗にカードを卸売することで利益を得ている。店舗はプレイ料金(100円固定)からカードの原価を引いた金額がおおよその儲けとなる。
    • この手法は他社もこぞって模倣し、商業施設には様々なキッズカードゲームが置かれるようになった。
  • 本作のカードは他社のカードに比べて安価であったのも、店舗にとっては大変有り難い点である*2
  • これらの販売戦略が功を奏し、各種媒体で取り上げられ大ヒット。「大会を世界一実施したゲーム」としてギネスブックに載ったりもした。
  • 本作の流行に伴い、小売店では「虫」に関する商品が以前より大量に販売された。
    • 具体的には昆虫採集や飼育の道具のコーナーが拡大されたり、外国産甲虫がホームセンターや大型スーパー等でも販売されるようになった。また、おもちゃ屋やゲームセンター等でもカブトムシやクワガタのぬいぐるみやキーホルダー等が多く陳列され、テレビでは昆虫を扱う特番が組まれたり本作のパロディが登場するなど、本作はゲーム業界に限らず多様な業界に多大な影響を与えた。
    • また、甲虫を飼いきれずに逃がしてしまう行為(生態系破壊)や劣悪な環境での飼育、乱獲などの問題が本作の登場をきっかけに広く認知されるようになった。
      • 本作を機に外国甲虫を飼育する人が増えることはメーカーも予想していたためか、公式でも「外国の虫を逃がさないでね」と言う呼びかけがされていた。別地域で採集した動植物など、国産の動植物であっても遺伝子汚染の危険性がある為、絶対に逃がしてはいけない。
  • ただ「大型甲虫の新規カード追加の激減」「競合タイトルの登場」「ルールが単調」といった点から人気の維持ができず、本作も2007年頃から急速に失速し、筐体の撤去が進むなど人気が沈静化していった。
    • そして『アダー完結編』への移行を経て2010年の1月に稼動終了した。後継機の『ムシキングバトル 合虫ガッツ!!』にバトンタッチしたがこれも失敗してしまう。
    • 衰退の様から、「“虫”なだけに“虫の息”」と揶揄されることもあった。
    • アダー完結編になると「邪魔」「平日の儲けは0円」「まだ稼動してたの?」と言う人や、筐体本体は置いていても電源が入っていなかったり、子供に落書きされていたり、「カード切れ」と書かれた紙が画面にはったまま放置されていたりと、流行の終わったもの扱いの末路を遂げる。
      • アダー完結編ではそれまでのカードが事実上弱体化したというのもあるだろうが……。
    • ただし、稼働期間は7年程と決して短命だったわけではない。

