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*不思議のダンジョン 風来のシレンGB2 砂漠の魔城 【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんじーびーつー さばくのまじょう】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&amazon(B00005QZNY)| |対応機種|ゲームボーイカラー(専用)|~| |発売元|チュンソフト|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |開発元|チュンソフト&br()スティングレイ|~| |発売日|2001年7月27日|~| |定価|4,725円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[風来のシレンシリーズ関連作品リンク>不思議のダンジョンシリーズ#id_1f3b456f]]''| //https://www.spike-chunsoft.co.jp/games/shirengb2/ //公式サイトによると発売日は2001年7月19日になっています。ただし、実際は27日に発売されたという非公式情報もあるようです。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 携帯機では第二作目となる風来のシレン。砂漠の町イルパとその郊外にそびえ立つ魔城を舞台に、シレンの新たなる冒険が始まる。~ シリーズ異質のシステムが多いながらも、そのバランスに準拠した内容になっている。~ そこから出る相変わらずの中毒性や、GBとは思えない異例のボリュームから今でもファンは多い。~ 後にシリーズのお約束となる「風来救助隊」が初登場した作品でもある。 ---- **特徴・評価点 -「奈落の果て(もっと不思議)」だけにとどまらない、非常に個性的なクリア後ダンジョンの追加。 --「トンファンの穴」 いわゆる肉ダンジョン。後述する旅仲間「ンフー」の能力を活用しながら進んでいく。 --「天下一ワナ道会」 いわゆる罠ダンジョン。罠をアイテムとして持ち運んだり、別の罠に作り替えることができる。 --「鍛冶屋のかまど」 アイテムを持ち込めるが、1Fから強い敵が出てくるダンジョン。やまびこの盾など、ここでしか販売されていない装備品が多数ある。 --「壺の洞窟」 1Fから敵が強い上にアイテム持ち込みが不可能で、シレンのレベルも1から上がらないため、まっとうな戦いをせずにひたすら逃げ回るダンジョン。 -全体的な装備品の調整 --各武器・防具に、『[[シレン2>不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!]]』から登場した「印数」に加え、新たに「強化限界」が設けられた。 ---過去作では原則どの装備も+99まで鍛えられたが、本作では装備ごとに設定された強化限界までしか鍛えることができなくなった。 ---これにより、初期攻撃力は低いが印数と強化限界に優れた「マムルの剣」、強化限界は低いが初期防御力は高い「百鬼の盾」など、装備ごとに様々な個性が発揮されるようになった。 --特定の装備の組合せで発生する、「共鳴」システムが初登場。うまく使えば戦いが有利になる。 ---「ドラゴンキラー」と「ドラゴンシールド」の組み合わせのような特定の装備品を同時に装備すると、特別なプラス効果が発生する。 ---攻撃力や防御力が上がる以外にも、「最大HPが20増える」「ワナにかからなくなる」「腕輪が壊れなくなる」といった強力な効果が得られる組み合わせもある。 ---「バトルカウンター」と「ちからの腕輪」など意外な組み合わせで共鳴が発生することもあり、共鳴相手を探すのも楽しめる。 --武器と盾だけでなく''腕輪も合成できるようになった''。今までより腕輪の実用性が上がった。 ---「ハラヘラズの腕輪」と「回復の腕輪」を合成して「満腹度が減らなくなる上にHPが高速回復する」といったような、強力な性能の腕輪も作れる。 ---腕輪は攻撃を受け続けるとヒビが入って壊れるが、前述のように腕輪を壊れなくする共鳴がある他、「金の腕輪」など元々壊れない腕輪も登場する。 ---マイナス効果の腕輪は印数が多く、壊れる確率も低く設定されている。特に「ハラヘリの腕輪」は印数が多く、ハラヘラズを合成することでデメリットを打ち消せるため、不要品とされてきた旧作から一気に最強格の腕輪として躍り出た。 -装備品以外のアイテムも呪われるようになった。また、呪いの対となる祝福システムが初登場。 --装備品以外の呪われたアイテムは使用できなくなり、ぶつけてダメージ2以外の能力を発揮できなくなる。~ そのため、呪いをかけてくるノロージョ系は今までの作品より難敵になった。 --一方、一時的だがアイテムの性能を大きく上げる祝福も登場。~ 特に巻物は、祝福されていると複数回読めるので強力である。「ふっかつ草((本作では「復活の草」ではなく「ふっかつ草」表記))」も祝福すれば2回使えるようになった。 -桁違いの性能を誇る旅仲間「ンフー」。 --クリア後に仲間にできる彼は、肉を与えることでその肉のモンスターの能力を使えるようになるのだが、強力な能力を厳選して覚えさせるととんでもない性能になる。 --能力は合計10個まで覚えることができ、その組み合わせは千差万別。「イカエンペラー」「ヒャクメまじん」「オドロ」「救命ウサギ」「壺釣り長老」などは特に人気が高いが、これらを全部入れてもまだ5枠残っている。 --シレンが該当モンスターの肉を食べるよりも、遥かにノーコストで技を出せるのは大きい。トンファンの穴では、厳選した特殊能力持ちのンフーが戦闘の要になる。 --「奈落の果て」では使えないため、バランスブレイカーにはならない。~ むしろ、''鍛冶屋のかまど素潜りプレイ''という新しい遊び方を開発した素晴らしい仲間といえる。 -特訓ダンジョンというものが実装された。これは、以前に潜ったことのあるダンジョンに潜れるというもの。 --これだけだと「普通にダンジョン行くのと何も変わらないんじゃ?」と思われるだろう。&br()が、通常帰りにくい「奈落の果て」でも確実に指定した階層で帰ることができるし、何より''全く同じ構造・アイテムのダンジョンに再挑戦出来る''事が大きい。 --毎回構造が変わるのはちょっとハードルが高いという初心者にも、やりこみの為に特定のアイテムを大量に集めたい上級者にとってもお得である。 --クリア後以降はパスワードとして出力・入力が可能になる。特定のアイテムが出るダンジョンを残したり受け取りたい、という場面で活躍できる。 -今後のシリーズでもおなじみとなる、''風来救助隊''が初めて実装された。 --ダンジョンで死んでしまった!復活草も無い!