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多くの人々は普段の生活から預言に依存しており、その先にさらなる人類の繁栄が在ると信じて疑わなかった。~ また、民衆だけでなくキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国の二大国家の王政すらもこの預言無しでは機能しない。~ 世界は、預言とそれを託すローレライ教団により事実上操られていた。 >しかしそれは、たとえ大勢の犠牲や凄惨な悲劇が詠まれていようとも、それらを実行せねばならないという事でもあった。~ 預言から外れてしまえば、来るべき繁栄が失われてしまうからだ。 >そう、かつて繰り広げられたキムラスカ・マルクト両国による「ホド戦争」の数多の惨劇も、~ 勃発から停戦に至るまで全て預言に詠まれていたに過ぎなかった。 こうして預言は数多の人間を導き、同時に見捨てていった。~ そうして築き上げられた繁栄の裏では、預言の犠牲となった者たちによる世界改革の計画が密かに進行していた... >キムラスカ・ランバルディア王国のファブレ公爵の子息で王位継承権を持つルーク・フォン・ファブレは、~ 両親や使用人兼親友のガイ・セシルと共に不自由なくも退屈な日々を送っていた。 >ある日、屋敷を訪れたローレライ教団の主席総長で、ルークの剣術の師匠でもあるヴァン・グランツと共に中庭で剣術の稽古に勤しんでいた時、~ ヴァンを狙った謎の少女の襲撃を受ける。~ とっさにヴァンを庇ったルークだが、超振動と呼ばれる共鳴現象により少女共々遠い異国の地、マルクト帝国に跳ばされてしまう。~ 故国に帰るため、やむを得ず渋々謎の少女・ティアと協力するルーク。~ しかしそれは、彼に待ち受ける過酷な運命の序章に過ぎなかった… ---- **特徴 ''「FR-LMBS(フレックスレンジ リニアモーションバトルシステム)」'' -『[[テイルズ オブ シンフォニア]]』の「ML-LMBS(マルチライン リニアモーションバトルシステム)」の進化形で、アクション要素がより強くなり、戦闘自由度も増した。 --大きな進化は、L2ボタンを押すとラインに関係なく戦闘フィールドを自由に動ける「フリーラン」が採用された事である。いちいち敵をターゲティングしてラインを切り替える必要が無くなり、敵に挟まれた状態からの脱出や遠く離れた味方への援護などが容易となり、戦略が大幅に増した。 ---ただしフリーラン状態では一切の攻撃が出来ず、敵からのダメージが全てクリティカルヒット(1.5倍)になる。 ---また、標準システムとなっている後の作品と違い下記するADスキルのひとつとなっており、これを外すと「シンフォニア」と同様の操作になる。 ''「FOF(フィールド・オブ・フォニムス」'' -属性の付いた術技を使うことで、戦闘フィールドに属性に対応したサークルが現れる。 --サークルには段階があり、最初は色が無い(無色FOF)が、対応する術技を使うたびに4段階まで溜まるとサークルに色が付く(有色FOF)。これの上で特定の術技を使うことで「FOF変化」が起り使用した術技が「FOF技」にパワーアップする(例:魔神剣 → 魔王炎撃波)。 --ただしあるアイテムを術技に装着すると、無色FOF上でもFOF変化を起こす事が可能になる。 ''「C(キャパシティ)・コアとADスキル」'' -C・コアは装備品の一種で、装備しているとレベルアップ時に上昇するパラメーターにC.コアそれぞれの能力値が上乗せされ、同時にボーナスがマスク値として蓄積される。 --ボーナスが一定値に達すると「ADスキル」(他のゲームに於けるスキルと同義)を修得できる。 ---前述のフリーランやオーバーリミッツと秘奥義はADスキルのひとつになっており、修得しなれば使用できない。 ---ただしフリーラン含む一部のスキルは、例外的に一定LV以上になれば自動的に習得する。 ''「FSチャンバー」'' -FSチャンバーは術技に装備するアイテムで、装備した術技に様々な効果を追加する。 --チャンバーには幾つか種類があり、効果や威力を上昇させる「カーマインチャンバー」・発動直後の硬直時間の減少や効果時間を延ばす「コバルトチャンバー」・HP回復効果や盗む効果を付与する「グラスチャンバー」・無色FOFでもFOF技に昇華できる「サンライトチャンバー」の4種類が存在する。 --チャンバーを装着すれば無条件でその効果が発動する訳ではない。最初は発動率が設定されており、チャンバーを装着した技を使用した回数に応じて発動率が上がっていき、100回使用すると必ず発動するようになる。 ---それぞれの技に装着できるチャンバーは一種類のみ。 -''ミュウアクション'' --移動中、序盤で同行する「チーグル」と呼ばれる小動物の「ミュウ」に様々なアクションをさせて仕掛けを解いてゆく。従来で言う「ソーサラーリング」の役割。 --最初は火を放つだけだがシナリオを進めると新たなアクションを習得する。本編中自動で入手するのは2つだけだが、サブイベントや更なる探索によって習得できるアクションやパワーアップを果たす事が可能。 ---ミュウも単なるアクション要員のみならず、主人公であるルークを誰よりも慕い、彼の心の支えとして随所で活躍する。 ''「タウンリンク」'' -作中、殆どの店舗の品揃えや値段等が、シナリオの進行やサブイベント、特定の称号等によって緻密に変わる。 --品揃えの変更自体は他のRPGや従来シリーズでも時々行われているが、本作の場合はゲームバランス調整の他にも、世界情勢や各地の流通・経済状況等を示す役割も果たしている。 --たとえば様々な食材の産地である農村では食材が安いが、遠く離れた僻地の街等では同じ食材でも値段が跳ね上がったり、街の流通を活性化させるイベントをこなすと街中の商品の価格が下がったり、キムラスカ、マルクト両国に属さず自治を認められた流通拠点では両国よりも値段が安めな傾向がある等((こちらは作中で「拠点から各国に輸出する際に関税がかけられる為」と説明されている。))。 ---さらに、中盤のとある出来事の最中は世界中で武器や防具に特需が発生し、各地で多くの武具が売り切れ状態になる。 ---また売価が跳ね上がるので、序盤のうちに武器を買い込み、一気に売り払うことで財を成せるというリアリティある光景にも遭遇する。 ''交易品と「ディンの店」'' -シリーズでもお馴染みの合成システムで、フィールド各地に点在している「探索ポイント」で入手できる交易品と呼ばれるアイテムを「ディンの店」に一定額のガルド(金額)と共に持ち込み「作成依頼」をするとそれに応じたアイテムや装備品が貰える。 --交易品にはそれぞれレベルが設定されており、納品していく毎に投資レベルが貯まっていき、一定以上ポイントが貯まるとより強力な武器やアイテムが合成品にラインナップされるようになる。一部のアイテムなどは特定の交易品を納品する必要がある。 ---このレベルを最大まで上げ、追加の交易品や多額のガルドが求められるが貴重なアイテムが手に入る「特別な依頼」が出来るようになる。 ---ただし、「特別な依頼」以外は完成するアイテムはランダム。 ''料理システム'' -基本的な部分は『シンフォニア』ベースだが、本作ではそれらに幾つか改変や追加が行われている。 --食材ごとにメンバーの好き嫌いがあり、好きな食材を入れるとその分効果が上乗せされ、嫌いな食材を入れると一部の効果が下がる。 --熟練度が一定以上まで上がると追加の食材を使って効果を更に上げられるのは『シンフォニア』と同じだが、本作ではキャラクターによって様々なアレンジ料理を作るようになる((例えば、おにぎり → ルークの熟練度が最大だと「エビ」を追加して「えびまよおにぎり」になり、HP回復効果が更に上がる。))。 --料理の熟練度が一部のサブイベントの会話に影響したり料理絡みのフェイスチャットが増加していたり、熟練度に応じた各キャラの称号習得も1つのイベントになっているなど、よりキャラクターの個性を色濃く反映したシステムとなっている。 ''称号'' -本作の称号は、基本的にフィールドやマップ移動時に効果を発揮する。フィールドで立ち止まっているとHPなどが回復する、店での売価などが変わる、料理が必ず成功するようになるなど。 --戦闘中やステータスの成長などに効果が及ばなくなったので、『シンフォニア』にあった「成長率を無駄にしないため、レベルアップ直前を見計らって称号を付け替えなければならない」などの問題点が改善された。 ''オーバーリミッツの仕様'' -『シンフォニア』から実装されたシステムだが、様々な改善がなされている。 --敵の攻撃を受ける事で貯めていたマスク数値((『シンフォニア』では「テンション」「感情度」と称されていた。))がこちら側から攻撃する事でも貯まるようになった他、任意に発動出来るようになった。 ---こちらが敵を吹き飛ばした際のダメージは「1」固定だが、敵がオーバーリミッツを発動した際は通常攻撃一発分に相当するダメージを受ける。ただし、敵味方共にこのダメージで戦闘不能にはならない。 --発動の際自分の周囲の敵を吹き飛ばしダウンさせる効果も付与された。一部の重い敵は吹き飛ばないが、それでも確実にのけぞらせる事が出来る。 --『シンフォニア』では殆ど把握できなかったマスク数値がゲージという形で可視化され、オーバーリミッツ状態の持続時間も分かるようになった。 --マスク値が最大になると表示が変わるが、この状態のままオーバーリミッツにならず戦闘を4回行うと半減するという仕様も追加され、長い間オーバーリミッツ寸前の状態を保てなくなった。 --細かい点だが、敵のオーバーリミッツのマスク値が満たされた場合小さいながら効果音が鳴るようになり、敵のオーバーリミッツも予測可能になった。 ---- **評価点 -''主人公・ルークの繊細かつ丁寧な心理描写の完成度の高さ'' --本作での評価の大半はルークの人物描写が占めているといっても過言ではなく、後の作品を含めても根強い人気を誇っている。 --最初は粗暴でわがままな一面を多く見せる彼だが、中盤で起こした罪に苦悩しながらも自分自身の生まれた意味を知り、揺るぎない自分自身を手にする流れは見応えがあり、プレイヤーをぐいぐいと引き込んでくる。 ---最初は周囲に引っ張られてもなお頼りなかった彼が様々な経験を重ね、''やがて自ら仲間達を引っ張るに足る頼もしい青年となり、かつて自らを利用し、否定した者達に毅然と立ち向かう姿は必見である''。 -粗が多いが纏まりの良いシナリオの大筋 --シナリオは、細かい部分を見ると粗が多い(後述)ものの、大筋の部分についての評価は極めて高い。 --一筋縄ではいかない行動理念や背景を持つ六神将の面々との対峙、預言や過去の大戦がもたらす数多の因果、そこから脱却して「預言に頼らず自分で未来を選択する世界」を目指す事の困難さ等、見どころは数多い。 ---細かな部分の会話も作り込まれている。道行く街人の会話パターンもシナリオの進行や話しかけたキャラによって都度都度変わる。 ---その他、パーティーを分割して進行するイベント時の台詞や発生スキット等も使い回しがさほど見られず、ちゃんと別個の会話やイベントが作られている等、見ていて飽きない。 --また、本作のパーティは従来作と違い「互いの利害が一致しているから」「同行しているのはあくまで立場上に過ぎない」といった動機で加入するメンバーが多く、全体的にメンバー同士が無意識にある程度の距離を置いて接している感が強い。 ---だが閉塞的な雰囲気であるかと言われればNOで、従来作には無い雰囲気やある程度の距離感があるからこその落ち着いたやり取りが多いのもまた魅力となっている。 --エンディングのつくりもシリーズの中では独特で、一見すれば感動のハッピーエンドなのだが、最後のシーンで渓谷に現れた青年は誰なのかという議論は今現在でも続いている。 ---それ以前の描写や世界観等から推測は出来るものの断言する決定打には至らず、「比較的信頼できる見解」が公式側から提示された以上の進展は無い。 -読み応えのある「あらすじ」機能。 --いつでもシナリオを確認できる機能で、昨今のシリーズに搭載されているが、本作では『[[レジェンディア>テイルズ オブ レジェンディア]]』から日記調のタイプが継承されていて、淡々とシナリオの流れを説明するあらすじとはまた違う読み応えがある。 --本作ではルークの日記という設定でシナリオをルークの視点から綴っている。誰にも見られない日記だからこそ明かされる彼の本心が赤裸々に暴露されており、''本編だけでは分からない些細な彼の一面を垣間見る事が出来る。'' --本作はシナリオが長い分あらすじの頁も多く、これだけでも結構な量となる。忘れられがちだが、''一読してみるとより彼の心情について理解を深められるだろう。'' --また、後述する通り本作のシナリオは人間関係や世界観が複雑なのだが、それらを分かりやすく要約している為、本編のやりとりで分からずともこちらを見れば無理なく理解出来るつくりになっているのもありがたい。 -より手軽になったダンジョン攻略 --一部の広大なダンジョンの最奥部に特殊なアイテムを消費して一気にダンジョン入り口まで脱出できる機能の記憶陣(セーブポイント)が追加され、戻る際の手間が大きく減った。 --該当アイテムは入手法が限られてはいるが、基本的にダンジョンの道中で一個は必ず手に入るよう配置されている為、二度目以降訪問する必要性が薄いダンジョンに於いては入手について困ることはない。 -進化したグラフィック --『シンフォニア』から格段に進化している。藤島氏の元絵の雰囲気をほぼ完璧に再現できるまでに進化しており、質で言うなら次世代機の作品である『[[グレイセス>テイルズ オブ グレイセス]]』と比べても全く見劣りしない。 --グラフィックの質のみならず動作なども大きく進化しており、イベント描写で見ても『シンフォニア』では殆ど無かった剣戟や激しいアクションシーンが多々取り入れられイベントでの臨場感が大きく増した、 --キャラクターの仕草や表情のパターンも多彩になり、その場に合った仕草をするようになった事で『シンフォニア』であった「同じ動作ばかりしている」という問題も解決した。 --戦闘中の魔法エフェクトやFOF技、秘奥義の演出もかなり派手になり、効果音も合わさって迫力も増している。 -随所で挿入されるムービーも大幅に進化している。 --『シンフォニア』ではムービーが追加されているPS2版でも数は少なめで個々の時間も短く、キャラクターが喋るシーンもほとんど無かった。 --しかし、本作ではほぼ全てのムービーで多くの登場人物が喋り、シナリオの山場では長時間に渡るものも多く出ており、さながらアニメ映画を観ているかのような臨場感がある。 ---キャラクター以外の描写・演出も見物。陸上装甲艦や飛空艇の質感は見事の一言に尽き、本作のシナリオを盛り上げる要素としては申し分ない。 -調整が不充分ながらも、戦闘システムそのものは評価されている。 --特にフリーランの追加は好評で、以後の3Dテイルズにも更なる調整や進化を遂げつつ受け継がれる事となる。 -敵の行動に関しても以前の作品では見られない特徴的な挙動が多い。 --特定の雑魚に弱点となる行動を当てると体が小さくなってパワーダウンしたり((ただし、実際は設定ミスなのか逆に攻撃力が上がっている…。))、術を当てると大きく吹き飛んで通常のダウンとは違うダウンになり、物理防御が下がりつつ長時間無防備になる、など。 -取得グレードの内訳が戦闘終了後のリザルト画面で確認できるようになり、効率的なグレード集めの為の戦闘スタイルの研究などがしやすくなった。 --取得グレード自体も『シンフォニア』からある程度増え、グレードが上がる行動も増えている為集めやすくなった。 -BUMP OF CHICKENによる主題歌『カルマ』の評価が非常に高く、なかでもとあるイベントで流れるアレンジ版は歌詞・展開との相乗効果もあって人気がある。 --ゲーム中で用いられた『カルマ』の各アレンジ版はBOCのボーカルである藤原基央氏が作曲した。 --藤原氏は他に、タイトル曲とそのアレンジであるラスボス戦の曲、加えて劇中の重要要素である譜歌も作曲している。これはオリジナルの発音言語を作って、「それぞれが曲として独立していて、組み合わせると1つの曲になる」というもの。 ---この設定はラスボス戦でルークとティアをパーティーに加えた際に発生するイベントに関わっている。この時の演出もまた評価が高い。 ---少々逸れるが、この時パーティーにルークとティアが居ない場合だと、トップにしたキャラクターとラスボスとの小イベントに変わるが、これも既存の台詞の使い回し等ではなく、大元の展開こそ同じだが全員分しっかりイベントが製作されている。 --また、『カルマ』は『テイルズ オブ』シリーズの主題歌でありながら音楽ゲームでは同社の『[[太鼓の達人>太鼓の達人シリーズ]]』はともかく、セガの『[[maimai]]』やバンナムと対立関係にあるコナミの『GITADORA』『[[pop'n music>ポップンミュージックシリーズ]]』や、果てはブシロードの『BanG Dream! ガールズバンドパーティー』にもカバー版が収録されている人気っぷりで、そのこともあってか「ゲーム自体は知らないけど、曲だけは知っている」という現象も起こっていると言えよう。 ---ちなみに、太鼓の達人には本作そのもののBGMメドレーも収録されている。 -BGMもオーケストラ風の楽曲が多く使われており、質の高さやバリエーションの数等で評価が高い。 --本作のシナリオをこれでもかと彩る重くも切ない曲から、陸上装甲艦で移動する際の重厚かつ壮大な曲などが多くを占める。 --だが、打って変わって明るいカジノや各シリーズ作品のアレンジ曲のメドレーで構成される闘技場でのエキビションマッチ…等々、シチュエーションにぴったり合った曲構成もまた魅力的。 -大容量化に伴いやりこみ要素も大幅に増量。 --サブイベントが非常に多く、長期間、何度にも分けて繰り広げられる「シリーズもの」も少なくない。本編や世界観の核心に触れたり、有用な称号や便利なアイテム等が得られるものも多く、攻略面で見てもこなしておいて損は無い。 --シリーズお馴染みの闘技場ではイベントが大量に追加された他、団体戦では4人パーティで参戦可能となった。特にエキビションマッチではシリーズBGMのアレンジメドレーが流れる中過去のシリーズキャラ達と4対4の戦いが繰り広げられる。 --ミニゲームも「テイルズ オブ [[ドラゴンバスター]]」「迷路屋敷」を筆頭に、腰を据えてやり込める程のボリュームを誇るものが多数用意されている。 --「ソードダンサー」「魔剣ネビリム」等、『シンフォニア』から引き継いだものもちらほら登場する。 ---- **賛否両論点 -本作でのルークに対する処遇や扱いに対する描写は賛否が大きく分かれる。 --ゲーム中盤でルーク達はとある大事件を起こすのだが、この事件に関する処罰が全くないままにエンディングを迎えてしまう。 ---この点について一応不問となった理由は明かされているのだが、それを差し引いても事件の規模を考えると方々の対応が甘すぎるのではないかという意見が根強い。 ---ただ、本当に処罰を受けさせようものなら処刑や国外追放、投獄などは不可避でありゲームの進行に影響が出てしまうことは不可避であることを考えると致し方ない点もある。 --この中盤の事件についてはイベント描写も含め、本作最大級に賛否が割れる点でもある。 #region(中盤の事件について。ネタバレ注意) --当該中盤の事件は簡単に言えばルークが1人で超振動を起こすことが出来る体質を利用し、1つの都市を壊滅させるといったものであり、彼に親身になって接していたヴァンは自身の計画を成就させるべく、記憶の無いルークに長年優しく接して自身に依存させ、前述のように巧みな話術でルークが周囲に相談する(情報を漏らす)ことを阻止し、尚且つ余計な疑問を抱かず計画に乗るように誘導し都市を崩壊に導かせた。 //さらにアクゼリュスで超振動を発動させた際もルークは途中明らかな戸惑いを感じており、&color(red){''反射的に中止するかもしれないそぶりも見せていたがすかさずヴァンに暗示をかけられ強制的にアクゼリュスを崩壊させられてしまった。''} ---この一連の流れは、''ルークが生まれる前から入念に計画されていたものであり''、ルークはまんまとその計画に乗せられてしまっただけであり、ルークが実行者であることは確かだが、真犯人はヴァンであり、ルークが首謀者のように非難される必要は全くない。 //アクゼリュスのセーブデータは残してあるので確認しましたが、ルークがヴァンに疑問を持っている描写は確認できませんでした。修整するなら、アクゼリュス編をプレイし直して、ルークがヴァンに疑問を持っていたという根拠となる描写(発言等)を提示してください。 //ヴァンに疑問ではなくて崩壊させている最中にこのままリングを壊していいのか疑問or不安に感じています。暗示が無くてもそのまま最後まで続行したかもしれませんが、いずれにせよヴァンはルークがそういった態度を示した直後に有無を言わさず暗示で強制させています。 //パッセージリングの間に入ってからの暗示までの会話を原文ママで書き出します。ヴァン「さあ、ルーク。あの音機関―パッセージリングまで降りて、瘴気を中和するのだ」イオン「どういうことです?中和なんてできるんですか?」ルーク「それができるんだ。俺は選ばれた英雄だからな」ここでティアとジェイドに場面切り替え。ヴァン「よしそのまま集中しろ」ルーク「…………」ヴァン「さあ……『愚かなレプリカルーク』力を解放するのだ!」ここで暗示発動。ルーク「な……なんだ!?俺の中から何かが……」暗示発動までのどこに疑問や不安を感じているのかが分かりません。暗示直前の無言では何を思っているのか言い切れませんし、「な……なんだ!?」の発言を言っているなら、既に暗示後であり体の制御を乗っ取られているなら疑問や不安を感じるのは当然の事であり、逆に言えば暗示をかけられなければ疑問や不安を感じる事は無かったという事です。 //この暗示自体、連絡船でルークがローレライに無理やり超振動をさせられた際ヴァンが咄嗟に使って阻止した。そしてルークに色々吹き込む時も「超振動を発動させる時は今みたいに手伝う」的な事を言ってた事も追加。パッセージリング破壊イベントのルークの振る舞いも含めて、当時ルークが超振動を使うこと自体に反発したり躊躇っていたとは考えにくい。 //---また、&color(red){''上記の発言の背景も突然本性を現したヴァンに用済みとして見捨てられ、街を救うためにと使った力で逆に滅ぼしてしまい、崩壊した大地と無数の死体を目の当たりにした直後という状況である。''} //---''少なくとも、当時の彼に一権力者として早急に冷静な判断をしろという方が無茶であり''、経験豊富な軍師であっても困窮極まる状況なのに、軟禁生活により社会経験自体が不足しているルークではなおさらである。 //---そもそもの話、COLOR(red){''実年齢7歳の人間が、こんな理不尽な目に遭って責任を誰かに押し付けたくなるのは当然で、何より誰よりも信用していた人間に裏切られ街一つ滅ぼして無数の死体を見たうえ、さらに仲間から問い詰められて冷静で居られる方がおかしい。''} --街を救うために使ったつもりの力で逆に街を滅ぼしてしまった状態で、信頼していたヴァンからも用済みとして見捨てられた中で、仲間にどのようにするのかと問い詰められたとしても冷静な判断など不可能といえる。 ---この状態でルークは自分に非はないと言い訳をしてしまい、仲間に見放されているわけだが、直後に泣き崩れていることからも重責を自覚した故の反応といえよう。 //--本人も後にこの発言について''「責任を認めるのが辛かった。認めたら途方も無く甚大なそれに向き合い償わなければならないから」''と告白しており、''見放された直後一人泣き崩れていることからも、寧ろ幼い精神で計り知れない重責を自覚したからこその反応と言えるだろう。'' //---大体、償いと言ってもただ謝罪と賠償をすれば済むような規模では到底なく、如何に本意ではないとはいえ起こった結果を考えればそれこそどんな温情があろうと''キムラスカ、マルクトの双方から処刑や永久追放などの厳罰に処されても何らおかしくない状況''であった。 //---後にピオニーが寛大な処遇を下して命拾いできたもののあくまで偶然であり、それどころかキムラスカ側としてはルークが死ななければ預言を遵守できない為、後の展開の事もあり仮に惨劇後に真っ直ぐバチカルに戻っていたら''適当な理由を付けられて即刻処刑されていた可能性もある。'' //---仲間がルークを責めた理由としては、惨劇を起こした事そのものというよりは、それに対する彼の態度や振る舞いに対しての比重((ジェイドに関しては、加えてある事情から過去の自分と重ねて苛立っていたということもある。))が大きいのだが当人はその意図を全ては汲みきれず、あるサブイベントでジェイドから告げられるまで勘違いしたまま過ごしてしまうことになる。 //---実際、&color(red){''作中のやりとりは明らかに「惨劇を起こしたことそのものを責められた」としか受け取れないものであるが。''} ---一方で、ルークに責任を問い質す仲間達であるが、全員がルークの事情を知っている上に、ある意味ルークよりも直接的な責任や問題のある事情を抱えており、自身の責任などを度外視してルークを一方的に責め立てることができるのか、という指摘もなされている。 //---イオンは錯乱しているルークを擁護しようとしたがアニスに阻まれ、それに流されアニスに引っ張られ引っ込んでしまう。 //---純粋にプレイヤーからの共感を得ているのはルークと同じ経験を経ていることから彼の心境を理解し、唯一彼の傍に残り必死で励まし支え続けたミュウくらいである。ミュウの場合、ルークと違って完全に自業自得ではあるが((本来なら成長してからでないと吹けない炎を幼少から扱えるが制御が不完全で、天敵である魔物ライガの森を事故で燃やしてしまった事でチーグルの森に住処を失ったライガが押し寄せ、同族の犠牲および種族存続の危機を招き、さらに結果的にライガが不条理に殲滅される原因を招いた。なおこのイベントの後、ルークはミュウの事を「ブタザル」ではなく「ミュウ」と呼ぶようになり、理不尽に踏みつけたりすることもなくなりやさしく接するようになる。))。''&color(red){ただし言い換えればミュウの慰めも自身の罪と重ねた上でのものなので「悪いのはルーク」という前提故の慰めである}。'' ---仲間のジェイドについては「せめて相談をして欲しかった」という発言をしているが、そもそも隠し事が多い上、自分を見下したり馬鹿にしたりする言動が多々見られる中で、(演技とはいえ)親以上に親身に接してくれているヴァンを差し置いて相談することなど出来ようはずもない。 ---そして物語を進めるにつれ、&bold(){実は仲間の全員にも少なからず落ち度や後ろめたい事情があり、その事件の時点では棚に上げてルークを責めていた}(一部に至ってはとてもルークをバカにしていられない程重大なものも…)ことが&bold(){ルークが完全に懲りた後になって}判明する。~ そのため、ルークだけが一方的に責められた一方で他の仲間は暗い部分が明らかになってもお咎めや制裁が全くないという落差が大きすぎる寛大な扱いが強く批判される要素となっている。 //---その上、ほぼ全員が終始彼にとった態度や仕打ちを謝罪したりせず、アクゼリュス崩落については完全にルークの非だとするバイアスをかけている…と捉えられかねない状況な為、そうした扱いの落差からもメンバー達への批判も広がりはじめ、それに併せてルークへの庇護や同情意見も多くなっている。 //仲間にも非があったり、それに対して制裁が無いのがモヤモヤするのは分かるが、だからといってルークの非が無くなるわけじゃないし、ルークに謝罪すべきかって事とは別の問題だと思う。まぁ、それを抜きにしても明らかにやりすぎなジェイドとアニスはともかく、それ以外の仲間がルークに謝罪すべきかは、かなり微妙だと思う。 //---それでいてCOLOR(red){''仲間達の責任や問題については、明らかにルークより悪質な物もあるのにもかかわらず、ルークと異なり処罰どころか非難自体もほとんどされないなど不自然なほど軽く済まされるという大きな落差がある''}為、余計にルークへの同情及び、仲間たちへの批判が多くなっている。 ---シナリオ全体の展開ややりとりから、この惨劇はあたかも「ルークが自らの意思で行った悪行」であるかのように扱われている節があり、上記の理不尽仕打ちも相まって惨劇以降のルークの扱いはスタッフが意図したであろう「彼への正当な糾弾」ではなく単なるCOLOR(red){''「主人公いじめ」にしか見えなくなってしまっている。''} --また、序盤のルークの性格は問題点が目立つとはいえ、不器用なりの優しさを見せるなど曲がりなりにも長所も見られたため、序盤のルークの性格をあたかも黒歴史((とある場面で「傲慢なまでの生への執着心は見習うべきだった」と引き合いに出されるなど、完全に否定された訳ではないが、あまり気持ちの良い例えではないのも確かである。))として切り捨てるかのような扱いを批判する声もある。 ---展開が展開なので性格の急変自体は仕方ないとはいえ、当時の性格のまま更生、成長させることは出来なかったのかと惜しむ意見も存在する。 //これって逆に言えばどうせ崩落は防げないんだからルークの性格をプレイヤーがイラつくほどわざと悪くする必要ない、って事になるんじゃ…? //coから拾ってきてちょっと修正してみた //--記述が長くなったが、本作で一番物議を醸しているのがこの場面である。 --ルークを見捨てた仲間達の反応については、プレイヤーによっては、''「非難するにしても陰険すぎる」「本当にルークが悪いなら初めから詰んでいる」「そもそも機密だらけの自分達が何を言うか」''という非難をされることもある。 ---特に制作サイドが最も悪いとしているルークの態度とこれに影響を受けたプレイヤー、そして幼児退行や軟禁生活等ルークの事情を知っている上での問題のある仲間達の辛辣過ぎる対応・その後の落差などが長々と泥沼のような議論が続く原因となったといえる。 --もっとも、彼の性格の悪さは意図されたものであり、これをバネにしているからこそ中盤以降が光るという声も多い。 ---件のシーンは、スタッフの反対意見もあったらしいが「''そのままの方がルークに感情移入できる''」と判断され変更されなかった、という経緯もある。 #endregion //#region(''ネタバレ注意!'') //-評価点で書かれたルークに関する事情を差し置いても、全く処罰されずエンディングを迎える状況については、上述の通り批判はある。 //--彼はローレライ教団、キムラスカ・マルクト両国の首脳陣に対して自らの罪を打ち明けているのだが「教団にとっては預言通りだから問題はない」「今はそれどころではない」「ルークの中盤以降の活躍で結果水に流されている」などの形でことごとく不問となっており、犯した罪の規模そのものの巨大さゆえ流石に方々の対応が甘すぎる、という旨のものである。 //---これらの対応によってルークはけじめのつけどころを失い、彼を非難する資格があるアクゼリュスの関係者から糾弾される場面も無く、COLOR(red){''逆に彼を責める資格がないメンバーからはその分までと言わんばかりにネチネチ責められ、それらの結果生まれた卑屈な一面を厳しく(時に嫌味に)非難されながら((ジェイドやアニスは各々のイベントで彼が罪悪感や自分の成長の無さを漏らしたのに対して「そうやって悲劇の王子様を気取って同情して欲しいのか?(意訳)」と唾棄し、ルークの理解者とされるガイですら、罪を償う為にはどうすれば良いかという相談に、最終的に「後ろ向きなのは止めろ。うぜーっての」「世界中幸せにするくらいの勢いで頑張れ」と投げやりに締めており、誰ひとりとして彼の訴えに真摯に取り合う人物はいなかった。))、(彼を支えたい、不安視するメンバーの中)実質ひとりで自らの罪に対する答えを模索せねばならなくなった…''}という、不憫なことこの上ない状況が終盤まで続く。 //---もっとも、こちらも上述した通り彼がこれについて処罰を受けようものなら、どんなに罪が軽減されようと年単位での牢獄生活は覚悟しなければならない次元である。 //---中盤以降逼迫するシナリオ事情の中主人公たる彼を長期間離脱させることは実質不可能である…などのメタ事情も考えられる。 //--それ以前に、シナリオ全体の展開ややりとりから、この惨劇はあたかも「ルークが自らの意思で行った悪行」であるかのように扱われている節があり、上記の理不尽仕打ちも相まって惨劇以降のルークの扱いはスタッフが意図したであろう「彼への正当な糾弾」ではなく単なるCOLOR(red){''「主人公いじめ」と見なされてしまっている。''} //#endregion --性格面以外にも、彼のストーリーでの一貫性の無い立ち振る舞いに対する批判もある。 ---冒頭でも述べたように、本作での彼は他の主人公と異なり「ゼロに近い状態から自分なりのアイデンティティを確立するまで」を焦点に当てている為、それを確立させる最終盤になるまではシナリオの展開ごとに彼の立ち振舞いや心情が幾度も変わる。 //---これは彼の精神的な「芯」となる信念が芽生えきっておらず、感受性の強い性格もあって周囲からの批判や大きな出来事に遭遇するたびに自我を乱してしまう為である。 //---一度社会的地位はおろか自己の存在すらも否定された状況で、お構いなしに切迫し続ける世界情勢故に''半ば無理矢理にでも立ち直るしか選択肢がなかった''という境遇故の不安定さも否定できない。 ---彼の境遇を考えれば、あの状況から短時間で立ち直った事自体が奇跡のようなものであり、彼が秘める可能性や素質が垣間見える。 ---そして終盤になると確固たる「芯」となる信念と自我を手に入れ、周囲の批判や罵声に毅然と反論したり、如何なる強敵相手でも一歩たりとも退かない強固な姿勢を見せるようになり、名実ともに主人公然とした姿を見せてくれる。 --彼の世間知らずの度合いについても違和感がある。 ---誇張抜きで屋敷から外に出た事が無く、必要最低限の知識以外を学んでいない為「超振動や同位体、古代イスパニア語((古代の言語だが今現在でも一部で使われているもの。少なくとも王侯貴族はある程度知っていて当然とされている。))などの専門用語はことごとく知らない」「買い物を知らない」「”海”というものを見たことが無い」などはまだわかるのだが、「ローレライ教団の導師(イオン)の名前を知らない」「第七音素という存在自体知らない」「両国の緊張状態''自体''を知らない」など、俗世から完全に隔離された前人未踏の地で育ったならともかく、王族の屋敷の整った教育環境にあったなら学んでいる・聞くくらいはしているだろう一般常識すら知らないのは流石に不自然な感がある。 ---ここについては、一応「言葉や親の顔など最低限の知識を覚えることで手一杯だった」と語られ、また他のキャラクターに説明させることで同じく本作の世界観を知らないプレイヤーに理解を促す役割も担っているのだが、「完全に知らない」というパターンの一点張りな為、設定と背景の不一致を招いてしまっている。 -戦闘面は調整不足な面が見受けられる。 --システムの細かな調整ができておらず、プレイヤー側に有利な要素が多いため難易度はシリーズ内でも低め。 --フリーランは硬直なしに瞬間的に発動することができ、なおかつそれなりの速度で移動できるのに対し((ADスキルや「俊敏」のパラメーターを伸ばすことでさらに移動速度が上昇する。))、敵の攻撃は大抵動作が鈍く周囲を回るだけで簡単に回避しつつ攻撃可能。 ---全周囲攻撃は厄介だがこれを使う敵は少ないうえに大概動作が鈍いので一度見ればすぐ回避出来るようになる。~ 敵AIが雑魚からボスまでほぼ一律で近くのキャラをターゲッティングするおざなりなものなので、フリーランで近くをうろうろするだけで自分をターゲッティングさせて釣る事や空振りを狙うことも簡単。~ 高火力&回避しにくい攻撃を両立している極々一部の敵以外は基本的にこれでOK。 ---ただし上述したようにデメリットもあるので、乱戦になった場合無闇にフリーランに頼るとあっというまに劣勢になってしまいがち。 ---譜術は基本的に発動から攻撃判定発生まで時間があり、殆どフリーランで回避可能。~ 完全回避が困難なのは攻撃範囲が全体&ランダムな術、攻撃判定が発動と同時に足元に発生するFOF技の「フリジットコフィン」くらいである。~ そのため魔法攻撃を防御するマジックガードの意義がやや薄れている。 --オーバーリミッツの仕様も些か強化が過ぎている節もあり、便利&手軽過ぎる壊れ技寸前にまで達している。 ---さらに、ゲージが「アロース」というADスキルで従来より格段に貯めやすくなっていることも拍車をかけている。~ このスキルでの挑発行動中は完全な無防備な上『シンフォニア』と違い途中で解除出来ないが((一応、『シンフォニア』でも複合EXスキルを別個に習得しないと解除できない。))、フリーランとの併用で解決が容易。 --秘奥義の発動条件もかなり緩くなり、上記の仕様もあって普通にプレイしていても一度の戦闘で何度も秘奥義を連発出来る状況になった。難易度の低下に繋がっただけではなく『秘奥義』の希少性も下がってしまった。 ---ただし、2つ目の秘奥義は過去作と遜色無いレベルに複雑。お馴染みのHP制限+コマンド入力によるものやガルドを消費するものなど、普通にプレイしていてはまず分からないものばかりである。~ オマケに一部を除く第二秘奥義は一度の戦闘で一回しか発動できない。その分威力や範囲、追加効果は1つ目の秘奥義が霞む次元である。 --他にも終盤になり上級譜術を習得するとFOF技が容易に繰り出せるようになり、「FOF技発動中は一部攻撃を除いて仰け反らなくなり、HPも0にならない」という仕様により、さらにプレイヤーが有利になる。 ---ただし逆に言えば敵も同じで、特に裏ボス相手に考えなしに風や光のFOFを出しているとFOF技を連発され苦戦することになる。 --ADスキルは便宜上任意に着脱可能なスキルという形をとってはいるものの実際は''スキルの着脱に制限がない上に習得するスキルは全部有益な物ばかり''なので、縛りプレイでもしない限り外す意味がほとんどない。 ---本来は着脱式だったが、それによる難易度調整の期間が無かったため、このようになったようである。付け外しが出来るのはその名残とのこと。 ---取得条件こそ厳しいが、その気になれば全員に''「一部攻撃以外に仰け反らなくなる」「通常攻撃を7回まで出せる」「一度の戦闘中一度だけ倒されても自動で復活出来る」''「ガードブレイクしなくなる」等の反則級のスキルを習得させることも可能。 ---従来のシリーズでもこれらのスキル等自体はあるが、いずれも取得者が限られていたり、強烈なデメリットを設けることでバランスを調整していたが本作はデメリットなしで使用可能。 //--戦闘自体のみならず、ボスが待ち受けているダンジョンのほとんどではその直前に全員全回復機能付きのセーブポイントが用意されていたり、道中の攻略リスクも大きく下がっている。 -ストーリーやキャラクターの背景・設定はシリーズの他の作品と比べても全体的に暗くシリアス。 --これは今作の魅力であると同時に人を選ぶ点でもある。上記のようにBGMも暗く重い曲が多くを占めている為、一層プレイヤーの心理にのしかかる。 --人間関係や勢力図も複雑で、世界観自体も専門用語が多く、どれもが学説的かつ難解。それらが絡み合って1つの大きな問題を生み出している状況も少なくない。 ---政治に踏み込んだ会話も多く、難しい単語や言い回しも頻繁に出てくる。それ故なんとなくプレイしていると置いていかれかねない((一応、上記の『あらすじ』でシナリオの流れを確認することは出来る。))。 --「abyss」(深淵、奈落)は作中の「魔界」の設定や、「心の底から」という意味をかけている。また「the abyss」は地獄という意味で、「''地獄の物語''」というタイトルにたがわず、重く暗いシナリオはあえてプレイヤーの心に直接訴えかけるように展開させているという(プロデューサーのインタビューより)。~ 物語の展開上、直接人間が殺害されるシーンが何回もある。これについては上記の通り「プレイヤーに''心の底から''感じ取ってほしい」という意図からぼかすのではなく直接描写しているという。 //---しかし、本作の場合敵でもない無力なサブキャラや一般市民が殺されるシーンも少なくなく(サブイベントなど含めて)、「安易に人間の死を扱いすぎ」「展開に重みを出す手段がワンパターン過ぎる」という旨の批判も少なくない。 //↑これを問題視していたら民間人が死ぬゲームすべてに賛否として書かなければならなくなる ---サブキャラやモブキャラに限らず、プレイヤーが感情移入しやすいメインキャラクターにも、ストーリーを進めるにつれて''理不尽で過酷な運命''が待ち受けていることが明らかになる。~ その理不尽さを受け付けられないプレイヤーは少なくなく、クリアして『アビス』そのものに好意的な感想を持っても、多くのテイルズシリーズで前提となっている周回プレイはしたくないと感じるプレイヤーもいる。~ しかし、同時にこれは前述の主人公の成長に深く関わる重要な要素であり、今日の『アビス』の人気と切っても切り離せないポイントでもある。 ---その一方で、登場する敵側のキャラクターも何らかの暗い過去があったり、確固たる信念のもとに行動する人間ばかりで((メンバーから蛇蝎の如く忌み嫌われているモースでさえ、作中での行動こそ悪辣極まりないが、全ては最終的に訪れるとされる人類の繁栄を一途に願っている故のものであり、寧ろ作中世界の人間の模範とも言える。そんな彼も、最終的にはPTから思わず憐れみが漏れるほど凄惨な末路を辿ることになる。))、純粋な悪人は基本的に登場しない。~ その人物と対峙する際も単なる勧善懲悪では終わらないため、犠牲者の多さも相まって人によっては後味の悪さばかりが残る((仲間側のキャラが説得を試みたり、倒した後に憐れみの台詞を言ったりもするため、多くの人を殺した悪役なのに美化されているようで不愉快だと感じるプレイヤーもいる。))と感じることも。 --登場するキャラも毒のある性格付けや裏のある設定を持つ者が多く、作中での描写も万人の納得を得るには極端なものが多い。 ---そんなキャラ達が成り行きでパーティーを組む為、特に序盤は常時パーティー内のどこかで諍いやメンバー同士の対立が起こっている。~ だが、中盤以降は難局の中メンバー同士が打ち解けあう事で改善していき、終盤では「クセ者揃いだがなんだかんだ結束力が強いパーティ」と化す。 ---ちなみにメンバーの全員が王侯貴族・軍や宗教組織の要職などの権力者であり、シリーズはおろかRPG全体から見ても珍しい「一般庶民が全く居ないパーティ」でもある。 ---なお、シンフォニアチームは『アビス』の公式攻略本で、「『シンフォニア』では仲間が仲良すぎたために、『アビス』では今までにない性格付けをした結果、仲の悪いグループが出来た」と発言している。''誤解されがちだが、意図的に仲の悪いパーティにしたとは言っていない。'' //特に異論が出なかったのと、ある程度まとまったのでこちらに移してみます。 //ナタリアも批判は下記4人に比べればかなり少ないかと ---- **問題点 -歴代シリーズと比較するとバグ・誤植が多くロードも長め。 --ロードの長さ・多さに至ってはシリーズ随一であり、特にやり玉にあげられる部分である。建物の出入りやサブイベント中に場面のカットが切り替わるだけでも5秒前後ロードする。戦闘時のロードや処理落ちは殆んど無いのが救い。 --誤植については中盤のとある大事な場面での致命的な誤字のせいで感動が台無しになってしまっていることも。 --バグの中には「イベントで没収されるはずのアイテムを無理やり手元に残す」「[[''海や崖すら歩いて横断して本来入れない場所に移動できる''(ただしフラグを順番に立てて>ファイナルファンタジーVII]][[いかないとシナリオが進まないので、ストーリーの大幅なショートカットやズルは出来ない)>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2)]]」などの有利な物もあるのだが、やはり不利な物、致命的なものが目立つ。 --本来はパーティキャラ全員に秘奥義が2つ以上用意されているはずなのだが、上述の開発期間の短さゆえに、ガイとナタリアには1つしか秘奥義がない。 ---これらはPARを使用することで未完成モーションが見られる。また、闘技場で戦うリッドやナナリーなどの一部秘奥義は、発動時にカットインがない。 ---一方でアニスだけ秘奥義が事実上3つあり、攻略本で開発スタッフが「アニスに一番愛を注ぎ込みました!」とコメントをしている為、ガイとナタリアの2つ目の秘奥義を差し置きながらアニスを優先した点が批判されている。~ そしてアニスの場合、&bold(){本編でのやらかしや言動が酷すぎる}ことも相まって「依怙贔屓もいい加減にしろ」「この時点でスタッフの内輪贔屓の前兆だったか((2008年ごろのテイルズシリーズは、スタッフがヲタッフなどと言われるほど、キャラ崩壊などの内輪ネタが多かった為))」と呆れる人も多い。 --本作は開発期間が約1年とかなり短かったらしく、バグや不完全な部分が多いのはおそらくこれが原因と思われる。 ---『シンフォニア』の移植で『アビス』の開発時間が減ったとのこと。また、シリーズ10周年アニバーサリーということで、それに間に合わせる必要もあったとか。 --これらは後の3DS版で改善・追加実装された。 //-ストーリーやキャラの設定に、他のゲームと似通っている部分がある。 //--ただし、似ているのはあくまで一部の設定のみである。実際のストーリーが別物であることは追記しておく。 //---主人公ルークに焦点を中てるなら「ストーリー上の最重要人物のレプリカ(複製)存在」であることだろう。 //もっともシナリオはその「こと」への超克を目指しており、複製元である素体(アッシュ)と同一であることを求めていない。多くの同一作品における同一命題である『オリジナルを上回る』ことを目的とせず、『オリジナルとは別の方向性でいて、すべてを超える』ことが好評の理由となっている。凡てにおいて劣る存在が、凡てにおいて優る、希少な作品であるといえる。 //他のゲームって何のゲーム? 「シンフォニア」の記事のように具体的な作品名や箇所を出してるならまだしもよく知らない人にとってはぼかして書かれても「?」だよ。だいたい、ストーリーや設定が似通ってること自体は問題にはならない。 //その下の薀蓄もいらないのでCO //似ているゲームってのはおそらく『グローランサー』だと思う //グローランサーなんだろうけど、グローランサーとアビスの共通点はFF10とシンフォニアの共通点よりも更に少ないし、そもそも2chのグローランサー総合スレでさえアビスがグローランサーのパクリって意見は否定されてるぐらいだからこのままCOしといた方がいいと思う。 -戦闘難易度「アンノウン」にした場合の戦闘バランス --敵の全てのパラメーターが4倍になり、シリーズの中では珍しく防御関係も上昇する。 --しかしこの防御上昇が曲者で、シナリオの進行状況やこちらのステータス等関係なく全ての敵に同じ補正がかけられる為、多くの敵が通常の育成だとダメージを与えられない状況になってしまう((アンノウンでノーマルと同じダメージを与えるには、2倍の攻撃力が必要。))。 --こうなるともう、敵の攻撃を避けつつ、ただただ1ダメージずつ与えるだけの終わりの見えない不毛極まりない戦闘になってしまう。本作の敵の物理防御力は全体的に高めな傾向がある為、尚更である。 --大抵はクリア後のGRADE引継ぎで「経験値10倍」を獲得して大きくレベルを上げれば解決するが、この特典の購入に必要GRADEが非常に多い。 //そもそも別個に特典を購入し明らかに横道に逸れた稼ぎ行為をしなければまともに戦闘出来ないという構図自体問題である。 //↑やりこみプレイヤー用の難易度というだけでこれ自体は問題ではない --さらに、それらの処置を以ってしても通常のプレイではどうにもならない例もある。 ---隠しボスはレベル200+物理攻撃特化のC・コア育成+最強装備をもってしても、更に薬草で強化しない限り物理攻撃のダメージは全て1になってしまう。 ---アンノウンの裏ボスに物理攻撃でダメージを与えようとした場合物理攻撃力が3042以上必要になるのだが、攻撃力の高いルークやアニスでも精々2700~2800前後が限界。 ---その為か、公式ガイドブックにてスタッフが「''アンノウンの裏ボス(レプリカネビリム)を倒したら是非報告を下さい''」と綴っている((ちなみに、国内PS2版のアンノウンのレプリカネビリムがどれぐらい強いかと言うと、「物理攻撃で与えられるダメージ量はたったの1」「最大HPが1280000」「物理攻撃力が5256で、術技を1回でも受ければ即死」と、テイルズオブシリーズ史上最強のボスキャラになっている。海外PS2版や3DS版だと弱体化はするも、厄介な秘奥義が追加されているので油断は禁物。))。 ---他にも最初に強制的に戦闘になるサイノッサスも、大量に薬草を引き継いでドーピングしない限り物理攻撃では1しかダメージを与えられない。逃走も出来ない為、まともに戦うと尋常でない長期戦になってしまう。 --一方、敵の譜術防御は全体的に低く、譜術攻撃力が高く伸びるティアやジェイドに譜術攻撃特化のC・コアを装着して育成すれば、アンノウンの裏ボスにもドーピング無しでそこそこのダメージが通るので、物理攻撃程理不尽な状況にはならないのが救いか。 --そもそもHPが4倍になる時点で敵も充分タフになっている為、防御まで上げる必要性はあったのだろうか。後の移植版ではアンノウンの強化補正が下がり、ある程度緩和された。 -C.コアの装備状況の表示がややこしい --キャラクターにC.コアを装備させレベルアップをさせていくと、ステータス画面のキャラクターの欄にどのステータスにC.コアの補正を振られているのかを示す円グラフが表示される。 --だが、C.コアを外してもグラフがリセットされずそのままの状態で残り、別のC.コアの装備や長期間装備しなかった事による変化が少しずつグラフに反映されるだけで、一目するとC.コアを外しても暫くそのC.コアの効果が残っているようにしか見えない。 --だが、実際は外した時点でそのC.コアのステータス補正や数値の貯蓄も無くなっているので、効果が残っていると誤解してレベルを上げてADスキル習得の機会を逃がしてしまう事態になりかねない。 ---このグラフについての説明はゲーム中では一切されないので尚更である。 //-一部日本語の扱いについて //--モブ兵士の目上の人に対しての発言で「お疲れ様です」と「ご苦労様です」が混在しているなど、奇妙な日本語が多い((もっとも現在では目上の者が後者、目下の者が前者を使うのが正解とされているが、元々は両者とも目上の者が使う言葉であり、また一時期目上の者が前者、目下の者が後者と現在とは逆の使われ方をされていた時代もあった。そのため、現代劇で無ければ目下の者が「ご苦労様です」を使ったとしても必ずしも間違いでは無いのだが。))。 //--特に指摘されているのがガイの秘奥義「鳳凰天翔駆」の台詞である「気高き紅蓮の炎よ、''燃え尽くせ!''」で、言葉としては「燃やし尽くせ」もしくは「焼き尽くせ!」の方が表現としては適切である。 //--ただし、本作のみならずドラマCDやお祭りゲーでも一切修正されていない所を見ると、日本語の正しさよりも語感の良さを重視し意図的にそうしていると思われる。 //↑前者に関しては注釈で問題ないと書いているし、後者に関しても言葉として間違っているからなんだという話なのでCO。 -料理の熟練度が上がりにくい。 --熟練度は全20種類の料理に☆0個~3個までの4段階あるが、☆を1個上げるためには10~20回(効率的には成功1回=失敗2回)、☆3まで上げるには30回~60回その料理をする必要がある。 --つまりパーティメンバー6人全員の料理熟練度を最高にしたいなら、もし料理が全部成功したとしても20×30×6で、''最低3600回''こなさないといけない。 --無論全て成功する確率は天文学的な次元なので、大抵はもっとかかる。熟練度が大幅に上がる近道要素も無い。 --意図的に熟練度を稼ぐと食材を補給しなければならないが、食材も他のアイテムと同じくそれぞれ16個…2周目以降のボーナスを活用しても20個までしか持てない為頻繁に調達しないといけない。 --さらに全ての食材を扱っている店が無く、複数の街に立ち寄らなければならない。終盤では飛行艇にワープ機能(『ドラクエ』で言うルーラの呪文)が付くが、それでもPS2版だとロードの長さでかなり手間がかかる。一部高価な食材もあるので、金銭繰りも必要。幸い終盤になると大金を得られる手段には困らないのが救い。 ---なお料理熟練度オールMaxの称号は6人全員にある。なので称号コンプリートを狙うなら地道に頑張るしかない。 //アッシュに関しては明らかに料理熟練度を上げることが求められていないので記述を除外した -飛行艇が使いづらい --シリーズお馴染みの「空を飛べる乗り物」で、フィールド移動が一気に楽になる。 --本作の飛行艇は機能そのものは便利なのだが、フィールド上に点在する特殊な地点のせいで、特に中盤はかなり使いづらくなっている。 --フィールド上の特定の地点では砂嵐や侵入者防止用の弾幕、吹雪などで飛行艇はそのままでは侵入出来ないのだが、その範囲に近づくだけで長めの演出とメッセージが入り、その間は操作が出来ない為、非常にストレスが溜まる。 --事前に警告する機能などは無くプレイヤーがその場所を覚えるしかないのだが、そうでもないうちは「飛び回っていたら何度も停止させられる」という状況に。 --終盤のサブイベントで入手出来るアイテムにより機能を強化すれば突破出来るのだが、''かなり離れた位置から助走をつけて専用ゲージを満たす必要があり''、満たない状態で侵入すると上記のように阻まれる為、こちらも慣れないうちはストレスが溜まる。 ---該当アイテム入手後は無条件で突破出来るようにしても支障は無いと思われるが。 -一部のADスキルの選定に難がある --代表的なのは、本作では戦闘中に一部を除く回復アイテムを自分以外に使用するには、ADスキルの「アイテムスロー」を習得しなければならない。 --このスキルはフリーラン等の基礎アクションと違いC・コアのポイントを貯めなければ取得できない為、それまでは自分にしかアイテムが使えず不自由が残る。 --習得の敷居こそ低めだが、それでもあてずっぽうにC・コアを宛てていたりすると中盤になっても覚えていないキャラが出てきたりする。 ---他のシリーズ作品ではこういった仕様は無く、SFCの「ファンタジア」ですら最初から無条件で他人にアイテムを使う事が出来る((仲間が仲間にアイテムを使うシステムが採用されたのは厳密にはPS版『デスティニー』からであり、SFC版ファンタジアは自分でも仲間でもない第三者がアイテムを使うシステム。ただしアイテム使用で誰も硬直することがない分、一部のアイテムは効き目が現れるタイミングが遅い。))。 ---シリーズ通して出来てあたりまえの仕様の1つになっていた為、それをわざわざスキルとして特別視する必要性があるか些か疑問である。 //--他にも冒頭で述べたフリーラン、バックステップ、空中での受身等、近代シリーズでは標準搭載となっている操作の大半までLVでの自動取得とはいえADスキルにされている。流石にここまでADスキルに頼らなくても良かったのではないだろうか。 //↑後年との比較はNG -『レジェンディア』同様、シリーズ恒例だった筈のモンスター図鑑が廃止。 --スペクタクルズが単にモンスターのステータス確認使うだけのものとなっており、本作で新装されたモンスターモデルをゲーム内で確認することができない。 --翌年に発売された『テンペスト』ではモンスター図鑑が復活採用されたが、今度は逆にコレクター図鑑が廃止される事になるとは誰が思ったのだろうか…。 -ムービー仕様について。 --前作『レジェンディア』ではアニメムービーの際に字幕表示機能が新たに追加されていたが、同時開発による影響なのか本作には同機能がない。~ この為、本作のアニメムービーは仕様が豪華だった前作と比較してどうしても見劣りしてしまう。 ---ちなみにPS2の次回作『デスティニー』ではアニメムービー時の字幕表示機能が復活している。 -一部のボス戦絡みのフェイスチャットについて --本作ではボス戦で敗北すると任意でその反省会のようなフェイスチャットが閲覧出来、そのボスの大まかな対処法や弱点を考察する内容なのだが、一部明らかに会話の内容と実態が異なるボスが居る。 ---「持久戦に持ち込むと疲弊して譜術が使えなくなる」と言われているボスは、実際は幾ら持久戦に持ち込んでも際限なく譜術を使ってくる上、HPを一定以下まで減らすと強力な上級譜術を使ってくるようになる…と全く逆の行動をとる。 ---「オーバーリミッツ時じゃないとある技を使ってこない」と言われているボスは、その技を使用する条件はあくまでHPが一定以下を切った時で、''オーバーリミッツの有無は全く関係ない。'' ---オーバーリミッツ発動が問題視されている敵の対処として「こちらもオーバーリミッツで対抗する」と、明らかに最適とは言えない策を挙げる。この場合は寧ろ防御や回避などに徹して敵のオーバーリミッツが終わるのを待ってからこちらがオーバーリミッツになった方が結果的に有利になる。 --それ抜きにしても推奨している戦法が大雑把なものばかりで、あまり参考にならないものが多いのが実情である。先述の通り、一部の集団戦となるボス以外は「フリーランで引き付けて、後衛の譜術でダメージを与える」という戦法で何とかなってしまう。 //-アブソーブゲート(地図の北端)からラジエイトゲート(地図の南端)までかなりの距離があるという台詞がある。 //--両者は地図で見ると離れている様に見えるが、実際は南北が繋がっているという所謂ドーナツ型惑星の弊害により、すぐ隣にあるため違和感のある発言になってしまっている。 //--もっとも、現実で隣の大陸まで移動するとなると、確かにかなりの距離があるため、プレイヤーから見れば近くに見えても、ルーク達から見ればかなりの距離があるというのは間違っていないのかもしれない。 -ストーリーについては、上記の通り大筋については評価が高いのだが、深く読み込んでいくと粗が目立つ。 --開発期間が短すぎたせいなのか、細かい部分で矛盾が多い。せっかく大筋の質が極めて高いのに、これらの粗によって物語への没入感が削がれたり、白けたりしてしまう。 ---もっと開発に時間をかけていれば、本作の評価は大きく違ったであろうと思われる。 --詳細は割愛するが、PTメンバーのほとんどが''何らかの重罪を犯しているにもかかわらず実質お咎め無しでエンディングを迎え、その後も何事もなかったかのようにそれぞれの日常を送っている''ことについても批判の声は多い。 ---それ自体はシリーズのみならず他のRPGでもよくあることだが、本作の場合はキャラの多くがある程度の権力を持つ公人であること、罪の重さそのものの描写はされている事から処罰されて然るべき立場であることが強く押し出されているにもかかわらずほぼノータッチな為、「外枠は現実味を気取っておいて肝心な部分はやたら緩いご都合主義」ととる者も少なくない。 -アクの強いキャラクターが多過ぎる。そして、それぞれのキャラクター達の''キャラクター性や設定での整合性が全く取れていない。'' --特にティアとジェイドはストーリー全編を通しての言動に粗や矛盾があまりにも多すぎる為、現在でも非難の槍玉に挙げられる事が非常に多い。 --前述したルークに対しては、本来のキャラの性格を無視して強く当たっているキャラ(特にティア・ジェイド)が多い。ルークの成長をプレイヤーに意識させるためなのかもしれないが、結果的に特定のキャラへのヘイトが向きやすい構成となっている。 --どのキャラを一番嫌うのかはプレイヤー達次第によるが、特に「ティア」「ガイ」「アニス」「ジェイド」が主にプレイヤー達から強い非難を浴びている。 //#region(それぞれのキャラについて。ネタバレ注意。) //#regionで畳むと「***」の目次リンクが無効になってしまうので太字強調に変更。 #co{ ''ティアの場合''~ -本作のヒロイン。ローレライ教団内の騎士団『神託の盾(オラクル)』の奏長で、主席総長であるヴァンの実妹。ヴァンの計画を知ってそれを止めるため冒頭ファブレ公爵邸に侵入し、ヴァンに襲い掛かる。 --しかし、ルークが割って入ったことで彼女とルークの間に超振動が発生し、遠く離れたマルクト帝国の山中に飛ばされてしまう。 -16歳にして騎士団での奏長という地位にあるが、''いざ蓋を開けてみるとその来歴や立場、彼女自身の描写等で首をかしげざるを得ない矛盾等が多く挙げられている。'' --成り行きとはいえ序盤からずっとルークと共に行動し、互いに少しずつ惹かれあってゆく…という大筋だが、''彼に対してはやたらと暴言を吐く。'' ---特に序盤は「''自分の蛮行のせいでルークを理不尽な目に遭わせている''」という立場にも拘わらず彼の些細な愚痴の類にも「あなたは文句ばかりね」などと''上から目線な叱責や嫌味、下に記すような筋違いな行動などが多過ぎる。'' ---また、飛ばされた先で馬車代が足りないのもティア本人の責任であるはずなのに、「ティアは形見を手放す羽目になったうえ、「(馬車代にできるくらい)いいもの持ってるじゃん」とティアの大事なものだと気づく事もなく不用心な発言をしたルークに呆れてしまった」という事になり、後のサブイベントで買い戻す時にルークが謝罪するという理不尽な扱いになっている。勿論、言うまでもなく''飛ばされたこと自体完全にティアが悪く''、そもそもルークは(後払いは駄目と拒否られたが)馬車代を払うと最初から言っているので、寧ろ、''ティアこそがルークに謝罪すべきである。''((加えて、ペンダントを買い戻して貰った際にルークが去った後、ミュウに『思慮が足りない所もある』と呟くのだが、それまでの態度などから思慮が足りないのは明らかにティアの方であり、その自覚も無い事が分かる。))そのうえ今いる国がどこかも確認すらせず漠然と「首都まで」と頼んだ事で、キムラスカではなくマルクトの首都に向かう展開となる。 --''時折注意の範疇を越えた嫌味や文句まで混ぜて暴言を吐いたり、自分の意見だけが正しいかつ絶対的なものだと思い込みルークにガスライティングしてフーバリングしている節もある。'' ---同じ言動や行動でも''ルークがやった時は文句を言い、他のキャラの場合だと何も言わない・それどころか優しくフォローすることもある等、''理不尽な感もある。 ---また、ティアは隔絶された街で過ごしていたためコミュニケーション能力に欠けるという描写があるが、''序盤のルークのそれとない気遣いや思いやりに気づこうと努力してしない。''((その癖、ルークに「ティアを気遣え(意訳)」と筋違いで無理難題を押し付ける様な描写がある為、ティアたちがルークにモラルハラスメントな言動を取ってるとして、彼女たちに強い非難が殺到している。))作中でもルークを励ますつもりが食い気味な物言いだったゆえ逆に彼を凹ませることになり、「''慰めてくれようとしたのは分かったけど、それじゃあ余計に傷つく''」と指摘される場面もある。 ---それでいて、自身はヴァンを倒す事に最後まで迷って決断しきれなかったり、シナリオ冒頭でヴァンを襲った時も''教団の大詠師モース直々の任務の真っ最中''であり、任務より私情を優先してしまっている状態になっている等、''自分に対しては甘さの多い''一面もよく批判される。 --アグゼリュス絡みでも上記のルークの「(前略)師匠はわからない事も教えてくれた!」に対して''「じゃあ貴方は兄さんのお人形さんなのね」とマウントを取るフェイスチャットもある。''下記のジェイドの項目にもあるが、こんな事を言う相手に相談なんかするわけがないであろう。そして、ルークに一切の謝罪もしないどころか立ち直ったルークに''『でも気を抜かないで。私はいつでもあなたを見限る事が出来るわ』と彼のお目付け役じみたポジションに収まり、無神経極まりない発言をした''為、余計にプレイヤーたちから批判を受けてしまうこととなる。 ---その割には自分は敵であり、下記の通り敵対行動ばかりしていた時期のアッシュの言葉をすぐ信じる。ルークを通じて、自分を殺そうとした人物の言うことを鵜呑みにするのは余りにも不可解過ぎるのではないかと思わされる。 ---アグゼリュスで「外殻大地を存続させるって言ったじゃない!」と明らかに以前ヴァンに計画を問い詰めた事がある発言をしているが、''その事を誰にも話していない。'' ---この後上記の「俺は悪くねぇ!」のイベントをはじめとした大きな出来事が連続したためか、この事を問い詰める人物はいない。 ---''激昂するあたりヴァンに問い詰めた上で丸め込まれたということであり、ヴァンに心酔するルークを見下していた割には、自分もヴァンの口車に乗せられている。'' ---他の観点からみると、ヴァンの計画を知っていたり、計画の詳細を知らなかったり、ルークの断髪直後に「兄は何か恐ろしい計画を企てていた。少なくとも人が大勢死ぬ様な。」と言ったりと、証拠が何も無い上に知っていたのか知っていなかったのかすらはっきりしない。 ---''いずれにせよヴァンが何か企んでいることは知っていたはずなので、彼女こそが事前にジェイドに相談するなどすべきだった。'' --挙句中盤の終わり頃、ヴァンを説得するため''仲間達にも相談せず独断でアッシュと共に彼の本拠地に赴く''という、軍属の人間としてはあるまじき身勝手な行動をとる。 --「''重大な行動であるにもかかわらず誰にも相談せず、自分の判断だけで結構して周囲を巻き込む''」という意味ではルークと比較にならない位の大きい失態を犯している。 ---ルーク達は彼女の突然の失踪に動揺し、彼女を追う為少数で敵の本拠地に赴いた為、結果的に仲間を大きな危険に晒してしまっている。~ ''にもかかわらずルークとは異なり、他キャラに辛辣な態度をとるアニスやジェイドも含めて誰1人として彼女の勝手を責める事は無かった。''辛らつで嫌味な言動も辞さないメンバーが彼女の独断行動そのものの指摘すらしないというのは流石に不自然である。 --「軍属である限り、民間人を護るのは義務」と発言するイベントがあるが、''冒頭で一緒に行動する際にルークも戦わせる前提で行動していたり純粋な矛盾もある。'' --''ルーク自身は、当時は立場上民間人かつ、何よりもティアのせいで屋敷から飛ばされた被害者である。'' --冒頭でファブレ公爵家に騎士団を眠らせて不法侵入し、不測の事態だったとはいえ形としては王位継承者のルークを屋敷の外に拉致したという大罪を犯している。~ にもかかわらず、その事についてはファブレ公爵家やキムラスカ王室からすら処罰や追及をはほとんどされなかったばかりか公爵家に普通に出入りし、果てはキムラスカ国王とも普通に謁見出来ているという矛盾がある。 ---彼の兄のヴァンは関与しているとして投獄までされたにもかかわらず、彼女はファブレ公爵に「キミのおかげでルークが飛ばされたらしいな」と言われた程度で''事実上お咎め無し''である。~ これについては、ルークの項で先述した様にヴァンの投獄自体が芝居であり、実際はキムラスカ側はこの事件を誘拐や拉致と認定していないためである((事実、ヴァンはルーク帰省直前まで自由に行動しており、目撃者であるガイもティアを誘拐犯として扱っていない。))。~ だが、ヴァンのみを投獄してティアがお咎め無しというのはいささか猿芝居であると言わざるを得ない。''少なくとも騎士団に危害を加えた上での屋敷への不法侵入は完全に彼女の罪であり、ほとんど触れられていないのは不自然である。'' ---一応、序盤はそのことに罪悪感や責任を抱いている描写が幾度かあったり、ルーク帰宅時に彼の母シュザンヌに陳謝したりするが、''それもガイに行くように促されたからであり自発ではない。''~ そのシュザンヌからにもサブイベントで「貴女がルークの姉だったらよかったのに」と、仮にも息子の失踪の元凶に対するものとは思えない好印象''(それどころかシュザンヌが体調不良になったのはルークが行方不明になったため)''を抱かれるなどやはり不自然。 ---というかキムラスカ自体がティアにやけに甘く、ルークの奥義書イベントではメイドが間違って商人に売ってしまった奥義書を買い戻すため、執事から結構な資金を貰うのだが、そこでティアが相場も知らないのに「''資金が多すぎると思います''」と口出しし、何故か執事が言われるままに資金を減らした事で4冊中1冊しか買い戻せず、残り3冊分はシュザンヌに嘘をついて工面しなければならなくなった…と''他人のお家事情に口出しし、それを誰も咎めず''((一応、ルークがすかさず彼女に対し、「余計な事言うな」とごもっともな指摘をしている。))''問題を無駄に泥沼化させる''…というあまりにも不可解なイベントが起きる。というかメイドの不始末を買い戻しで収拾つけるはずが、部外者のくせに横やりで妨害する形になったため、もしルークが優しくなかったらメイドのクビは間違いなくとんでいたが((この奥義書、ヴァンがルークのために用意したもののため、彼を尊敬しているルークが激怒してティアを見捨てたとしてもおかしくない代物である))、ティアが気にする様子はない。 ---教団にとっても完全な独断行動…まして国家相手の狼藉とかなりの問題行動になるのだが、''それに対する処罰や言及を受けた様子も無い。'' --また彼女が現在の地位にある経緯も、いわゆる特別待遇扱いである。''その上で経験豊かなエリートみたいなことになっていたり、実戦経験が浅いことになっていたり''と設定が固まっていない。 -その為、プレイヤー達から大きい非難がされ、様々な考察や議論が成された結果、ヒロインでありながら''テイルズオブシリーズ史上屈指で支離滅裂なキャラクター''と広く認識されることとなった。 --作中での彼女に対する評価などから、開発スタッフは「未熟な主人公を叱咤しつつも見守る、厳しくも大人なヒロイン」を表現したかったのかもしれないが、見ての通り圧倒的にシナリオデバッグが追いついておらず、「クールを気取った傍若無人」にしか見えない振る舞いが多くなり、僅かながら''「ティアをラスボスにして倒したい」''というプレイヤーも生み出す事態にまでなってしまった。 } //-&color(red){''スタッフが異常に好んでいるキャラとしても広く認識されている。''} //--&color(red){''お祭りゲーなどでは矢鱈と他人をこき下ろす悪辣な人物となっていたり、ティアと絡んだキャラクターがティアを持ち上げるか、ティアより下に見られることがはほとんどになっていたり、実際彼女を立てる為強引な性格改変をされたキャラも居る''}((記載するときりがないので、該当ページを見て調べてほしい。また『ファンダム2』の問題になるが、そちらで致命的な設定矛盾が生じたことも…。))。 //---&color(red){''お祭りゲーや外伝作品でのスタッフの露骨な贔屓''}により、『アビス』発売から時間が経ってからの外伝作品やお祭りゲーでの扱いが優遇されている。 //---その為、ファンから非難され、原作に関してもファンの間で様々な考察や議論が成された結果、それらと照らし合わせてCOLOR(red){''テイルズオブシリーズ史上屈指のクズキャラ''}であると認識されたというべきかもしれない。((アビスはお祭りゲーに出ると様々な形であからさまに贔屓されているのが現実であり、殊更にティアに至ってはお祭りゲーが出るたびにユーザーから批判意見があったほどである。この傾向は『マイソロ3』あたりで大人しくなるまで続いた。))。 //↑他作品やゲーム外のことを問題点とするのはおかしいのでとりあえずCO #co{ ''ガイの場合''~ -ファブレ公爵の使用人で、ルークとは一番年が近く彼の友人でもあり、公爵家の者達の目を盗む形でだが気安く接しており、同時に王女ナタリアとも談笑を交わすなど身分の差を越えた親しい間柄。 -女性に密着されたりすると我を忘れて狼狽する女性恐怖症である。 --気障な言葉で女性にモテたり((女性恐怖症については単なるネタ要素ではなく、彼の出生にも強く関わっている。また本人曰く「女性そのものはむしろ好き」とのことで女嫌いな訳ではなく、適度な距離を持って接する分には寧ろ積極的で、女性の水浴びの話題を受けてあらぬ妄想で涎をたらしていたことも。))からかわれたり、筋金入りの音機関(機械)マニアでその事になると周囲に目が行かなくなるくらい熱中する等コミカルな面も多い。 -元はマルクト領のホド島のガルディオス伯爵家の生まれだったが、キムラスカ王国の戦略も絡んだ複雑な家族関係が災いして過去の戦争の際ファブレ公爵率いるキムラスカ軍に一族郎党皆殺しにされ、さらに家宝である宝刀ガルディオスも戦利品として接収され、それからは臣下であるペール、彼の家に仕えていたフェンデ家のヴァンと共にファブレ公爵への復讐を誓い、身分を隠してファブレ公爵家に使用人として働いている。 --アニス同様にスパイ…どころか、''組織ぐるみの刺客である。'' -つまりヴァンとは主従関係にあり彼の主という事で、ヴァンや彼の計画に対する繋がりも深く、彼の過去の清算と共にこちらもシナリオに深く関与する。 -上述の気さくな性格や常識人な振る舞いからメンバーの中では例外的にプレイヤーからも好意的に見られていることも多いのだが、''冷静かつ正確に設定や描写を拾っていくと手放しに褒められた人物とは言えない事が浮き彫りになってしまった。'' --ファブレ家の中で最もルークに理解あるキャラではあるのだが、ファブレ家に仕えている理由は上述の通り。 --そしてヴァンの計画をどこまで知っていたかは定かではないが、''ヴァンがルークを利用しようと親身に接していたことは最初から把握しており、いよいよ怪しい段階になっていたのは見ていて察することが出来る状況だった''ので、本当に過去を割り切り、本当にルークの親友であるならばフォローのしようが色々と出来たし、率先してどうにかすべき立場であるが、特にそれらしいことはしていない。 ---ちなみに復讐とホドを復活させるということでヴァンと一致団結しており、仮に計画を知らずとも音機関に精通している彼ならば詳細を知らずともどういう手段をとろうとしていたか推測出来ていた立場のはずだが((ジェイド独自の技術ですら一目見ただけで危険なので真似するなと警告できるほど筋金入りのマニア。))、過去が明らかになるのが後半付近ということもあってここらは特に言及されることもなく本編が終わる。サブイベントでもほぼ語られない。 ---一応ドラマCDでヴァンに「いつになったら計画とやらの内容を話すつもりだ」と迫っている場面があり、ガイは計画を知らなかったというフォローはされているが、「復活させる」という言葉は聞いていることもあり、前述の通り設定的に無理がある感じもする。 --他にも惨劇の際にルークの事情(ヴァンとの関係込み)をずっと近くにいて最も理解しているにも拘わらず、''ガイの友情を信じ誠実に向き合ったルークに対し、アニスやナタリア以上に「あまり幻滅させないでくれ」と暴言を吐き捨てて去ったことについて、友情を強調しておきながら酷薄過ぎると評されることが多い。''特にゲームクリア後に見返すとそうなりやすい。 ---アクゼリュス崩壊時に、自身も幻滅するだけで特に何もしておらず、''自殺すらしかねない極限状態に陥ったルークを放置して去っていき''、さらに再会時上記の事情があるのに''自分の後ろめたい事情は一切話さず「ルークを許す」など上から目線の振る舞いをし続け''、挙句最終決戦直前のイベントでルークがそれまでに多くの命を犠牲にした事を指して「喰らった命の分、生き続けなけりゃ嘘だよな」「生きて生きて生き抜いて、恨み、憎しみ、悲しみ、怒り…全部しょいこまなけりゃならないってな。」と投げかけている。~ 一応この台詞の前後に「俺は酷な事を言っている」「世界中がお前を非難しようが俺はお前の味方だ」などフォローを足し、この発言自体もルークに発破をかける意図でのものだが、ならば最初からもっとポジティブな表現で鼓舞すれば良いだけの話である。 ---また、ルークを見放した直後に「ルークがこんな風になったのは自分の責任でもある」と一見自分の非を認めているような発言をするのだが、''ルークに対しては『彼を見捨てたこと』ではなく『育て方を間違えた事』への後悔を告白したのみ''で、''アクゼリュスの惨劇については結局「ルークが悪い」と扱っている意識は相変わらず''であり、彼を見捨てた事自体への呵責を殆ど抱く素振りはないので余計にプレイヤーたちから反感を抱かれている。 --なお、ダアトでどっちか死ぬかでアッシュと衝突したルークが「あいつ(アッシュ)を失う訳にはいかない」という筋の通った発言に''すかさずルークを殴り飛ばして的外れな説教をする、メンバーの飛行艇を操縦するノエルの祖父やその学友たちが殺害されているのにもかかわらず、慟哭するルークに対し「この中で一番泣きたいのはティア(ヴァンの実妹)だ(意訳)」と失言を漏らす''((なお、アニメ版ではティアはノエルに対し「悲しんでいる暇などない」と彼女に追い打ちを掛けるような言動を取っている有様である。))など、余計に悪印象を助長させている。 ---ちなみに、これ以前にも本当に友人だと思っているのであれば、何気におかしな発言や行動が多々見受けられる((デオ峠でイオンを露骨に邪魔者扱いするルークに対し、内心「しかしルークの坊ちゃんよ、今のはかなりマズかったな」と呟くだけであった。ドラマCD版では(前後の展開が異なっている事などもあるが)この後仲間たちにルークの事情を説明した上で大目に見てやって欲しいと頭を下げている。))。 --また、ルークに救われてヴァンと疎遠になっていったなどと述べていながら、過去の恨みから両国の首脳陣が集まる平和条約締結の場でキムラスカ国王にいきなり剣を突きつけたり((行動に納得のいく過去を持っているが以前の発言との整合性が取れていない。こちらも流石にマズいと思われたのかドラマCDでは事前にルークに過去の苦悩を打ち明けて和解し、キムラスカ国王には冷静に原作と同じ問いかけをするだけになった。))、ファブレ家の一員とはいえ彼の過去には一切関わりのないアッシュに対してはルークと違って異常に邪険にし続ける(後半以降は改善される)有様なので、ダブルスタンダードと指摘されることも多い。 --なお、アッシュの方はガイが上記の件でパーティの離脱を宣言した際に本気で驚いていたため、ガイのことを未だに友人だと思っていたことが窺え、実際ガイ個人に対しては態度も悪くないので((寧ろアッシュに辛辣な態度をとり続けるガイに憤るナタリアに「俺は別にかまわない」「放っておけ」とフォローしたりしている。もっともアッシュ本人の行動自体が本編では後述する有様であるため、ファブレ家の人間であることを抜きにしても辛辣な態度を取らない方がどうかしているという状況ではある。))相当不憫な事になっている。 --そして、''過去の記憶を持つというだけでかなり辛辣な態度(ルークだけは特別に許しているがお前のことは別)を見せている為、やはりガイもルークやアッシュのことを言える立場ではなく、大概な印象を与えている。''これでは、ルークもアッシュと同様、相当不憫な印象でしか受けないであろう。 //-また同じくヴァンと関係があったティアと違って、惨劇のあともヴァンとの関係やファブレ家との因縁などは全く話そうとはしなかったり、自分のことや復讐を忘れていないことは棚上げしてルークを許す・友人扱いするなど、一回プレイし終えた後には細かいところが目に付く。 //ファブレ家との因縁は序盤のフェイスチャットで触れられる事を皮切りに、サブイベント『ガイの宝刀』で説明されて、同サブイベントを進める事でガイの非であるファブレ家への復讐心もルークの成長で克服する形で解決して仇であるファブレ公爵への見識も改めて、ルークとの友情もガイの一方的なものでなくファブレ公爵からも改めて託されているので、このあたりの描写はちゃんとされている。 --他にも、あくまで一介の使用人として公爵家に入った彼がルークやナタリアと親しい間柄になった経緯なども本編では殆ど語られず、後に発売されたアニメ版DVDの特典ドラマCDまで明かされなかった。 --これらの矛盾描写の数々によって、作中での評価に反して''「善人」とも「ルークの理解者」とも言い難いキャラクター''になり、彼のことを全て知ったうえで見返すと、''全編に渡って「お前が言うな」「その言い方は(主にルークの友人として)流石にどうなんだ?」と思われるセリフや態度ばかりになっている。'' --''全編に渡って、ルークの人格や言動全てを無条件で受け入れる・寛容で親切な対応をとるキャラクターにしなかったのは、どうしても首を傾げざるを得ないであろう。'' --それ以前に、彼の台詞全体をみると悪い意味でズレている言動が多く、一部は作中でも突っ込まれてはいるものの多くはさも正論、常識的な意見のように扱われているため、プレイヤーの常識との食い違いという面でも批判を受けがちである。 } #co{ ''ナタリアの場合'' -キムラスカ王国の王女で、身分に驕らない並外れた行動力と民を想う善政もあって国民の信頼は厚く、王族でありながら弓術のマスターランクや治癒術を扱う治癒師(ヒーラー)としての教養もあるなど文武どちらにも長け、本編でも優れた回復&援護役として存分に活かす。 -シナリオ中枢との関わりはやや浅いものの、主人公ルークやアッシュとの確執、自身の出生とキムラスカ王室の体制、六神将の1人との繋がりが争点となっている。 --性格的にも天然で気丈ながらも思慮深い良識を持ち、『王女たる者、常に率先して行動するべき』という信条を持つ。…のだが、王女という自身の立場を弁えている素振りを見せていながら実際は感情的な行動に走りやすく、((例えば、評価点でのルークに関する記述にも書かれているが、鉱山都市アクゼリュスで、目先の使命感から感染症のリスクを考えずに被災者を介抱するなど。人間としては当然の行為ではあるのだが、王女が万が一、自らの不注意で感染したとなれば国際問題に発展するのは安易に想像出来る。))そこを批判されることも多い。 --仲間になる経緯も、アクゼリュスに向かうルーク達への同行をキムラスカ国王に拒まれ城から脱走、ルーク達に追いつきルークとヴァンの密談から盗み聞いた情報をちらつかせてルークを脅し無理矢理加わるという、一国の王女としては聊か私情に走りすぎたものである。 ---国王が彼女の同行を拒否したのは彼女をアクゼリュス崩落に巻き込ませない為だったので、それを破ってルークに同行したために崩落に巻き込まれ、後にそれをモースにつけこまれキムラスカがマルクトに宣戦布告をする為の材料とされ、自国を戦火の渦中に陥れてしまっている。 --ルークとアッシュ、各々ほぼ同じ年月を過ごしてきた2人に対する葛藤も彼女の課題となっているのだが、ルークに対しては彼の正体を知るまでは幼少時の彼(実際にはアッシュ)との思い出に浸った挙句昔の彼と比較して今のルークを揶揄したり「早く記憶を戻せ」という形のやりとりになる事が多く((恐らくシナリオ開始前から日常的にこういうやりとりばかりだったと思われる。))、(設定上、物語が始まる前からも)、ルークにはどうすることもできない無茶ぶりであり辟易としている。 --そして、アッシュの正体が発覚したらしたらで今度は無自覚にアッシュを通した目線で接するなど、''ルークのことは事実上蔑ろにしている状態が長く続く。'' ((このことは、ルークをルーク個人として受け容れられないと悩むシーン、やがてそれを払拭しルークを1人の人間として接することを誓う流れがあるように公式の意図通りの設定とは言える。もっともルークからすれば発覚前は幼少の記憶越しに、発覚後はアッシュ越しの視線でしか見向きされていなかったことには変わりなく、惨劇の前に皆を見直させるために我武者羅ながら奮起した要因の1つになっていると思われる。さらに付け加えると、事実判明後はルークの方も彼女の傍に居るべきなのはオリジナルであるアッシュだと考えている節があり、生まれた頃に一方的に世話になっていた過去と相まってナタリア側からの歩み寄りがなければ手詰まりの状況である。その為、ルーク本人を中々顧みようとしなかったナタリアがより悪辣に見える。)) --惨劇の際にも記憶喪失後からではなくその前の過去(アッシュ)をあえて持ち出し比較してルークに失望しているが、自身がただの我が儘で、しかも脅して無理やりパーティに加わったことは直接は関係ないとは言え棚上げしている。 --また、ことあるごとに過去を持ち出して頻繁にルークに苦痛を与えていたため、崩壊前に彼女に相談して行動するという行為はルーク的にはなかった選択肢であり、''彼女にも糾弾される云われはほとんどない。'' --預言の闇が絡む彼女の出生及び生涯、アッシュへの想いなど、他のメンバー同様に相応の事情はある。 ---しかし、立場が立場ということもあるが、何よりも当のアッシュも問題行動ばかり取っているため、''何かとアッシュを優遇しようとする彼女の発言は冷静に見るとただの我が儘になっていることが多い。'' } #co{ ''アニスの場合''~ -ローレライ教団の最高指導者である導師イオンを傍らで守る特殊部隊「導師守護役(フォンマスターガーディアン)」。 --職務自体は非常に重要なのだが教団内での地位は低く、また人が良すぎるあまり他人に騙され金を搾取され続ける両親に苦労しているだけあって年齢に見合わないシビアな打算を持つ。~ そこからの一発逆転を狙うべく玉の輿の座を狙い、有権者や金持ちの前では普段の態度が嘘のようなぶりっ子ぶりを発揮する。…と、本作パーティー内でもかなり尖った性格や背景を持つ。 --玉の輿及び損得勘定については作中でもルークに執拗なアプローチをかけることを皮切りに、メインやサブ問わずこ幾度となく強調される。~ また、損得勘定に至っては場を弁えずに((代表的な場面は、ルークが持病である頭痛に苛まれ気絶し、宿のベッドで寝込んでいる前で「健康に難有りかぁ。介護するぐらいなら、ぽっくり逝きそうなお金持ちの爺さんの方が…」と、聞こえるように損得勘定丸出しな発言をする。それを隣に居るナタリアに指摘された時も「えへ、なんでもない♪」と茶化している。))行うことすらあると思ったら、件のアクゼリュスの惨劇以降は一度失望したとはいえ一転して呼び捨て&タメ口&素の態度である。 ---要は本当に''玉の輿目当てで媚びていただけ''で、彼自身に対する評価は(実際仕方ないとは言え)知れたものだったということになる。 --腹黒いだけに留まらず、楽観的な考えや理想に拘る人間にはとことん悪態を突いたり皮肉を言ったり、ルーク(王侯貴族の長男)と比べても特に意味もなく異様に態度が悪いことが多い上に、相手を見下した言動も異様に多い為、そういった面でも嫌悪感を抱かれやすい。彼女の環境を考えると分からなくもないが、他人を陥れて良いということにはならない。 ---同時に、両親の大きな借金を教団の大詠師モースに肩代わりされ、両親を人質に取られてアニスもモースに逆らえないという深刻な設定がある。 ---だが、旅の中でジェイド、ルーク、ナタリア等の権力者とのコネが出来ているため、''事情を説明すれば両親に関する問題は解決できたのでは?''と指摘されることもある。 --これだけならまだ「現金で刺々しいが根は健気な少女」として大きな賛否は無かったかもしれないが、後半で判明するある極めて重大な行為とそれに対する態度や描写で、プレイヤーからの評価を大きく落とした。 ---彼女の場合、モースに両親を幽閉された上での苦渋の決断で、彼女自身も直後から言い訳もせず深く悔いていたりしているのだが、惨劇の際はルークをかなり辛辣に責めて以降も暫く蔑視していた((ルークを見放す際は「こんなサイテーなやつ放っといた方がいい」と言い放つ、再起したルークと再会した際は彼を「おぼっちゃま」呼ばわりする、断髪後のルークに対して「なんでお坊ちゃんがこんな所にいるの?」「あのままずっと眠ってくれててもよかったのに~」と嫌味を言う、ルークが何か進言や質問などをするたびに「お坊ちゃまとは違うしぃ」「うわ、ルークが仕切るんだ」など露骨に貶しにかかるなど、直接的な態度ではジェイド以上である。))こと、諸々の事情を考慮してもなお彼と比べてやたら寛大に扱われていることで、ユーザーの反感を買ってしまった。 ---挙句アニスがイオンは悪くないと前置きしたうえで「悪いのは総長(ヴァン)と…(無言でルークを睨む)」とルークに対しモラルハラスメントな態度を取り、誰もそれを否定しない。だが後にシナリオブックにて''タルタロスの一件を遠縁として、自身がこの惨劇に加担していた事に気付き、ヘイトをルークに逸らすために発言したという事が発覚''((とはいえイオン以外誰一人ルークを庇わなかった通り、明らかに「ルークだけが悪い」という体で話が進んでいるため、ゲーム本編で本当にアニスがそう考えていたかは疑問が残る))。 ---勿論、アニスの隠していた事情から特にこれに関しては「お前が言うな」と思われることが多い。 ---と言うのも、事情はどうであれ教団にとって存続が問われる程の影響を与えているのにもかかわらずそれついて教団からの処罰や追及を受けた描写も無く、この出来事についてはPT内と敵組織との間でしか取り沙汰されていないという不自然な形になっているため((メンバーが教団に告げていないのだろうが、解放されたアニスの両親が事情聴取されれば容易にアニスの関与が分かってしまう筈である。))。 ---そもそもの話、''何故かヴァン達先発隊との合流を優先せず、彼女がイオンを放置してガイと一緒に少人数での救助活動をしだし別行動をはじめた''のが惨劇の一端でもある((イオンがいなければそもそも扉を開けない。またこれはルークを放置したガイにも言える))。もっともイオンは悪くないと言い出したのは、上記の通り保身だったわけだが。 ---ちなみに、ルークが起こした惨劇の真実は各国首脳陣、教団上層部にしか知られていないことが描写されている。 ---一応、アニスからこの出来事で逆恨みに近い憎悪を抱かれアリエッタが悲惨な結末を迎えてしまうのだが、作中''一貫して辛辣な態度を取り続けているせいでアニスについてはあまり同情されていない。'' ---また、相手の方の事情が明かされるとアニスが原因というわけではないが、''相手としては恨んで当然のものだったものの上に何故殺したのか意味不明な描写だったのでむしろそちらに目が行く。'' ---結果、「''これだったら、アニスよりもアリエッタをプレイアルキャラクターとして操作したかった''」と言う声が続出した((ちなみに、アニスは最初から事情を把握していたが、辛辣な態度を一貫した。))。 //((シリーズ的には前々からよく行われていることだが、無駄に犠牲者を出して衝撃的なイベントにしようとしているだけの展開という感じ)) //これはテイルズでなくともよく行われてることでは? --さらに、長きに渡って思い悩むようになってしまったルークとは対照的に、当初は相応に気負ってはいるが少しシナリオが進むと今迄のようなぶりっ子・ちゃらけた態度が噴出しはじめる。以後は(少なくとも本編では)呵責を抱く素振りも殆ど見られない。 --さらに、自身の関わった序盤のタルタロスが教団の騎士団と魔物達に襲撃されジェイド以外の乗員が全滅させられた件についても、(あえてスパイでヒールを演じているであろう部分もあるとは言え)白々しい被害者気取りの発言をするので、ここもまたユーザーからの顰蹙を買った。 ---他にも研究者仲間を裏切りヴァンに寝返ったキャラが、裏切った罪を償う為にルーク達に協力したいと申し出た際も1人だけ彼に不信を抱き続け悪態をついたり、裏切りの疑惑のかかったガイをジェイドと一緒に疑る場面がある。 ---だが、上述した事実が判明すると同時に、この発言は狙い定めたブーメランの如く彼女に返ってきている。 ---後述しているが、六神将のアリエッタとも浅からぬ因縁がある…が、そこでのやりとりにおいてまた別の問題や疑念が噴出している。 --そして極めつきに、''最終決戦前夜のイベントで「初の女性導師を目指す」とジェイドに告げるのだが、さも当然のように言い放つので、怒りを通り越して呆れるユーザーも多発。'' --彼女がしでかした事を考えると、導師云々どころか娑婆に居られるかどうかすら怪しい立場なのだが…。そもそも、アニスに''第七音素の素養はない(ダアト式譜術を使えない)''し、導師になるには第七音素の素養は必須であるという大前提がある。 ---ちなみに、前述のルークを責めしばらく蔑視していたことについて、攻略本によるとその理由が「''自分と違って''罪から逃げているから」と書かれているが、上記の矛盾した描写から、''そういうお前は他人の事をとやかく言える程罪に向き合っているのか? と突っ込みたくなるものである。'' -ただ、誤解されがちなのでフォローしておくと罪悪感まで忘れている訳ではない。 --ルークとの差は経験の違いや生きた時間の違いによる「物事への向き合い方」の差や健気にも平常心を装っていると言える。 --また、食堂で一人寂しく食事を取っていたディストを不憫に思って真っ先に声をかけたりなど、他人を気遣ったりと人としての感性を持っている一面もある。((もっとも、(ティアやガイ、ジェイド程ではないとはいえ)罪悪感の方はそれを窺える描写がほとんどないことも問題なのだが。)) -尊い信念や背徳を交えたエピソードがあり志そのものも立派なのだが、普段の場を弁えない腹黒くも生々しい言動や上から目線な態度が多すぎる上、''「自分がやった事の大きさを分かっていないのでは?」「口先だけで反省してないだろ」''と捉えられかねない軽薄な振る舞いがそれらの長所をことごとく殺してしまい、ジェイドほどではないが彼女も背景・人格的な問題点があまりに多すぎる事から否定的・辛辣な目線で見られがちである。 --自らの過ちに対する呵責や罪悪感、それに対する姿勢といった描写をユーザーの共感を得られる形で出来ていたなら、彼女に対する評価もまただいぶ変わってきていたかもしれない。 } #co{ ''ジェイドの場合''~ -キムラスカ王国と停戦状態にあるマルクト帝国の大佐。 --マルクト皇帝ピオニーとの間柄やその実力から「皇帝の懐刀」と言われており、同時に「死霊使い(ネクロマンサー)」という異名でも知れ渡っている。 --天才的な頭脳と譜術の素質と冷酷な思考を持ち、幼少の頃人間などの生物も含むあらゆる物質の「レプリカ」を作成する「フォミクリー」という技術を考案し、後に六神将の1人で幼馴染でもあるディストと共に本格的な段階まで進めたが、それはある大きな事件を勃発させ、多くの致命的な副作用も伴うことからこれを封印し、禁忌とした。 ---しかし、ディスト含む一部の人間がこの技術を秘密裏に使用し、本作の危機に繋がってしまう。 -同時に''本作史上最凶の皮肉屋かつ毒舌家でもあり、兎に角食えない、掴めない性格。随所で辛辣な嫌味を状況や相手の立場に一切関係なく''、一見温和な笑顔と丁寧な敬語で言い放つ。 --声優である子安武人氏の演技の評価は高いが、それと同時に彼を嫌悪するユーザーも多数居る。 --ティアの次に話題になると荒れることもしばしばなキャラクターである。 --序盤は、両国の戦争の終結を願うマルクト皇帝からの勅命でキムラスカ王国宛ての親書を両国どちらにも属さず、尚且つ影響力の強いローレライ教団の導師であるイオンを橋渡し役として同行させて渡すマルクト側の和平の使者として活動しているのだが、''初っ端から和平の使者としてあるまじき言動や行動が目立つ。'' --作中序盤から話の腰を折ったとはいえ((ルークが「俺を置いて勝手に話を進めるな」と話の腰を折ったのは事実だが、ティア達が明らかに当時の本題から逸れた内輪事情の論議に熱中しはじめていた為、筋違いな指摘ではない。))、敵国の王位継承者であるルークに対してすかさず「ああ、すみません。あなたは世界のことを何も知らない『おぼっちゃま』でしたねぇ」と悪意全開で皮肉り、温室育ち呼ばわりするなど、この時点からトゲの粗さを見せる。~ しかも、キムラスカ王国の国境をスムーズに通る為、ルークの助力を必要としているにもかかわらずである。その他イベントの流れを見ても、とても一介の将校が他国の王位継承者を相手にしているとは思えない横柄さが目立つ。 --彼の態度の悪さについては他にも多くあり、キムラスカ国王(ルークの伯父)に親書を渡した後に発生するスキットで、ルークが真剣に「もっとこの話が出来るように国王に言うよ」と告げたのに対して''「頼もしいですねぇ。さすがの七光りです」''と余計な嫌味を付け足したり((ルークの発言は事態に対して前向きかつ建設的なものであり、たとえ冗談であっても嫌味で返すようなものではない。))、同国王女のナタリアとのスキットで遠回しにキムラスカが軍事侵攻を行おうとしている仮定を立てて彼女の不興を買ったりと、皇帝直々に和平の意を託された立場の自覚を疑う発言も少なくない。 --中盤のあるイベントで敵と多く戦闘して村人に罵られた際も「適当な嘘でなだめるのは気が引けたから」という理由で村人に買い言葉的な反論をして余計に煽り、軍人そのものへの不信を買っている。 ---村人が憤っているのは完全にジェイド側の非なので、感情を堪えて殊勝に接するべき立場であるにもかかわらず、である。~ それを指摘された際の態度も大抵が「これは失礼」とあっさり流している感が否めず、プレイヤーの彼への心証を悪くしている一因になっている。 --問題が起こる可能性を予測しながらも確証が無い事を理由に口にしなかったため、実際に問題が起こってしまうという流れが非常に多く、この点に関して最初から最後までほぼ反省や改善を見せない。 ---これは憶測や仮説を語ることを嫌う彼の徹底した現実主義故…なのだがあまりに度が過ぎており、仲間内での情報共有を拒んでいるような状況と化しており却って仲間の足を引っ張ってしまっている。 ---憶測とはいえ物事を彼なりに分析した上でのものなので、核心には至らず・当たらずとも判断材料として語っていれば今後の行動の助けになる事は間違いない筈だった。 ---特に序盤でフォミクリー装置を見つけた際も知った素振りを見せるが、催促されても「結論は出せないと…(さらに仮に出せても、と続ける)」果ては「私にも語りたくない事があるんですよ」と頑なに明かそうとしない。 ---当時はこの事ばかりに集中できない事態ではあったが、それでもルークの正体と過去の「誘拐事件」の真相に関わることであり、しかもジェイドの知識なら推測できる材料も完全とは言えないが多く揃っていたため、此処こそ「仮定」であっても自身の主義を曲げて語るべき時であった。 ---後にルークとアッシュの間柄であからさまに何か知っている素振りを見せつつ、結局は「今は言及を避けましょう」とはぐらかし、痺れを切らしたガイに「もったいぶるな!」と迫られてもなお「ルークのことはルーク本人が一番に知るべき問題」と的外れ気味な理屈を持ち出してまでひた隠しにし続ける。 ---重大なネタバレになる為そうたやすく明かせない都合もあったのだろうが、ここまで固執していると「自分の主義に引きずられている」印象すら否めない。 ---そうでなくとも、事の大小問わず何かを知った素振りをするも勿体ぶったりはぐらかしたりする等して伏せることが多く、そこに苛立つ声も多い。 ---2度や3度どころではないくらい頻繁にはぐらかす為、あまりのワンパターン展開に辟易すると同時に、仲間に対してすら情報を明かそうとしないジェイドのパーティ内での存在意義・及びパーティとの信頼関係を築けている事に疑問を感じるプレイヤーさえいただろう。 ---一応、彼の「マルクトの軍人」「''マルクト皇帝の幼馴染兼親友''」という立場が必要な場面も多いが。 ---ちなみに、上記の流れを説明するためにネット上では''「これは…まさか」→「いえ、確証がないことは言いたくありません」→(何か問題が後で発生してから)「やはりそうでしたか…」''というテンプレがよく使われていて実際にそういった流れも多い。 ---だが、''実は作中ではジェイドが予測しきれていなかった要素が重なり予測以上の問題が起こって驚いているという最後が違うパターンも多かったりする。'' --ルークの件で彼を最も辛辣に責めた1人でもあるのだが、それに対する批判もかなり多い。 ---先ず、彼が生み出した技術がアクゼリュス崩落の決め手となっていた為、ヴァンの策略とはいえ自身が禁忌とした研究の暴走による不祥事でもある。~ ''なのに一方的にルークを突き放すだけで前述の落ち度を全く顧みていない為、「完全に筋違い」等の批判が噴出している。'' ---後に自身の研究については贖罪の意を示しているがルークへの悪態については全く触れていないこと、他のメンバーと違い当時の時点でルークの正体にも薄々とはいえ勘付いていた((自らの研究の暴走ということも尚更分かっていた筈。))為、尚更不満が多い。 ---さらにルークへの暗示も彼の技術が元だと思われる為、ヴァンにとって失敗が許されない計画上ルークが操られたということも推測出来ているはずである。 ---また、ホド島で行われたフォミクリー実験が戦争によって引き上げすら不可能な状態になった為、証拠隠滅のため当時11歳であったヴァンをフォミクリー装置に繋げて超振動を起こし、これによってホド島が消滅し、同時にヴァンがフォミクリーの存在を知り預言に強い憎しみを抱き本作の危機を引き起こしている。ホド島消滅にジェイドは関わってこそいないが、彼の技術がもたらした悲劇の1つである。~ さらにこのフォミクリー技術は本作最強の裏ボスをも生み出しており、野に放たれた裏ボスが各地で音律師(フォニマー)を殺害し、その討伐に差し向けられたマルクトの一個中隊を壊滅させる事件を起こしている…など、''諸悪の根源''と称しても過言ではない。 ---一応、ルークの件では「出来れば事前に相談してほしかったですね」と不満も述べているが、意見としては正論ではある。~ しかし、''出会った直後から徹頭徹尾嫌味や皮肉を言い放ち、自身が知りえた情報を頑なに明かさず、買い言葉の如くルークに対し「親善大使殿」という蔑称を使い、ルークが真っ当な指摘や前向きな発言をしたら「七光り」やら「温室」呼ばわりする、メンバーの行動を提案するたびに「おっと、決めるのは親善大使(もしくは責任)のルークでしたね。」など自ら率先して煽りにかかり、最終的には(ルークが混ざっていない会話とはいえ)「親善大使殿はアテになりませんねぇ。」「使えない人間は頭数に入れない方が良いのでは。」と排斥する''人物に自身の命運にも関わる相談をしようと思えるかと言われると、ならジェイドより自分の面倒を見てくれて信用できるガイやティアに相談するだろうし、''間違いなくNO''であろう。 ---他にもメンバーのいさかいの仲裁などは自分より一回り年の若いガイに押し付けているような形になっており、これに関しては「子守りは御免」という発言までしている。 ---一応、本人もこの偏屈な性格を自覚している節の発言はあるのだが、反省して行動を改める場面はほとんどない。 ---憶測レベルの情報を一切語らないのもおおむねこの主義を第一にしているが故であり、職務に対してやたらと私情を持ち込んでいる風にも見える。 ---仮にも社会人…まして軍属の要職に在る人間としての姿勢を批判する声も多い。 --加えて言えば、ティアやイオンの影響で成長していったルークだが、ジェイド(だけではないが)の露骨なルークを軽視する態度によってルークの態度も硬化していったことが描写されている。 --師匠の計画が最大の問題なだけで、ルークは件の惨劇前までは''軽視されていることを知りながらも''完全には不貞腐れず「今は何を言われようがこれさえ終われば皆自分を見直すはず」と彼なりに頑張ろうとしていた為、ジェイドの皮肉ももちろんルークに通じていたことが窺える。 ---ルークがレプリカである="記憶喪失ではなく、実際に精神年齢が子供である"という事実に唯一気付ける立場でありながら誰よりも大人気ない態度をとり、成長や周囲との協調を学ぶことをことごとく阻害した結果がアクゼリュスの一件である。 ---挙句ルークが「俺は悪くねぇ」と発言する前とはいえ''「できれば相談してほしかった」とどう考えても相談できない空気を作った張本人とは思えない発言をしてしまっている。''端的に言えば「''お前が言うな''」である((ちなみに、小説版ではこの点に関してルークに俺は悪くねぇを交えつつも「何が事前に相談だ!自分だけわかったような口ぶりで、勿体つけて何も説明しない奴に、どうして言えるってんだ!」と至極まともな正論で返されて「ここにいると馬鹿の発言にイライラさせられる」と論破されて逃げたとしか言えない描写となっている。))。 //相談できない空気を作ったのは事実だが、少なくともこの時点では責める意図で言ったわけじゃないし、「相談してほしかった」という希望を言うぐらい問題ないんじゃね --また、これらの嫌味や皮肉もメンバーの中では言う相手を選んでいるような節も見受けられる。 ---例えば、惨劇の件ではルークを後まで突き放したにもかかわらず、(事情はどうあれ)メンバーを裏切ったアニスには後々まで一言たりとも咎めたりせず、寧ろ最後まで馴れ合いじみた間柄である。そして仲間に相談せず独断で行動したティアにも特に何も言ってはいない。 ---しかし、ルークにはことあるごとに鬼の首を取ったかのような辛辣な物言いを終盤まで続け、ナタリアにもルーク程ではないがティアやアニスには無い指摘や叱咤をしていたりする。 ---アニスの裏切りに関しても、勘付いていたにもかかわらず主にスキットでやんわり指摘し、''最終的には「まぁ良いでしょう」と流し''、後のアニスの裏切り及びある人物の死亡を許してしまっている。一方で同じ疑惑をかけたガイには秘密裏に彼の出自を調べる徹底振りで、尚更''相手によって態度を変えているとしか思えない。'' //出自を調べたと言っても、ガイが自分から話すまでそれを明かさなかったから、少なくともこの件は態度をそこまで変えてないと思う。 --''特に終盤、あるイベント後にナタリアに平手打ちをした場面はかなりの批判がある。'' ---ダンジョン攻略中、ルークからアッシュの突然の死を知らされたナタリアが錯乱してしまいその隙を突いた敵の罠の譜陣が発動し、逃げようにもショックでナタリアが茫然自失し脱出し損ねたが、ルークの第二超振動((2つの超振動が干渉する事で発生する、通常の超振動よりはるかに強力な破壊現象。その威力は、敵のボスからも「化け物じみた力」と警戒される程。))によって難を逃れ一段落。~ その後ジェイドがナタリアの頬を平手で打ち、ナタリアの行動はアッシュとルークの意向を無視しメンバーに迷惑をかけたことをネチネチと貶し、今やるべきことを心得るようと上から目線に説教するもの。 ---幾ら事態が逼迫しているとはいえ、''幼馴染(アッシュ)の死を唐突に知られれば図りきれないショックで放心してしまうのも仕方の無いこと''であり、いつまでも引きずってメンバーの足を引っ張り続けたり兎に角その場から立たせるために咄嗟にするとかなら兎も角、''一段落ついた後にわざわざ''である。 ---平手を打たれた瞬間のナタリアの第一声からも、''ジェイドに平手まで打たせて説教させるのは筋違いもは甚だしい。'' ---更にこれにより、反射的に迷惑をかけてしまったナタリアに平手を打つなら、何故能動的に仲間を裏切りイオン殺害の片棒を担いだアニスや独断で敵の本拠地に赴きメンバー全員を危険に晒したティアにも同じ事をしないのか、とも言えてしまう。寧ろこの2人のこれらの行動にこそ、この説教や平手を浴びせて然るべきである。こういった部分からも『口を出す相手を選んでいる』という印象を強めている。 ---ちなみにアニメ版では敵の罠がなくなった為、彼女に平手打ちすることはなく忠告するだけに留めている。 --こんな状態にもかかわらず、中盤からルークと半ば押しかけ師弟のような親しい間柄になるのだが、その流れに対する不満の声も多い。 ---「あるイベントをきっかけにジェイドがルークに過去を明かし、ルークがジェイドに歩み寄る」といった形で展開し、ジェイドの方もルークを純粋に叱咤したり皮肉が減るなどの変化も見られるのだが、''自身の非や陰険な態度を顧みる素振りは一切ない''。