子供向けTCAGとしての問題

+ ...
  • モラルの問題
    • ゲームをプレイせずひたすら100円を入れてカードを買い続けるいわゆる「掘り師」という迷惑プレイヤーが広く認知された。
      • 本作のレアカードは、金・銀・銅・究極必殺わざと分けられている。この内、銅と究極必殺わざのカードは比較的出やすいのだが、銀のカードはなかなか手に入らず金のカードに至ってはカードの束の中に1枚という低確率でしか排出されない。金のカードはカードショップやオークションなどで1万円以上*3で取引されていた時期もあり、金のカードを転売目的で狙い長時間筐体に居座っているプレイヤーがいる光景も珍しくなかった。
      • しかも金のカードはアダー完結編になる直前まで「ゲーム機からの排出以外で入手*4するカード」にはならなかった。
      • 更に稼働当初のムシキングにはカードだけを買う(アダー完結編では実装)が無く、カードを入手して去ってしまう悪質な人も見受けられた。
        その影響でゲームをプレイしたいプレイヤーが、カードの入手や円滑なプレイができない事も多かった。
      • この後に出てくるTCAGは、これ以上の低確率で排出されるレアカードが出てきたこともありこの部分が問題視されていく。
    • 低年齢向けというのも関係しているのか、もしくは上記の掘り師の影響もあるのか希少価値の低いカードが筐体の前や道端に捨てられていることもあった。これはカードゲーム全般の問題でもあるのだが、TCAGは100円で1枚しか手に入らないので、1枚100円のカードを道端に平気で捨てるのは金銭感覚がおかしくなるのではないかと小学校のPTAなどで心配された。
      • 実際はゲーム機の使用料金や消費税も含まれるはずで、カード自体は20〜30円程度に落ち着くかもしれないが、本作は風営法対策として表向きは「カード自動販売機」としたのが余計問題視されたのかもしれない。なお本物のカード自動販売機である『カードダス』(『データカードダス』はTCAG)は1枚20~30円だった(大判などの例外あり)。
    • 親子で並んでいて前のプレイヤーがレアカードを出すと、後ろの子供が拗ねてしまい、親同士が睨み合うなどトラブルがあった。さらに、大人がプレイしていてレアカードを当てると気まずくなったりもした。
    • カードの価値を理解していない人(特に小さな子供)がレアカードを価値の釣り合わないカードと不当な交換*5をさせられて問題になることもあった。
  • ネット上で「カードの排出順は決まっている」という情報が一人歩きして、それを口実に店員にいちゃもんをつけるクレーマーが多数出現した。
    • 例としては「◯◯はこの並びで排出されるのに◯◯がここで出ていない!抜いているだろ!詐欺だ!」という具合。こういった苦情を未然に防ぐために、「カードはランダムに出てきます。排出の法則はありません」という張り紙をした店もあった。集める楽しみを損なってしまうため、カードの順番が完全固定というのはあり得ないが、それを信じてしまう人物が全国的に現れ問題となった。実際に設置側の企業か店舗の方と思われる人が、クレーマーの前で封を解いて検証し、完全固定は無いと証明する事態にまで発展した等、逆の立場からの報告もあった。
    • 同時期にヒットしている同社のWCCFにて、「一枚ずつパックされているカードが触ればレアかどうかわかる」という指摘はあったが、さすがにメーカーでも順番はわからない様になっている。それが同じ会社のキッズ向けで順番が同じにするとは子供向けだからこそあり得ない話である。
  • ただし、カード毎の順番はわからなくてもレアカードの排出パターンが固定化されているTCAGは存在する。
    • こうした影響で、一部TCAGではレアカードを排出させてから交代することが暗黙の了解となっている場合もあるため、基本的にはどの筐体もレアカード排出直後の状態と思ってプレイする事を推奨する。
  • レアカードを持っていなかったりカード資産に乏しい子供がいじめの対象になる事もあり、逆にレアカードを持っていたら持っていたで盗難・強奪・恐喝の被害に遭う事件もあった。
    • もっとも、これらは全て『仮面ライダースナック』(1973年)『ビックリマン』(1977年*6)の時代*7から問題視されていたもので、トレーディングカードのシステムを取り入れている以上は絶対に避けようがない問題であり、保護者たちも「同じ思いをさせたくない」という気持ちも強かったのであろう。ゲームでの勝敗に関わる所為で更に格差が激しくなったとも言えるし、気にしないというのも考えものではある。