という状況、前作までならもう終わりだったが、本作からは他のプレイヤーに救助を頼んで死んでしまった階層まで潜ってもらうと、その階層からやり直せるようになった。 --通信ケーブルをつないで直接友達に救助してもらうほか、パスワードを使えば顔も知らない風来人に救助してもらう事も可能。 --助けた側のプレイヤーにも、「ご褒美」としてアイテムが貰えるメリットがある。ご褒美でしか入手出来ないレアアイテムもあるため、救助活動も活発になっていた。 --ただし、「1回の冒険につき救助要請を出せるのは3回まで」であり、救助隊に頼ってどこまでも潜れるわけではない。~ それとは別に、「同じフロアで2回倒れたら救助要請できない」という制限がある。ドロボウ失敗時も救助要請不可。 -ステータス異常「おにぎり状態」に、「まずそうなおにぎり」や「焼きおにぎり」になって倒れるという小ネタが取り入れられた。 --おにぎり状態になると、装備品の効果が消えてアイテムが使えなくなるという特徴は前作までと共通。これらの効果に加えて、今作では「おにぎり状態でデロデロの湯のワナを踏むと即死、地雷などの爆風やドラゴンなどの炎のダメージを受けると即死」というルールが加えられた。 --のちの作品と違い、本作では「おにぎりのワナ」が存在せず、「にぎりもとじめ」や「ガイコツまおう」は炎攻撃をするモンスターと同時出現しないため、狙わない限りこれらの死因にするのは難しい。そのため、一種のネタ要素という面が強い。 --ちなみに次回作の『[[外伝>不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!]]』では、焼きおにぎりはアイテムとして登場することになる。 //↑特徴として取り上げるようなことだと思うのでコメントアウトを消します。 //↑シレンが不利な状態なのに「パワーアップ」、対人ゲームでもないのに「負け」という表記が気になったので変えておきます。 //焼きおにぎり即死は後発の作品で理不尽と言われることが多い。むしろ問題点に挙げるべきでは? -『[[シレンGB1>不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物]]』にあったトロフィー機能「パスワード」は、「冒険の履歴」と「風来人格付け」に分割されてパワーアップ。 --後の『[[シレン5>不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス]]』の「エキスパート証明書」に先んじて、「奈落の果てを剣なしでクリア」などのアイテム縛りプレイの実績が用意されている。 --上記の「おにぎり状態で炎や爆風を受けると焼きおにぎりになって倒れる」のほかに、「イカキング系モンスターにおにぎりを投げるとイカスシになる」といった本作から増えた小ネタの冒険の履歴もあり、それらを埋める楽しみもある。 --風来人格付けは、達成した実績に応じて「旅ガラス」「一流風来人」「伝説の風来人」などの名誉ある称号を貰えるようになっている。 -モンスター関連 --旧作ではノーレベルアップモンスターだったエーテルデビル系、爆弾ウニ系にもLv3まで追加された。 --泥棒時限定の敵対NPCである、盗賊番と番犬にもLv3まで追加されている。 --特殊モンスターハウスの種類が増加。「動物ハウス」「仙人ハウス」といった、本作でしか見られない珍しいハウスも存在する。 -もう一つ本作を用意して通信プレイすることで、アイテムを交換する機能が(チュンソフトの不思議のダンジョンシリーズにおいて)初めて搭載された。 --通信を利用することでしか手に入らないアイテムも存在する。 --中村光一が監修した[[『WS版チョコダン1』>チョコボの不思議なダンジョン]]にあった機能が元と思われる。 ---- **賛否両論点 -モンスター関連 --コクワガッター系レベル3・ノコギガッターの凶悪さ。 ---見えない位置に居るシレンを認識してモンスターを投げてくる(他のシリーズの同能力モンスター「タイガーウッホ」はシレンを視認しないと投げてこない)。 ---ノコギガッターが2体いると''シレンのキャッチボール''を始めて、一方的にたらい回しにされることもしばしば。 ---他の凶悪モンスターと比べて、出現フロアも圧倒的に多い。モンスター1種類を出現させなくするアイテム「ねだやしの巻物」の対象としては筆頭候補。 ---あまりにも有名になりすぎたせいか、リメイク版の『[[DS2>不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』でのノコギガッターは弱体化した。 --おなじみのぬすっトドとガマラ、今作ではワルっトドとワルガマラになっているが…こいつら、従来のトドやガマラと違い、盗んだものはフロアのどこかに置くので、取り返すには追いかけて倒すのではなく、それを回収しなければならない。 ---それだけならいざ知らず、ワルっトドの場合は店に置かれたら商品になってしまうため買い戻すしかなくなるし、壁抜け能力を持つレベル3ワルガマゴンは盗んだギタンを壁の中に置いてしまうため、取り戻すのがかなり困難になる。 ---しかもこいつら、今作では盗まれる前に倒してもアイテムやギタンを落とさないため、戦うメリットが無くなってしまっている。 --通常攻撃を無効にして跳ね返してくる「はんにゃ武者」と「ぼうれいはんにゃ」、通常攻撃が全く当たらない「身かわし仙人」と、通常攻撃が全く効かない難敵が3種いる。何らかのアイテムを使って対処するしかない。前者2種は自然発生しないが、''身かわし仙人は奈落の果ての中盤で普通に出てくる。'' ---ぼうれいはんにゃに成仏のカマで斬りかかると、即死級の反射ダメージが跳ね返ってくるのは語り草になっている。 --ほかにも、あらゆる特殊攻撃を2ダメージ化する能力を得た「ギャザー系」、イカリ・倍速・オオイカリの杖を振るうようになった「バットカンガルー系」、''1ターンに4回連続攻撃してくる「グレートチキン」および「死神」''、「おばけ大根」「オヤジ戦車」「くねくねハニー」が深層で出てくる思わぬ強敵になっていたりと、過去作から強化されたモンスターもいる。 ---ギャザー系は''何故かカンガルーの杖は2ダメージに変換しない''というのも嫌らしいところ。普通にイカリや倍速になって襲ってくる。 --一方、新モンスターであるウツボカズラ系レベル3「祝福カズラ」は、使い方次第でこちらの装備品をお手軽に最強状態にできる。また、「パワーシールド」「ダイバクハツの巻物」「とびつきの杖」「吸収の壺」など、これらの凶悪なモンスターに対抗できる強力な新アイテムも多数用意されている。 ---プレイヤースキルを上げれば、運のみならず腕で凶悪なモンスターを対処できるし、お手軽な強化法も使わずにクリアすることはできる。~ 「理不尽」や「お手軽強化」をどうとるかが、この点の評価の分かれ目となる。 -武具の強化限界が低い。過去作のように+99まで鍛えられる武具は2つしかなく、それ以外の装備は高い物でも+50までしか鍛えられない。 --強化限界自体も「カタナの強化限界>こんぼうの強化限界」なので、弱い武器は本当に要らない子になってしまった。弱い武器は共鳴も弱い。 --ただし、今作は祝福された「天の恵みの巻物」や「地の恵みの巻物」で大幅に強化できてしまうため妥当との声も。 //特に、特殊能力が付いているものは上限が''8''という有様。 //↑上限が8の物が多いのはDS1。GB2では上限が8の武具は存在しない。 -冒険の履歴に難易度や手間がメチャクチャなものが存在する。 --まあやり込み要素なので難しいのは問題ないが、「全ての装備を身につけた」「全てのモンスターをワナにかけた」「全てのモンスターに肉で変身した」の3つは''達成した装備・モンスターを確認できない''ため、いくらなんでも手間がかかりすぎる。 -「壺の洞窟」と「天下一ワナ道会」の難易度が異常に高く、これらのダンジョンの99Fに到達するのは非常に困難。これらのダンジョンも冒険の履歴に関わってくる。 --「奈落の果て」「トンファンの穴」「鍛冶屋のかまど」は程良い難易度だが、上記の2つは難しすぎる。 --シナリオをクリアする分には、99Fまで潜る必要はない。あくまでやりこみプレイヤー向けへの挑戦状である。 -壺の洞窟はシリーズ初の「逃げダンジョン」。シレンのLvが1から上がらず、ほぼ全ての敵がシレンを一撃で倒せる攻撃力を持っている。敵から逃げたり、「とじこめの壺」などを使ってやり過ごすことで進むのだが……。 --ワンミスが即死に繋がるゲーム性も厳しいが、「ほぼ必須アイテムである透視の腕輪が低層でしか拾えない」「食料が普通のおにぎりしか落ちておらず餓死しやすい」と言った点も難易度を上げている。 ---後述している通り、初期アイテムに「おにぎり」が配布されていないのが問題。しかもおにぎりの出現率が低く、検証によると5階までは一切拾えない。 --敵の殆どは特殊能力を持たず、遠距離からの攻撃や倍速行動の敵は存在しない点では理不尽死は抑え目な方である。唯一厄介なのは壁をすり抜けるパコレプキーナくらいだが、動きがランダムな点がある程度救いになっている。 ---しかし、31F以降から出てくるギャザーが難敵。ほとんどの特殊攻撃を2ダメージに変換されるので、高飛び草やとびつきの杖といったアイテムでシレン自身が退避するしかない。さらに、60F以降になるとギャザーの出現率が若干上がる。 --ダンジョン名の通り、カギとなるアイテムは「とじこめの壺」である。 ---本作のとじこめの壺は、モンスターを閉じ込めた上でシレンが拾って持ち運ぶことができ、壺を割ると閉じ込めたモンスターが目潰し状態になって出てくる。目潰し状態になったモンスターは同士討ちに利用することが可能で、うまく使えばギャザーを倒してもらうこともできる。 --『[[トルネコの大冒険3>ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 ~不思議のダンジョン~]]』の「まぼろしの洞くつ」と比較されることもある。 ---まぼろしの洞くつもLv1・HP15で突き進むダンジョンで、遠距離攻撃や倍速行動を行うモンスターが出現するという点で壺の洞窟より凶悪。しかし、あちらでは「爆発の指輪」という救済アイテムがあり、その指輪さえあればほとんどのモンスターを倒せるので、壺の洞窟とはかなり別物である。 ---壺の洞窟はそもそも敵を倒すのが難しく、とじこめの壺で目潰し状態になったモンスターで同士討ちさせるか、HPが少ない洞窟マムルをふきとばしの杖で倒すくらいしかない。モンスターに会う度に何らかのアイテムの消耗を強いられるため、アイテムの節約が重要になってくる。 ---どちらかと言えば、『風来のシレン5Plus』の「ファミ通の挑戦状」「至高への挑戦」というダンジョンの方が近い。こちらはほぼ完全に壺の洞窟をオマージュしており、大きな違いは「とじこめの壺」が「やりすごしの壺」に差し替えられている程度である。 -本作のワナ師状態は、他のシリーズとはかなり異なる独自な仕様になっている。 --落ちているワナを拾うと「ワナのもと」というアイテムになる。ワナのもとは、別のワナに作り替えることができる。 ---こう書くと有利なように思えるが、フロアごとに作り替えられるワナの種類は限られており、「落とし穴」や「デロデロの湯」などの便利なワナが全フロアで作れるわけではない。 ---「序盤で落とし穴を拾い集めておき、終盤の危険フロアを一気にかけ降りる」といった他のシリーズの常套手段は使えない。 --さらに、ワナを作り替えるのにも1ターン消費する上に、ワナが変化する順番は決まっているため、目当てのワナを出現させるのに数ターン必要になることが多い。 ---モンスターが目の前に来てからワナのもとを置いているようでは、とても対処が間に合わない。 ---すぐに強力なワナを仕掛けるのが難しいので、開幕部屋でモンスター数体に囲まれているとそれだけで厳しい。 -そのため、本作のワナダンジョン「天下一ワナ道会」の99Fバージョンは、シリーズ最高峰の難易度を誇る。 --盾がほぼ存在せず、手に入る武器もカタナ以上に強いものが存在しないため、肉弾戦はせいぜい15F程度までが限界である。 ---本作ではシレンの攻撃力が下がることも、肉弾戦で得た経験値が減ることもない。代わりに罠にかけるだけでは経験値は得られず、レベル上げには同士討ちや亡霊武者系のモンスターを使ってレベル上げした敵を地雷などで倒す、と言うのが基本となる。 --飛行タイプへの対策に乏しい。 ---飛行タイプのモンスターは罠にかからないので、ワナダンジョンではこれらのモンスターへの対抗策が重要となる。しかし、本作ではシレン2の「中腹の井戸」のようなモンスターを即死させられる「バクハの巻物」や無理やり罠にかける「ワナ作動の巻物」が存在しない。 ---過去作と共通した対策と言えば地雷を自分で踏んでその巻き込みで倒すというものがあるが、地雷が出現するフロアが限られているうえに、狙って地雷を引けるとは限らないので、飛行モンスターに遭遇した時点では遅いパターンが多い。大型地雷のダメージも即死級に上がっており「地雷ナバリの盾」のような軽減アイテムもないので、これで対策してもその後の回復手段が無ければかなり危険である。 ---まともな対策と言えば「あたらずの腕輪」を装備して飛行モンスターに物を投げて無理やり罠を作動させるという方法しかないのだが…… --80F~89Fに出現するエーテルデビル系Lv3モンスター、「メチルサタン」が最大の難敵。 ---こいつは&bold(){透明状態・2倍速行動・罠にかからない・杖の魔法弾をランダムな方向に反射}という凶悪性能を持つ。 ---シレンの最大HP250・防御力0という状況で、約75ダメージの攻撃を2発繰り出してくる。つまり、HP満タンでも2ターン攻撃されれば死亡。 ---位置を予想しやすい通路なら、「一時しのぎの杖」や「チキンの肉」を投げるなど対処手段もあるが、部屋のド真ん中でメチルサタンに襲われ、どこにいるか分からない状況だと手の打ちようがない。