それでいて「自身に歩み寄り、成長するルークを少しずつ認める」と''上から目線な対応を一貫する''ため、ここらも心証を悪くさせがち。 --最終決戦前のイベントで、アニスに「レプリカ(フォミクリー)を代替品ではない新たな技術として研究を再開したい」と告げるのだが、この技術がもたらした影響の大きさ故アニスの同イベントの発言同様批判が多い。 ---ルーク達との冒険の中で心構えそのものが変わってきたという彼の「成長」を示すシーンではあるのだが、フォミクリー技術そのものが世界の危機に陥れていること、それによって生まれた多数のレプリカに対して民衆から非難一色であることなどから、世界規模の巨悪の如く存在になっているのは言うまでもない。 ---如何に立派な信念や目標であろうと、此処までの大事にしておいて尚それを後世に残すリスクの大きさは最早語るまでも無いだろう。 ---本当に世界の安寧を考えているならば、悲惨なレプリカを造りたくないのならば、二度と他人の手に触れることの無いよう完全に抹消するのが筋ではないだろうか。 -以上のように、シナリオの1つの核となりうるにもかかわらず自身の主義に固執するあまり出し惜しみを繰り返す、立場に到底相応しくない奔放すぎる言動や描写、自分にも他人にも厳しいというスタンスを謳っておきながら自分のことには妙に甘いこと、本作の世界的危機原因になっている事実、過去に対して反省しているようなことを言っているが矛盾した発言や行動の方が圧倒的に多い…等、''本作はおろかシリーズ中でもトップクラスに問題点が多いキャラクター''であり、さらに''彼がPT内でも最年長である''ことが、余計にこれらのアクを際立たせてしまっている。 --ルークやアニス、(レプリカの)イオンのようにまだ未熟さが残る年齢ならまだしも彼のように成熟しきった人間が起こすにはあまりに拙い物事が多く、ジェイドの齎した技術が物語の諸悪の根源となっている事も相まって、彼を嫌うプレイヤーからは''「ジェイドをサンドバッグにしたい」''という声もあるほど。 ---一応、[[とある悪名高きゲーム>テイルズ オブ ゼスティリア]]では、隠しボスとして出現するので、プレイヤー達の悲願は叶ったが。 --ちなみにファンからは「鬼畜眼鏡」という愛称で呼ばれることが多い、なお作中でもガイから一部のスキットで呼ばれていたりルークの日記に書かれていたりする。 --他にも無視できない問題点として、ティア同様に、外伝作品やお祭りゲーに登場した時にティアと同じく他のキャラクターに笑えない嫌味を連発したり、不謹慎な発言まであるなど、態度や発言の悪さが挙げられる。((特に批判を浴びまくったのは『テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-』の予約特典DVDや、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』のGV(ゴールデンビクトリー)など。)) -『[[テイルズ オブ シンフォニア]]』の「クラトス・アウリオン」は思慮深く、そして厳しくも優しく頼りがいがあるなど主人公の父親として最年長としても相応しい言動や人格をしているので、プレイヤーたちから高い評価を得ているキャラクターである。 --なのに対し、ジェイドは上記に挙げるような有様なので、「''どうしてこうなった''」と言いたくなる程、精神的な幼さを実感させられてしまうキャラクターとなってしまった。 } #co{ ''オラクル六神将のメンバーに関する記述''~ -六神将の1人である「鮮血のアッシュ」は主人公であるルークのオリジナル…つまり彼こそ「ルーク・フォン・ファブレ」本人であり、ルークには扱えない譜術を操り、超振動もある程度制御出来たりとルーク並みの能力を持っている。 --それに目をつけたヴァンに誘拐され現在はローレライ教団騎士団の戦闘部隊「六神将」の「鮮血のアッシュ」として暗躍している。 --当初は自身を誘拐したヴァンを殺すべくあえて彼の指導を受け容れていたが、次第にヴァンに心惹かれていくようになる。 --誘拐されるまでの10年間はキムラスカ王国で過ごしてきたため、キムラスカ王国や「戦争のない国を築こう」と固い約束を誓ったナタリアに対する想いは未だに強く、ヴァンの計画を知ってからは葛藤の中それを止めようと水面下で動いている。 --同時に「ルーク本人」として自分の本来の居場所を奪ったレプリカのルークに激しい憎悪を抱いており、両者の確執もシナリオの大きな要点となる……はずなのだが、その割に大きく矛盾した行動があったり言動がおかしい。 --ルークとの回線(いわゆるテレパシーのようなもの)を繋ぐという自身の目的のためだけに同じ六神将のアリエッタに自国の港を襲撃させ、シンクやディストも共謀させ人質として整備工を拉致し、キムラスカ兵に大勢の死傷者を出している。((何かの拍子でナタリアに知れようものなら、取り返しのつかない溝を生む結果になることは言うまでも無いだろう。)) --なお、この出来事にヴァンは関与しておらず(むしろヴァンに対する敵対行為)、彼の独断である。 ---ヴァンの命令に背いて犠牲者を出したことでアリエッタは(ほぼ形骸化しているとはいえ)処罰されたのだが、その元締めであるアッシュは処罰を受けた様子が無く、それどころか、後にセフィロトを開かせるために漆黒の翼((シリーズ恒例の3人組。設定は作品ごとにまちまちだが、本作ではサーカス団兼裏稼業の二足の草鞋な生業をしている…という設定。))を雇い、導師であるイオンを拉致させるという更なる蛮行を犯す。 ---さらに中盤のイベントで、国賊と認定されたルーク達を襲うキムラスカの兵士と将軍に「力ない民を守るのがお前ら軍人の仕事だろう」と憤慨する場面があるが、その軍人を私情の為殺害させ、さらに力なき民である整備士を人質として拉致した事実を見ると「よりにもよってお前が言うか」という印象にしかならない。 --アグゼリュスの件ではかなりの情報を持ち、ルークを止められる可能性を持っていた人物なのだが、それより前にタルタロスでルーク達に譜術で不意打ちを仕掛ける((さらに、兵士から昏倒した彼らの処遇を問われた際「殺せ」と即答している。一応、六神将のリグレットの忠告を受け渋々撤回している。))。 --国境でいきなりルークに斬りかかる。戯れ半分にルークを操ってティアを襲わせようとする。イオンを拉致しザオ遺跡で対峙する…など明らかな敵対行動を繰り返しており、その結果アクゼリュスでテレパシーを通して彼を止めた際にもルークに拒絶されて振り切られている。((ただし、「カイツールでヴァンの計画を知った」という発言があるため、それ以前の出来事であるタルタロスの件に限っては情状酌量の余地はあるが。)) ---また、後のイベントでヴァンに勘付かれ他の六神将に監視されていた事も明らかになり、表立って友好的な接触が出来なかったのも事実である。だがそれを考慮しても敵対行為の度が過ぎている。 ---惨劇から暫く後のフェイスチャットで漸くルークとの回線を繋いだ目的を明かすのだが((ヴァンの計画を止めるため、彼がヴァンの行動を探って回線を通じたルークに表立った行動をさせ連携をはかるつもりだった。))、''「ここまで馬鹿な出来損ないだと知ってりゃ繋ぎはしなかった」「レプリカなんかアテにした俺が間抜けだったワケだ」と偉そうにルークを罵倒する。''((上記の蛮行を考えると、聖人君子のような人物でなければ無理な話だがそんな人物だったらそもそも殺されている。)) ---そして自分が直接協力を申し出なかったのはルークに全面的に非があるような物言いを続けるのだが、当初ルークがヴァンに依存してヴァンへの干渉に期待できなかった事は確かだが、それはそれとして今迄の敵対行動を顧みる・指摘されることはこのチャットはおろか本編でも一切無い。精々共闘当初多少疑われ、ガイから父の行動の影響(アッシュは関与していない)からやたらと邪険にされている程度。((この件に於いては、彼(アッシュ)の両親に問題があるのであって、ルークとアッシュからすれば、ガイの恨みは飛んだとばっちりでしかなく、逆恨みにしかなってない。)) ((これらの行為に理由があるとすれば、結果的にルークに存在を奪われたことに対する腹いせ以外に考えられないのが現状である。(特にアニメ版に於いてはそれを強調する描写がある。)ただし、それもヴァンが元凶にある為、逆恨みにも等しい理由で余計な行動を取っているとか思いようがない。結果的に対処の機会を失ってしまったのであれば、ジェイドやアニス以上にルークを責められない立場とも言える。)) --中盤以降はルーク達とは別に漆黒の翼と行動をとるのだが、ルークへの憎しみ故つっけんどんな態度をとり、回線での連絡も一方的かつ投げやり、ルークが彼との同行を真摯に申し出てもそれを拒否して単独行動を一貫し、共闘関係を謳っておきながらそれを活かせていない事態も多く発生する。 ---ルーク達と合流しても、重要な情報も自分の立ち位置も殆ど語らない為、ティアやガイとジェイドは長い間彼への不信を拭えず、アッシュを擁護するルークやナタリアとの間で余計な仲間同士の対立を生んでしまっている。 ---また、前述の通りルークが自分の存在意義に苦しみ、時としてオリジナルであるアッシュに対しても「俺はレプリカだから」と卑屈な行動を取ることもあるのだが、この時にも「お前がそんなことを言える立場だと思っているのか」と悪態をつくのは結局変わらずである。 ---アッシュ自身もとある事情で生き急いでいたとはいえ、今まで自身のレプリカだからと強く嫌悪していた割には発言に一貫性がなく、ルークを余計に苦悩させ困らせる結果になっている。 ---こちらはあくまで結果論ではあるのだが、陸上装甲艦や飛行艇での移動手段が充実しているルーク達と、それらを持たないアッシュ達ではどうしても歩幅が合わず、テレパシーもアッシュからしか送れず互いの情報共有や合流に支障をきたしている場面が多い。また追跡していたスピノザを逃す、六神将やヴァンに特に有効打を与えられていない、ルーク達に重要な情報を幾度ももたらした訳でもなく、この分断行動自体空回りしている感が否めないものとなっている。 ((一応だが、節目節目の大きなイベントでは彼の手助けによって事態が収束し、最後の最後での大盤振る舞いによってルーク達の攻略に大きく貢献しているなど、全く無駄になっている訳ではないが。)) ---結局、ジェイドと同じく、重要なことを語らないために最後まで事態の悪化を繰り返している。 --同じく大きな争点になるはずのナタリアへの葛藤についても、既に割り切ってしまっている為かことあるごとにそれを主張するナタリアとは異なり彼からはそれほど深く触れようとはしない。 --その上、最後まで彼なりにナタリアをどういう存在とするのかという結論をプレイヤーに提示することもなく、後半以降は彼女との目立ったやり取り自体がほぼ無くなり、最期まで彼女について特に言及する事は無い(裏ではかなりナタリアに執心している事がうかがえる会話はあるが)。最期まで積極的に彼に接触するナタリアとの温度差が目立ってしまう。 --以上のことから、''全体的にルークへの憎しみが表面に出すぎてしまい、結果的に悪い方向にばかり場をかき乱してしまった''感は否めないだろう。 --自身の私情にしがみつくばかりで大した成長も見せず、ひたすらルークを邪険にし続けるその態度に辟易するユーザーも多数いた。 --特に最終盤、精神的に自立したルークがアッシュの罵声を論破した際支離滅裂な言動を経て無理やり決闘に持ち込む場面があり、何よりルークに依存し精神的に自立できていなかったのは彼自身だという事が露呈される。 ---最終的にはルークとの互いの存在をかけた一騎打ちを経て彼を認めたからこその行動を取り大きな見せ場にもなっているのだが、態度的にルークとの和解及び成長があまり感じられないという声も多い((ただし、ここでルークと和解させてしまうと、完全に『カルマ』の歌詞の意味から削がれてしまう為、ある意味、やむを得ない処置ではある。))。 ---実年齢はレプリカであるルークよりずっと上なのに、発言や態度が全体的に幼稚で浅はかな為、「''こんなオリジナルだったからこそ、よりルークの成長が実感できる''」という皮肉すらある。 ---ルークと別れた後に彼が辿ったあまりに残酷な最期((逃げ場の無い部屋で無数の敵兵士に取り囲まれ、剣も持たない状況からの戦闘を余儀なくされた上に、最終的には一瞬油断した所を敵数人に串刺しにされ、最後の余力で相打ちにした末に人知れず力尽きた。アニメ版では最後の数人を倒そうとした時に音素乖離の発作を起こして…という形になっている。))を考えれば、憎しみに囚われて生き続けた末の、一種の報いは受けているとも言えるが。 ---ただし、自らの居場所がヴァンの策によって追いやられていた事を考えれば、''ルークと同様、ある意味で被害者側の人物であった事は確かだとも言えるのかもしれない。'' -六神将の1人である「死神ディスト」は、本作の敵キャラクターの中でも最後まで生存する数少ないキャラクターで((終盤のサブイベントをこなす中で生存が発覚し、メインイベントのみを進めていると殉死したような扱いになっている。))、基本的にギャグ(いじられ)キャラとして扱われている。 --だが、ジェイドの項目でもあるようにフォミクリー技術を彼と共に研究し、彼が禁忌とした後もそれを無断で使用した、''本作の元凶の主要人物の1人である。'' --その理由も完全に本人の独り善がりのエゴでしかなく、作中その事実について追及された描写がジェイド以上にほとんど無く、終始ボスとして立ちはだかる・或いはギャグシーンになるばかりである。 --該当するサブイベントを最後まで進めるとマルクト軍に拘束されるのだが、その罪状は軍の機密情報を持ち出した為と、フォミクリーとはまったく無関係のもの。 --逮捕された後も一度別のサブイベントで登場するが、例のごとく糾弾されることもなく軽く扱われ続けるので、違和感の塊のような人物となってしまっている。 ---余談だが、ドラマCDなどのメディアミックスや他の作品などで出演する場合も基本ギャグキャラ的な扱いで、挙句本作のアフターストーリーを描いたドラマCDでは''牢獄内でマルクト皇帝やジェイドと談笑した挙句条件付とはいえ釈放までされる。'' ---設定をちゃんと知っている人からするともはや違和感どころではなく、反感しか買わないだろう。 -六神将の1人である「妖獣のアリエッタ」は途中で死亡してしまうが、彼女の場合は生い立ちからして「赤子の頃に両親をホドの大津波で失い、魔物のライガクイーンに育てられる」というものであり、それが原因で16歳であるにもかかわらず小柄で言動が拙く、感情を上手く表に出せず他者に対して好意的に振舞うことが出来ない。 --導師イオンの守護役を勤めていたが、イオン自身の意思によって解任され、六神将となる。''しかも後任がよりにもよって彼女に罵声を浴びせ邪険にしまくるアニス。'' --厳密に言うと、アリエッタが付き従っていたのは本編に登場するイオンではなく先代であるオリジナルのイオンであり、彼が死に際に「自分のレプリカにアリエッタを渡したくない」と決断した為に守護役を解任されたのだが、最後まで彼女がそれを知る事はなかった。 --序盤でミュウの放火から巡り巡った結果、ルーク一行に母親のライガクイーンを殺され、慕っていたイオンもアニスに奪われてしまったと思いこんでしまったアリエッタ((間接的にとはいえアニスがイオンの死に関わっているのは事実ではある。))は、最終的に六神将の1人・ラルゴを検分役としルーク一行に最後の戦いを挑み、敗北してしまう。それでいて六神将最初の犠牲者となってしまった。 --先述したイオンの真実などもほとんど知らないまま、『アビス』のキャラの中でも終始救いがなく報われない最期を迎えるのだが、全体的にアクの強い『アビス』のキャラの中では純粋に悲惨な生い立ちやイオンへの一途な想いなどからプレイヤーの人気も高く、そもそも人気以前に''「あまりにも扱いが酷すぎる」「何も殺す必要はない(殺す必要性がない)」という批判が多い。'' --対照的にアニスが上述した有様である他、そもそもアリエッタの事情を知っていて理由はあるもののそこを加味しても「根暗ッタ」などと呼び終始異常に邪険に接していた為、益々アニスへのヘイトが高まった一面もある。 ---アニスが辛辣な態度だったのは「今更真実を告げて混乱させるより、自分が最後まで憎まれ役として泥を被れば済む話」という彼女なりの配慮からだったのだが、''そうして憎まれ役を最後まで演じ続けた末に当人を返り討ちにして死亡させてしまう''というのはいかがなものか。 ---一応、お互いに手加減抜きの死闘を望んだ結果で当初アニスも1人で挑む気だったこともあり、仮にアニスの方もそれで負けたら潔く受け入れるつもりでいた可能性はあるが、いずれにせよあえて最後見殺しにする必要性は感じられない。言うまでもないが六神将の方からしても。 --彼女もタルタロスを襲撃して乗組員を皆殺しにする((アニスの「アリエッタはタルタロスの乗組員の仇」というユーザーを逆なでする理論の影に隠れて忘れられがちであるが、これ自体が非常に大きな罪であるのも確かである。))、先述のアッシュと共謀しキムラスカの港を襲撃する等相応の悪行も起こしてはいる。 --しかし、こちらも目的のために積極的に自らの意思で悪行に及んでいた六神将とは異なり、アリエッタに関しては上から命令されたのでよく分からないなりにやっている程度の印象がある。 ---ここまで読んでいただければ分かるが、アニスはいうまでもなく、さらには上記のディスト(およびジェイド)など、アリエッタがやったこととは比べ物にならないほど遥かに重い罪を作中で犯しておきながら最後まで円満に生き延びる人物が多々いる為、釈然としない気持ちもでてこようというものである。 } #co{ ''その他のキャラクターに関する記述''~ -導師イオン((ただし、彼はオリジナルであるイオンのレプリカであり、オリジナルのイオンはこのレプリカのイオンとは真逆の冷徹な性格をしている。しかし、彼の「12歳までしか生きられない」という悲惨な生い立ちやアリエッタに一途な愛情を注いでいたこと、幸か不幸かゲームでは粗が出る程の出番はなかったためか、このレプリカイオンとは異なり非難の声は比較的少ない。彼に関する描写はコミカライズの『テイルズ オブ ジ アビス アナザーストーリー 公式外伝集 』で描かれている。))は基本的に温和で心優しく、ルークを庇おうとするなど好意的に見られているキャラではあるのだが、''親善大使編での行動がかなり不可解。''途中オラクル六神将のアッシュに誘拐され救出されるのだが、''その際にアグゼリュスへの同行を申し出ている。'' --''頼まれてもいないのに病弱な彼がアグゼリュスに行くという半ば自殺行為をパーティメンバーが当然のように同意する意味がなく、案の定途中で疲労困憊に陥っている。というか仮に導師であるイオンを勝手に連れ回して死亡させたなどしたらそれこそ大問題であり、イオン自身それくらいはわかっているはずである。''そしてそこで先に進みたいルークと、イオンを送り返すわけでもなく休憩を優先する他のメンバーという構図になり、結果的にルークと仲間の不和の一助になってしまっている。本来なら救出したその足でケセドニアの両国の領事館にアニスと共に預けて今後の身の振りを委ねるべきである。 //よく考えたらアグゼリュスのスコアにはルーク絡みしか載ってなかった気がする ---しかもその理由も「(自分に親書を渡すにあたっての仲介役を依頼した)マルクト皇帝にアクゼリュス救助について報告したい」というあまりに微妙なものである。そもそも彼の役目はキムラスカ国王インゴベルトに親書を手渡した時点で終わっており、以降の動向を皇帝に報告するにしてもそれはジェイドの役目であり、彼が報告するにしても非常時という事もあって、アリエッタ処罰の件のように教団から報告書を出して落ち着いてから彼が直接赴く…という形でも問題ない筈であり、いずれにせよこの件にこれ以上イオンが直接介入する余地が無いのである。 --それ以前から目先の正義感や感情で守護役のアニスに無断で単独行動する事が多く、六神将に誘拐されたのも発端もこの独断行動にある。 -アクゼリュスでは最深部であるセフィロトの部屋への扉の封印をルークとヴァンに二言三言頼まれただけであっさり開いた事で惨劇に繋がってしまうのだが、このセフィロトに関しては教団の最高機密と頑なに口を噤んでいたにも拘わらず、何故そこへの扉はあっさり開いてしまうのか??というツッコミもある。生い立ちを考えれば既にヴァンやモースの傀儡にされて逆らえなかった可能性はあるが。 --これに対しては「俺は悪くねぇっ!」の場面で「僕が迂闊だった」と擁護しかけたのだが、ルークの発言に先にアニスがキレてしまい「イオン様は悪くない」と強引に引き離されてしまう。何はともあれルークと一緒に責められるならともかく、イオンの方だけが不自然に擁護されているためにユーザーの反感を買っている。これでもルークに理解を示そうとしてくれるだけ当時の仲間の中では最も穏やかな対応である。 -マルクト皇帝であるピオニーはキムラスカ王国との終戦を望み幼馴染であるジェイドに親書を託す、正体を明かしたガイの身分を確保するなど善政を敷いているが、皇帝という立場を考えるといささか性格や行動が軽すぎる。 --皇帝らしからぬ気さくな性格で、謁見の間で臣下であるジェイドを「使えない奴で困っただろう」とルーク達の前でからかう、ファンシーな家畜であるブウサギを多数飼育し知己の名前を付けている。 --そろまでなら純粋なコミカル要素と見る人が多いが、初恋が実らなかった事で結婚(跡継ぎ)を放棄していることが明らかになる・同じく謁見の間で(和平条約が結ばれたとはいえ)他国の王位継承者であるルークに対し自国に住むか?と冗談半分で告げる、あるサブイベントで彼がコレクションしている武器を貸す条件としてルークやナタリアにまで自分に媚びた態度をさせる、飼育しているブウサギを逃してルーク達に捜させる…など、一個人のコミカル要素にしても''公私混同が甚だしいという批判も少なくない。'' --さらにドラマCDなどでは''執務が面倒だからとジェイドの執務室に逃げて立てこもった挙句ジェイドの執務より自身の我侭を優先させる''、ディストの件でもあるように''ジェイドを共謀までさせて皇帝自らが収容所に出入りして幼馴染とはいえ囚人と談笑する''ことが明らかになり、国民の血税と多くの凄惨な世継ぎ争いの上で暮らしていることへの自覚を疑う声まで出ている。 ---こういう奔放な国王自体はRPG界隈だけ見てもさほど珍しくはない。しかし、本作の場合マルクト皇室は人間・権力関係が複雑であること、皇帝の座を狙う者達に揉まれている…など、なまじ外枠にリアリティを持たせているためこれらの奔放な振る舞いが悪目立ちしてしまっている。そんな中皇帝自らがこのような身勝手な行動を繰り返せば反皇帝派などから真っ先に反乱や罷免の材料にされてもおかしくない。 ---にもかかわらずそれについて本編では取り沙汰されることが無く「普段は奔放だがいざという時の統率力は確かな皇帝」というスタンスを保ち続ける為、ご都合主義感が非常に強い。 ---ジェイドの幼馴染という点についても、ジェイド本人が上に挙げたように''人間性・所業などの問題の塊のようなキャラクター''であり、ピオニー自身も彼を咎める場面などがほとんど無いことから、''典型的なえこひいきでジェイドを好き勝手にのさばらせているだけでは?''という見方も強い。 } //#endregion ---- **総評 //総評は、読みやすくなるようできるだけ箇条書きなしの散文で書いて欲しい。 前作『レジェンディア』の発売前に『アビス』が発表された当時は、10周年作品と銘打っており、キャラクターデザインが『ファンタジア』『シンフォニア』を手がけた藤島康介氏であったことから大きな期待を集めた。~ シリーズの中でも人気は高く、ドラマCDや小説、漫画が多く発売されたこと、下記するテレビアニメが放映されたことからもうかがえる。~ 事実前身となった『シンフォニア』からグラフィック、演出、戦闘システムそのもの、ボイス量…といった部分は確実に進化しており、シリーズ作品としては大きな前進を見せた。 しかしロードの遅さや多数のバグ、感動的なシーンでの誤字などのユーザビリティに欠ける面が散見される。~ シナリオやキャラクターの面では、メインキャラクターの多くが良くも悪くも王道からかけ離れた性格付けをされていること、随所で後味の悪さが残る暗いシナリオ、プレイヤーが感情移入しやすい主人公の扱われ方が他キャラに比べて実に理不尽な点などが、人にもよるがストレスに受け取られやすい。~ 一通りクリアして世界観や人間関係を理解した後で周回プレイをすると、序盤から巧妙に伏線が張られていることに気がつくが、それ故に問題の多い仲間達の言動によりいらついてしまうという意見も少なからず存在する。~ その一方で、理不尽な現実に立ち向かい未来を掴み取ろうとするルークの生き様が高い人気を集めている。 同じ側面を各人がどうとらえるかによって本作の評価は大きく変わる。~ レビューサイトや掲示板を見ても、「''主人公であるルーク本人の丁寧な心理描写と魅力的で斬新身のあるキャラクター像''」に対して賞賛する者も居れば「''主人公以外の誰にも感情移入出来ない上、ストーリーの整合性が全く取れていない駄作''」として嫌う者まで幅広い。~ まさにCOLOR(red){''賛否両論''}である一方、単体のゲームとしては良作で、充分な開発期間さえ確保出来ていれば…という旨の見方も決して少なくない。 シナリオの大筋や肝心な整合性そのものはしっかり取れており、物語そのものの質も十分に高い。~ シナリオの重さやキャラクターのトゲのある言動や極端な描写が気にならないのであれば、外部のレビューを鵜呑みにせず自らの手でプレイし、自分の意思で未来を選ぶ世界を目指す主人公のルークの顛末を見届けてみて頂きたい。 ---- **北米版について 本作は北米向けにも発売されており、日本版のそれに秘奥義やカットインなどを追加している他、一部の仕様を調整している。~ 特に追加の秘奥義の存在はファンの間で一時盛り上がりを見せ、北米版の要素を追加したバージョンの作品を願う声が多く挙がり、後の3DS版によって実現した。 #region(北米版で追加された要素の一部) -シナリオ冒頭の長髪ルークも「レイディアント・ハウル」を使用できるように(国内版では2周目以降も断髪時のみ)なった。長髪時専用のカットインも追加されている。 -ルークに新秘奥義「イオン召喚」とイオンのカットインが追加。 --レイディアント・ハウルからの追加技。シナリオ上でイオンがルークと同行している時のみ使用可能。 -ティアに秘奥義「フォーチュン・アーク」に追加攻撃が追加。 -ガイ、ナタリアに第2秘奥義「閃覇瞬連刃」「ノーブル・ロアー」が追加。 --それを考慮してか、ガイの「宝刀ガルディオス」の入手時期がやや遅くなっている。 -闘技場のリッド、フィリアの秘奥義「緋凰絶炎衝」「セイクリッドブレイム((正確には「Sacred Penance(セイクリッドペナンス)」である。もっとも、内容そのものは「セイクリッドブレイム」と大差はない。))」とカットインが追加。日本版で何故かカットインがなかった「極光壁」「タイムストップ」「ビッグバン」「ワイルドギース」にもカットインが追加。[[リメD>テイルズ オブ デスティニー (PS2)]]のフィリアはこの「セイクリッドブレイム」を逆輸入した。 -ラスボスに新秘奥義「神葬星条破」と新規カットインが追加。 -隠しボスに秘奥義「イノセント・シャイン」「フォーチュン・アーク」「ミスティック・ケージ」「インディグネイション」「絞牙鳴衝斬」と新秘奥義「エンドオブフラグメント」が追加。それぞれの秘奥義に新規カットイン付き。 --余談だが『ヴェスペリア』に「エンドオブフラグメント」とよく似た秘奥義「スーパーダオスレーザー」なるものが追加された(発売時期は北米の『アビス』の方が早い)。 -アッシュが一戦目から特定の条件で秘奥義を使用してくるようになった。 -幾つかのバグ修正。 -国内版で強力なコンボ技として猛威を振るっていた一部の特技や奥義に硬直が追加される等、戦闘バランスも多少とはいえ調節されている。 -戦闘ランク「アンノウン」の敵パラメーターの上昇が4倍から3.5倍に変更。 --これにより上記の敵やボスにもダメージが通るようになった。ドーピング無しでも裏ボスに物理ダメージが少しとはいえ通るようになったのは大きい。 -一部のボスが使用してくる「タイムストップ」が秘奥義扱いとなり、アイテム画面を開けなくなった為アワーグラスで相殺する戦法が通じなくなった。 -日本版で長かったロード時間は改善されていない。 #endregion ---- *テイルズ オブ ジ アビス(3DS版) |対応機種|ニンテンドー3DS|&amazon(B004QTQ2XU)| |メディア|2Gbyte3DSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |発売日|2011年6月30日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |配信|2014年12月3日/2,980円|~| |廉価版|Welcome Price!!&br;2017年6月1日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| ※PS2版と異なる内容のみ表記している。 ---- **特徴(3DS) -上記の北米版をベースに製作されており、追加・変更点も北米版のものを引き継いでいる。 --3DS版独自の追加要素といったものは無い。 -2014年12月3日からダウンロード版を配信。実質的な廉価版である。 --2015年1月4日までに購入すると、同時配信された「テイルズ オブ ジ アビス テーマ」を無料ダウンロードできるキャンペーンが実施された。 **評価点(3DS) -問題視されていたロード時間とバグ、誤植に関して大きく改善されている。 --特にロードの速度は一変してシリーズでも上位の短さとなり、快適なプレイが可能。 -ガイの武器「宝刀ガルディオス」の入手時期やルークの称号「タクティカルリーダー」の入手条件・入手時期は日本版のまま残されている。 --北米版の場合、前者は日本版より入手時期が遅く、後者は日本版と違い裏ボス戦時に難易度を高くしておく必要がある為、全体的に国内3DS版の方が易しく、ガイの第2秘奥義も早めに使用できる。 **問題点(3DS) -PS2には無かった新たなバグも発見されている。 --「ライガクイーン戦でティアのフォーチューン・アークの追加攻撃が出せない」など。 --ただし、ほとんどがPS2版に比べると条件が限定的で、通常プレイで遭遇することはほぼ無いと思われる。 -解像度の関係で一部グラフィックが微妙に粗く、柱の模様が簡略化される、読みづらいフォントに変わるといった特徴がある。 -マップ移動や戦闘画面への突入等のロード時間は改善されたが、新たに戦闘時にFOF技や秘奥義を発動する際の数秒間の戦闘の停止や、術の発動が数秒遅れるといった処理落ちが頻繁に起こるようになった。特に術の発動は戦略に関わってくる。 --細かなところだと、フェイスチャット時のグラフィックの動きもぎこちなくなっている。 -ローカルプレイやWi-Fiといった通信機能にも対応しておらず、2人以上でのマルチプレイは不可能。完全に1人用のゲームとなった。 **総評(3DS) 総合的に見れば、PS2と携帯機とのスペック差故に細かな粗こそあるがしっかりと移植再現されており、システム面での不備も多く修正され、より遊びやすくなっている。~ PS2用の、それもそれなりのグラフィックや容量、処理を求められる本作を限りなく忠実に移植出来た事から、3DSのゲーム機としてのスペックの高さも垣間見える一作である。~ 北米版での追加要素も全て網羅しており、本作を初めてプレイするという人はこちらをお勧めする。 ---- **余談 -キャラクター毎の賛否両論点でも挙げたルークの台詞「俺は悪くねぇ!」について、本作でも大きく取り扱われているのは上述の通りだが、ネタとしてもそれなりに広がっている。 --本作及び『テイルズ オブ』シリーズ自体は知らないがこの台詞及びルークは知っている、という人も多い。 -ゲーマーとしても有名な小説家の宮部みゆき氏が本作を絶賛している。 -2021年12月27日にテレビ朝日系列で放送された『テレビゲーム総選挙』では本作が53位にランクインした。 --これは番組内のランキングにおける''『テイルズ オブ シリーズ』で唯一のランクイン''である。 ---本記事にもあるようにシナリオ・キャラクター関連に批判的な意見こそ多いものの、本作に対する強い支持者も多いことが窺える。 ---- **その後の展開 -2008年10月~2009年3月にかけて、MBS制作にてテレビアニメが全26話放送された。 --作画やサブキャラクターの声優が軒並み変更されている事に評価が分かれるが、2クールにも渡る放送故に概ね本編シナリオを再現しており好評。本作をプレイしていなくとも1つの作品として理解できる程のボリュームである。 --なお、アニメ版のOP主題歌も「作品のテーマとしてこれ以上ない曲」という選考理由によりゲームと同じ「カルマ」が採用されている。 --また、MOR氏の作詞作曲によるED主題歌も藤原氏がアレンジという形で関わっている。こちらもストーリーを非常に汲んだ曲に仕上がっている。 -主人公を筆頭にキャラクターの癖はかなり強く賛否両論に分かれることとなったが、なんだかんだ人気は高く後のシリーズ共演作品では本作品のキャラクターが多数登場している。 --しかし、その中でアビスキャラを巡った度の過ぎた描写や発言、露骨な優遇…等、他シリーズ作品ファンの顰蹙を買う事態も起こってしまっている。 --当記事の中でも所々で書かれているが、アビスキャラがお祭りゲーで露骨に優遇される裏で、他のシリーズキャラがアビスキャラを持ち上げるために、いわゆる『踏み台』にされるケースが非常に多い為、(アビス本編の評価とは別に)それを快く思わないファンも多い。 --また、原作のアビスをプレイしていないプレイヤーが、お祭りゲーでのそういう描写を見てアビスにヘイトが集まる事態が起こっているのも事実である。 --特に、シリーズキャラ集合作品『[[テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3]]』では今まで不参加だったナタリアが参戦し『アビス』のパーティキャラが全員揃った。 --同時に「ラスボスが''プレイアブルキャラ(味方陣営)として参戦が決定''」したため((他には『ラタトスク』のリヒターがいるが彼は極僅かな期間主人公エミルと行動を共にしている。今作のラスボスは原作で絶対に和解できないタイプのラスボス。))に様々な面で波紋を呼ぶ羽目となってしまった。 -2023年に3DSのニンテンドーeショップが終了。3DSダウンロード版の新規購入ができなくなってしまった。 //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ナムコ,PS2,3DS,2005年,RPG,テイルズオブ