  • 現在に至るまでの話になってしまうが、バンプレストがデータカードダスとして版権キャラクターを使用するようになった為、オリジナルタイトルでの勝負が大変難しい状況になってしまった。当時の玩具売り場でその状況を「セガにとってはいとも簡単に開けられたパンドラの箱」と揶揄された。
    • 最初の『ドラゴンボール』に続いて『NARUTO』と、いくらカブトムシやクワガタムシの人気があっても、実在する物体*8ではとても大人気キャラクター相手では厳しい。当時としても全盛期のコンテンツをいくつも有する上に、基本的ゲームルールと仕様を同様に寄せありルールも理解しやすかった。追随で他社が類似品を出してきた以上の打撃である。
    • その後、恐竜キングや他社のアニマルカイザーやワンタメ、電車や車等をモチーフにした作品もいくつか現れたが殆どがキャラクター物に駆逐されてしまった。現在でもおもちゃ売り場や家電量販店に並ぶ機種も殆どがキャラクター物である。
      • 一応、ムシキングにも「カード単価がいくらか安い」という店側へのメリットもあるが、*9結局遊んでくれなければ売上にならない。
  • 稼働終了後のカードの扱い。
    • TCAG延いてはTCG全体の問題点であるが、ゲームのサポートが終了すると、カードの使い道が激減する
      • コレクターアイテムとしての需要すらなければ紙切れ同然の無価値なものと化す。
    • 男児向けのTCAGのカードはカード単体で遊べるように工夫されているのもあるが、女児向けのTCAGのカードはカード単体では使い道のないゲームが多い。
    • 作品によっては、携帯機でカードを使って遊べるソフトが発売される救済措置も行われるが、その場合、専用の周辺機器と同梱されている為若干割高になる。
      • 本作を始めとする初期のTCAGでは、カードをゲーム機で読み取るのにバーコードを使用しているため、ニンテンドーDS・DS LiteのGBAスロットに専用のカードスキャナーを装着して読み取っていた。そのため、GBA互換が廃止されたDSi以降では遊ぶ事自体ができない。本作のDS用ソフト『甲虫王者ムシキング スーパーコレクション』でもこの方式が使用されている。
      • 現在では、『新甲虫王者ムシキング』を含み読み取りにQRコードが導入されているTCAGも有り、ゲーム機本体が対応していれば周辺機器なしで読み取りを行うことも不可能ではないと思われる。実際、ニンテンドー3DSの多くのソフトではQRスキャンが実装されており、TCAGと3DSソフトの連動自体はポケットモンスターシリーズにおける『ポケモンガオーレ』と『サン・ムーン』等の例*10があるが、『新甲虫王者ムシキング』は家庭用ゲーム機への移植は行われなかった。また、SwitchにはQRコードの読み取り機能は無い*11
      • いずれにせよ、メーカーは稼働終了したTCAGは終わった物扱いする事が多いので、よほどの人気が出たTCAG以外でこうした救済措置のソフトが発売されるのは稀である。
    • カードショップでは稼働終了が告知されるとすぐ買い取りを断る店も多く、カードを売りにきた人と揉める事も少なくなかった。
    • 一方で、2023年に20周年を迎えたムシキングのカードはコレクター需要から再び高騰しており、ゲームで使うことはできないが人気のカードは高値で取引されている。
      数十年前の玩具がコレクターアイテムとして高騰することは、本作に限らずままあることである。
  • 運営側の態度
    • 本作のヒット以降、子供向けのアニメや漫画は片っ端からTCAG化しようとする「TCAGブーム」が起きた。しかし、人気が出なかったり設置店が少なかったりするとすぐに稼働終了したり、公式が放置してしまう作品も現れるようになった。
      • 例をあげると、セールス不振の為に1年ちょっとで稼働終了してユーザーを無視して畳んでコンテンツを終わらせてしまった『キラキラアイドル リカちゃん』や稼働開始後しばらくして公式が放置して逃げてしまった『電車カードゲーム テツダマシィ』など。
    • 確かに、いくら子供向けとは言えビジネスなので不人気の物はさっさと終わらせたいのも当然であるが、たとえ人気がなくてもそのTCAGを遊ぶプレイヤーが少なからず存在することは紛れもない事実なので莫大な資金を使って開発したのだから責任を持って運営を続けてもらいたい物である。