「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「ネタバレ部分の削減」です。 ---- #contents ---- *テイルズ オブ ジ アビス 【ているず おぶ じ あびす】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br;(シリーズ内ジャンル名:生まれた意味を知るRPG)|&amazon(B000BFKDZ6,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/5193B9ZRVNL._SL160_.jpg)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2005年12月15日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|通常:1人&br;戦闘:1~4人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |廉価版|PlayStation 2 the Best&br;2007年6月28日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|3Dテイルズの革命となる「フリーラン」初採用&br;どこまでも人間臭い主人公&br;ストーリー関連は完全に賛否両論&brご都合主義が目につく倫理観&br;&color(red){''明らかにVIP扱いされている一部のキャラ''}|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| //ポイント欄の中身が多過ぎるとの指摘があったので整理。 ---- **概要 テイルズ オブシリーズの10周年を記念して製作された作品。略称は『TOA』『(ジ)アビス』。~ プロデューサーは吉積信、キャラクターデザインは藤島康介、開発メンバーはシンフォニアチーム。 ---- **ストーリー >世界は、預言(スコア)に支配されていた。 >太古の時代、偉大なる譜術士ユリア・ジュエが世界の滅亡から逃れる為に詠んだとされるそれは、惑星オールドラントに於いて絶対の存在となった。~ 世界で起こるありとあらゆる事象を的確に詠み、その通りに生きていれば未曾有の繁栄が約束される、完全なる世界の指針。~ 多くの人々は普段の生活から預言に依存しており、その先にさらなる人類の繁栄が在ると信じて疑わなかった。~ また、民衆だけでなくキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国の二大国家の王政すらもこの預言無しでは機能しない。~ 世界は、預言とそれを託すローレライ教団により事実上操られていた。 >しかしそれは、たとえ大勢の犠牲や凄惨な悲劇が詠まれていようとも、それらを実行せねばならないという事でもあった。~ 預言から外れてしまえば、来るべき繁栄が失われてしまうからだ。 >そう、かつて繰り広げられたキムラスカ・マルクト両国による「ホド戦争」の数多の惨劇も、~ 勃発から停戦に至るまで全て預言に詠まれていたに過ぎなかった。 こうして預言は数多の人間を導き、同時に見捨てていった。~ そうして築き上げられた繁栄の裏では、預言の犠牲となった者たちによる世界改革の計画が密かに進行していた... >キムラスカ・ランバルディア王国のファブレ公爵の子息で王位継承権を持つルーク・フォン・ファブレは、~ 両親や使用人兼親友のガイ・セシルと共に不自由なくも退屈な日々を送っていた。 >ある日、屋敷を訪れたローレライ教団の主席総長で、ルークの剣術の師匠でもあるヴァン・グランツと共に中庭で剣術の稽古に勤しんでいた時、~ ヴァンを狙った謎の少女の襲撃を受ける。~ とっさにヴァンを庇ったルークだが、超振動と呼ばれる共鳴現象により少女共々遠い異国の地、マルクト帝国に跳ばされてしまう。~ 故国に帰るため、やむを得ず渋々謎の少女・ティアと協力するルーク。~ しかしそれは、彼に待ち受ける過酷な運命の序章に過ぎなかった… ---- **特徴 ''「FR-LMBS(フレックスレンジ リニアモーションバトルシステム)」'' -『[[テイルズ オブ シンフォニア]]』の「ML-LMBS(マルチライン リニアモーションバトルシステム)」の進化形で、アクション要素がより強くなり、戦闘自由度も増した。 --大きな進化は、L2ボタンを押すとラインに関係なく戦闘フィールドを自由に動ける「フリーラン」が採用された事である。いちいち敵をターゲティングしてラインを切り替える必要が無くなり、敵に挟まれた状態からの脱出や遠く離れた味方への援護などが容易となり、戦略が大幅に増した。 ---ただしフリーラン状態では一切の攻撃が出来ず、敵からのダメージが全てクリティカルヒット(1.5倍)になる。 ---また、標準システムとなっている後の作品と違い下記するADスキルのひとつとなっており、これを外すと「シンフォニア」と同様の操作になる。 ''「FOF(フィールド・オブ・フォニムス」'' -属性の付いた術技を使うことで、戦闘フィールドに属性に対応したサークルが現れる。 --サークルには段階があり、最初は色が無い(無色FOF)が、対応する術技を使うたびに4段階まで溜まるとサークルに色が付く(有色FOF)。これの上で特定の術技を使うことで「FOF変化」が起り使用した術技が「FOF技」にパワーアップする(例:魔神剣 → 魔王炎撃波)。 --ただしあるアイテムを術技に装着すると、無色FOF上でもFOF変化を起こす事が可能になる。 ''「C(キャパシティ)・コアとADスキル」'' -C・コアは装備品の一種で、装備しているとレベルアップ時に上昇するパラメーターにC.コアそれぞれの能力値が上乗せされ、同時にボーナスがマスク値として蓄積される。 --ボーナスが一定値に達すると「ADスキル」(他のゲームに於けるスキルと同義)を修得できる。 ---前述のフリーランやオーバーリミッツと秘奥義はADスキルのひとつになっており、修得しなれば使用できない。 ---ただしフリーラン含む一部のスキルは、例外的に一定LV以上になれば自動的に習得する。 ''「FSチャンバー」'' -FSチャンバーは術技に装備するアイテムで、装備した術技に様々な効果を追加する。 --チャンバーには幾つか種類があり、効果や威力を上昇させる「カーマインチャンバー」・発動直後の硬直時間の減少や効果時間を延ばす「コバルトチャンバー」・HP回復効果や盗む効果を付与する「グラスチャンバー」・無色FOFでもFOF技に昇華できる「サンライトチャンバー」の4種類が存在する。 --チャンバーを装着すれば無条件でその効果が発動する訳ではない。最初は発動率が設定されており、チャンバーを装着した技を使用した回数に応じて発動率が上がっていき、100回使用すると必ず発動するようになる。 ---それぞれの技に装着できるチャンバーは一種類のみ。 -''ミュウアクション'' --移動中、序盤で同行する「チーグル」と呼ばれる小動物の「ミュウ」に様々なアクションをさせて仕掛けを解いてゆく。従来で言う「ソーサラーリング」の役割。 --最初は火を放つだけだがシナリオを進めると新たなアクションを習得する。本編中自動で入手するのは2つだけだが、サブイベントや更なる探索によって習得できるアクションやパワーアップを果たす事が可能。 ---ミュウも単なるアクション要員のみならず、主人公であるルークを誰よりも慕い、彼の心の支えとして随所で活躍する。 ''「タウンリンク」'' -作中、殆どの店舗の品揃えや値段等が、シナリオの進行やサブイベント、特定の称号等によって緻密に変わる。 --品揃えの変更自体は他のRPGや従来シリーズでも時々行われているが、本作の場合はゲームバランス調整の他にも、世界情勢や各地の流通・経済状況等を示す役割も果たしている。 --たとえば様々な食材の産地である農村では食材が安いが、遠く離れた僻地の街等では同じ食材でも値段が跳ね上がったり、街の流通を活性化させるイベントをこなすと街中の商品の価格が下がったり、キムラスカ、マルクト両国に属さず自治を認められた流通拠点では両国よりも値段が安めな傾向がある等((こちらは作中で「拠点から各国に輸出する際に関税がかけられる為」と説明されている。))。 ---さらに、中盤のとある出来事の最中は世界中で武器や防具に特需が発生し、各地で多くの武具が売り切れ状態になる。 ---また売価が跳ね上がるので、序盤のうちに武器を買い込み、一気に売り払うことで財を成せるというリアリティある光景にも遭遇する。 ''交易品と「ディンの店」'' -シリーズでもお馴染みの合成システムで、フィールド各地に点在している「探索ポイント」で入手できる交易品と呼ばれるアイテムを「ディンの店」に一定額のガルド(金額)と共に持ち込み「作成依頼」をするとそれに応じたアイテムや装備品が貰える。 --交易品にはそれぞれレベルが設定されており、納品していく毎に投資レベルが貯まっていき、一定以上ポイントが貯まるとより強力な武器やアイテムが合成品にラインナップされるようになる。一部のアイテムなどは特定の交易品を納品する必要がある。 ---このレベルを最大まで上げ、追加の交易品や多額のガルドが求められるが貴重なアイテムが手に入る「特別な依頼」が出来るようになる。 ---ただし、「特別な依頼」以外は完成するアイテムはランダム。 ''料理システム'' -基本的な部分は『シンフォニア』ベースだが、本作ではそれらに幾つか改変や追加が行われている。 --食材ごとにメンバーの好き嫌いがあり、好きな食材を入れるとその分効果が上乗せされ、嫌いな食材を入れると一部の効果が下がる。 --熟練度が一定以上まで上がると追加の食材を使って効果を更に上げられるのは『シンフォニア』と同じだが、本作ではキャラクターによって様々なアレンジ料理を作るようになる((例えば、おにぎり → ルークの熟練度が最大だと「エビ」を追加して「えびまよおにぎり」になり、HP回復効果が更に上がる。))。 --料理の熟練度が一部のサブイベントの会話に影響したり料理絡みのフェイスチャットが増加していたり、熟練度に応じた各キャラの称号習得も1つのイベントになっているなど、よりキャラクターの個性を色濃く反映したシステムとなっている。 ''称号'' -本作の称号は、基本的にフィールドやマップ移動時に効果を発揮する。フィールドで立ち止まっているとHPなどが回復する、店での売価などが変わる、料理が必ず成功するようになるなど。 --戦闘中やステータスの成長などに効果が及ばなくなったので、『シンフォニア』にあった「成長率を無駄にしないため、レベルアップ直前を見計らって称号を付け替えなければならない」などの問題点が改善された。 ''オーバーリミッツの仕様'' -『シンフォニア』から実装されたシステムだが、様々な改善がなされている。 --敵の攻撃を受ける事で貯めていたマスク数値((『シンフォニア』では「テンション」「感情度」と称されていた。))がこちら側から攻撃する事でも貯まるようになった他、任意に発動出来るようになった。 ---こちらが敵を吹き飛ばした際のダメージは「1」固定だが、敵がオーバーリミッツを発動した際は通常攻撃一発分に相当するダメージを受ける。ただし、敵味方共にこのダメージで戦闘不能にはならない。 --発動の際自分の周囲の敵を吹き飛ばしダウンさせる効果も付与された。一部の重い敵は吹き飛ばないが、それでも確実にのけぞらせる事が出来る。 --『シンフォニア』では殆ど把握できなかったマスク数値がゲージという形で可視化され、オーバーリミッツ状態の持続時間も分かるようになった。 --マスク値が最大になると表示が変わるが、この状態のままオーバーリミッツにならず戦闘を4回行うと半減するという仕様も追加され、長い間オーバーリミッツ寸前の状態を保てなくなった。 --細かい点だが、敵のオーバーリミッツのマスク値が満たされた場合小さいながら効果音が鳴るようになり、敵のオーバーリミッツも予測可能になった。 ---- **評価点 -''主人公・ルークの繊細かつ丁寧な心理描写の完成度の高さ'' --本作での評価の大半はルークの人物描写が占めているといっても過言ではなく、後の作品を含めても根強い人気を誇っている。 --最初は粗暴でわがままな一面を多く見せる彼だが、中盤で起こした罪に苦悩しながらも自分自身の生まれた意味を知り、揺るぎない自分自身を手にする流れは見応えがあり、プレイヤーをぐいぐいと引き込んでくる。 ---最初は周囲に引っ張られてもなお頼りなかった彼が様々な経験を重ね、''やがて自ら仲間達を引っ張るに足る頼もしい青年となり、かつて自らを利用し、否定した者達に毅然と立ち向かう姿は必見である''。 -粗が多いが纏まりの良いシナリオの大筋 --シナリオは、細かい部分を見ると粗が多い(後述)ものの、大筋の部分についての評価は極めて高い。 --一筋縄ではいかない行動理念や背景を持つ六神将の面々との対峙、預言や過去の大戦がもたらす数多の因果、そこから脱却して「預言に頼らず自分で未来を選択する世界」を目指す事の困難さ等、見どころは数多い。 ---細かな部分の会話も作り込まれている。道行く街人の会話パターンもシナリオの進行や話しかけたキャラによって都度都度変わる。 ---その他、パーティーを分割して進行するイベント時の台詞や発生スキット等も使い回しがさほど見られず、ちゃんと別個の会話やイベントが作られている等、見ていて飽きない。 --また、本作のパーティは従来作と違い「互いの利害が一致しているから」「同行しているのはあくまで立場上に過ぎない」といった動機で加入するメンバーが多く、全体的にメンバー同士が無意識にある程度の距離を置いて接している感が強い。 ---だが閉塞的な雰囲気であるかと言われればNOで、従来作には無い雰囲気やある程度の距離感があるからこその落ち着いたやり取りが多いのもまた魅力となっている。 --エンディングのつくりもシリーズの中では独特で、一見すれば感動のハッピーエンドなのだが、最後のシーンで渓谷に現れた青年は誰なのかという議論は今現在でも続いている。 ---それ以前の描写や世界観等から推測は出来るものの断言する決定打には至らず、「比較的信頼できる見解」が公式側から提示された以上の進展は無い。 -読み応えのある「あらすじ」機能。 --いつでもシナリオを確認できる機能で、昨今のシリーズに搭載されているが、本作では『[[レジェンディア>テイルズ オブ レジェンディア]]』から日記調のタイプが継承されていて、淡々とシナリオの流れを説明するあらすじとはまた違う読み応えがある。 --本作ではルークの日記という設定でシナリオをルークの視点から綴っている。誰にも見られない日記だからこそ明かされる彼の本心が赤裸々に暴露されており、''本編だけでは分からない些細な彼の一面を垣間見る事が出来る。'' --本作はシナリオが長い分あらすじの頁も多く、これだけでも結構な量となる。忘れられがちだが、''一読してみるとより彼の心情について理解を深められるだろう。'' --また、後述する通り本作のシナリオは人間関係や世界観が複雑なのだが、それらを分かりやすく要約している為、本編のやりとりで分からずともこちらを見れば無理なく理解出来るつくりになっているのもありがたい。 -より手軽になったダンジョン攻略 --一部の広大なダンジョンの最奥部に特殊なアイテムを消費して一気にダンジョン入り口まで脱出できる機能の記憶陣(セーブポイント)が追加され、戻る際の手間が大きく減った。 --該当アイテムは入手法が限られてはいるが、基本的にダンジョンの道中で一個は必ず手に入るよう配置されている為、二度目以降訪問する必要性が薄いダンジョンに於いては入手について困ることはない。 -進化したグラフィック --『シンフォニア』から格段に進化している。藤島氏の元絵の雰囲気をほぼ完璧に再現できるまでに進化しており、質で言うなら次世代機の作品である『[[グレイセス>テイルズ オブ グレイセス]]』と比べても全く見劣りしない。 --グラフィックの質のみならず動作なども大きく進化しており、イベント描写で見ても『シンフォニア』では殆ど無かった剣戟や激しいアクションシーンが多々取り入れられイベントでの臨場感が大きく増した、 --キャラクターの仕草や表情のパターンも多彩になり、その場に合った仕草をするようになった事で『シンフォニア』であった「同じ動作ばかりしている」という問題も解決した。 --戦闘中の魔法エフェクトやFOF技、秘奥義の演出もかなり派手になり、効果音も合わさって迫力も増している。 -随所で挿入されるムービーも大幅に進化している。 --『シンフォニア』ではムービーが追加されているPS2版でも数は少なめで個々の時間も短く、キャラクターが喋るシーンもほとんど無かった。 --しかし、本作ではほぼ全てのムービーで多くの登場人物が喋り、シナリオの山場では長時間に渡るものも多く出ており、さながらアニメ映画を観ているかのような臨場感がある。 ---キャラクター以外の描写・演出も見物。陸上装甲艦や飛空艇の質感は見事の一言に尽き、本作のシナリオを盛り上げる要素としては申し分ない。 -調整が不充分ながらも、戦闘システムそのものは評価されている。 --特にフリーランの追加は好評で、以後の3Dテイルズにも更なる調整や進化を遂げつつ受け継がれる事となる。 -敵の行動に関しても以前の作品では見られない特徴的な挙動が多い。 --特定の雑魚に弱点となる行動を当てると体が小さくなってパワーダウンしたり((ただし、実際は設定ミスなのか逆に攻撃力が上がっている…。))、術を当てると大きく吹き飛んで通常のダウンとは違うダウンになり、物理防御が下がりつつ長時間無防備になる、など。 -取得グレードの内訳が戦闘終了後のリザルト画面で確認できるようになり、効率的なグレード集めの為の戦闘スタイルの研究などがしやすくなった。 --取得グレード自体も『シンフォニア』からある程度増え、グレードが上がる行動も増えている為集めやすくなった。 -BUMP OF CHICKENによる主題歌『カルマ』の評価が非常に高く、なかでもとあるイベントで流れるアレンジ版は歌詞・展開との相乗効果もあって人気がある。 --ゲーム中で用いられた『カルマ』の各アレンジ版はBOCのボーカルである藤原基央氏が作曲した。 --藤原氏は他に、タイトル曲とそのアレンジであるラスボス戦の曲、加えて劇中の重要要素である譜歌も作曲している。これはオリジナルの発音言語を作って、「それぞれが曲として独立していて、組み合わせると1つの曲になる」というもの。 ---この設定はラスボス戦でルークとティアをパーティーに加えた際に発生するイベントに関わっている。この時の演出もまた評価が高い。 ---少々逸れるが、この時パーティーにルークとティアが居ない場合だと、トップにしたキャラクターとラスボスとの小イベントに変わるが、これも既存の台詞の使い回し等ではなく、大元の展開こそ同じだが全員分しっかりイベントが製作されている。 --また、『カルマ』は『テイルズ オブ』シリーズの主題歌でありながら音楽ゲームでは同社の『[[太鼓の達人>太鼓の達人シリーズ]]』はともかく、セガの『[[maimai]]』やバンナムと対立関係にあるコナミの『GITADORA』『[[pop'n music>ポップンミュージックシリーズ]]』や、果てはブシロードの『BanG Dream! ガールズバンドパーティー』にもカバー版が収録されている人気っぷりで、そのこともあってか「ゲーム自体は知らないけど、曲だけは知っている」という現象も起こっていると言えよう。 ---ちなみに、太鼓の達人には本作そのもののBGMメドレーも収録されている。 -BGMもオーケストラ風の楽曲が多く使われており、質の高さやバリエーションの数等で評価が高い。 --本作のシナリオをこれでもかと彩る重くも切ない曲から、陸上装甲艦で移動する際の重厚かつ壮大な曲などが多くを占める。 --だが、打って変わって明るいカジノや各シリーズ作品のアレンジ曲のメドレーで構成される闘技場でのエキビションマッチ…等々、シチュエーションにぴったり合った曲構成もまた魅力的。 -大容量化に伴いやりこみ要素も大幅に増量。 --サブイベントが非常に多く、長期間、何度にも分けて繰り広げられる「シリーズもの」も少なくない。本編や世界観の核心に触れたり、有用な称号や便利なアイテム等が得られるものも多く、攻略面で見てもこなしておいて損は無い。 --シリーズお馴染みの闘技場ではイベントが大量に追加された他、団体戦では4人パーティで参戦可能となった。特にエキビションマッチではシリーズBGMのアレンジメドレーが流れる中過去のシリーズキャラ達と4対4の戦いが繰り広げられる。 --ミニゲームも「テイルズ オブ [[ドラゴンバスター]]」「迷路屋敷」を筆頭に、腰を据えてやり込める程のボリュームを誇るものが多数用意されている。 --「ソードダンサー」「魔剣ネビリム」等、『シンフォニア』から引き継いだものもちらほら登場する。 ---- **賛否両論点 -本作でのルークに対する処遇や扱いに対する描写は賛否が大きく分かれる。 --ゲーム中盤でルーク達はとある大事件を起こすのだが、この事件に関する処罰が全くないままにエンディングを迎えてしまう。 ---この点について一応不問となった理由は明かされているのだが、それを差し引いても事件の規模を考えると方々の対応が甘すぎるのではないかという意見が根強い。 ---ただ、本当に処罰を受けさせようものなら処刑や国外追放、投獄などは不可避でありゲームの進行に影響が出てしまうことは不可避であることを考えると致し方ない点もある。 --この中盤の事件についてはイベント描写も含め、本作最大級に賛否が割れる点でもある。 #region(中盤の事件について。ネタバレ注意) --当該中盤の事件は簡単に言えばルークが1人で超振動を起こすことが出来る体質を利用し、1つの都市を壊滅させるといったものであり、彼に親身になって接していたヴァンは自身の計画を成就させるべく、記憶の無いルークに長年優しく接して自身に依存させ、前述のように巧みな話術でルークが周囲に相談する(情報を漏らす)ことを阻止し、尚且つ余計な疑問を抱かず計画に乗るように誘導し都市を崩壊に導かせた。 //さらにアクゼリュスで超振動を発動させた際もルークは途中明らかな戸惑いを感じており、&color(red){''反射的に中止するかもしれないそぶりも見せていたがすかさずヴァンに暗示をかけられ強制的にアクゼリュスを崩壊させられてしまった。''} ---この一連の流れは、''ルークが生まれる前から入念に計画されていたものであり''、ルークはまんまとその計画に乗せられてしまっただけであり、ルークが実行者であることは確かだが、真犯人はヴァンであり、ルークが首謀者のように非難される必要は全くない。 //アクゼリュスのセーブデータは残してあるので確認しましたが、ルークがヴァンに疑問を持っている描写は確認できませんでした。修整するなら、アクゼリュス編をプレイし直して、ルークがヴァンに疑問を持っていたという根拠となる描写(発言等)を提示してください。 //ヴァンに疑問ではなくて崩壊させている最中にこのままリングを壊していいのか疑問or不安に感じています。暗示が無くてもそのまま最後まで続行したかもしれませんが、いずれにせよヴァンはルークがそういった態度を示した直後に有無を言わさず暗示で強制させています。 //パッセージリングの間に入ってからの暗示までの会話を原文ママで書き出します。ヴァン「さあ、ルーク。あの音機関―パッセージリングまで降りて、瘴気を中和するのだ」イオン「どういうことです?中和なんてできるんですか?」ルーク「それができるんだ。俺は選ばれた英雄だからな」ここでティアとジェイドに場面切り替え。ヴァン「よしそのまま集中しろ」ルーク「…………」ヴァン「さあ……『愚かなレプリカルーク』力を解放するのだ!」ここで暗示発動。ルーク「な……なんだ!?俺の中から何かが……」暗示発動までのどこに疑問や不安を感じているのかが分かりません。暗示直前の無言では何を思っているのか言い切れませんし、「な……なんだ!?」の発言を言っているなら、既に暗示後であり体の制御を乗っ取られているなら疑問や不安を感じるのは当然の事であり、逆に言えば暗示をかけられなければ疑問や不安を感じる事は無かったという事です。 //この暗示自体、連絡船でルークがローレライに無理やり超振動をさせられた際ヴァンが咄嗟に使って阻止した。そしてルークに色々吹き込む時も「超振動を発動させる時は今みたいに手伝う」的な事を言ってた事も追加。パッセージリング破壊イベントのルークの振る舞いも含めて、当時ルークが超振動を使うこと自体に反発したり躊躇っていたとは考えにくい。 //---また、&color(red){''上記の発言の背景も突然本性を現したヴァンに用済みとして見捨てられ、街を救うためにと使った力で逆に滅ぼしてしまい、崩壊した大地と無数の死体を目の当たりにした直後という状況である。''} //---''少なくとも、当時の彼に一権力者として早急に冷静な判断をしろという方が無茶であり''、経験豊富な軍師であっても困窮極まる状況なのに、軟禁生活により社会経験自体が不足しているルークではなおさらである。 //---そもそもの話、COLOR(red){''実年齢7歳の人間が、こんな理不尽な目に遭って責任を誰かに押し付けたくなるのは当然で、何より誰よりも信用していた人間に裏切られ街一つ滅ぼして無数の死体を見たうえ、さらに仲間から問い詰められて冷静で居られる方がおかしい。''} --街を救うために使ったつもりの力で逆に街を滅ぼしてしまった状態で、信頼していたヴァンからも用済みとして見捨てられた中で、仲間にどのようにするのかと問い詰められたとしても冷静な判断など不可能といえる。 ---この状態でルークは自分に非はないと言い訳をしてしまい、仲間に見放されているわけだが、直後に泣き崩れていることからも重責を自覚した故の反応といえよう。 //--本人も後にこの発言について''「責任を認めるのが辛かった。認めたら途方も無く甚大なそれに向き合い償わなければならないから」''と告白しており、''見放された直後一人泣き崩れていることからも、寧ろ幼い精神で計り知れない重責を自覚したからこその反応と言えるだろう。'' //---大体、償いと言ってもただ謝罪と賠償をすれば済むような規模では到底なく、如何に本意ではないとはいえ起こった結果を考えればそれこそどんな温情があろうと''キムラスカ、マルクトの双方から処刑や永久追放などの厳罰に処されても何らおかしくない状況''であった。 //---後にピオニーが寛大な処遇を下して命拾いできたもののあくまで偶然であり、それどころかキムラスカ側としてはルークが死ななければ預言を遵守できない為、後の展開の事もあり仮に惨劇後に真っ直ぐバチカルに戻っていたら''適当な理由を付けられて即刻処刑されていた可能性もある。'' //---仲間がルークを責めた理由としては、惨劇を起こした事そのものというよりは、それに対する彼の態度や振る舞いに対しての比重((ジェイドに関しては、加えてある事情から過去の自分と重ねて苛立っていたということもある。))が大きいのだが当人はその意図を全ては汲みきれず、あるサブイベントでジェイドから告げられるまで勘違いしたまま過ごしてしまうことになる。 //---実際、&color(red){''作中のやりとりは明らかに「惨劇を起こしたことそのものを責められた」としか受け取れないものであるが。''} ---一方で、ルークに責任を問い質す仲間達であるが、&bold(){実は仲間の全員にも落ち度や後ろめたい事情があり、その事件の時点では棚に上げてルークを責めていた}(一部とてもルークを批判していられない程重大なものも…)ことが&bold(){ルークが完全に懲りた後になって}判明する。~ そのため、ルークだけが一方的に責められた一方で他の仲間は暗い部分が明らかになってもお咎めや制裁が全くないという落差が大きすぎる寛大な扱いが強く批判される要素となっている。 //---イオンは錯乱しているルークを擁護しようとしたがアニスに阻まれ、それに流されアニスに引っ張られ引っ込んでしまう。 //---純粋にプレイヤーからの共感を得ているのはルークと同じ経験を経ていることから彼の心境を理解し、唯一彼の傍に残り必死で励まし支え続けたミュウくらいである。ミュウの場合、ルークと違って完全に自分の不注意ではあるが((本来なら成長してからでないと吹けない炎を幼少から扱えるが制御が不完全で、天敵である魔物ライガの森を事故で燃やしてしまった事でチーグルの森に住処を失ったライガが押し寄せ、同族の犠牲および種族存続の危機を招き、さらに結果的にライガが不条理に殲滅される原因を招いた。なおこのイベントの後、ルークはミュウの事を「ブタザル」ではなく「ミュウ」と呼ぶようになり、理不尽に踏みつけたりすることもなくなりやさしく接するようになる。))。''&color(red){ただし言い換えればミュウの慰めも自身の過去と重ねた上でのものなので「ルークも責められて当然」という前提故の慰めである}。'' ---仲間のジェイドについては「せめて相談をして欲しかった」という発言をしているが、本人も露骨な隠し事が多い上に、自分を見下したり馬鹿にしたりする言動が多々見られる中で、(演技とはいえ)親以上に親身に接してくれているヴァンを差し置いて相談することなど出来ようはずもない。寧ろルークの視点からすると一番胡散臭かったとすら言える。 //---その上、ほぼ全員が終始彼にとった態度や仕打ちを謝罪したりせず、アクゼリュス崩落については完全にルークの非だとするバイアスをかけている…と捉えられかねない状況な為、そうした扱いの落差からもメンバー達への批判も広がりはじめ、それに併せてルークへの庇護や同情意見も多くなっている。 //仲間にも非があったり、それに対して制裁が無いのがモヤモヤするのは分かるが、だからといってルークの非が無くなるわけじゃないし、ルークに謝罪すべきかって事とは別の問題だと思う。まぁ、それを抜きにしても明らかにやりすぎなジェイドとアニスはともかく、それ以外の仲間がルークに謝罪すべきかは、かなり微妙だと思う。 //---それでいてCOLOR(red){''仲間達の責任や問題については、明らかにルークより悪質な物もあるのにもかかわらず、ルークと異なり処罰どころか非難自体もほとんどされないなど不自然なほど軽く済まされるという大きな落差がある''}為、余計にルークへの同情及び、仲間たちへの批判が多くなっている。 ---シナリオ全体の展開ややりとりから、この惨劇はあたかも「ルークが自らの意思で行った悪行」であるかのように扱われている節があり、上記の仕打ちも相まって惨劇以降のルークの扱いはスタッフが意図したであろう「彼への正当な糾弾」ではなく単なるCOLOR(red){''「主人公いじめ」にしか見えなくなってしまっている。''} --また、序盤のルークの性格は問題点が目立つとはいえ、不器用なりの優しさを見せるなど曲がりなりにも長所も見られたため、序盤のルークの性格をあたかも黒歴史((とある場面で「傲慢なまでの生への執着心は見習うべきだった」と引き合いに出されるなど、完全に否定された訳ではないが、あまり気持ちの良い例えではないのも確かである。))として切り捨てるかのような扱いを批判する声もある。 ---展開が展開なので性格の急変自体は仕方ないとはいえ、当時の性格のまま更生、成長させることは出来なかったのかと惜しむ意見も存在する。 //これって逆に言えばどうせ崩落は防げないんだからルークの性格をプレイヤーがイラつくほどわざと悪くする必要ない、って事になるんじゃ…? //coから拾ってきてちょっと修正してみた //--記述が長くなったが、本作で一番物議を醸しているのがこの場面である。 --ルークを見捨てた仲間達の反応については、プレイヤーによっては''「非難するにしても陰険すぎるのでは」「揚げ足をとっている場合か」「後からボロを出す方が恥ずかしい」''という非難をされることもある。 ---特に制作サイドが最も悪いとしているルークの態度とこれに影響を受けたプレイヤー、そして幼児退行や軟禁生活等ルークの事情を知っている上での問題のある仲間達の辛辣過ぎる対応・その後の落差などが長々と泥沼のような議論が続く原因となったといえる。 --もっとも、彼の性格の悪さは意図されたものであり、これをバネにしているからこそ中盤以降が光るという声も多い。 ---件のシーンは、スタッフの反対意見もあったらしいが「''そのままの方がルークに感情移入できる''」と判断され変更されなかった、という経緯もある。 #endregion //#region(''ネタバレ注意!'') //-評価点で書かれたルークに関する事情を差し置いても、全く処罰されずエンディングを迎える状況については、上述の通り批判はある。 //--彼はローレライ教団、キムラスカ・マルクト両国の首脳陣に対して自らの罪を打ち明けているのだが「教団にとっては預言通りだから問題はない」「今はそれどころではない」「ルークの中盤以降の活躍で結果水に流されている」などの形でことごとく不問となっており、犯した罪の規模そのものの巨大さゆえ流石に方々の対応が甘すぎる、という旨のものである。 //---これらの対応によってルークはけじめのつけどころを失い、彼を非難する資格があるアクゼリュスの関係者から糾弾される場面も無く、COLOR(red){''逆に彼を責める資格がないメンバーからはその分までと言わんばかりにネチネチ責められ、それらの結果生まれた卑屈な一面を厳しく(時に嫌味に)非難されながら((ジェイドやアニスは各々のイベントで彼が罪悪感や自分の成長の無さを漏らしたのに対して「そうやって悲劇の王子様を気取って同情して欲しいのか?(意訳)」と唾棄し、ルークの理解者とされるガイですら、罪を償う為にはどうすれば良いかという相談に、最終的に「後ろ向きなのは止めろ。うぜーっての」「世界中幸せにするくらいの勢いで頑張れ」と投げやりに締めており、誰ひとりとして彼の訴えに真摯に取り合う人物はいなかった。))、(彼を支えたい、不安視するメンバーの中)実質ひとりで自らの罪に対する答えを模索せねばならなくなった…''}という、不憫なことこの上ない状況が終盤まで続く。 //---もっとも、こちらも上述した通り彼がこれについて処罰を受けようものなら、どんなに罪が軽減されようと年単位での牢獄生活は覚悟しなければならない次元である。 //---中盤以降逼迫するシナリオ事情の中主人公たる彼を長期間離脱させることは実質不可能である…などのメタ事情も考えられる。 //--それ以前に、シナリオ全体の展開ややりとりから、この惨劇はあたかも「ルークが自らの意思で行った悪行」であるかのように扱われている節があり、上記の理不尽仕打ちも相まって惨劇以降のルークの扱いはスタッフが意図したであろう「彼への正当な糾弾」ではなく単なるCOLOR(red){''「主人公いじめ」と見なされてしまっている。''} //#endregion --性格面以外にも、彼のストーリーでの一貫性の無い立ち振る舞いに対する批判もある。 ---冒頭でも述べたように、本作での彼は他の主人公と異なり「ゼロに近い状態から自分なりのアイデンティティを確立するまで」を焦点に当てている為、それを確立させる最終盤になるまではシナリオの展開ごとに彼の立ち振舞いや心情が幾度も変わる。 //---これは彼の精神的な「芯」となる信念が芽生えきっておらず、感受性の強い性格もあって周囲からの批判や大きな出来事に遭遇するたびに自我を乱してしまう為である。 //---一度社会的地位はおろか自己の存在すらも否定された状況で、お構いなしに切迫し続ける世界情勢故に''半ば無理矢理にでも立ち直るしか選択肢がなかった''という境遇故の不安定さも否定できない。 ---彼の境遇を考えれば、あの状況から短時間で立ち直った事自体が奇跡のようなものであり、彼が秘める可能性や素質が垣間見える。 ---そして終盤になると確固たる「芯」となる信念と自我を手に入れ、周囲の批判や罵声に毅然と反論したり、如何なる強敵相手でも一歩たりとも退かない強固な姿勢を見せるようになり、名実ともに主人公然とした姿を見せてくれる。 --彼の世間知らずの度合いについても違和感がある。 ---誇張抜きで屋敷から外に出た事が無く、必要最低限の知識以外を学んでいない為「超振動や同位体、古代イスパニア語((古代の言語だが今現在でも一部で使われているもの。少なくとも王侯貴族はある程度知っていて当然とされている。))などの専門用語はことごとく知らない」「買い物を知らない」「”海”というものを見たことが無い」などはまだわかるのだが、「ローレライ教団の導師(イオン)の名前を知らない」「第七音素という存在自体知らない」「両国の緊張状態''自体''を知らない」など、俗世から完全に隔離された前人未踏の地で育ったならともかく、王族の屋敷の整った教育環境にあったなら学んでいる・聞くくらいはしているだろう一般常識すら知らないのは流石に不自然な感がある。 ---ここについては、一応「言葉や親の顔など最低限の知識を覚えることで手一杯だった」と語られ、また他のキャラクターに説明させることで同じく本作の世界観を知らないプレイヤーに理解を促す役割も担っているのだが、「完全に知らない」というパターンの一点張りな為、設定と背景の不一致を招いてしまっている。 -戦闘面は調整不足な面が見受けられる。 --システムの細かな調整ができておらず、プレイヤー側に有利な要素が多いため難易度はシリーズ内でも低め。 --フリーランは硬直なしに瞬間的に発動することができ、なおかつそれなりの速度で移動できるのに対し((ADスキルや「俊敏」のパラメーターを伸ばすことでさらに移動速度が上昇する。))、敵の攻撃は大抵動作が鈍く周囲を回るだけで簡単に回避しつつ攻撃可能。 ---全周囲攻撃は厄介だがこれを使う敵は少ないうえに大概動作が鈍いので一度見ればすぐ回避出来るようになる。~ 敵AIが雑魚からボスまでほぼ一律で近くのキャラをターゲッティングするおざなりなものなので、フリーランで近くをうろうろするだけで自分をターゲッティングさせて釣る事や空振りを狙うことも簡単。~ 高火力&回避しにくい攻撃を両立している極々一部の敵以外は基本的にこれでOK。 ---ただし上述したようにデメリットもあるので、乱戦になった場合無闇にフリーランに頼るとあっというまに劣勢になってしまいがち。 ---譜術は基本的に発動から攻撃判定発生まで時間があり、殆どフリーランで回避可能。~ 完全回避が困難なのは攻撃範囲が全体&ランダムな術、攻撃判定が発動と同時に足元に発生するFOF技の「フリジットコフィン」くらいである。~ そのため魔法攻撃を防御するマジックガードの意義がやや薄れている。 --オーバーリミッツの仕様も些か強化が過ぎている節もあり、便利&手軽過ぎる壊れ技寸前にまで達している。 ---さらに、ゲージが「アロース」というADスキルで従来より格段に貯めやすくなっていることも拍車をかけている。~ このスキルでの挑発行動中は完全な無防備な上『シンフォニア』と違い途中で解除出来ないが((一応、『シンフォニア』でも複合EXスキルを別個に習得しないと解除できない。))、フリーランとの併用で解決が容易。 --秘奥義の発動条件もかなり緩くなり、上記の仕様もあって普通にプレイしていても一度の戦闘で何度も秘奥義を連発出来る状況になった。難易度の低下に繋がっただけではなく『秘奥義』の希少性も下がってしまった。 ---ただし、2つ目の秘奥義は過去作と遜色無いレベルに複雑。お馴染みのHP制限+コマンド入力によるものやガルドを消費するものなど、普通にプレイしていてはまず分からないものばかりである。~ オマケに一部を除く第二秘奥義は一度の戦闘で一回しか発動できない。その分威力や範囲、追加効果は1つ目の秘奥義が霞む次元である。 --他にも終盤になり上級譜術を習得するとFOF技が容易に繰り出せるようになり、「FOF技発動中は一部攻撃を除いて仰け反らなくなり、HPも0にならない」という仕様により、さらにプレイヤーが有利になる。 ---ただし逆に言えば敵も同じで、特に裏ボス相手に考えなしに風や光のFOFを出しているとFOF技を連発され苦戦することになる。 --ADスキルは便宜上任意に着脱可能なスキルという形をとってはいるものの実際は''スキルの着脱に制限がない上に習得するスキルは全部有益な物ばかり''なので、縛りプレイでもしない限り外す意味がほとんどない。 ---本来は着脱式だったが、それによる難易度調整の期間が無かったため、このようになったようである。付け外しが出来るのはその名残とのこと。 ---取得条件こそ厳しいが、その気になれば全員に''「一部攻撃以外に仰け反らなくなる」「通常攻撃を7回まで出せる」「一度の戦闘中一度だけ倒されても自動で復活出来る」''「ガードブレイクしなくなる」等の反則級のスキルを習得させることも可能。 ---従来のシリーズでもこれらのスキル等自体はあるが、いずれも取得者が限られていたり、強烈なデメリットを設けることでバランスを調整していたが本作はデメリットなしで使用可能。 //--戦闘自体のみならず、ボスが待ち受けているダンジョンのほとんどではその直前に全員全回復機能付きのセーブポイントが用意されていたり、道中の攻略リスクも大きく下がっている。 -ストーリーやキャラクターの背景・設定はシリーズの他の作品と比べても全体的に暗くシリアス。 --これは今作の魅力であると同時に人を選ぶ点でもある。上記のようにBGMも暗く重い曲が多くを占めている為、一層プレイヤーの心理にのしかかる。 --人間関係や勢力図も複雑で、世界観自体も専門用語が多く、どれもが学説的かつ難解。それらが絡み合って1つの大きな問題を生み出している状況も少なくない。 ---政治に踏み込んだ会話も多く、難しい単語や言い回しも頻繁に出てくる。それ故なんとなくプレイしていると置いていかれかねない((一応、上記の『あらすじ』でシナリオの流れを確認することは出来る。))。 --「abyss」(深淵、奈落)は作中の「魔界」の設定や、「心の底から」という意味をかけている。また「the abyss」は地獄という意味で、「''地獄の物語''」というタイトルにたがわず、重く暗いシナリオはあえてプレイヤーの心に直接訴えかけるように展開させているという(プロデューサーのインタビューより)。~ 物語の展開上、直接人間が殺害されるシーンが何回もある。これについては上記の通り「プレイヤーに''心の底から''感じ取ってほしい」という意図からぼかすのではなく直接描写しているという。 //---しかし、本作の場合敵でもない無力なサブキャラや一般市民が殺されるシーンも少なくなく(サブイベントなど含めて)、「安易に人間の死を扱いすぎ」「展開に重みを出す手段がワンパターン過ぎる」という旨の批判も少なくない。 //↑これを問題視していたら民間人が死ぬゲームすべてに賛否として書かなければならなくなる ---サブキャラやモブキャラに限らず、プレイヤーが感情移入しやすいメインキャラクターにも、ストーリーを進めるにつれて''理不尽で過酷な運命''が待ち受けていることが明らかになる。~ その理不尽さを受け付けられないプレイヤーは少なくなく、クリアして『アビス』そのものに好意的な感想を持っても、多くのテイルズシリーズで前提となっている周回プレイはしたくないと感じるプレイヤーもいる。~ しかし、同時にこれは前述の主人公の成長に深く関わる重要な要素であり、今日の『アビス』の人気と切っても切り離せないポイントでもある。 ---その一方で、登場する敵側のキャラクターも何らかの暗い過去があったり、確固たる信念のもとに行動する人間ばかりで((メンバーから蛇蝎の如く忌み嫌われているモースでさえ、作中での行動こそ悪辣極まりないが、全ては最終的に訪れるとされる人類の繁栄を一途に願っている故のものであり、寧ろ作中世界の人間の模範とも言える。そんな彼も、最終的にはPTから思わず憐れみが漏れるほど凄惨な末路を辿ることになる。))、純粋な悪人は基本的に登場しない。~ その人物と対峙する際も単なる勧善懲悪では終わらないため、犠牲者の多さも相まって人によっては後味の悪さばかりが残る((仲間側のキャラが説得を試みたり、倒した後に憐れみの台詞を言ったりもするため、多くの人を殺した悪役なのに美化されているようで不愉快だと感じるプレイヤーもいる。))と感じることも。 --登場するキャラも毒のある性格付けや裏のある設定を持つ者が多く、作中での描写も万人の納得を得るには極端なものが多い。 ---そんなキャラ達が成り行きでパーティーを組む為、特に序盤は常時パーティー内のどこかで諍いやメンバー同士の対立が起こっている。~ だが、中盤以降は難局の中メンバー同士が打ち解けあう事で改善していき、終盤では「クセ者揃いだがなんだかんだ結束力が強いパーティ」と化す。 ---ちなみにメンバーの全員が王侯貴族・軍や宗教組織の要職などの権力者であり、シリーズはおろかRPG全体から見ても珍しい「一般庶民が全く居ないパーティ」でもある。 ---なお、シンフォニアチームは『アビス』の公式攻略本で、「『シンフォニア』では仲間が仲良すぎたために、『アビス』では今までにない性格付けをした結果、仲の悪いグループが出来た」と発言している。''誤解されがちだが、意図的に仲の悪いパーティにしたとは言っていない。'' //特に異論が出なかったのと、ある程度まとまったのでこちらに移してみます。 //ナタリアも批判は下記4人に比べればかなり少ないかと ---- **問題点 -歴代シリーズと比較するとバグ・誤植が多くロードも長め。 --ロードの長さ・多さに至ってはシリーズ随一であり、特にやり玉にあげられる部分である。建物の出入りやサブイベント中に場面のカットが切り替わるだけでも5秒前後ロードする。戦闘時のロードや処理落ちは殆んど無いのが救い。 --誤植については中盤のとある大事な場面での致命的な誤字のせいで感動が台無しになってしまっていることも。 --バグの中には「イベントで没収されるはずのアイテムを無理やり手元に残す」「[[''海や崖すら歩いて横断して本来入れない場所に移動できる''(ただしフラグを順番に立てて>ファイナルファンタジーVII]][[いかないとシナリオが進まないので、ストーリーの大幅なショートカットやズルは出来ない)>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2)]]」などの有利な物もあるのだが、やはり不利な物、致命的なものが目立つ。 --本来はパーティキャラ全員に秘奥義が2つ以上用意されているはずなのだが、上述の開発期間の短さゆえに、ガイとナタリアには1つしか秘奥義がない。 ---これらはPARを使用することで未完成モーションが見られる。また、闘技場で戦うリッドやナナリーなどの一部秘奥義は、発動時にカットインがない。 ---一方でアニスだけ秘奥義が事実上3つあり、攻略本で開発スタッフが「アニスに一番愛を注ぎ込みました!」とコメントをしている為、ガイとナタリアの2つ目の秘奥義を差し置きながらアニスを優先した点が批判されている。~ そしてアニスの場合、&bold(){本編でのやらかしや言動が酷すぎる}ことも相まって「依怙贔屓もいい加減にしろ」「この時点でスタッフの内輪贔屓の前兆だったか((2008年ごろのテイルズシリーズは、スタッフがヲタッフなどと言われるほど、キャラ崩壊などの内輪ネタが多かった為))」と呆れる人も多い。 --本作は開発期間が約1年とかなり短かったらしく、バグや不完全な部分が多いのはおそらくこれが原因と思われる。 ---『シンフォニア』の移植で『アビス』の開発時間が減ったとのこと。また、シリーズ10周年アニバーサリーということで、それに間に合わせる必要もあったとか。 --これらは後の3DS版で改善・追加実装された。 //-ストーリーやキャラの設定に、他のゲームと似通っている部分がある。 //--ただし、似ているのはあくまで一部の設定のみである。実際のストーリーが別物であることは追記しておく。 //---主人公ルークに焦点を中てるなら「ストーリー上の最重要人物のレプリカ(複製)存在」であることだろう。 //もっともシナリオはその「こと」への超克を目指しており、複製元である素体(アッシュ)と同一であることを求めていない。多くの同一作品における同一命題である『オリジナルを上回る』ことを目的とせず、『オリジナルとは別の方向性でいて、すべてを超える』ことが好評の理由となっている。凡てにおいて劣る存在が、凡てにおいて優る、希少な作品であるといえる。 //他のゲームって何のゲーム? 「シンフォニア」の記事のように具体的な作品名や箇所を出してるならまだしもよく知らない人にとってはぼかして書かれても「?」だよ。だいたい、ストーリーや設定が似通ってること自体は問題にはならない。 //その下の薀蓄もいらないのでCO //似ているゲームってのはおそらく『グローランサー』だと思う //グローランサーなんだろうけど、グローランサーとアビスの共通点はFF10とシンフォニアの共通点よりも更に少ないし、そもそも2chのグローランサー総合スレでさえアビスがグローランサーのパクリって意見は否定されてるぐらいだからこのままCOしといた方がいいと思う。 -戦闘難易度「アンノウン」にした場合の戦闘バランス --敵の全てのパラメーターが4倍になり、シリーズの中では珍しく防御関係も上昇する。 --しかしこの防御上昇が曲者で、シナリオの進行状況やこちらのステータス等関係なく全ての敵に同じ補正がかけられる為、多くの敵が通常の育成だとダメージを与えられない状況になってしまう((アンノウンでノーマルと同じダメージを与えるには、2倍の攻撃力が必要。))。 --こうなるともう、敵の攻撃を避けつつ、ただただ1ダメージずつ与えるだけの終わりの見えない不毛極まりない戦闘になってしまう。本作の敵の物理防御力は全体的に高めな傾向がある為、尚更である。 --大抵はクリア後のGRADE引継ぎで「経験値10倍」を獲得して大きくレベルを上げれば解決するが、この特典の購入に必要GRADEが非常に多い。 //そもそも別個に特典を購入し明らかに横道に逸れた稼ぎ行為をしなければまともに戦闘出来ないという構図自体問題である。 //↑やりこみプレイヤー用の難易度というだけでこれ自体は問題ではない --さらに、それらの処置を以ってしても通常のプレイではどうにもならない例もある。 ---隠しボスはレベル200+物理攻撃特化のC・コア育成+最強装備をもってしても、更に薬草で強化しない限り物理攻撃のダメージは全て1になってしまう。 ---アンノウンの裏ボスに物理攻撃でダメージを与えようとした場合物理攻撃力が3042以上必要になるのだが、攻撃力の高いルークやアニスでも精々2700~2800前後が限界。 ---その為か、公式ガイドブックにてスタッフが「''アンノウンの裏ボス(レプリカネビリム)を倒したら是非報告を下さい''」と綴っている((ちなみに、国内PS2版のアンノウンのレプリカネビリムがどれぐらい強いかと言うと、「物理攻撃で与えられるダメージ量はたったの1」「最大HPが1280000」「物理攻撃力が5256で、術技を1回でも受ければ即死」と、テイルズオブシリーズ史上最強のボスキャラになっている。海外PS2版や3DS版だと弱体化はするも、厄介な秘奥義が追加されているので油断は禁物。))。 ---他にも最初に強制的に戦闘になるサイノッサスも、大量に薬草を引き継いでドーピングしない限り物理攻撃では1しかダメージを与えられない。逃走も出来ない為、まともに戦うと尋常でない長期戦になってしまう。 --一方、敵の譜術防御は全体的に低く、譜術攻撃力が高く伸びるティアやジェイドに譜術攻撃特化のC・コアを装着して育成すれば、アンノウンの裏ボスにもドーピング無しでそこそこのダメージが通るので、物理攻撃程理不尽な状況にはならないのが救いか。 --そもそもHPが4倍になる時点で敵も充分タフになっている為、防御まで上げる必要性はあったのだろうか。後の移植版ではアンノウンの強化補正が下がり、ある程度緩和された。 -C.コアの装備状況の表示がややこしい --キャラクターにC.コアを装備させレベルアップをさせていくと、ステータス画面のキャラクターの欄にどのステータスにC.コアの補正を振られているのかを示す円グラフが表示される。 --だが、C.コアを外してもグラフがリセットされずそのままの状態で残り、別のC.コアの装備や長期間装備しなかった事による変化が少しずつグラフに反映されるだけで、一目するとC.コアを外しても暫くそのC.コアの効果が残っているようにしか見えない。 --だが、実際は外した時点でそのC.コアのステータス補正や数値の貯蓄も無くなっているので、効果が残っていると誤解してレベルを上げてADスキル習得の機会を逃がしてしまう事態になりかねない。 ---このグラフについての説明はゲーム中では一切されないので尚更である。 //-一部日本語の扱いについて //--モブ兵士の目上の人に対しての発言で「お疲れ様です」と「ご苦労様です」が混在しているなど、奇妙な日本語が多い((もっとも現在では目上の者が後者、目下の者が前者を使うのが正解とされているが、元々は両者とも目上の者が使う言葉であり、また一時期目上の者が前者、目下の者が後者と現在とは逆の使われ方をされていた時代もあった。そのため、現代劇で無ければ目下の者が「ご苦労様です」を使ったとしても必ずしも間違いでは無いのだが。))。 //--特に指摘されているのがガイの秘奥義「鳳凰天翔駆」の台詞である「気高き紅蓮の炎よ、''燃え尽くせ!''」で、言葉としては「燃やし尽くせ」もしくは「焼き尽くせ!」の方が表現としては適切である。 //--ただし、本作のみならずドラマCDやお祭りゲーでも一切修正されていない所を見ると、日本語の正しさよりも語感の良さを重視し意図的にそうしていると思われる。 //↑前者に関しては注釈で問題ないと書いているし、後者に関しても言葉として間違っているからなんだという話なのでCO。 -料理の熟練度が上がりにくい。 --熟練度は全20種類の料理に☆0個~3個までの4段階あるが、☆を1個上げるためには10~20回(効率的には成功1回=失敗2回)、☆3まで上げるには30回~60回その料理をする必要がある。 --つまりパーティメンバー6人全員の料理熟練度を最高にしたいなら、もし料理が全部成功したとしても20×30×6で、''最低3600回''こなさないといけない。 --無論全て成功する確率は天文学的な次元なので、大抵はもっとかかる。熟練度が大幅に上がる近道要素も無い。 --意図的に熟練度を稼ぐと食材を補給しなければならないが、食材も他のアイテムと同じくそれぞれ16個…2周目以降のボーナスを活用しても20個までしか持てない為頻繁に調達しないといけない。 --さらに全ての食材を扱っている店が無く、複数の街に立ち寄らなければならない。終盤では飛行艇にワープ機能(『ドラクエ』で言うルーラの呪文)が付くが、それでもPS2版だとロードの長さでかなり手間がかかる。一部高価な食材もあるので、金銭繰りも必要。幸い終盤になると大金を得られる手段には困らないのが救い。 ---なお料理熟練度オールMaxの称号は6人全員にある。なので称号コンプリートを狙うなら地道に頑張るしかない。 //アッシュに関しては明らかに料理熟練度を上げることが求められていないので記述を除外した -飛行艇が使いづらい --シリーズお馴染みの「空を飛べる乗り物」で、フィールド移動が一気に楽になる。 --本作の飛行艇は機能そのものは便利なのだが、フィールド上に点在する特殊な地点のせいで、特に中盤はかなり使いづらくなっている。 --フィールド上の特定の地点では砂嵐や侵入者防止用の弾幕、吹雪などで飛行艇はそのままでは侵入出来ないのだが、その範囲に近づくだけで長めの演出とメッセージが入り、その間は操作が出来ない為、非常にストレスが溜まる。 --事前に警告する機能などは無くプレイヤーがその場所を覚えるしかないのだが、そうでもないうちは「飛び回っていたら何度も停止させられる」という状況に。 --終盤のサブイベントで入手出来るアイテムにより機能を強化すれば突破出来るのだが、''かなり離れた位置から助走をつけて専用ゲージを満たす必要があり''、満たない状態で侵入すると上記のように阻まれる為、こちらも慣れないうちはストレスが溜まる。 ---該当アイテム入手後は無条件で突破出来るようにしても支障は無いと思われるが。 -一部のADスキルの選定に難がある --代表的なのは、本作では戦闘中に一部を除く回復アイテムを自分以外に使用するには、ADスキルの「アイテムスロー」を習得しなければならない。 --このスキルはフリーラン等の基礎アクションと違いC・コアのポイントを貯めなければ取得できない為、それまでは自分にしかアイテムが使えず不自由が残る。 --習得の敷居こそ低めだが、それでもあてずっぽうにC・コアを宛てていたりすると中盤になっても覚えていないキャラが出てきたりする。 ---他のシリーズ作品ではこういった仕様は無く、SFCの「ファンタジア」ですら最初から無条件で他人にアイテムを使う事が出来る((仲間が仲間にアイテムを使うシステムが採用されたのは厳密にはPS版『デスティニー』からであり、SFC版ファンタジアは自分でも仲間でもない第三者がアイテムを使うシステム。ただしアイテム使用で誰も硬直することがない分、一部のアイテムは効き目が現れるタイミングが遅い。))。 ---シリーズ通して出来てあたりまえの仕様の1つになっていた為、それをわざわざスキルとして特別視する必要性があるか些か疑問である。 //--他にも冒頭で述べたフリーラン、バックステップ、空中での受身等、近代シリーズでは標準搭載となっている操作の大半までLVでの自動取得とはいえADスキルにされている。流石にここまでADスキルに頼らなくても良かったのではないだろうか。 //↑後年との比較はNG -『レジェンディア』同様、シリーズ恒例だった筈のモンスター図鑑が廃止。 --スペクタクルズが単にモンスターのステータス確認使うだけのものとなっており、本作で新装されたモンスターモデルをゲーム内で確認することができない。 --翌年に発売された『テンペスト』ではモンスター図鑑が復活採用されたが、今度は逆にコレクター図鑑が廃止される事になるとは誰が思ったのだろうか…。 -ムービー仕様について。 --前作『レジェンディア』ではアニメムービーの際に字幕表示機能が新たに追加されていたが、同時開発による影響なのか本作には同機能がない。~ この為、本作のアニメムービーは仕様が豪華だった前作と比較してどうしても見劣りしてしまう。 ---ちなみにPS2の次回作『デスティニー』ではアニメムービー時の字幕表示機能が復活している。 -一部のボス戦絡みのフェイスチャットについて --本作ではボス戦で敗北すると任意でその反省会のようなフェイスチャットが閲覧出来、そのボスの大まかな対処法や弱点を考察する内容なのだが、一部明らかに会話の内容と実態が異なるボスが居る。 ---「持久戦に持ち込むと疲弊して譜術が使えなくなる」と言われているボスは、実際は幾ら持久戦に持ち込んでも際限なく譜術を使ってくる上、HPを一定以下まで減らすと強力な上級譜術を使ってくるようになる…と全く逆の行動をとる。 ---「オーバーリミッツ時じゃないとある技を使ってこない」と言われているボスは、その技を使用する条件はあくまでHPが一定以下を切った時で、''オーバーリミッツの有無は全く関係ない。'' ---オーバーリミッツ発動が問題視されている敵の対処として「こちらもオーバーリミッツで対抗する」と、明らかに最適とは言えない策を挙げる。この場合は寧ろ防御や回避などに徹して敵のオーバーリミッツが終わるのを待ってからこちらがオーバーリミッツになった方が結果的に有利になる。 --それ抜きにしても推奨している戦法が大雑把なものばかりで、あまり参考にならないものが多いのが実情である。先述の通り、一部の集団戦となるボス以外は「フリーランで引き付けて、後衛の譜術でダメージを与える」という戦法で何とかなってしまう。 //-アブソーブゲート(地図の北端)からラジエイトゲート(地図の南端)までかなりの距離があるという台詞がある。 //--両者は地図で見ると離れている様に見えるが、実際は南北が繋がっているという所謂ドーナツ型惑星の弊害により、すぐ隣にあるため違和感のある発言になってしまっている。 //--もっとも、現実で隣の大陸まで移動するとなると、確かにかなりの距離があるため、プレイヤーから見れば近くに見えても、ルーク達から見ればかなりの距離があるというのは間違っていないのかもしれない。 -ストーリーについては、上記の通り大筋については評価が高いのだが、深く読み込んでいくと粗が目立つ。 --開発期間が短すぎたせいなのか、細かい部分で矛盾が多い。せっかく大筋の質が極めて高いのに、これらの粗によって物語への没入感が削がれたり、白けたりしてしまう。 ---もっと開発に時間をかけていれば、本作の評価は大きく違ったであろうと思われる。 --詳細は割愛するが、PTメンバーのほとんどが''何らかの重罪を犯しているにもかかわらず実質お咎め無しでエンディングを迎え、その後も何事もなかったかのようにそれぞれの日常を送っている''ことについても批判の声は多い。 ---それ自体はシリーズのみならず他のRPGでもよくあることだが、本作の場合はキャラの多くがある程度の権力を持つ公人であること、罪の重さそのものの描写はされている事から処罰されて然るべき立場であることが強く押し出されているにもかかわらずほぼノータッチな為、「外枠は現実味を気取っておいて肝心な部分はやたら緩いご都合主義」ととる者も少なくない。 -アクの強いキャラクターが多過ぎる。そして、それぞれのキャラクター達の''キャラクター性や設定での整合性が全く取れていない。'' --特にティアとジェイドはストーリー全編を通しての言動に粗や矛盾があまりにも多すぎる為、現在でも非難の槍玉に挙げられる事が非常に多い。 --前述したルークに対しては、本来のキャラの性格を無視して強く当たっているキャラ(特にティア・ジェイド)が多い。ルークの成長をプレイヤーに意識させるためなのかもしれないが、結果的に特定のキャラへのヘイトが向きやすい構成となっている。 --どのキャラを一番嫌うのかはプレイヤー達次第によるが、特に「ティア」「ガイ」「アニス」「ジェイド」が主にプレイヤー達から強い非難を浴びている。 //#region(それぞれのキャラについて。ネタバレ注意。) //#regionで畳むと「***」の目次リンクが無効になってしまうので太字強調に変更。 #co{ ''ティアの場合''~ -本作のヒロイン。ローレライ教団内の騎士団『神託の盾(オラクル)』の奏長で、主席総長であるヴァンの実妹。ヴァンの計画を知ってそれを止めるため冒頭ファブレ公爵邸に侵入し、ヴァンに襲い掛かる。 --しかし、ルークが割って入ったことで彼女とルークの間に超振動が発生し、遠く離れたマルクト帝国の山中に飛ばされてしまう。 -16歳にして騎士団での奏長という地位にあるが、''いざ蓋を開けてみるとその来歴や立場、彼女自身の描写等で首をかしげざるを得ない矛盾等が多く挙げられている。'' --成り行きとはいえ序盤からずっとルークと共に行動し、互いに少しずつ惹かれあってゆく…という大筋だが、''彼に対してはやたらと暴言を吐く。'' ---特に序盤は「''自分の蛮行のせいでルークを理不尽な目に遭わせている''」という立場にも拘わらず彼の些細な愚痴の類にも「あなたは文句ばかりね」などと''上から目線な叱責や嫌味、下に記すような筋違いな行動などが多過ぎる。'' ---また、飛ばされた先で馬車代が足りないのもティア本人の責任であるはずなのに、「ティアは形見を手放す羽目になったうえ、「(馬車代にできるくらい)いいもの持ってるじゃん」とティアの大事なものだと気づく事もなく不用心な発言をしたルークに呆れてしまった」という事になり、後のサブイベントで買い戻す時にルークが謝罪するという理不尽な扱いになっている。勿論、言うまでもなく''飛ばされたこと自体完全にティアが悪く''、そもそもルークは(後払いは駄目と拒否られたが)馬車代を払うと最初から言っているので、寧ろ、''ティアこそがルークに謝罪すべきである。''((加えて、ペンダントを買い戻して貰った際にルークが去った後、ミュウに『思慮が足りない所もある』と呟くのだが、それまでの態度などから思慮が足りないのは明らかにティアの方であり、その自覚も無い事が分かる。))そのうえ今いる国がどこかも確認すらせず漠然と「首都まで」と頼んだ事で、キムラスカではなくマルクトの首都に向かう展開となる。 --''時折注意の範疇を越えた嫌味や文句まで混ぜて暴言を吐いたり、自分の意見だけが正しいかつ絶対的なものだと思い込みルークにガスライティングしてフーバリングしている節もある。'' ---同じ言動や行動でも''ルークがやった時は文句を言い、他のキャラの場合だと何も言わない・それどころか優しくフォローすることもある等、''理不尽な感もある。 ---また、ティアは隔絶された街で過ごしていたためコミュニケーション能力に欠けるという描写があるが、''序盤のルークのそれとない気遣いや思いやりに気づこうと努力してしない。''((その癖、ルークに「ティアを気遣え(意訳)」と筋違いで無理難題を押し付ける様な描写がある為、ティアたちがルークにモラルハラスメントな言動を取ってるとして、彼女たちに強い非難が殺到している。))作中でもルークを励ますつもりが食い気味な物言いだったゆえ逆に彼を凹ませることになり、「''慰めてくれようとしたのは分かったけど、それじゃあ余計に傷つく''」と指摘される場面もある。 ---それでいて、自身はヴァンを倒す事に最後まで迷って決断しきれなかったり、シナリオ冒頭でヴァンを襲った時も''教団の大詠師モース直々の任務の真っ最中''であり、任務より私情を優先してしまっている状態になっている等、''自分に対しては甘さの多い''一面もよく批判される。 --アグゼリュス絡みでも上記のルークの「(前略)師匠はわからない事も教えてくれた!」に対して''「じゃあ貴方は兄さんのお人形さんなのね」とマウントを取るフェイスチャットもある。''下記のジェイドの項目にもあるが、こんな事を言う相手に相談なんかするわけがないであろう。そして、ルークに一切の謝罪もしないどころか立ち直ったルークに''『でも気を抜かないで。私はいつでもあなたを見限る事が出来るわ』と彼のお目付け役じみたポジションに収まり、無神経極まりない発言をした''為、余計にプレイヤーたちから批判を受けてしまうこととなる。 ---その割には自分は敵であり、下記の通り敵対行動ばかりしていた時期のアッシュの言葉をすぐ信じる。ルークを通じて、自分を殺そうとした人物の言うことを鵜呑みにするのは余りにも不可解過ぎるのではないかと思わされる。 ---アグゼリュスで「外殻大地を存続させるって言ったじゃない!」と明らかに以前ヴァンに計画を問い詰めた事がある発言をしているが、''その事を誰にも話していない。'' ---この後上記の「俺は悪くねぇ!」のイベントをはじめとした大きな出来事が連続したためか、この事を問い詰める人物はいない。 ---''激昂するあたりヴァンに問い詰めた上で丸め込まれたということであり、ヴァンに心酔するルークを見下していた割には、自分もヴァンの口車に乗せられている。'' ---他の観点からみると、ヴァンの計画を知っていたり、計画の詳細を知らなかったり、ルークの断髪直後に「兄は何か恐ろしい計画を企てていた。少なくとも人が大勢死ぬ様な。」と言ったりと、証拠が何も無い上に知っていたのか知っていなかったのかすらはっきりしない。 ---''いずれにせよヴァンが何か企んでいることは知っていたはずなので、彼女こそが事前にジェイドに相談するなどすべきだった。'' --挙句中盤の終わり頃、ヴァンを説得するため''仲間達にも相談せず独断でアッシュと共に彼の本拠地に赴く''という、軍属の人間としてはあるまじき身勝手な行動をとる。 --「''重大な行動であるにもかかわらず誰にも相談せず、自分の判断だけで結構して周囲を巻き込む''」という意味ではルークと比較にならない位の大きい失態を犯している。 ---ルーク達は彼女の突然の失踪に動揺し、彼女を追う為少数で敵の本拠地に赴いた為、結果的に仲間を大きな危険に晒してしまっている。~ ''にもかかわらずルークとは異なり、他キャラに辛辣な態度をとるアニスやジェイドも含めて誰1人として彼女の勝手を責める事は無かった。''辛らつで嫌味な言動も辞さないメンバーが彼女の独断行動そのものの指摘すらしないというのは流石に不自然である。 --「軍属である限り、民間人を護るのは義務」と発言するイベントがあるが、''冒頭で一緒に行動する際にルークも戦わせる前提で行動していたり純粋な矛盾もある。'' --''ルーク自身は、当時は立場上民間人かつ、何よりもティアのせいで屋敷から飛ばされた被害者である。'' --冒頭でファブレ公爵家に騎士団を眠らせて不法侵入し、不測の事態だったとはいえ形としては王位継承者のルークを屋敷の外に拉致したという大罪を犯している。~ にもかかわらず、その事についてはファブレ公爵家やキムラスカ王室からすら処罰や追及をはほとんどされなかったばかりか公爵家に普通に出入りし、果てはキムラスカ国王とも普通に謁見出来ているという矛盾がある。 ---彼の兄のヴァンは関与しているとして投獄までされたにもかかわらず、彼女はファブレ公爵に「キミのおかげでルークが飛ばされたらしいな」と言われた程度で''事実上お咎め無し''である。~ これについては、ルークの項で先述した様にヴァンの投獄自体が芝居であり、実際はキムラスカ側はこの事件を誘拐や拉致と認定していないためである((事実、ヴァンはルーク帰省直前まで自由に行動しており、目撃者であるガイもティアを誘拐犯として扱っていない。))。~ だが、ヴァンのみを投獄してティアがお咎め無しというのはいささか猿芝居であると言わざるを得ない。''少なくとも騎士団に危害を加えた上での屋敷への不法侵入は完全に彼女の罪であり、ほとんど触れられていないのは不自然である。'' ---一応、序盤はそのことに罪悪感や責任を抱いている描写が幾度かあったり、ルーク帰宅時に彼の母シュザンヌに陳謝したりするが、''それもガイに行くように促されたからであり自発ではない。''~ そのシュザンヌからにもサブイベントで「貴女がルークの姉だったらよかったのに」と、仮にも息子の失踪の元凶に対するものとは思えない好印象''(それどころかシュザンヌが体調不良になったのはルークが行方不明になったため)''を抱かれるなどやはり不自然。 ---というかキムラスカ自体がティアにやけに甘く、ルークの奥義書イベントではメイドが間違って商人に売ってしまった奥義書を買い戻すため、執事から結構な資金を貰うのだが、そこでティアが相場も知らないのに「''資金が多すぎると思います''」と口出しし、何故か執事が言われるままに資金を減らした事で4冊中1冊しか買い戻せず、残り3冊分はシュザンヌに嘘をついて工面しなければならなくなった…と''他人のお家事情に口出しし、それを誰も咎めず''((一応、ルークがすかさず彼女に対し、「余計な事言うな」とごもっともな指摘をしている。))''問題を無駄に泥沼化させる''…というあまりにも不可解なイベントが起きる。というかメイドの不始末を買い戻しで収拾つけるはずが、部外者のくせに横やりで妨害する形になったため、もしルークが優しくなかったらメイドのクビは間違いなくとんでいたが((この奥義書、ヴァンがルークのために用意したもののため、彼を尊敬しているルークが激怒してティアを見捨てたとしてもおかしくない代物である))、ティアが気にする様子はない。 ---教団にとっても完全な独断行動…まして国家相手の狼藉とかなりの問題行動になるのだが、''それに対する処罰や言及を受けた様子も無い。'' --また彼女が現在の地位にある経緯も、いわゆる特別待遇扱いである。''その上で経験豊かなエリートみたいなことになっていたり、実戦経験が浅いことになっていたり''と設定が固まっていない。 -その為、プレイヤー達から大きい非難がされ、様々な考察や議論が成された結果、ヒロインでありながら''テイルズオブシリーズ史上屈指で支離滅裂なキャラクター''と広く認識されることとなった。 --作中での彼女に対する評価などから、開発スタッフは「未熟な主人公を叱咤しつつも見守る、厳しくも大人なヒロイン」を表現したかったのかもしれないが、見ての通り圧倒的にシナリオデバッグが追いついておらず、「クールを気取った傍若無人」にしか見えない振る舞いが多くなり、僅かながら''「ティアをラスボスにして倒したい」''というプレイヤーも生み出す事態にまでなってしまった。 } //-&color(red){''スタッフが異常に好んでいるキャラとしても広く認識されている。''} //--&color(red){''お祭りゲーなどでは矢鱈と他人をこき下ろす悪辣な人物となっていたり、ティアと絡んだキャラクターがティアを持ち上げるか、ティアより下に見られることがはほとんどになっていたり、実際彼女を立てる為強引な性格改変をされたキャラも居る''}((記載するときりがないので、該当ページを見て調べてほしい。また『ファンダム2』の問題になるが、そちらで致命的な設定矛盾が生じたことも…。))。 //---&color(red){''お祭りゲーや外伝作品でのスタッフの露骨な贔屓''}により、『アビス』発売から時間が経ってからの外伝作品やお祭りゲーでの扱いが優遇されている。 //---その為、ファンから非難され、原作に関してもファンの間で様々な考察や議論が成された結果、それらと照らし合わせてCOLOR(red){''テイルズオブシリーズ史上屈指のクズキャラ''}であると認識されたというべきかもしれない。((アビスはお祭りゲーに出ると様々な形であからさまに贔屓されているのが現実であり、殊更にティアに至ってはお祭りゲーが出るたびにユーザーから批判意見があったほどである。この傾向は『マイソロ3』あたりで大人しくなるまで続いた。))。 //↑他作品やゲーム外のことを問題点とするのはおかしいのでとりあえずCO #co{ ''ガイの場合''~ -ファブレ公爵の使用人で、ルークとは一番年が近く彼の友人でもあり、公爵家の者達の目を盗む形でだが気安く接しており、同時に王女ナタリアとも談笑を交わすなど身分の差を越えた親しい間柄。 -女性に密着されたりすると我を忘れて狼狽する女性恐怖症である。 --気障な言葉で女性にモテたり((女性恐怖症については単なるネタ要素ではなく、彼の出生にも強く関わっている。また本人曰く「女性そのものはむしろ好き」とのことで女嫌いな訳ではなく、適度な距離を持って接する分には寧ろ積極的で、女性の水浴びの話題を受けてあらぬ妄想で涎をたらしていたことも。))からかわれたり、筋金入りの音機関(機械)マニアでその事になると周囲に目が行かなくなるくらい熱中する等コミカルな面も多い。 -元はマルクト領のホド島のガルディオス伯爵家の生まれだったが、キムラスカ王国の戦略も絡んだ複雑な家族関係が災いして過去の戦争の際ファブレ公爵率いるキムラスカ軍に一族郎党皆殺しにされ、さらに家宝である宝刀ガルディオスも戦利品として接収され、それからは臣下であるペール、彼の家に仕えていたフェンデ家のヴァンと共にファブレ公爵への復讐を誓い、身分を隠してファブレ公爵家に使用人として働いている。 --アニス同様にスパイ…どころか、''組織ぐるみの刺客である。'' -つまりヴァンとは主従関係にあり彼の主という事で、ヴァンや彼の計画に対する繋がりも深く、彼の過去の清算と共にこちらもシナリオに深く関与する。 -上述の気さくな性格や常識人な振る舞いからメンバーの中では例外的にプレイヤーからも好意的に見られていることも多いのだが、''冷静かつ正確に設定や描写を拾っていくと手放しに褒められた人物とは言えない事が浮き彫りになってしまった。'' --ファブレ家の中で最もルークに理解あるキャラではあるのだが、ファブレ家に仕えている理由は上述の通り。 --そしてヴァンの計画をどこまで知っていたかは定かではないが、''ヴァンがルークを利用しようと親身に接していたことは最初から把握しており、いよいよ怪しい段階になっていたのは見ていて察することが出来る状況だった''ので、本当に過去を割り切り、本当にルークの親友であるならばフォローのしようが色々と出来たし、率先してどうにかすべき立場であるが、特にそれらしいことはしていない。 ---ちなみに復讐とホドを復活させるということでヴァンと一致団結しており、仮に計画を知らずとも音機関に精通している彼ならば詳細を知らずともどういう手段をとろうとしていたか推測出来ていた立場のはずだが((ジェイド独自の技術ですら一目見ただけで危険なので真似するなと警告できるほど筋金入りのマニア。))、過去が明らかになるのが後半付近ということもあってここらは特に言及されることもなく本編が終わる。サブイベントでもほぼ語られない。 ---一応ドラマCDでヴァンに「いつになったら計画とやらの内容を話すつもりだ」と迫っている場面があり、ガイは計画を知らなかったというフォローはされているが、「復活させる」という言葉は聞いていることもあり、前述の通り設定的に無理がある感じもする。 --他にも惨劇の際にルークの事情(ヴァンとの関係込み)をずっと近くにいて最も理解しているにも拘わらず、''ガイの友情を信じ誠実に向き合ったルークに対し、アニスやナタリア以上に「あまり幻滅させないでくれ」と暴言を吐き捨てて去ったことについて、友情を強調しておきながら酷薄過ぎると評されることが多い。''特にゲームクリア後に見返すとそうなりやすい。 ---アクゼリュス崩壊時に、自身も幻滅するだけで特に何もしておらず、''自殺すらしかねない極限状態に陥ったルークを放置して去っていき''、さらに再会時上記の事情があるのに''自分の後ろめたい事情は一切話さず「ルークを許す」など上から目線の振る舞いをし続け''、挙句最終決戦直前のイベントでルークがそれまでに多くの命を犠牲にした事を指して「喰らった命の分、生き続けなけりゃ嘘だよな」「生きて生きて生き抜いて、恨み、憎しみ、悲しみ、怒り…全部しょいこまなけりゃならないってな。」と投げかけている。~ 一応この台詞の前後に「俺は酷な事を言っている」「世界中がお前を非難しようが俺はお前の味方だ」などフォローを足し、この発言自体もルークに発破をかける意図でのものだが、ならば最初からもっとポジティブな表現で鼓舞すれば良いだけの話である。 ---また、ルークを見放した直後に「ルークがこんな風になったのは自分の責任でもある」と一見自分の非を認めているような発言をするのだが、''ルークに対しては『彼を見捨てたこと』ではなく『育て方を間違えた事』への後悔を告白したのみ''で、''アクゼリュスの惨劇については結局「ルークが悪い」と扱っている意識は相変わらず''であり、彼を見捨てた事自体への呵責を殆ど抱く素振りはないので余計にプレイヤーたちから反感を抱かれている。 --なお、ダアトでどっちか死ぬかでアッシュと衝突したルークが「あいつ(アッシュ)を失う訳にはいかない」という筋の通った発言に''すかさずルークを殴り飛ばして的外れな説教をする、メンバーの飛行艇を操縦するノエルの祖父やその学友たちが殺害されているのにもかかわらず、慟哭するルークに対し「この中で一番泣きたいのはティア(ヴァンの実妹)だ(意訳)」と失言を漏らす''((なお、アニメ版ではティアはノエルに対し「悲しんでいる暇などない」と彼女に追い打ちを掛けるような言動を取っている有様である。))など、余計に悪印象を助長させている。 ---ちなみに、これ以前にも本当に友人だと思っているのであれば、何気におかしな発言や行動が多々見受けられる((デオ峠でイオンを露骨に邪魔者扱いするルークに対し、内心「しかしルークの坊ちゃんよ、今のはかなりマズかったな」と呟くだけであった。ドラマCD版では(前後の展開が異なっている事などもあるが)この後仲間たちにルークの事情を説明した上で大目に見てやって欲しいと頭を下げている。))。 --また、ルークに救われてヴァンと疎遠になっていったなどと述べていながら、過去の恨みから両国の首脳陣が集まる平和条約締結の場でキムラスカ国王にいきなり剣を突きつけたり((行動に納得のいく過去を持っているが以前の発言との整合性が取れていない。こちらも流石にマズいと思われたのかドラマCDでは事前にルークに過去の苦悩を打ち明けて和解し、キムラスカ国王には冷静に原作と同じ問いかけをするだけになった。))、ファブレ家の一員とはいえ彼の過去には一切関わりのないアッシュに対してはルークと違って異常に邪険にし続ける(後半以降は改善される)有様なので、ダブルスタンダードと指摘されることも多い。 --なお、アッシュの方はガイが上記の件でパーティの離脱を宣言した際に本気で驚いていたため、ガイのことを未だに友人だと思っていたことが窺え、実際ガイ個人に対しては態度も悪くないので((寧ろアッシュに辛辣な態度をとり続けるガイに憤るナタリアに「俺は別にかまわない」「放っておけ」とフォローしたりしている。もっともアッシュ本人の行動自体が本編では後述する有様であるため、ファブレ家の人間であることを抜きにしても辛辣な態度を取らない方がどうかしているという状況ではある。))相当不憫な事になっている。 --そして、''過去の記憶を持つというだけでかなり辛辣な態度(ルークだけは特別に許しているがお前のことは別)を見せている為、やはりガイもルークやアッシュのことを言える立場ではなく、大概な印象を与えている。''これでは、ルークもアッシュと同様、相当不憫な印象でしか受けないであろう。 //-また同じくヴァンと関係があったティアと違って、惨劇のあともヴァンとの関係やファブレ家との因縁などは全く話そうとはしなかったり、自分のことや復讐を忘れていないことは棚上げしてルークを許す・友人扱いするなど、一回プレイし終えた後には細かいところが目に付く。 //ファブレ家との因縁は序盤のフェイスチャットで触れられる事を皮切りに、サブイベント『ガイの宝刀』で説明されて、同サブイベントを進める事でガイの非であるファブレ家への復讐心もルークの成長で克服する形で解決して仇であるファブレ公爵への見識も改めて、ルークとの友情もガイの一方的なものでなくファブレ公爵からも改めて託されているので、このあたりの描写はちゃんとされている。 --他にも、あくまで一介の使用人として公爵家に入った彼がルークやナタリアと親しい間柄になった経緯なども本編では殆ど語られず、後に発売されたアニメ版DVDの特典ドラマCDまで明かされなかった。 --これらの矛盾描写の数々によって、作中での評価に反して''「善人」とも「ルークの理解者」とも言い難いキャラクター''になり、彼のことを全て知ったうえで見返すと、''全編に渡って「お前が言うな」「その言い方は(主にルークの友人として)流石にどうなんだ?」と思われるセリフや態度ばかりになっている。'' --''全編に渡って、ルークの人格や言動全てを無条件で受け入れる・寛容で親切な対応をとるキャラクターにしなかったのは、どうしても首を傾げざるを得ないであろう。'' --それ以前に、彼の台詞全体をみると悪い意味でズレている言動が多く、一部は作中でも突っ込まれてはいるものの多くはさも正論、常識的な意見のように扱われているため、プレイヤーの常識との食い違いという面でも批判を受けがちである。 } #co{ ''ナタリアの場合'' -キムラスカ王国の王女で、身分に驕らない並外れた行動力と民を想う善政もあって国民の信頼は厚く、王族でありながら弓術のマスターランクや治癒術を扱う治癒師(ヒーラー)としての教養もあるなど文武どちらにも長け、本編でも優れた回復&援護役として存分に活かす。 -シナリオ中枢との関わりはやや浅いものの、主人公ルークやアッシュとの確執、自身の出生とキムラスカ王室の体制、六神将の1人との繋がりが争点となっている。 --性格的にも天然で気丈ながらも思慮深い良識を持ち、『王女たる者、常に率先して行動するべき』という信条を持つ。…のだが、王女という自身の立場を弁えている素振りを見せていながら実際は感情的な行動に走りやすく、((例えば、評価点でのルークに関する記述にも書かれているが、鉱山都市アクゼリュスで、目先の使命感から感染症のリスクを考えずに被災者を介抱するなど。人間としては当然の行為ではあるのだが、王女が万が一、自らの不注意で感染したとなれば国際問題に発展するのは安易に想像出来る。))そこを批判されることも多い。 --仲間になる経緯も、アクゼリュスに向かうルーク達への同行をキムラスカ国王に拒まれ城から脱走、ルーク達に追いつきルークとヴァンの密談から盗み聞いた情報をちらつかせてルークを脅し無理矢理加わるという、一国の王女としては聊か私情に走りすぎたものである。 ---国王が彼女の同行を拒否したのは彼女をアクゼリュス崩落に巻き込ませない為だったので、それを破ってルークに同行したために崩落に巻き込まれ、後にそれをモースにつけこまれキムラスカがマルクトに宣戦布告をする為の材料とされ、自国を戦火の渦中に陥れてしまっている。 --ルークとアッシュ、各々ほぼ同じ年月を過ごしてきた2人に対する葛藤も彼女の課題となっているのだが、ルークに対しては彼の正体を知るまでは幼少時の彼(実際にはアッシュ)との思い出に浸った挙句昔の彼と比較して今のルークを揶揄したり「早く記憶を戻せ」という形のやりとりになる事が多く((恐らくシナリオ開始前から日常的にこういうやりとりばかりだったと思われる。))、(設定上、物語が始まる前からも)、ルークにはどうすることもできない無茶ぶりであり辟易としている。 --そして、アッシュの正体が発覚したらしたらで今度は無自覚にアッシュを通した目線で接するなど、''ルークのことは事実上蔑ろにしている状態が長く続く。'' ((このことは、ルークをルーク個人として受け容れられないと悩むシーン、やがてそれを払拭しルークを1人の人間として接することを誓う流れがあるように公式の意図通りの設定とは言える。もっともルークからすれば発覚前は幼少の記憶越しに、発覚後はアッシュ越しの視線でしか見向きされていなかったことには変わりなく、惨劇の前に皆を見直させるために我武者羅ながら奮起した要因の1つになっていると思われる。さらに付け加えると、事実判明後はルークの方も彼女の傍に居るべきなのはオリジナルであるアッシュだと考えている節があり、生まれた頃に一方的に世話になっていた過去と相まってナタリア側からの歩み寄りがなければ手詰まりの状況である。その為、ルーク本人を中々顧みようとしなかったナタリアがより悪辣に見える。)) --惨劇の際にも記憶喪失後からではなくその前の過去(アッシュ)をあえて持ち出し比較してルークに失望しているが、自身がただの我が儘で、しかも脅して無理やりパーティに加わったことは直接は関係ないとは言え棚上げしている。 --また、ことあるごとに過去を持ち出して頻繁にルークに苦痛を与えていたため、崩壊前に彼女に相談して行動するという行為はルーク的にはなかった選択肢であり、''彼女にも糾弾される云われはほとんどない。'' --預言の闇が絡む彼女の出生及び生涯、アッシュへの想いなど、他のメンバー同様に相応の事情はある。 ---しかし、立場が立場ということもあるが、何よりも当のアッシュも問題行動ばかり取っているため、''何かとアッシュを優遇しようとする彼女の発言は冷静に見るとただの我が儘になっていることが多い。'' } #co{ ''アニスの場合''~ -ローレライ教団の最高指導者である導師イオンを傍らで守る特殊部隊「導師守護役(フォンマスターガーディアン)」。 --職務自体は非常に重要なのだが教団内での地位は低く、また人が良すぎるあまり他人に騙され金を搾取され続ける両親に苦労しているだけあって年齢に見合わないシビアな打算を持つ。~ そこからの一発逆転を狙うべく玉の輿の座を狙い、有権者や金持ちの前では普段の態度が嘘のようなぶりっ子ぶりを発揮する。…と、本作パーティー内でもかなり尖った性格や背景を持つ。 --玉の輿及び損得勘定については作中でもルークに執拗なアプローチをかけることを皮切りに、メインやサブ問わずこ幾度となく強調される。~ また、損得勘定に至っては場を弁えずに((代表的な場面は、ルークが持病である頭痛に苛まれ気絶し、宿のベッドで寝込んでいる前で「健康に難有りかぁ。介護するぐらいなら、ぽっくり逝きそうなお金持ちの爺さんの方が…」と、聞こえるように損得勘定丸出しな発言をする。それを隣に居るナタリアに指摘された時も「えへ、なんでもない♪」と茶化している。))行うことすらあると思ったら、件のアクゼリュスの惨劇以降は一度失望したとはいえ一転して呼び捨て&タメ口&素の態度である。 ---要は本当に''玉の輿目当てで媚びていただけ''で、彼自身に対する評価は(実際仕方ないとは言え)知れたものだったということになる。 --腹黒いだけに留まらず、楽観的な考えや理想に拘る人間にはとことん悪態を突いたり皮肉を言ったり、ルーク(王侯貴族の長男)と比べても特に意味もなく異様に態度が悪いことが多い上に、相手を見下した言動も異様に多い為、そういった面でも嫌悪感を抱かれやすい。彼女の環境を考えると分からなくもないが、他人を陥れて良いということにはならない。 ---同時に、両親の大きな借金を教団の大詠師モースに肩代わりされ、両親を人質に取られてアニスもモースに逆らえないという深刻な設定がある。 ---だが、旅の中でジェイド、ルーク、ナタリア等の権力者とのコネが出来ているため、''事情を説明すれば両親に関する問題は解決できたのでは?''と指摘されることもある。 --これだけならまだ「現金で刺々しいが根は健気な少女」として大きな賛否は無かったかもしれないが、後半で判明するある極めて重大な行為とそれに対する態度や描写で、プレイヤーからの評価を大きく落とした。 ---彼女の場合、モースに両親を幽閉された上での苦渋の決断で、彼女自身も直後から言い訳もせず深く悔いていたりしているのだが、惨劇の際はルークをかなり辛辣に責めて以降も暫く蔑視していた((ルークを見放す際は「こんなサイテーなやつ放っといた方がいい」と言い放つ、再起したルークと再会した際は彼を「おぼっちゃま」呼ばわりする、断髪後のルークに対して「なんでお坊ちゃんがこんな所にいるの?」「あのままずっと眠ってくれててもよかったのに~」と嫌味を言う、ルークが何か進言や質問などをするたびに「お坊ちゃまとは違うしぃ」「うわ、ルークが仕切るんだ」など露骨に貶しにかかるなど、直接的な態度ではジェイド以上である。))こと、諸々の事情を考慮してもなお彼と比べてやたら寛大に扱われていることで、ユーザーの反感を買ってしまった。 ---挙句アニスがイオンは悪くないと前置きしたうえで「悪いのは総長(ヴァン)と…(無言でルークを睨む)」とルークに対しモラルハラスメントな態度を取り、誰もそれを否定しない。だが後にシナリオブックにて''タルタロスの一件を遠縁として、自身がこの惨劇に加担していた事に気付き、ヘイトをルークに逸らすために発言したという事が発覚''((とはいえイオン以外誰一人ルークを庇わなかった通り、明らかに「ルークだけが悪い」という体で話が進んでいるため、ゲーム本編で本当にアニスがそう考えていたかは疑問が残る))。 ---勿論、アニスの隠していた事情から特にこれに関しては「お前が言うな」と思われることが多い。 ---と言うのも、事情はどうであれ教団にとって存続が問われる程の影響を与えているのにもかかわらずそれついて教団からの処罰や追及を受けた描写も無く、この出来事についてはPT内と敵組織との間でしか取り沙汰されていないという不自然な形になっているため((メンバーが教団に告げていないのだろうが、解放されたアニスの両親が事情聴取されれば容易にアニスの関与が分かってしまう筈である。))。 ---そもそもの話、''何故かヴァン達先発隊との合流を優先せず、彼女がイオンを放置してガイと一緒に少人数での救助活動をしだし別行動をはじめた''のが惨劇の一端でもある((イオンがいなければそもそも扉を開けない。またこれはルークを放置したガイにも言える))。もっともイオンは悪くないと言い出したのは、上記の通り保身だったわけだが。 ---ちなみに、ルークが起こした惨劇の真実は各国首脳陣、教団上層部にしか知られていないことが描写されている。 ---一応、アニスからこの出来事で逆恨みに近い憎悪を抱かれアリエッタが悲惨な結末を迎えてしまうのだが、作中''一貫して辛辣な態度を取り続けているせいでアニスについてはあまり同情されていない。'' ---また、相手の方の事情が明かされるとアニスが原因というわけではないが、''相手としては恨んで当然のものだったものの上に何故殺したのか意味不明な描写だったのでむしろそちらに目が行く。'' ---結果、「''これだったら、アニスよりもアリエッタをプレイアルキャラクターとして操作したかった''」と言う声が続出した((ちなみに、アニスは最初から事情を把握していたが、辛辣な態度を一貫した。))。 //((シリーズ的には前々からよく行われていることだが、無駄に犠牲者を出して衝撃的なイベントにしようとしているだけの展開という感じ)) //これはテイルズでなくともよく行われてることでは? --さらに、長きに渡って思い悩むようになってしまったルークとは対照的に、当初は相応に気負ってはいるが少しシナリオが進むと今迄のようなぶりっ子・ちゃらけた態度が噴出しはじめる。以後は(少なくとも本編では)呵責を抱く素振りも殆ど見られない。 --さらに、自身の関わった序盤のタルタロスが教団の騎士団と魔物達に襲撃されジェイド以外の乗員が全滅させられた件についても、(あえてスパイでヒールを演じているであろう部分もあるとは言え)白々しい被害者気取りの発言をするので、ここもまたユーザーからの顰蹙を買った。 ---他にも研究者仲間を裏切りヴァンに寝返ったキャラが、裏切った罪を償う為にルーク達に協力したいと申し出た際も1人だけ彼に不信を抱き続け悪態をついたり、裏切りの疑惑のかかったガイをジェイドと一緒に疑る場面がある。 ---だが、上述した事実が判明すると同時に、この発言は狙い定めたブーメランの如く彼女に返ってきている。 ---後述しているが、六神将のアリエッタとも浅からぬ因縁がある…が、そこでのやりとりにおいてまた別の問題や疑念が噴出している。 --そして極めつきに、''最終決戦前夜のイベントで「初の女性導師を目指す」とジェイドに告げるのだが、さも当然のように言い放つので、怒りを通り越して呆れるユーザーも多発。'' --彼女がしでかした事を考えると、導師云々どころか娑婆に居られるかどうかすら怪しい立場なのだが…。そもそも、アニスに''第七音素の素養はない(ダアト式譜術を使えない)''し、導師になるには第七音素の素養は必須であるという大前提がある。 ---ちなみに、前述のルークを責めしばらく蔑視していたことについて、攻略本によるとその理由が「''自分と違って''罪から逃げているから」と書かれているが、上記の矛盾した描写から、''そういうお前は他人の事をとやかく言える程罪に向き合っているのか? と突っ込みたくなるものである。'' -ただ、誤解されがちなのでフォローしておくと罪悪感まで忘れている訳ではない。 --ルークとの差は経験の違いや生きた時間の違いによる「物事への向き合い方」の差や健気にも平常心を装っていると言える。 --また、食堂で一人寂しく食事を取っていたディストを不憫に思って真っ先に声をかけたりなど、他人を気遣ったりと人としての感性を持っている一面もある。((もっとも、(ティアやガイ、ジェイド程ではないとはいえ)罪悪感の方はそれを窺える描写がほとんどないことも問題なのだが。)) -尊い信念や背徳を交えたエピソードがあり志そのものも立派なのだが、普段の場を弁えない腹黒くも生々しい言動や上から目線な態度が多すぎる上、''「自分がやった事の大きさを分かっていないのでは?」「口先だけで反省してないだろ」''と捉えられかねない軽薄な振る舞いがそれらの長所をことごとく殺してしまい、ジェイドほどではないが彼女も背景・人格的な問題点があまりに多すぎる事から否定的・辛辣な目線で見られがちである。 --自らの過ちに対する呵責や罪悪感、それに対する姿勢といった描写をユーザーの共感を得られる形で出来ていたなら、彼女に対する評価もまただいぶ変わってきていたかもしれない。 } #co{ ''ジェイドの場合''~ -キムラスカ王国と停戦状態にあるマルクト帝国の大佐。 --マルクト皇帝ピオニーとの間柄やその実力から「皇帝の懐刀」と言われており、同時に「死霊使い(ネクロマンサー)」という異名でも知れ渡っている。 --天才的な頭脳と譜術の素質と冷酷な思考を持ち、幼少の頃人間などの生物も含むあらゆる物質の「レプリカ」を作成する「フォミクリー」という技術を考案し、後に六神将の1人で幼馴染でもあるディストと共に本格的な段階まで進めたが、それはある大きな事件を勃発させ、多くの致命的な副作用も伴うことからこれを封印し、禁忌とした。 ---しかし、ディスト含む一部の人間がこの技術を秘密裏に使用し、本作の危機に繋がってしまう。 -同時に''本作史上最凶の皮肉屋かつ毒舌家でもあり、兎に角食えない、掴めない性格。随所で辛辣な嫌味を状況や相手の立場に一切関係なく''、一見温和な笑顔と丁寧な敬語で言い放つ。 --声優である子安武人氏の演技の評価は高いが、それと同時に彼を嫌悪するユーザーも多数居る。 --ティアの次に話題になると荒れることもしばしばなキャラクターである。 --序盤は、両国の戦争の終結を願うマルクト皇帝からの勅命でキムラスカ王国宛ての親書を両国どちらにも属さず、尚且つ影響力の強いローレライ教団の導師であるイオンを橋渡し役として同行させて渡すマルクト側の和平の使者として活動しているのだが、''初っ端から和平の使者としてあるまじき言動や行動が目立つ。'' --作中序盤から話の腰を折ったとはいえ((ルークが「俺を置いて勝手に話を進めるな」と話の腰を折ったのは事実だが、ティア達が明らかに当時の本題から逸れた内輪事情の論議に熱中しはじめていた為、筋違いな指摘ではない。))、敵国の王位継承者であるルークに対してすかさず「ああ、すみません。あなたは世界のことを何も知らない『おぼっちゃま』でしたねぇ」と悪意全開で皮肉り、温室育ち呼ばわりするなど、この時点からトゲの粗さを見せる。~ しかも、キムラスカ王国の国境をスムーズに通る為、ルークの助力を必要としているにもかかわらずである。その他イベントの流れを見ても、とても一介の将校が他国の王位継承者を相手にしているとは思えない横柄さが目立つ。 --彼の態度の悪さについては他にも多くあり、キムラスカ国王(ルークの伯父)に親書を渡した後に発生するスキットで、ルークが真剣に「もっとこの話が出来るように国王に言うよ」と告げたのに対して''「頼もしいですねぇ。さすがの七光りです」''と余計な嫌味を付け足したり((ルークの発言は事態に対して前向きかつ建設的なものであり、たとえ冗談であっても嫌味で返すようなものではない。))、同国王女のナタリアとのスキットで遠回しにキムラスカが軍事侵攻を行おうとしている仮定を立てて彼女の不興を買ったりと、皇帝直々に和平の意を託された立場の自覚を疑う発言も少なくない。 --中盤のあるイベントで敵と多く戦闘して村人に罵られた際も「適当な嘘でなだめるのは気が引けたから」という理由で村人に買い言葉的な反論をして余計に煽り、軍人そのものへの不信を買っている。 ---村人が憤っているのは完全にジェイド側の非なので、感情を堪えて殊勝に接するべき立場であるにもかかわらず、である。~ それを指摘された際の態度も大抵が「これは失礼」とあっさり流している感が否めず、プレイヤーの彼への心証を悪くしている一因になっている。 --問題が起こる可能性を予測しながらも確証が無い事を理由に口にしなかったため、実際に問題が起こってしまうという流れが非常に多く、この点に関して最初から最後までほぼ反省や改善を見せない。 ---これは憶測や仮説を語ることを嫌う彼の徹底した現実主義故…なのだがあまりに度が過ぎており、仲間内での情報共有を拒んでいるような状況と化しており却って仲間の足を引っ張ってしまっている。 ---憶測とはいえ物事を彼なりに分析した上でのものなので、核心には至らず・当たらずとも判断材料として語っていれば今後の行動の助けになる事は間違いない筈だった。 ---特に序盤でフォミクリー装置を見つけた際も知った素振りを見せるが、催促されても「結論は出せないと…(さらに仮に出せても、と続ける)」果ては「私にも語りたくない事があるんですよ」と頑なに明かそうとしない。 ---当時はこの事ばかりに集中できない事態ではあったが、それでもルークの正体と過去の「誘拐事件」の真相に関わることであり、しかもジェイドの知識なら推測できる材料も完全とは言えないが多く揃っていたため、此処こそ「仮定」であっても自身の主義を曲げて語るべき時であった。 ---後にルークとアッシュの間柄であからさまに何か知っている素振りを見せつつ、結局は「今は言及を避けましょう」とはぐらかし、痺れを切らしたガイに「もったいぶるな!」と迫られてもなお「ルークのことはルーク本人が一番に知るべき問題」と的外れ気味な理屈を持ち出してまでひた隠しにし続ける。 ---重大なネタバレになる為そうたやすく明かせない都合もあったのだろうが、ここまで固執していると「自分の主義に引きずられている」印象すら否めない。 ---そうでなくとも、事の大小問わず何かを知った素振りをするも勿体ぶったりはぐらかしたりする等して伏せることが多く、そこに苛立つ声も多い。 ---2度や3度どころではないくらい頻繁にはぐらかす為、あまりのワンパターン展開に辟易すると同時に、仲間に対してすら情報を明かそうとしないジェイドのパーティ内での存在意義・及びパーティとの信頼関係を築けている事に疑問を感じるプレイヤーさえいただろう。 ---一応、彼の「マルクトの軍人」「''マルクト皇帝の幼馴染兼親友''」という立場が必要な場面も多いが。 ---ちなみに、上記の流れを説明するためにネット上では''「これは…まさか」→「いえ、確証がないことは言いたくありません」→(何か問題が後で発生してから)「やはりそうでしたか…」''というテンプレがよく使われていて実際にそういった流れも多い。 ---だが、''実は作中ではジェイドが予測しきれていなかった要素が重なり予測以上の問題が起こって驚いているという最後が違うパターンも多かったりする。'' --ルークの件で彼を最も辛辣に責めた1人でもあるのだが、それに対する批判もかなり多い。 ---先ず、彼が生み出した技術がアクゼリュス崩落の決め手となっていた為、ヴァンの策略とはいえ自身が禁忌とした研究の暴走による不祥事でもある。~ ''なのに一方的にルークを突き放すだけで前述の落ち度を全く顧みていない為、「完全に筋違い」等の批判が噴出している。'' ---後に自身の研究については贖罪の意を示しているがルークへの悪態については全く触れていないこと、他のメンバーと違い当時の時点でルークの正体にも薄々とはいえ勘付いていた((自らの研究の暴走ということも尚更分かっていた筈。))為、尚更不満が多い。 ---さらにルークへの暗示も彼の技術が元だと思われる為、ヴァンにとって失敗が許されない計画上ルークが操られたということも推測出来ているはずである。 ---また、ホド島で行われたフォミクリー実験が戦争によって引き上げすら不可能な状態になった為、証拠隠滅のため当時11歳であったヴァンをフォミクリー装置に繋げて超振動を起こし、これによってホド島が消滅し、同時にヴァンがフォミクリーの存在を知り預言に強い憎しみを抱き本作の危機を引き起こしている。ホド島消滅にジェイドは関わってこそいないが、彼の技術がもたらした悲劇の1つである。~ さらにこのフォミクリー技術は本作最強の裏ボスをも生み出しており、野に放たれた裏ボスが各地で音律師(フォニマー)を殺害し、その討伐に差し向けられたマルクトの一個中隊を壊滅させる事件を起こしている…など、''諸悪の根源''と称しても過言ではない。 ---一応、ルークの件では「出来れば事前に相談してほしかったですね」と不満も述べているが、意見としては正論ではある。~ しかし、''出会った直後から徹頭徹尾嫌味や皮肉を言い放ち、自身が知りえた情報を頑なに明かさず、買い言葉の如くルークに対し「親善大使殿」という蔑称を使い、ルークが真っ当な指摘や前向きな発言をしたら「七光り」やら「温室」呼ばわりする、メンバーの行動を提案するたびに「おっと、決めるのは親善大使(もしくは責任)のルークでしたね。」など自ら率先して煽りにかかり、最終的には(ルークが混ざっていない会話とはいえ)「親善大使殿はアテになりませんねぇ。」「使えない人間は頭数に入れない方が良いのでは。」と排斥する''人物に自身の命運にも関わる相談をしようと思えるかと言われると、ならジェイドより自分の面倒を見てくれて信用できるガイやティアに相談するだろうし、''間違いなくNO''であろう。 ---他にもメンバーのいさかいの仲裁などは自分より一回り年の若いガイに押し付けているような形になっており、これに関しては「子守りは御免」という発言までしている。 ---一応、本人もこの偏屈な性格を自覚している節の発言はあるのだが、反省して行動を改める場面はほとんどない。 ---憶測レベルの情報を一切語らないのもおおむねこの主義を第一にしているが故であり、職務に対してやたらと私情を持ち込んでいる風にも見える。 ---仮にも社会人…まして軍属の要職に在る人間としての姿勢を批判する声も多い。 --加えて言えば、ティアやイオンの影響で成長していったルークだが、ジェイド(だけではないが)の露骨なルークを軽視する態度によってルークの態度も硬化していったことが描写されている。 --師匠の計画が最大の問題なだけで、ルークは件の惨劇前までは''軽視されていることを知りながらも''完全には不貞腐れず「今は何を言われようがこれさえ終われば皆自分を見直すはず」と彼なりに頑張ろうとしていた為、ジェイドの皮肉ももちろんルークに通じていたことが窺える。 ---ルークがレプリカである="記憶喪失ではなく、実際に精神年齢が子供である"という事実に唯一気付ける立場でありながら誰よりも大人気ない態度をとり、成長や周囲との協調を学ぶことをことごとく阻害した結果がアクゼリュスの一件である。 ---挙句ルークが「俺は悪くねぇ」と発言する前とはいえ''「できれば相談してほしかった」とどう考えても相談できない空気を作った張本人とは思えない発言をしてしまっている。''端的に言えば「''お前が言うな''」である((ちなみに、小説版ではこの点に関してルークに俺は悪くねぇを交えつつも「何が事前に相談だ!自分だけわかったような口ぶりで、勿体つけて何も説明しない奴に、どうして言えるってんだ!」と至極まともな正論で返されて「ここにいると馬鹿の発言にイライラさせられる」と論破されて逃げたとしか言えない描写となっている。))。 //相談できない空気を作ったのは事実だが、少なくともこの時点では責める意図で言ったわけじゃないし、「相談してほしかった」という希望を言うぐらい問題ないんじゃね --また、これらの嫌味や皮肉もメンバーの中では言う相手を選んでいるような節も見受けられる。 ---例えば、惨劇の件ではルークを後まで突き放したにもかかわらず、(事情はどうあれ)メンバーを裏切ったアニスには後々まで一言たりとも咎めたりせず、寧ろ最後まで馴れ合いじみた間柄である。そして仲間に相談せず独断で行動したティアにも特に何も言ってはいない。 ---しかし、ルークにはことあるごとに鬼の首を取ったかのような辛辣な物言いを終盤まで続け、ナタリアにもルーク程ではないがティアやアニスには無い指摘や叱咤をしていたりする。 ---アニスの裏切りに関しても、勘付いていたにもかかわらず主にスキットでやんわり指摘し、''最終的には「まぁ良いでしょう」と流し''、後のアニスの裏切り及びある人物の死亡を許してしまっている。一方で同じ疑惑をかけたガイには秘密裏に彼の出自を調べる徹底振りで、尚更''相手によって態度を変えているとしか思えない。'' //出自を調べたと言っても、ガイが自分から話すまでそれを明かさなかったから、少なくともこの件は態度をそこまで変えてないと思う。 --''特に終盤、あるイベント後にナタリアに平手打ちをした場面はかなりの批判がある。'' ---ダンジョン攻略中、ルークからアッシュの突然の死を知らされたナタリアが錯乱してしまいその隙を突いた敵の罠の譜陣が発動し、逃げようにもショックでナタリアが茫然自失し脱出し損ねたが、ルークの第二超振動((2つの超振動が干渉する事で発生する、通常の超振動よりはるかに強力な破壊現象。その威力は、敵のボスからも「化け物じみた力」と警戒される程。))によって難を逃れ一段落。~ その後ジェイドがナタリアの頬を平手で打ち、ナタリアの行動はアッシュとルークの意向を無視しメンバーに迷惑をかけたことをネチネチと貶し、今やるべきことを心得るようと上から目線に説教するもの。 ---幾ら事態が逼迫しているとはいえ、''幼馴染(アッシュ)の死を唐突に知られれば図りきれないショックで放心してしまうのも仕方の無いこと''であり、いつまでも引きずってメンバーの足を引っ張り続けたり兎に角その場から立たせるために咄嗟にするとかなら兎も角、''一段落ついた後にわざわざ''である。 ---平手を打たれた瞬間のナタリアの第一声からも、''ジェイドに平手まで打たせて説教させるのは筋違いもは甚だしい。'' ---更にこれにより、反射的に迷惑をかけてしまったナタリアに平手を打つなら、何故能動的に仲間を裏切りイオン殺害の片棒を担いだアニスや独断で敵の本拠地に赴きメンバー全員を危険に晒したティアにも同じ事をしないのか、とも言えてしまう。寧ろこの2人のこれらの行動にこそ、この説教や平手を浴びせて然るべきである。こういった部分からも『口を出す相手を選んでいる』という印象を強めている。 ---ちなみにアニメ版では敵の罠がなくなった為、彼女に平手打ちすることはなく忠告するだけに留めている。 --こんな状態にもかかわらず、中盤からルークと半ば押しかけ師弟のような親しい間柄になるのだが、その流れに対する不満の声も多い。 ---「あるイベントをきっかけにジェイドがルークに過去を明かし、ルークがジェイドに歩み寄る」といった形で展開し、ジェイドの方もルークを純粋に叱咤したり皮肉が減るなどの変化も見られるのだが、''自身の非や陰険な態度を顧みる素振りは一切ない''。それでいて「自身に歩み寄り、成長するルークを少しずつ認める」と''上から目線な対応を一貫する''ため、ここらも心証を悪くさせがち。 --最終決戦前のイベントで、アニスに「レプリカ(フォミクリー)を代替品ではない新たな技術として研究を再開したい」と告げるのだが、この技術がもたらした影響の大きさ故アニスの同イベントの発言同様批判が多い。 ---ルーク達との冒険の中で心構えそのものが変わってきたという彼の「成長」を示すシーンではあるのだが、フォミクリー技術そのものが世界の危機に陥れていること、それによって生まれた多数のレプリカに対して民衆から非難一色であることなどから、世界規模の巨悪の如く存在になっているのは言うまでもない。 ---如何に立派な信念や目標であろうと、此処までの大事にしておいて尚それを後世に残すリスクの大きさは最早語るまでも無いだろう。 ---本当に世界の安寧を考えているならば、悲惨なレプリカを造りたくないのならば、二度と他人の手に触れることの無いよう完全に抹消するのが筋ではないだろうか。 -以上のように、シナリオの1つの核となりうるにもかかわらず自身の主義に固執するあまり出し惜しみを繰り返す、立場に到底相応しくない奔放すぎる言動や描写、自分にも他人にも厳しいというスタンスを謳っておきながら自分のことには妙に甘いこと、本作の世界的危機原因になっている事実、過去に対して反省しているようなことを言っているが矛盾した発言や行動の方が圧倒的に多い…等、''本作はおろかシリーズ中でもトップクラスに問題点が多いキャラクター''であり、さらに''彼がPT内でも最年長である''ことが、余計にこれらのアクを際立たせてしまっている。 --ルークやアニス、(レプリカの)イオンのようにまだ未熟さが残る年齢ならまだしも彼のように成熟しきった人間が起こすにはあまりに拙い物事が多く、ジェイドの齎した技術が物語の諸悪の根源となっている事も相まって、彼を嫌うプレイヤーからは''「ジェイドをサンドバッグにしたい」''という声もあるほど。 ---一応、[[とある悪名高きゲーム>テイルズ オブ ゼスティリア]]では、隠しボスとして出現するので、プレイヤー達の悲願は叶ったが。 --ちなみにファンからは「鬼畜眼鏡」という愛称で呼ばれることが多い、なお作中でもガイから一部のスキットで呼ばれていたりルークの日記に書かれていたりする。 --他にも無視できない問題点として、ティア同様に、外伝作品やお祭りゲーに登場した時にティアと同じく他のキャラクターに笑えない嫌味を連発したり、不謹慎な発言まであるなど、態度や発言の悪さが挙げられる。((特に批判を浴びまくったのは『テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-』の予約特典DVDや、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』のGV(ゴールデンビクトリー)など。)) -『[[テイルズ オブ シンフォニア]]』の「クラトス・アウリオン」は思慮深く、そして厳しくも優しく頼りがいがあるなど主人公の父親として最年長としても相応しい言動や人格をしているので、プレイヤーたちから高い評価を得ているキャラクターである。 --なのに対し、ジェイドは上記に挙げるような有様なので、「''どうしてこうなった''」と言いたくなる程、精神的な幼さを実感させられてしまうキャラクターとなってしまった。 } #co{ ''オラクル六神将のメンバーに関する記述''~ -六神将の1人である「鮮血のアッシュ」は主人公であるルークのオリジナル…つまり彼こそ「ルーク・フォン・ファブレ」本人であり、ルークには扱えない譜術を操り、超振動もある程度制御出来たりとルーク並みの能力を持っている。 --それに目をつけたヴァンに誘拐され現在はローレライ教団騎士団の戦闘部隊「六神将」の「鮮血のアッシュ」として暗躍している。 --当初は自身を誘拐したヴァンを殺すべくあえて彼の指導を受け容れていたが、次第にヴァンに心惹かれていくようになる。 --誘拐されるまでの10年間はキムラスカ王国で過ごしてきたため、キムラスカ王国や「戦争のない国を築こう」と固い約束を誓ったナタリアに対する想いは未だに強く、ヴァンの計画を知ってからは葛藤の中それを止めようと水面下で動いている。 --同時に「ルーク本人」として自分の本来の居場所を奪ったレプリカのルークに激しい憎悪を抱いており、両者の確執もシナリオの大きな要点となる……はずなのだが、その割に大きく矛盾した行動があったり言動がおかしい。 --ルークとの回線(いわゆるテレパシーのようなもの)を繋ぐという自身の目的のためだけに同じ六神将のアリエッタに自国の港を襲撃させ、シンクやディストも共謀させ人質として整備工を拉致し、キムラスカ兵に大勢の死傷者を出している。((何かの拍子でナタリアに知れようものなら、取り返しのつかない溝を生む結果になることは言うまでも無いだろう。)) --なお、この出来事にヴァンは関与しておらず(むしろヴァンに対する敵対行為)、彼の独断である。 ---ヴァンの命令に背いて犠牲者を出したことでアリエッタは(ほぼ形骸化しているとはいえ)処罰されたのだが、その元締めであるアッシュは処罰を受けた様子が無く、それどころか、後にセフィロトを開かせるために漆黒の翼((シリーズ恒例の3人組。設定は作品ごとにまちまちだが、本作ではサーカス団兼裏稼業の二足の草鞋な生業をしている…という設定。))を雇い、導師であるイオンを拉致させるという更なる蛮行を犯す。 ---さらに中盤のイベントで、国賊と認定されたルーク達を襲うキムラスカの兵士と将軍に「力ない民を守るのがお前ら軍人の仕事だろう」と憤慨する場面があるが、その軍人を私情の為殺害させ、さらに力なき民である整備士を人質として拉致した事実を見ると「よりにもよってお前が言うか」という印象にしかならない。 --アグゼリュスの件ではかなりの情報を持ち、ルークを止められる可能性を持っていた人物なのだが、それより前にタルタロスでルーク達に譜術で不意打ちを仕掛ける((さらに、兵士から昏倒した彼らの処遇を問われた際「殺せ」と即答している。一応、六神将のリグレットの忠告を受け渋々撤回している。))。 --国境でいきなりルークに斬りかかる。戯れ半分にルークを操ってティアを襲わせようとする。イオンを拉致しザオ遺跡で対峙する…など明らかな敵対行動を繰り返しており、その結果アクゼリュスでテレパシーを通して彼を止めた際にもルークに拒絶されて振り切られている。((ただし、「カイツールでヴァンの計画を知った」という発言があるため、それ以前の出来事であるタルタロスの件に限っては情状酌量の余地はあるが。)) ---また、後のイベントでヴァンに勘付かれ他の六神将に監視されていた事も明らかになり、表立って友好的な接触が出来なかったのも事実である。だがそれを考慮しても敵対行為の度が過ぎている。 ---惨劇から暫く後のフェイスチャットで漸くルークとの回線を繋いだ目的を明かすのだが((ヴァンの計画を止めるため、彼がヴァンの行動を探って回線を通じたルークに表立った行動をさせ連携をはかるつもりだった。))、''「ここまで馬鹿な出来損ないだと知ってりゃ繋ぎはしなかった」「レプリカなんかアテにした俺が間抜けだったワケだ」と偉そうにルークを罵倒する。''((上記の蛮行を考えると、聖人君子のような人物でなければ無理な話だがそんな人物だったらそもそも殺されている。)) ---そして自分が直接協力を申し出なかったのはルークに全面的に非があるような物言いを続けるのだが、当初ルークがヴァンに依存してヴァンへの干渉に期待できなかった事は確かだが、それはそれとして今迄の敵対行動を顧みる・指摘されることはこのチャットはおろか本編でも一切無い。精々共闘当初多少疑われ、ガイから父の行動の影響(アッシュは関与していない)からやたらと邪険にされている程度。((この件に於いては、彼(アッシュ)の両親に問題があるのであって、ルークとアッシュからすれば、ガイの恨みは飛んだとばっちりでしかなく、逆恨みにしかなってない。)) ((これらの行為に理由があるとすれば、結果的にルークに存在を奪われたことに対する腹いせ以外に考えられないのが現状である。(特にアニメ版に於いてはそれを強調する描写がある。)ただし、それもヴァンが元凶にある為、逆恨みにも等しい理由で余計な行動を取っているとか思いようがない。結果的に対処の機会を失ってしまったのであれば、ジェイドやアニス以上にルークを責められない立場とも言える。)) --中盤以降はルーク達とは別に漆黒の翼と行動をとるのだが、ルークへの憎しみ故つっけんどんな態度をとり、回線での連絡も一方的かつ投げやり、ルークが彼との同行を真摯に申し出てもそれを拒否して単独行動を一貫し、共闘関係を謳っておきながらそれを活かせていない事態も多く発生する。 ---ルーク達と合流しても、重要な情報も自分の立ち位置も殆ど語らない為、ティアやガイとジェイドは長い間彼への不信を拭えず、アッシュを擁護するルークやナタリアとの間で余計な仲間同士の対立を生んでしまっている。 ---また、前述の通りルークが自分の存在意義に苦しみ、時としてオリジナルであるアッシュに対しても「俺はレプリカだから」と卑屈な行動を取ることもあるのだが、この時にも「お前がそんなことを言える立場だと思っているのか」と悪態をつくのは結局変わらずである。 ---アッシュ自身もとある事情で生き急いでいたとはいえ、今まで自身のレプリカだからと強く嫌悪していた割には発言に一貫性がなく、ルークを余計に苦悩させ困らせる結果になっている。 ---こちらはあくまで結果論ではあるのだが、陸上装甲艦や飛行艇での移動手段が充実しているルーク達と、それらを持たないアッシュ達ではどうしても歩幅が合わず、テレパシーもアッシュからしか送れず互いの情報共有や合流に支障をきたしている場面が多い。また追跡していたスピノザを逃す、六神将やヴァンに特に有効打を与えられていない、ルーク達に重要な情報を幾度ももたらした訳でもなく、この分断行動自体空回りしている感が否めないものとなっている。 ((一応だが、節目節目の大きなイベントでは彼の手助けによって事態が収束し、最後の最後での大盤振る舞いによってルーク達の攻略に大きく貢献しているなど、全く無駄になっている訳ではないが。)) ---結局、ジェイドと同じく、重要なことを語らないために最後まで事態の悪化を繰り返している。 --同じく大きな争点になるはずのナタリアへの葛藤についても、既に割り切ってしまっている為かことあるごとにそれを主張するナタリアとは異なり彼からはそれほど深く触れようとはしない。 --その上、最後まで彼なりにナタリアをどういう存在とするのかという結論をプレイヤーに提示することもなく、後半以降は彼女との目立ったやり取り自体がほぼ無くなり、最期まで彼女について特に言及する事は無い(裏ではかなりナタリアに執心している事がうかがえる会話はあるが)。最期まで積極的に彼に接触するナタリアとの温度差が目立ってしまう。 --以上のことから、''全体的にルークへの憎しみが表面に出すぎてしまい、結果的に悪い方向にばかり場をかき乱してしまった''感は否めないだろう。 --自身の私情にしがみつくばかりで大した成長も見せず、ひたすらルークを邪険にし続けるその態度に辟易するユーザーも多数いた。 --特に最終盤、精神的に自立したルークがアッシュの罵声を論破した際支離滅裂な言動を経て無理やり決闘に持ち込む場面があり、何よりルークに依存し精神的に自立できていなかったのは彼自身だという事が露呈される。 ---最終的にはルークとの互いの存在をかけた一騎打ちを経て彼を認めたからこその行動を取り大きな見せ場にもなっているのだが、態度的にルークとの和解及び成長があまり感じられないという声も多い((ただし、ここでルークと和解させてしまうと、完全に『カルマ』の歌詞の意味から削がれてしまう為、ある意味、やむを得ない処置ではある。))。 ---実年齢はレプリカであるルークよりずっと上なのに、発言や態度が全体的に幼稚で浅はかな為、「''こんなオリジナルだったからこそ、よりルークの成長が実感できる''」という皮肉すらある。 ---ルークと別れた後に彼が辿ったあまりに残酷な最期((逃げ場の無い部屋で無数の敵兵士に取り囲まれ、剣も持たない状況からの戦闘を余儀なくされた上に、最終的には一瞬油断した所を敵数人に串刺しにされ、最後の余力で相打ちにした末に人知れず力尽きた。アニメ版では最後の数人を倒そうとした時に音素乖離の発作を起こして…という形になっている。))を考えれば、憎しみに囚われて生き続けた末の、一種の報いは受けているとも言えるが。 ---ただし、自らの居場所がヴァンの策によって追いやられていた事を考えれば、''ルークと同様、ある意味で被害者側の人物であった事は確かだとも言えるのかもしれない。'' -六神将の1人である「死神ディスト」は、本作の敵キャラクターの中でも最後まで生存する数少ないキャラクターで((終盤のサブイベントをこなす中で生存が発覚し、メインイベントのみを進めていると殉死したような扱いになっている。))、基本的にギャグ(いじられ)キャラとして扱われている。 --だが、ジェイドの項目でもあるようにフォミクリー技術を彼と共に研究し、彼が禁忌とした後もそれを無断で使用した、''本作の元凶の主要人物の1人である。'' --その理由も完全に本人の独り善がりのエゴでしかなく、作中その事実について追及された描写がジェイド以上にほとんど無く、終始ボスとして立ちはだかる・或いはギャグシーンになるばかりである。 --該当するサブイベントを最後まで進めるとマルクト軍に拘束されるのだが、その罪状は軍の機密情報を持ち出した為と、フォミクリーとはまったく無関係のもの。 --逮捕された後も一度別のサブイベントで登場するが、例のごとく糾弾されることもなく軽く扱われ続けるので、違和感の塊のような人物となってしまっている。 ---余談だが、ドラマCDなどのメディアミックスや他の作品などで出演する場合も基本ギャグキャラ的な扱いで、挙句本作のアフターストーリーを描いたドラマCDでは''牢獄内でマルクト皇帝やジェイドと談笑した挙句条件付とはいえ釈放までされる。'' ---設定をちゃんと知っている人からするともはや違和感どころではなく、反感しか買わないだろう。 -六神将の1人である「妖獣のアリエッタ」は途中で死亡してしまうが、彼女の場合は生い立ちからして「赤子の頃に両親をホドの大津波で失い、魔物のライガクイーンに育てられる」というものであり、それが原因で16歳であるにもかかわらず小柄で言動が拙く、感情を上手く表に出せず他者に対して好意的に振舞うことが出来ない。 --導師イオンの守護役を勤めていたが、イオン自身の意思によって解任され、六神将となる。''しかも後任がよりにもよって彼女に罵声を浴びせ邪険にしまくるアニス。'' --厳密に言うと、アリエッタが付き従っていたのは本編に登場するイオンではなく先代であるオリジナルのイオンであり、彼が死に際に「自分のレプリカにアリエッタを渡したくない」と決断した為に守護役を解任されたのだが、最後まで彼女がそれを知る事はなかった。 --序盤でミュウの放火から巡り巡った結果、ルーク一行に母親のライガクイーンを殺され、慕っていたイオンもアニスに奪われてしまったと思いこんでしまったアリエッタ((間接的にとはいえアニスがイオンの死に関わっているのは事実ではある。))は、最終的に六神将の1人・ラルゴを検分役としルーク一行に最後の戦いを挑み、敗北してしまう。それでいて六神将最初の犠牲者となってしまった。 --先述したイオンの真実などもほとんど知らないまま、『アビス』のキャラの中でも終始救いがなく報われない最期を迎えるのだが、全体的にアクの強い『アビス』のキャラの中では純粋に悲惨な生い立ちやイオンへの一途な想いなどからプレイヤーの人気も高く、そもそも人気以前に''「あまりにも扱いが酷すぎる」「何も殺す必要はない(殺す必要性がない)」という批判が多い。'' --対照的にアニスが上述した有様である他、そもそもアリエッタの事情を知っていて理由はあるもののそこを加味しても「根暗ッタ」などと呼び終始異常に邪険に接していた為、益々アニスへのヘイトが高まった一面もある。 ---アニスが辛辣な態度だったのは「今更真実を告げて混乱させるより、自分が最後まで憎まれ役として泥を被れば済む話」という彼女なりの配慮からだったのだが、''そうして憎まれ役を最後まで演じ続けた末に当人を返り討ちにして死亡させてしまう''というのはいかがなものか。 ---一応、お互いに手加減抜きの死闘を望んだ結果で当初アニスも1人で挑む気だったこともあり、仮にアニスの方もそれで負けたら潔く受け入れるつもりでいた可能性はあるが、いずれにせよあえて最後見殺しにする必要性は感じられない。言うまでもないが六神将の方からしても。 --彼女もタルタロスを襲撃して乗組員を皆殺しにする((アニスの「アリエッタはタルタロスの乗組員の仇」というユーザーを逆なでする理論の影に隠れて忘れられがちであるが、これ自体が非常に大きな罪であるのも確かである。))、先述のアッシュと共謀しキムラスカの港を襲撃する等相応の悪行も起こしてはいる。 --しかし、こちらも目的のために積極的に自らの意思で悪行に及んでいた六神将とは異なり、アリエッタに関しては上から命令されたのでよく分からないなりにやっている程度の印象がある。 ---ここまで読んでいただければ分かるが、アニスはいうまでもなく、さらには上記のディスト(およびジェイド)など、アリエッタがやったこととは比べ物にならないほど遥かに重い罪を作中で犯しておきながら最後まで円満に生き延びる人物が多々いる為、釈然としない気持ちもでてこようというものである。 } #co{ ''その他のキャラクターに関する記述''~ -導師イオン((ただし、彼はオリジナルであるイオンのレプリカであり、オリジナルのイオンはこのレプリカのイオンとは真逆の冷徹な性格をしている。しかし、彼の「12歳までしか生きられない」という悲惨な生い立ちやアリエッタに一途な愛情を注いでいたこと、幸か不幸かゲームでは粗が出る程の出番はなかったためか、このレプリカイオンとは異なり非難の声は比較的少ない。彼に関する描写はコミカライズの『テイルズ オブ ジ アビス アナザーストーリー 公式外伝集 』で描かれている。))は基本的に温和で心優しく、ルークを庇おうとするなど好意的に見られているキャラではあるのだが、''親善大使編での行動がかなり不可解。''途中オラクル六神将のアッシュに誘拐され救出されるのだが、''その際にアグゼリュスへの同行を申し出ている。'' --''頼まれてもいないのに病弱な彼がアグゼリュスに行くという半ば自殺行為をパーティメンバーが当然のように同意する意味がなく、案の定途中で疲労困憊に陥っている。というか仮に導師であるイオンを勝手に連れ回して死亡させたなどしたらそれこそ大問題であり、イオン自身それくらいはわかっているはずである。''そしてそこで先に進みたいルークと、イオンを送り返すわけでもなく休憩を優先する他のメンバーという構図になり、結果的にルークと仲間の不和の一助になってしまっている。本来なら救出したその足でケセドニアの両国の領事館にアニスと共に預けて今後の身の振りを委ねるべきである。 //よく考えたらアグゼリュスのスコアにはルーク絡みしか載ってなかった気がする ---しかもその理由も「(自分に親書を渡すにあたっての仲介役を依頼した)マルクト皇帝にアクゼリュス救助について報告したい」というあまりに微妙なものである。そもそも彼の役目はキムラスカ国王インゴベルトに親書を手渡した時点で終わっており、以降の動向を皇帝に報告するにしてもそれはジェイドの役目であり、彼が報告するにしても非常時という事もあって、アリエッタ処罰の件のように教団から報告書を出して落ち着いてから彼が直接赴く…という形でも問題ない筈であり、いずれにせよこの件にこれ以上イオンが直接介入する余地が無いのである。 --それ以前から目先の正義感や感情で守護役のアニスに無断で単独行動する事が多く、六神将に誘拐されたのも発端もこの独断行動にある。 -アクゼリュスでは最深部であるセフィロトの部屋への扉の封印をルークとヴァンに二言三言頼まれただけであっさり開いた事で惨劇に繋がってしまうのだが、このセフィロトに関しては教団の最高機密と頑なに口を噤んでいたにも拘わらず、何故そこへの扉はあっさり開いてしまうのか??というツッコミもある。生い立ちを考えれば既にヴァンやモースの傀儡にされて逆らえなかった可能性はあるが。 --これに対しては「俺は悪くねぇっ!」の場面で「僕が迂闊だった」と擁護しかけたのだが、ルークの発言に先にアニスがキレてしまい「イオン様は悪くない」と強引に引き離されてしまう。何はともあれルークと一緒に責められるならともかく、イオンの方だけが不自然に擁護されているためにユーザーの反感を買っている。これでもルークに理解を示そうとしてくれるだけ当時の仲間の中では最も穏やかな対応である。 -マルクト皇帝であるピオニーはキムラスカ王国との終戦を望み幼馴染であるジェイドに親書を託す、正体を明かしたガイの身分を確保するなど善政を敷いているが、皇帝という立場を考えるといささか性格や行動が軽すぎる。 --皇帝らしからぬ気さくな性格で、謁見の間で臣下であるジェイドを「使えない奴で困っただろう」とルーク達の前でからかう、ファンシーな家畜であるブウサギを多数飼育し知己の名前を付けている。 --そろまでなら純粋なコミカル要素と見る人が多いが、初恋が実らなかった事で結婚(跡継ぎ)を放棄していることが明らかになる・同じく謁見の間で(和平条約が結ばれたとはいえ)他国の王位継承者であるルークに対し自国に住むか?と冗談半分で告げる、あるサブイベントで彼がコレクションしている武器を貸す条件としてルークやナタリアにまで自分に媚びた態度をさせる、飼育しているブウサギを逃してルーク達に捜させる…など、一個人のコミカル要素にしても''公私混同が甚だしいという批判も少なくない。'' --さらにドラマCDなどでは''執務が面倒だからとジェイドの執務室に逃げて立てこもった挙句ジェイドの執務より自身の我侭を優先させる''、ディストの件でもあるように''ジェイドを共謀までさせて皇帝自らが収容所に出入りして幼馴染とはいえ囚人と談笑する''ことが明らかになり、国民の血税と多くの凄惨な世継ぎ争いの上で暮らしていることへの自覚を疑う声まで出ている。 ---こういう奔放な国王自体はRPG界隈だけ見てもさほど珍しくはない。しかし、本作の場合マルクト皇室は人間・権力関係が複雑であること、皇帝の座を狙う者達に揉まれている…など、なまじ外枠にリアリティを持たせているためこれらの奔放な振る舞いが悪目立ちしてしまっている。そんな中皇帝自らがこのような身勝手な行動を繰り返せば反皇帝派などから真っ先に反乱や罷免の材料にされてもおかしくない。 ---にもかかわらずそれについて本編では取り沙汰されることが無く「普段は奔放だがいざという時の統率力は確かな皇帝」というスタンスを保ち続ける為、ご都合主義感が非常に強い。 ---ジェイドの幼馴染という点についても、ジェイド本人が上に挙げたように''人間性・所業などの問題の塊のようなキャラクター''であり、ピオニー自身も彼を咎める場面などがほとんど無いことから、''典型的なえこひいきでジェイドを好き勝手にのさばらせているだけでは?''という見方も強い。 } //#endregion ---- **総評 //総評は、読みやすくなるようできるだけ箇条書きなしの散文で書いて欲しい。 前作『レジェンディア』の発売前に『アビス』が発表された当時は、10周年作品と銘打っており、キャラクターデザインが『ファンタジア』『シンフォニア』を手がけた藤島康介氏であったことから大きな期待を集めた。~ シリーズの中でも人気は高く、ドラマCDや小説、漫画が多く発売されたこと、下記するテレビアニメが放映されたことからもうかがえる。~ 事実前身となった『シンフォニア』からグラフィック、演出、戦闘システムそのもの、ボイス量…といった部分は確実に進化しており、シリーズ作品としては大きな前進を見せた。 しかしロードの遅さや多数のバグ、感動的なシーンでの誤字などのユーザビリティに欠ける面が散見される。~ シナリオやキャラクターの面では、メインキャラクターの多くが良くも悪くも王道からかけ離れた性格付けをされていること、随所で後味の悪さが残る暗いシナリオ、プレイヤーが感情移入しやすい主人公の扱われ方が他キャラに比べて実に理不尽な点などが、人にもよるがストレスに受け取られやすい。~ 一通りクリアして世界観や人間関係を理解した後で周回プレイをすると、序盤から巧妙に伏線が張られていることに気がつくが、それ故に問題の多い仲間達の言動によりいらついてしまうという意見も少なからず存在する。~ その一方で、理不尽な現実に立ち向かい未来を掴み取ろうとするルークの生き様が高い人気を集めている。 同じ側面を各人がどうとらえるかによって本作の評価は大きく変わる。~ レビューサイトや掲示板を見ても、「''主人公であるルーク本人の丁寧な心理描写と魅力的で斬新身のあるキャラクター像''」に対して賞賛する者も居れば「''主人公以外の誰にも感情移入出来ない上、ストーリーの整合性が全く取れていない駄作''」として嫌う者まで幅広い。~ まさにCOLOR(red){''賛否両論''}である一方、単体のゲームとしては良作で、充分な開発期間さえ確保出来ていれば…という旨の見方も決して少なくない。 シナリオの大筋や肝心な整合性そのものはしっかり取れており、物語そのものの質も十分に高い。~ シナリオの重さやキャラクターのトゲのある言動や極端な描写が気にならないのであれば、外部のレビューを鵜呑みにせず自らの手でプレイし、自分の意思で未来を選ぶ世界を目指す主人公のルークの顛末を見届けてみて頂きたい。 ---- **北米版について 本作は北米向けにも発売されており、日本版のそれに秘奥義やカットインなどを追加している他、一部の仕様を調整している。~ 特に追加の秘奥義の存在はファンの間で一時盛り上がりを見せ、北米版の要素を追加したバージョンの作品を願う声が多く挙がり、後の3DS版によって実現した。 #region(北米版で追加された要素の一部) -シナリオ冒頭の長髪ルークも「レイディアント・ハウル」を使用できるように(国内版では2周目以降も断髪時のみ)なった。長髪時専用のカットインも追加されている。 -ルークに新秘奥義「イオン召喚」とイオンのカットインが追加。 --レイディアント・ハウルからの追加技。シナリオ上でイオンがルークと同行している時のみ使用可能。 -ティアに秘奥義「フォーチュン・アーク」に追加攻撃が追加。 -ガイ、ナタリアに第2秘奥義「閃覇瞬連刃」「ノーブル・ロアー」が追加。 --それを考慮してか、ガイの「宝刀ガルディオス」の入手時期がやや遅くなっている。 -闘技場のリッド、フィリアの秘奥義「緋凰絶炎衝」「セイクリッドブレイム((正確には「Sacred Penance(セイクリッドペナンス)」である。もっとも、内容そのものは「セイクリッドブレイム」と大差はない。))」とカットインが追加。日本版で何故かカットインがなかった「極光壁」「タイムストップ」「ビッグバン」「ワイルドギース」にもカットインが追加。[[リメD>テイルズ オブ デスティニー (PS2)]]のフィリアはこの「セイクリッドブレイム」を逆輸入した。 -ラスボスに新秘奥義「神葬星条破」と新規カットインが追加。 -隠しボスに秘奥義「イノセント・シャイン」「フォーチュン・アーク」「ミスティック・ケージ」「インディグネイション」「絞牙鳴衝斬」と新秘奥義「エンドオブフラグメント」が追加。それぞれの秘奥義に新規カットイン付き。 --余談だが『ヴェスペリア』に「エンドオブフラグメント」とよく似た秘奥義「スーパーダオスレーザー」なるものが追加された(発売時期は北米の『アビス』の方が早い)。 -アッシュが一戦目から特定の条件で秘奥義を使用してくるようになった。 -幾つかのバグ修正。 -国内版で強力なコンボ技として猛威を振るっていた一部の特技や奥義に硬直が追加される等、戦闘バランスも多少とはいえ調節されている。 -戦闘ランク「アンノウン」の敵パラメーターの上昇が4倍から3.5倍に変更。 --これにより上記の敵やボスにもダメージが通るようになった。ドーピング無しでも裏ボスに物理ダメージが少しとはいえ通るようになったのは大きい。 -一部のボスが使用してくる「タイムストップ」が秘奥義扱いとなり、アイテム画面を開けなくなった為アワーグラスで相殺する戦法が通じなくなった。 -日本版で長かったロード時間は改善されていない。 #endregion ---- *テイルズ オブ ジ アビス(3DS版) |対応機種|ニンテンドー3DS|&amazon(B004QTQ2XU)| |メディア|2Gbyte3DSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |発売日|2011年6月30日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |配信|2014年12月3日/2,980円|~| |廉価版|Welcome Price!!&br;2017年6月1日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| ※PS2版と異なる内容のみ表記している。 ---- **特徴(3DS) -上記の北米版をベースに製作されており、追加・変更点も北米版のものを引き継いでいる。 --3DS版独自の追加要素といったものは無い。 -2014年12月3日からダウンロード版を配信。実質的な廉価版である。 --2015年1月4日までに購入すると、同時配信された「テイルズ オブ ジ アビス テーマ」を無料ダウンロードできるキャンペーンが実施された。 **評価点(3DS) -問題視されていたロード時間とバグ、誤植に関して大きく改善されている。 --特にロードの速度は一変してシリーズでも上位の短さとなり、快適なプレイが可能。 -ガイの武器「宝刀ガルディオス」の入手時期やルークの称号「タクティカルリーダー」の入手条件・入手時期は日本版のまま残されている。 --北米版の場合、前者は日本版より入手時期が遅く、後者は日本版と違い裏ボス戦時に難易度を高くしておく必要がある為、全体的に国内3DS版の方が易しく、ガイの第2秘奥義も早めに使用できる。 **問題点(3DS) -PS2には無かった新たなバグも発見されている。 --「ライガクイーン戦でティアのフォーチューン・アークの追加攻撃が出せない」など。 --ただし、ほとんどがPS2版に比べると条件が限定的で、通常プレイで遭遇することはほぼ無いと思われる。 -解像度の関係で一部グラフィックが微妙に粗く、柱の模様が簡略化される、読みづらいフォントに変わるといった特徴がある。 -マップ移動や戦闘画面への突入等のロード時間は改善されたが、新たに戦闘時にFOF技や秘奥義を発動する際の数秒間の戦闘の停止や、術の発動が数秒遅れるといった処理落ちが頻繁に起こるようになった。特に術の発動は戦略に関わってくる。 --細かなところだと、フェイスチャット時のグラフィックの動きもぎこちなくなっている。 -ローカルプレイやWi-Fiといった通信機能にも対応しておらず、2人以上でのマルチプレイは不可能。完全に1人用のゲームとなった。 **総評(3DS) 総合的に見れば、PS2と携帯機とのスペック差故に細かな粗こそあるがしっかりと移植再現されており、システム面での不備も多く修正され、より遊びやすくなっている。~ PS2用の、それもそれなりのグラフィックや容量、処理を求められる本作を限りなく忠実に移植出来た事から、3DSのゲーム機としてのスペックの高さも垣間見える一作である。~ 北米版での追加要素も全て網羅しており、本作を初めてプレイするという人はこちらをお勧めする。 ---- **余談 -キャラクター毎の賛否両論点でも挙げたルークの台詞「俺は悪くねぇ!」について、本作でも大きく取り扱われているのは上述の通りだが、ネタとしてもそれなりに広がっている。 --本作及び『テイルズ オブ』シリーズ自体は知らないがこの台詞及びルークは知っている、という人も多い。 -ゲーマーとしても有名な小説家の宮部みゆき氏が本作を絶賛している。 -2021年12月27日にテレビ朝日系列で放送された『テレビゲーム総選挙』では本作が53位にランクインした。 --これは番組内のランキングにおける''『テイルズ オブ シリーズ』で唯一のランクイン''である。 ---本記事にもあるようにシナリオ・キャラクター関連に批判的な意見こそ多いものの、本作に対する強い支持者も多いことが窺える。 ---- **その後の展開 -2008年10月~2009年3月にかけて、MBS制作にてテレビアニメが全26話放送された。 --作画やサブキャラクターの声優が軒並み変更されている事に評価が分かれるが、2クールにも渡る放送故に概ね本編シナリオを再現しており好評。本作をプレイしていなくとも1つの作品として理解できる程のボリュームである。 --なお、アニメ版のOP主題歌も「作品のテーマとしてこれ以上ない曲」という選考理由によりゲームと同じ「カルマ」が採用されている。 --また、MOR氏の作詞作曲によるED主題歌も藤原氏がアレンジという形で関わっている。こちらもストーリーを非常に汲んだ曲に仕上がっている。 -主人公を筆頭にキャラクターの癖はかなり強く賛否両論に分かれることとなったが、なんだかんだ人気は高く後のシリーズ共演作品では本作品のキャラクターが多数登場している。 --しかし、その中でアビスキャラを巡った度の過ぎた描写や発言、露骨な優遇…等、他シリーズ作品ファンの顰蹙を買う事態も起こってしまっている。 --当記事の中でも所々で書かれているが、アビスキャラがお祭りゲーで露骨に優遇される裏で、他のシリーズキャラがアビスキャラを持ち上げるために、いわゆる『踏み台』にされるケースが非常に多い為、(アビス本編の評価とは別に)それを快く思わないファンも多い。 --また、原作のアビスをプレイしていないプレイヤーが、お祭りゲーでのそういう描写を見てアビスにヘイトが集まる事態が起こっているのも事実である。 --特に、シリーズキャラ集合作品『[[テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3]]』では今まで不参加だったナタリアが参戦し『アビス』のパーティキャラが全員揃った。 --同時に「ラスボスが''プレイアブルキャラ(味方陣営)として参戦が決定''」したため((他には『ラタトスク』のリヒターがいるが彼は極僅かな期間主人公エミルと行動を共にしている。今作のラスボスは原作で絶対に和解できないタイプのラスボス。))に様々な面で波紋を呼ぶ羽目となってしまった。 -2023年に3DSのニンテンドーeショップが終了。3DSダウンロード版の新規購入ができなくなってしまった。 //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //ナムコ,PS2,3DS,2005年,RPG,テイルズオブ

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