メディアミックス

+ ...
  • 2005年にはTVアニメ『甲虫王者ムシキング 森の民の伝説』が放送され、「小学一年生」でコミカライズ版が連載された。「ポポ」「ムシキング」「アダー」が登場する(容姿と名前以外は原作ゲームとは設定も全く異なる)、甲虫同士が戦闘する、の2点を除けば上記の3人(2人と1匹?)以外の登場人物はアニメオリジナルのキャラクターであるなど完全オリジナルの内容となっており評価も賛否両論となっている。
    • 父親が行方不明となり、母親を花に変えられてしまった「森の民」の少年ポポが、母親を元に戻すために父親がいると思われる「輝きの森」へメンバー全員が過去の記憶を失っている「サーカス団」の仲間たちと向かう道中で様々な(そして大体救いが無い)出来事に遭う、という非常に重いストーリーで、鬱アニメとして一部では有名である。そうした面を評価する声も少なくない。
    • しかし、賛否が激しい最大の要因はポポら森の民(原作ゲームでは妖精であるが本アニメでは作中世界で人間に位置する種族として描かれている)がメインのストーリーであり、原作ゲームで主役であった甲虫達がほぼモブもしくは他のファンタジーアニメで言うドラゴンやグリフィンのようなその世界にいる高度な生物レベルの扱いに留まっている事であり、敵として登場する甲虫が外国甲虫にもかかわらず「外来種による生態系破壊」を感じられない事である。「甲虫を前述のドラゴン等に置き換える」「恐竜などの非日常的な生物に置き換える」「日本の虫しか出さないようにする」などの手を加えても成立してしまう内容のため「ムシキングでやる意味が無い」「タイトルがムシである意味が無い」という『合虫ガッツ』や同じく人間メインのストーリーである『新ムシキング』と同じような意見も見られる。
      • 一応、ムシキングは「ポポを護る巨大なカブトムシの守護神」としてポポが敵に襲われるとどこからともなく助けにやってくる物語の根幹にも関わる重要なキャラクターとなっている。
    • なお、放送中にもバージョンアップは進んでいたのだが、「ムシキング」と後述するラスボスの「ヘルクレスリッキーブルー」を除いて2004ファースト拡張パックまでにカード化された甲虫のみが登場している。
    • また、重大なネタバレとなるため詳細は伏せるが、物語後半から所謂「セカイ系」となっていき、さらに「ムシキング」や「虫」を題材にする意味の無いストーリーとなってしまっている。さらには終盤ラスボスとして登場する「ヘルクレスリッキーブルー」ですら画面外で呆気なく倒されてしまう。
    • キャラクターデザインを担当したのは『ハートキャッチプリキュア!』や『聖闘士星矢Ω』で有名な馬越嘉彦氏。キャラクターデザインの評価は高く、特に女性キャラが非常に可愛らしいことも有名。
    • シリーズ構成は『けいおん!』や『ガールズ&パンツァー』『モブサイコ100(実写版)』の吉田玲子氏が務めている。
    • また、OPの「生きてこそ」(歌:Kiroro)は小中学校の合唱曲に選ばれたほどの名曲で、曲だけなら絶対に甲虫がプロレスするアニメの主題歌とは思えない。
    • もっとも当時は「ムシキングの名前だけ借りて好き勝手やってるアニメ」と揶揄されることもあったがある種的を射た批評と言える。
    • 実は原作だって相当に好き勝手やってるのだが、ストーリー面の濃さはあまり知られていなかったらしい。
  • 2005年に『劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道』が『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』と同時上映された。
    • アニメ作品ではあるものの、こちらはタイトルの通りGBA版のストーリーを元にした作品(映画に合わせて事実上の完全版であるDS版も発売)で、『森の民の伝説』とは無関係となっている。
  • 2007年に『甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~』が『オシャレ魔女♥ラブandベリー しあわせのまほう』と同時上映された。
    • こちらは本作(アーケード版)のストーリーを元にした作品で、キャスティングも本作と同じである。前売り券特典で、「スジブトヒラタクワガタ」のムシカードを入手できた。
  • 小学館の雑誌での漫画連載もしていた。月刊コロコロコミックと小学二~四年生で掲載。両漫画ともオリジナルの甲虫とキャラが主人公でカード化*12もされた。両者とも本作には登場しなかった虫(トンボなど)が登場。
    • コロコロ版『甲虫王者ムシキング ザックの冒険編』の世界観は、ゲームと大幅に異なっている。本来のムシキングとは全く別の架空の惑星が舞台で、なんと昆虫が人間よりもはるかにデカい。
      • 流石に上記の固有名詞付き甲虫のカードでは現実と同じ大きさで表記されていた。
      • 途中から別冊コロコロコミックに移籍したが、内容自体は原作に負けず劣らずの意外な展開も多いとの評判で、虫の体にヒビ割れが入る描写や人間が巨大昆虫に殺されるような描写が多くかなりハードな展開。
      • ストーリー自体は、成り行きで行動を共にすることとなったトレジャーハンターの少年ザックと伝説の甲虫「ムシキング」になりたいカブトムシのカブト丸が冒険や「ムシキング」の力を得ようとする者達との戦いを通して本当の相棒同士となっていく王道の物語である。
    • 学年誌版『甲虫王者ムシキング 森の救世主』は、森の神様である木霊に選ばれた人間の少年タンゴが仲間と共に森を侵略しようとする謎の知的植物カクタスやその配下と戦うストーリー。
      • 角を折られたカブトムシのキング、タンゴを助けるため食虫植物の胃酸に触れ顎が白く変色した*13ノコギリクワガタのジョー、日本一のクワガタムシを目指して旅をするコクワガタのジャンボ、人間に欠陥品扱いされて捨てられたギラファノコギリクワガタのマティ、カクタスに騙されてカクタスを外に放った罪を償うために命を投げ出したヘルクレスオオカブトのヴィータ、病弱で戦力にならない為に殺処分される予定だったノコギリタテヅノカブトのフラッグといった風に、敵味方問わず重い境遇のキャラクターが多くこちらもポップな絵柄や掲載誌の年齢層に見合わないほどハードな展開である。
      • また、学年誌で連載されていたためか学習漫画の体を取っており、昆虫の生態がストーリーの要所に絡んでくるため、特殊わざで登場する虫も登場しており、ゲームと同じ特殊わざを披露する。
    • そして時は流れ、別冊コロコロにて「新甲虫王者ムシキング」が連載された。伝説の虫ヘルクレスオキシデンタリスを受け継ぎムシキングになる少年を探していたタケゾーと主人公の小学生シュウが出会い、街のムシ使い達との出会いや対決を日々繰り広げるギャグ系のバトル漫画。
      • 主人公の甲本シュウは「弱虫」と言われるのを嫌う少年らしいキャラ付け、ライバルの神谷レイジは当初はムシ使いを負かし、彼らの持つアイテム・Vガジェを奪っていたものの、ザコだと見下していたシュウに負けた事で改心し、良きライバルとなる。普段は真面目だがムシバトルになると熱い性格になる学級委員長のシャチョー、ラーメン屋の息子のジョー(ゲームと違いムシを使用しなかった)、終盤に登場するトーリ研究員などが主なキャラクター。
      • 普通に面白い漫画なのだがいかんせん時代遅れと思われたのか、人気が振るわず僅か一年程で連載終了。単行本は2巻発売。
    • その他の漫画として、別冊コロコロコミックにて連載されたギャグ漫画「オッス!ムシキングッス!!」や、コロコロイチバンで連載された「ムシキングバトラー力(リキ)」、別冊コロコロで3話だけ掲載された「新甲虫王者ムシキング ギャグ爆伝 オイラカブトン」などがある。
  • タイアップとして、プロレスリングノアにて「ムシキング・テリー」「ムシキング・ジョーカー」なる覆面レスラーも登場していた。彼らの技の一部は、それぞれムシキングでカード化されている。
    • 前述の『ザックの冒険編』にも甲虫格闘技道場の師範として登場している。
    • 因みにテリーが鈴木鼓太郎、ジョーカーがリッキー・マルビンであったとのこと。
    • そもそもワザの元ネタに人間のプロレスものが多く、運営の趣味でタイアップしたともいわれる。
      • 「コンプリートスマッシュ(コンプリートショット)」「サーフィンライド(波乗り固め)」「トリプルスープレックス(スリーアミーゴス)」など。エメラルドフロージョンやローリングクラッチホールドなどはそのまま。

海外での展開

+ ...
  • 日本国内の他、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア等でも稼働していた。
    • この為、展開先に合わせて、ムシキングには英語版、中国語版、韓国語版が存在する。日本国内でも東京・銀座の「博品館 TOY PARK」内に存在した「ムシキングミュージアム」でプレイできた。なお、言語や販売価格の違いから、異なる言語のカードは使用できない。
    • 英語版では前述の通り「フォレストグリーン」まで稼働していたことが確認されている。「2007ファースト」以降のバージョンや『スーパーコレクション』等は存在しない模様。

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最終更新:2024年01月12日 01:38

*1 「カスタマイズ」が「コーディネート」になっている等システムが異なる為、細部は異なる。

*2 他社の、高いものになると一枚につき90円以上となり、1プレイの儲けが数円しかないのもある。これに電気代やらかかると文字通りすずめの涙で「ゲームで遊ぶ人が、他に商品買ってくれるかな」という二次的な期待をするしかない物も。

*3 その金を実際のゲームに使えば「金であればどのカードでも良い」という人に限り1枚は手に入るだろうが、そこまでゲームを繰り返すのは無理があった。

*4 雑誌付録カードなど。

*5 いわゆるシャークトレード。価値を偽って交換した場合、詐欺罪に問われる可能性もある悪質な行為である。

*6 ただし、社会問題化したのは1985年の「天使vs悪魔」シリーズ以降。

*7 こちらも菓子を食わずに投棄するケースが問題視された。テレビアニメの「星のカービィ」でも同じような光景が描かれた。

*8 恐竜などの絶滅動物、電車などの無生物を含む。

*9 バンプレストはキャラクター版権料が乗るからか、仕入れでの1枚当たりが大きい時には20円以上高い場合もある。

*10 『ポケモンガオーレ』で排出された「ガオーレディスク」のQRコードを『サン・ムーン』で読み取ることでポケモン図鑑に記録できる。また、幻のポケモン「マギアナ」はこの方法で配布された。

*11 カードリーダーをamiiboにして間接的に付ける事はできるかもしれないが。

*12 「固有名詞付きの虫」がそれに該当。

*13 このエピソードが掲載される前にカード化されたが、なぜかその時のカードでも顎が白い。