当然あたらずの腕輪を併用したワナ作動もコイツ相手には通用しにくい。 ---80F~84Fは落とし穴が出現するのでまだいいが、後半の85F~89Fは落とし穴が使えず、メチルサタンに怯えながら階段の探索を余儀なくされる。 --それ以前にデブートンやベアボーグ、ノコギガッターも凶悪なので、80Fまで辿り着くのも十分に困難である。 --メチルサタンを乗り越えても、90F以降が最後の鬼門になる。 ---95Fからはなんと、地雷・デロデロの湯・落とし穴と言ったモンスターを即死させる罠が登場しない。まともに使えるのは鈍足の罠・回転盤のみであり、これらを駆使して敵をやり過ごすしかなく、つるはしなどの壁を掘るアイテムを使わないと逃走すら困難になる。それどころか、召喚スイッチ・イカリのワナ・警報スイッチといったプレイヤーに不利な罠ばかり頻出し、これらのワナを敵が勝手に踏んでしまうので、''ワナダンジョンなのにワナ師の腕輪を外して探索した方が安全''と言われる始末。 ---ワナダンジョン故に強力なアイテムが少なく、開幕モンスターハウスに対処できるようなアイテムはほとんど無い。万が一、大部屋モンスターハウスを引いてしまったら、スカイドラゴンに四方八方から炎を吐かれまくって為す術なく終了である。 --少なくとも、『シレン5』の「ゲンさんのシマ」「ワナ師の箱庭」より難しい。旧作の「掛軸裏の洞窟」「中腹の井戸」も難しいという声が多いが、天下一ワナ道会がシリーズ最難関のワナダンジョンと名高い。クリアには相当な運や実力、覚悟が必要となるだろう。 ---天下一ワナ道会は中腹の井戸と同様に、レアアイテムのカラクロイドの盾が手に入る唯一のダンジョンとなっている。「中腹の井戸」50階に相当するカラクロイドの盾だが、「天下一ワナ道会」では90階以降まで潜らないと手に入らず、しかも90階まで到達しても確実に拾えるとは限らない。 -他のシリーズと比べて「自然発生しないモンスター」がかなり多く、多数のモンスターを持て余している。 --自然発生しないモンスターとは、普通にダンジョンに配置されることがない敵のこと。基本的に「上位種か下位種からのレベル変化」「シューベル系の召喚」「特殊モンスターハウス」でしか遭遇する機会がなく、存在意義が薄い。 ---『シレン1』の「ねむり大根」や『シレン2』の「タウロス」など、旧作にも同じような立場のモンスターはいたが、本作は特に多い。 --具体的には、ノコギガッターの下位種「クーワガッター」、上記にも挙げた厄介な能力を持つ「はんにゃ武者」「ワルガマゴン」、他にも「おおチンタラ」「ネズミ黒幕」「ガイコツまどう」「ガイコツまじん」「地獄の使者」「スルードラゴン」「イカだいおう」「おおヒャクメ」「杖振りワルガキ」「ワースゴーグラー」「グレンゴーグラー」など、数多く存在する。 ---あの「アークドラゴン」と「イッテツ戦車」も本作では自然発生はしない。しかし、前者はスカイドラゴン出現階に「タベラレルー」がいること、後者は下位種が同士討ちでレベルアップしやすい性質を持つことから、それなりに見かける機会がある。 --いわゆるモンスター図鑑の「もののけ手帳」を完成させるためには、レベル変化アイテムや「ぼうれい武者」を駆使して様々なモンスターを倒す必要がある。 --せっかく多種多様なモンスターがいるのに、もののけ手帳を埋める程度の価値しかないモンスターもいるというのは残念である。99Fダンジョンが5つもあるのだから、自然発生するモンスターをもっと増やすことは難しくはなかっただろう。 ---ただ、多くの種類のモンスターを出すほどダンジョンが面白くなるという訳でもないし、自然発生するモンスターを厳選してバランスを練った結果とも考えられる。ねむり大根やはんにゃ武者のように、能力が強すぎるのでわざと出現を自重していると思われるケースも見られる。 --ぶっちゃけ、自然発生しないモンスターがいなくてもゲームにあまり支障は出ないので、限られたROMの容量を無駄遣いしている、こいつらを削って新しい要素を入れればさらに面白いゲームになっていた、という意見もある。 ---しかし、「しあわせの杖」や「不幸の杖」といったレベル変化アイテムの利用価値に関わっていることや、ほぼ全てのモンスターに色違いが3種いるというシレンシリーズの良い伝統を守るために、消す訳にもいかなかったと考えられる。 ---- **問題点 -GBCというハードの制約故か、操作性が厳しく、ゲームの処理やテンポも遅い。 --GBCとGBAで若干操作方法が異なっている。GBCではセレクトボタンでマップが表示できるのだが、GBAではその操作は「ナナメ移動モード」になる。 ---恐らく、初期型GBAのボタン配列では十字とスタートボタンの同時操作がし辛いための代替措置だと思われる。 ---ボタン配置がGBC準拠のGBASPもボタンの数が豊富なGBプレーヤーもGBAとして扱われるため、これらのハードで『シレンGB2』をプレイすると「マップをワンタッチで表示できない」という不便な一面ばかりが際立ってしまう(ウインドウから開くことは出来るが、それはGBCも同様)。 ---ちなみにGBCで斜め移動を使いたい場合は「スタート+十字」。操作方法の具体的な違いは以下の通り。 |CENTER:|CENTER:|CENTER:|CENTER:|c |~ボタン操作|~シレンGB1|~シレンGB2&br()(GBC)|~シレンGB2&br()(GBA)| |攻撃|>|>|A| |ダッシュ|>|>|B+十字| |ウインドウ|>|>|Bちょん押し| |アイテム整理|>|>|道具画面でスタート| |振り向き|>|>|スタートちょん押し| |斜め移動|>|スタート+十字|セレクトちょん押し| |矢|>|>|セレクト+A| |マップ|>|セレクトちょん押し|-| |足踏み|>|>|B+A| |旅仲間と入れ替わり|B+十字|>|十字のみ| -セーブデータが1つしか作れない。セーブデータのコピー(バックアップ)も不可能なので、アイテムロストの危険が増えた。 --従来の作品ではデータは2~3つ作れたが、これ以降の携帯機作品(『[[DS>不思議のダンジョン 風来のシレンDS]]』、『[[DS2>不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』、『[[4>不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ]]』)はセーブデータ1つのみが基準になってしまった。 --かつては『シレンGB1』の取説にてバックアップを推奨するくらいバックアップには寛容だったものだが、当時の緩さから打って変わって完全にバックアップを殺しにかかっている、この心変わりっぷりは衝撃的かもしれない。 --次回作の『外伝』では、倒されても紛失・劣化しないエレキ箱などでバランスを取っているが、本作にはまだそういった救済措置もない。 --おそらくは、アイテム交換機能を利用してアイテム増殖を防ぐためと思われる。 //旧GBソフトであるシレンGB1がセーブ3つなんだからGBCソフトが1つしかセーブ作れないのをゲームボーイカラーのせいにするのはどうかと //シレン5はセーブデータ2つになった。 -ゲームの進行を著しく妨げる、続行不可能になる、&bold(){セーブデータが破壊される}といった致命的なバグが多数存在。 --1つしか作れないセーブデータを破壊されるのは致命的である。特に有名なものは公式ページでも警告されていた。 --具体的に言うと、倉庫でダッシュなどの動作を行うと、なぜか冒頭の魔城の牢屋に放り込まれるシーンに移る。~ そのままでも進行可能だが、街の人間が全員いなくなる状態に移り、ゲームを続行できなくなる。 --また、エンディングの終わりの途中で電源を切ってしまうと、街の人間消失バグが発生することがある。こちらは充電切れ等でもない限り起きないことだが、この場合、クリア後のイベントが起きなくなる。ラスボスとは戦えるが、倒してもなぜかレベル1の状態でまたラスボスと戦うという無限ループに陥る。 -本作には「おまもり」「友情の杖」「万能の杖」「吸い出しの巻物」などの没アイテムが存在するが、バグによってこれらが出現してしまうことがある。~ そのまま所持しているとセーブデータに不具合が出る可能性が非常に高いので、万が一入手してしまった場合はすぐに捨てることを推奨する。 --「おまもり」は特に有名で、ネット上の攻略掲示板でも度々出現報告が挙がっていた。現在では再現性がある入手方法も見つかっている。 --鍛冶屋のかまどをクリアすると「ラセン風魔の盾」が手に入るが、この時アイテムがいっぱいの状態だと、何かを捨てるように言われる。この時に装備中の呪われた装備品を選択すると、「おまもり」が手に入ってしまう。 -ダンジョンに入った時に最初から持っている食料が普通の「おにぎり」。他のシリーズでは大きなおにぎり(大きいおにぎり)なのだが。 --本作は前作までと比べてフロアそのものが狭く、探索にかかる歩数が少ないことを見越したバランス調整なのかもしれない。しかし満腹度のやりくりに難儀する序盤で、満腹度50%分の差が出てしまっているのは大きい。 --壺の洞窟のみ初期アイテムにおにぎりが配布されておらず、これも餓死しやすい一因になっている。代わりに最初から「とじこめの壺」を3つ所持している。 -ンフー以外の仲間キャラクターが弱い。 --本作の仲間はレベル上限が10ほどに設定されているが、仲間自身が敵を倒さないと経験値が得られない仕様になっている。 --前述の通りンフーはかなり強いが、仲間は1人しか連れていけない仕様のせいで、それ以外の仲間の活躍を食っているともとれる。 --ペケジは『[[シレン1>不思議のダンジョン2 風来のシレン]]』と違っておにぎりを強請る事がなく、純粋な高火力アタッカーとして活躍できるが、特殊能力がない上にレベルの上限も7と低めに設定されている。 ---ンフーは能力を抜きにしてもペケジを上回る攻撃力・防御力を持っているため、ンフーを仲間にできるようになるとペケジは留守番になりがち。 --お竜は今作でも目潰し攻撃ができるが、その射程範囲は&bold(){隣接する敵のみ}。同じ部屋にいる敵全員に目潰し攻撃ができた『シレン1』と比べて大幅に弱体化している。 ---正面の敵だけを目潰しにしたところで大した意味はない。なぜかといえば、目潰しされた敵は「目潰しされる前に向いていた方向に進み、障害があれば攻撃する」よう組まれているためである。つまり、お竜が敵と殴り合っている最中に目潰しをしても、敵は攻撃する方向を変えてはくれないので、そのまま攻撃を食らってしまう。目潰ししたところでお竜は敵を避けてから攻撃することはない。目潰し攻撃自体にダメージはないため、これではただ無駄にダメージを受けているだけである。それどころか既に目潰しした敵に目潰しする無駄行為を行うこともあり、お竜にタイマンを任せると劣勢に追い込まれやすい。 ---そのため、シレンとの戦いにおいての補助として目潰しを期待するぐらいしか活躍を見込めない。しかし、お竜のレベルを上げるためにはお竜に倒させる必要があるので、育成が難しい。 ---ンフーは「イカエンペラーの肉」を食べさせることで、『シレン1』のお竜と同じ''部屋内にいる敵全員を対象とする目潰しを使えるようになる''。お竜の目潰しを弱体化させる必要はあったのだろうか…… ---お竜はリメイク版の『[[DS2>不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』で再強化され、『シレン1』と同様に部屋にいる敵全員を効果範囲とする目潰しに戻った。 --マーモは『シレン2』と同じく、戦闘は行わないがアイテムを10個預けることが可能。 ---本作では、投げたアイテムもシューノー(収納)してくれるように強化された。そのため、セルアーマー系に弾き飛ばされたアイテムが消滅するのを防いでくれる。 ---反面、攻撃を食らうごとにアイテムを1個落とすという弱点が増えており、倉庫係として安心してアイテムを持たせることができなくなっている。聖域の巻物を預けてしまった際は、落としたら回収不能になってしまう。 ---アイテムを10個持ってくれるというのは、さすがのンフーにも真似できない個性なのだが、それでも圧倒的な魅力を持つンフーを差し置いて連れて行く気にはあまりならない。『シレン2』では他の仲間と併用できることが便利だったのだが、本作では仲間を1人しか連れていけないという仕様が出番を減らしている。 ---そもそも、シュテン山の守り神の化身という設定なのに、なぜイルパの街にまで流れ着いたのかが謎なところである。 ---ペケジやお竜と違ってストーリーに絡んでこないので、その点でも影が薄い。そもそも、マーモは''喋って動けるタンス''というシュールなキャラクターなので、全体的にシリアスな本作のストーリーには似合わないのだが。 --「人形(ゼンマイガー)」という仲間キャラクターに至っては、''上記の3人がまだマシに思えるくらい弱い。'' ---ダンジョンの奥に連れて行き「生かしたまま帰る」と最大9段階パワーアップするのだが、最高まで鍛えてもそんな強くない上、''1度でも倒されると1段階目に戻る''ため、はっきり言って全く使えない。 ---なぜ戻るかというと、「倒された=壊れた」という設定のため。こいつを仲間にするには町の人形屋から買うのだが、壊してから再び仲間にしようとすると修理代を取られる。 ---『シレン2』のリクの方がまだマシと思えるレベル。おそらく旅仲間としては、不思議のダンジョンシリーズ中屈指の弱さであろう…。 ---ところで、この人形を売っているのは「オハギ」と「キナコ」という2人のオカマ男。元ネタはタレントのおすぎとピーコだろうか。 --本作の仲間キャラクターは、にぎり変化の特技を受けると''まずそうなおにぎりになって即死する''((シレンのように数ターンすれば治る状態異常ではなく、アイテムとしてのおにぎりそのものに変化してしまう))という弱点がある。 ---初回挑戦の「トンファンの穴」はンフーを20Fまで連れて行くのが目的だが、17Fからにぎり変化が出現する。~ ンフーがおにぎりにされてしまったら問答無用で冒険失敗になってしまう。何故こんな理不尽な仕様にしたのだろうか。 ---幸いにも、トンファンの穴以外の仲間を連れて行けるダンジョンでは、にぎり変化系は自然発生しないのが救いである。 -フロアの構造が、分かれ道無しの「一本道」になっているケースが多い。端まで行ってしまうと、戻るのが面倒な作業になる。 -レア武器である「秘剣カブラステギ」を入手するのに、別のカートリッジとの道具交換が必須。 --周りに本作を持っている知人がいなければ、自分で複数のカートリッジを買う必要がある。 --9種類のアイテムを集める必要があるのだが、1つのカートリッジにはうち7種類しか出てこないので、ソフトが2つだけだと出てこないアイテムが被る可能性がある。 ---実際、ファンブックで我孫子さんと河内さんがやったときに1個かぶっていた。 --今までの作品では秘剣カブラステギが最強武器だったが、本作では優秀な共鳴相手がいないため、強さにおいても不遇な立ち位置になってしまった。 ---本作の最強装備候補は、優秀な共鳴効果を持つ「火迅風魔刀&ラセン風魔の盾」と「マムルの剣&マムルの盾」の二択である。「剛剣マンジカブラ」の共鳴相手となる盾は「装甲カブラサライ」だが、秘剣カブラステギの共鳴相手はいない。 ---- **総評 GBCのソフトながらそのボリュームは圧倒的。~ バグや調整不足気味な要素も多く見られる一方、独特なギミックや設計から本作を支持するプレイヤーは多い。~ 風来救助隊・特訓ダンジョンなど初心者に向けた要素やシリーズで定番となった要素も多く、シリーズの中でも革命的一作である。 ---- **余談 -クリアキャンペーンの崩壊 --本作においても発売後から約2ヶ月間、チュンソフト恒例クリアキャンペーンが行われた。本作ではタイムアタックではなく、ストーリークリア時のハイスコアを競うというものであったが、新実装された通信システムが原因で崩壊することとなる。 --上手いプレイをするとハイスコアが出ると説明書には簡潔に書かれていたのだが。実際は、進んだフロア数の多さ・倒した敵の多さ・レベルの低さに加えて、「所持アイテムの総売値がそのままプラスされる」という仕様があった。アイテムの売値はスコア内で圧倒的な比率(ほぼ99%)を締めており、これは「アイテムを持ち込まずにクリアするよりも、しこたまアイテムを持ち込んでクリアしたほうが良い」という上手さを真っ向から否定する仕様である。 ---他のシレンシリーズのスコア計算式も似たようなものだが、クリアキャンペーンに利用したのがまずかった。 --それだけならば崩壊とまではいくはずもないのだが、本作から実装された通信・救助システムにより、クリア前のデータにクリア後のデータでしか手に入らない高級アイテムを受け渡し可能であった。 ---当時既にインターネットは普及し始めており、またたく間に情報は広がり、これにより、入賞したいのであればアイテム送信用にカートリッジとGBCをもう1セット用意することが必須となってしまった。 --上記だけでも大分問題ではあるのだが、本ゲームで最も高額なアイテムは「前述したカブラステギのパーツとなるアイテムのうちの一つカランバの矢を99本束ねたもの」であり、所持アイテムの売値を最大にするならば「99本のカランバの矢を、壺増大の巻物で最大拡張した強化の壷にぎっちりと詰め込み、それを所持限界の20個まで用意すること」が最適解となる。 ---当然まともにプレイすれば何百時間と費やさねば揃うわけがないのだが、救助システムのバグであるアイテム分裂バグにより、多少手間だが量産可能。もっと言ってしまえば、当時全盛期であった改造ツールのプロアクションリプレイでデータを弄れば簡単に揃ってしまう。 ---逆に言えば、何百時間とゲームをプレイすれば普通に揃えることも不可能ではないため、ズルをしたプレイヤーとそうでないプレイヤーの区別が全くつかなくなってしまう。 --以上の結果キャンペーンがまともに機能しなくなってしまい、最終的に「上位1000名に対して記念品をプレゼントする」という予告から、「応募者全員にありがとうカードをプレゼントする」にサイレント変更された。 ---一番割を食ったのは、真面目にハイスコアを目指したプレイヤー達である。 --本作の失敗を反省したのか、次回作『外伝』でキャンペーンに使われたダンジョン「鋼賀の隠し穴」は、本作とは逆の「持込アイテムの合計価格に応じてスコアが減少する」という特殊なスコア計算式になっていた。 //ゲームそのものの問題点ではないので移動 ---- **その後の展開 2008年11月13日にDSで『[[不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』のタイトルでリメイクされた。 #co(){-ハードの性能向上により''グラフィック・音質・操作性が大きく強化され、戦闘・移動のテンポも速くなった。'' --移動速度が速すぎるので、ミスを多発するプレイヤーも多い。速度設定は変更できるが、「ふつう」と「はやい」の中間がほしかったという意見もある。 -マップが通常画面、あるいは上画面に表示できるようになった。 -メッセージの履歴を見られるようになった。 -GB2に存在したバグが全て修正された。 -''通路の視界が暗くなった''(SFC版のシレン等と同じ仕様)。 --それに伴い、せんこうだんの杖が削除された。 -倉庫に壺の中身を預けられるようになった。 -壺の最大容量が5に減らされた。 -レベル4のモンスターが追加された。 -シレンの攻撃力の上限が上がった。 -シレンの最大HPの上限が250から300に上がった。 -ノコギガッターが弱体化した。 -秘剣カブラステギが1つのカートリッジで入手できるようになった。 -長時間電源を入れっぱなしにすることでフリーズする可能性がある。 -''『風来のシレンDS』寄りにアレンジされた部分がある''。具体的には以下の点。 --「天下一ワナ道会」の仕様がシレンDSと同じになった。 --敵の視界が通路でも2マスになり、逃げるモンスターを追いにくくなった。ちなみにワルガマラとワルっトドは通常攻撃しなくなった。 --部屋にいる仮眠状態のモンスターが、いきなり起き出すことがあるようになった。 ---上記2つの仕様により、「壺の洞窟」の攻略がより困難になった。 --アイテムを投擲してもワナを発動させることができなくなった。 ---それに伴い、ワナあての腕輪が削除された。当たらずの腕輪は存在するが、ほぼ完全にマイナスアイテムと化した。 -未識別の杖の使用回数が表示されなくなってしまった。 -追加ダンジョンが3つできたが、いずれも持ち込みありのダンジョン。 --うち2つは持ち込みなしでも突破可能な難易度ではある。 -「ボーグマムル」の追加と、それを守りながら進む(初回30F限定)ダンジョンの追加。 --相変わらず弱くて扱いにくい上、クリア前は倒されるとゲームオーバーしてしまう。メイン装備を失ってしまったプレイヤーは数知れず。しかも救助依頼もできない。 --もっとも、アイテム没収はダンジョンで守るべき対象が死んだのだから当然のことではある。トンファンの穴のンフーと全く同じ仕様の上、持ち込みありなので守るのは楽。 -倉庫の中身を更新して倉庫を出たり、ダンジョンをクリアするor失敗するたびにセーブ画面が発生する。 -最強武器候補である火迅風魔刀が1つしか入手できなくなり、失った後の再入手ができなくなった。明らかな設定ミスだという指摘が多い。 その他細かい変更点は、[[こちら>http://www39.atwiki.jp/shiren_ds2/pages/17.html]](外部リンク)を参照されたし。 ハードの性能向上で快適にプレイできるようになったものの、一部ダンジョンの仕様変更や火迅風魔刀の仕様など、新たな問題点が生まれてしまう結果になった。 GB2とDS2のどちらが良作なのかは一概には決められないが、どちらともお薦めできる作品ではある。} //単独記事が出来ているのでそっちに書くべきなのでは?
*不思議のダンジョン 風来のシレンGB2 砂漠の魔城 【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんじーびーつー さばくのまじょう】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&amazon(B00005QZNY)| |対応機種|ゲームボーイカラー(専用)|~| |発売元|チュンソフト|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |開発元|チュンソフト&br()スティングレイ|~| |発売日|2001年7月27日|~| |定価|4,725円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[風来のシレンシリーズ関連作品リンク>不思議のダンジョンシリーズ#id_1f3b456f]]''| //https://www.spike-chunsoft.co.jp/games/shirengb2/ //公式サイトによると発売日は2001年7月19日になっています。ただし、実際は27日に発売されたという非公式情報もあるようです。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 携帯機では第二作目となる風来のシレン。砂漠の町イルパとその郊外にそびえ立つ魔城を舞台に、シレンの新たなる冒険が始まる。~ シレンは19歳((風来のシレン5 リミテッドサウンドトラック 6ページ参照。ただし、「ビックリの壺2」という公式本によると23歳。))、時系列的には『[[シレン4>不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ]]』と『[[シレン5>不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス]]』の間に位置する。 シリーズ異質のシステムが多いながらも、そのバランスに準拠した内容になっている。~ そこから出る相変わらずの中毒性や、GBとは思えない異例のボリュームから今でもファンは多い。~ 後にシリーズのお約束となる「風来救助隊」が初登場した作品でもある。 ---- **特徴・評価点 -「奈落の果て(もっと不思議)」だけにとどまらない、非常に個性的なクリア後ダンジョンの追加。 --「トンファンの穴」 いわゆる肉ダンジョン。後述する旅仲間「ンフー」の能力を活用しながら進んでいく。 --「天下一ワナ道会」 いわゆる罠ダンジョン。罠をアイテムとして持ち運んだり、別の罠に作り替えることができる。 --「鍛冶屋のかまど」 アイテムを持ち込めるが、1Fから強い敵が出てくるダンジョン。やまびこの盾など、ここでしか販売されていない装備品が多数ある。 --「壺の洞窟」 1Fから敵が強い上にアイテム持ち込みが不可能で、シレンのレベルも1から上がらないため、まっとうな戦いをせずにひたすら逃げ回るダンジョン。 -全体的な装備品の調整 --各武器・防具に、『[[シレン2>不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!]]』から登場した「印数」に加え、新たに「強化限界」が設けられた。 ---過去作では原則どの装備も+99まで鍛えられたが、本作では装備ごとに設定された強化限界までしか鍛えることができなくなった。 ---これにより、初期攻撃力は低いが印数と強化限界に優れた「マムルの剣」、強化限界は低いが初期防御力は高い「百鬼の盾」など、装備ごとに様々な個性が発揮されるようになった。 --特定の装備の組合せで発生する、「共鳴」システムが初登場。うまく使えば戦いが有利になる。 ---「ドラゴンキラー」と「ドラゴンシールド」の組み合わせのような特定の装備品を同時に装備すると、特別なプラス効果が発生する。 ---攻撃力や防御力が上がる以外にも、「最大HPが20増える」「ワナにかからなくなる」「腕輪が壊れなくなる」といった強力な効果が得られる組み合わせもある。 ---「バトルカウンター」と「ちからの腕輪」など意外な組み合わせで共鳴が発生することもあり、共鳴相手を探すのも楽しめる。 --武器と盾だけでなく''腕輪も合成できるようになった''。今までより腕輪の実用性が上がった。 ---「ハラヘラズの腕輪」と「回復の腕輪」を合成して「満腹度が減らなくなる上にHPが高速回復する」といったような、強力な性能の腕輪も作れる。 ---腕輪は攻撃を受け続けるとヒビが入って壊れるが、前述のように腕輪を壊れなくする共鳴がある他、「金の腕輪」など元々壊れない腕輪も登場する。 ---マイナス効果の腕輪は印数が多く、壊れる確率も低く設定されている。特に「ハラヘリの腕輪」は印数が多く、ハラヘラズを合成することでデメリットを打ち消せるため、不要品とされてきた旧作から一気に最強格の腕輪として躍り出た。 -装備品以外のアイテムも呪われるようになった。また、呪いの対となる祝福システムが初登場。 --装備品以外の呪われたアイテムは使用できなくなり、ぶつけてダメージ2以外の能力を発揮できなくなる。~ そのため、呪いをかけてくるノロージョ系は今までの作品より難敵になった。 --一方、一時的だがアイテムの性能を大きく上げる祝福も登場。~ 特に巻物は、祝福されていると複数回読めるので強力である。「ふっかつ草((本作では「復活の草」ではなく「ふっかつ草」表記))」も祝福すれば2回使えるようになった。 -桁違いの性能を誇る旅仲間「ンフー」。 --クリア後に仲間にできる彼は、肉を与えることでその肉のモンスターの能力を使えるようになるのだが、強力な能力を厳選して覚えさせるととんでもない性能になる。 --能力は合計10個まで覚えることができ、その組み合わせは千差万別。「イカエンペラー」「ヒャクメまじん」「オドロ」「救命ウサギ」「壺釣り長老」などは特に人気が高いが、これらを全部入れてもまだ5枠残っている。 --シレンが該当モンスターの肉を食べるよりも、遥かにノーコストで技を出せるのは大きい。トンファンの穴では、厳選した特殊能力持ちのンフーが戦闘の要になる。 --「奈落の果て」では使えないため、バランスブレイカーにはならない。~ むしろ、''鍛冶屋のかまど素潜りプレイ''という新しい遊び方を開発した素晴らしい仲間といえる。 -特訓ダンジョンというものが実装された。これは、以前に潜ったことのあるダンジョンに潜れるというもの。 --これだけだと「普通にダンジョン行くのと何も変わらないんじゃ?」と思われるだろう。&br()が、通常帰りにくい「奈落の果て」でも確実に指定した階層で帰ることができるし、何より''全く同じ構造・アイテムのダンジョンに再挑戦出来る''事が大きい。 --毎回構造が変わるのはちょっとハードルが高いという初心者にも、やりこみの為に特定のアイテムを大量に集めたい上級者にとってもお得である。 --クリア後以降はパスワードとして出力・入力が可能になる。特定のアイテムが出るダンジョンを残したり受け取りたい、という場面で活躍できる。 -今後のシリーズでもおなじみとなる、''風来救助隊''が初めて実装された。 --ダンジョンで死んでしまった!復活草も無い!という状況、前作までならもう終わりだったが、本作からは他のプレイヤーに救助を頼んで死んでしまった階層まで潜ってもらうと、その階層からやり直せるようになった。 --通信ケーブルをつないで直接友達に救助してもらうほか、パスワードを使えば顔も知らない風来人に救助してもらう事も可能。 --助けた側のプレイヤーにも、「ご褒美」としてアイテムが貰えるメリットがある。ご褒美でしか入手出来ないレアアイテムもあるため、救助活動も活発になっていた。 --ただし、「1回の冒険につき救助要請を出せるのは3回まで」であり、救助隊に頼ってどこまでも潜れるわけではない。~ それとは別に、「同じフロアで2回倒れたら救助要請できない」という制限がある。ドロボウ失敗時も救助要請不可。 -ステータス異常「おにぎり状態」に、「まずそうなおにぎり」や「焼きおにぎり」になって倒れるという小ネタが取り入れられた。 --おにぎり状態になると、装備品の効果が消えてアイテムが使えなくなるという特徴は前作までと共通。これらの効果に加えて、今作では「おにぎり状態でデロデロの湯のワナを踏むと即死、地雷などの爆風やドラゴンなどの炎のダメージを受けると即死」というルールが加えられた。 --のちの作品と違い、本作では「おにぎりのワナ」が存在せず、「にぎりもとじめ」や「ガイコツまおう」は炎攻撃をするモンスターと同時出現しないため、狙わない限りこれらの死因にするのは難しい。そのため、一種のネタ要素という面が強い。 --ちなみに次回作の『[[外伝>不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!]]』では、焼きおにぎりはアイテムとして登場することになる。 //↑特徴として取り上げるようなことだと思うのでコメントアウトを消します。 //↑シレンが不利な状態なのに「パワーアップ」、対人ゲームでもないのに「負け」という表記が気になったので変えておきます。 //焼きおにぎり即死は後発の作品で理不尽と言われることが多い。むしろ問題点に挙げるべきでは? -『[[シレンGB1>不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物]]』にあったトロフィー機能「パスワード」は、「冒険の履歴」と「風来人格付け」に分割されてパワーアップ。 --後の『[[シレン5>不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス]]』の「エキスパート証明書」に先んじて、「奈落の果てを剣なしでクリア」などのアイテム縛りプレイの実績が用意されている。 --上記の「おにぎり状態で炎や爆風を受けると焼きおにぎりになって倒れる」のほかに、「イカキング系モンスターにおにぎりを投げるとイカスシになる」といった本作から増えた小ネタの冒険の履歴もあり、それらを埋める楽しみもある。 --風来人格付けは、達成した実績に応じて「旅ガラス」「一流風来人」「伝説の風来人」などの名誉ある称号を貰えるようになっている。 -モンスター関連 --旧作ではノーレベルアップモンスターだったエーテルデビル系、爆弾ウニ系にもLv3まで追加された。 --泥棒時限定の敵対NPCである、盗賊番と番犬にもLv3まで追加されている。 --特殊モンスターハウスの種類が増加。「動物ハウス」「仙人ハウス」といった、本作でしか見られない珍しいハウスも存在する。 -もう一つ本作を用意して通信プレイすることで、アイテムを交換する機能が(チュンソフトの不思議のダンジョンシリーズにおいて)初めて搭載された。 --通信を利用することでしか手に入らないアイテムも存在する。 --中村光一が監修した[[『WS版チョコダン1』>チョコボの不思議なダンジョン]]にあった機能が元と思われる。 ---- **賛否両論点 -モンスター関連 --コクワガッター系レベル3・ノコギガッターの凶悪さ。 ---見えない位置に居るシレンを認識してモンスターを投げてくる(他のシリーズの同能力モンスター「タイガーウッホ」はシレンを視認しないと投げてこない)。 ---ノコギガッターが2体いると''シレンのキャッチボール''を始めて、一方的にたらい回しにされることもしばしば。 ---他の凶悪モンスターと比べて、出現フロアも圧倒的に多い。モンスター1種類を出現させなくするアイテム「ねだやしの巻物」の対象としては筆頭候補。 ---あまりにも有名になりすぎたせいか、リメイク版の『[[DS2>不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』でのノコギガッターは弱体化した。 --おなじみのぬすっトドとガマラ、今作ではワルっトドとワルガマラになっているが…こいつら、従来のトドやガマラと違い、盗んだものはフロアのどこかに置くので、取り返すには追いかけて倒すのではなく、それを回収しなければならない。 ---それだけならいざ知らず、ワルっトドの場合は店に置かれたら商品になってしまうため買い戻すしかなくなるし、壁抜け能力を持つレベル3ワルガマゴンは盗んだギタンを壁の中に置いてしまうため、取り戻すのがかなり困難になる。 ---しかもこいつら、今作では盗まれる前に倒してもアイテムやギタンを落とさないため、戦うメリットが無くなってしまっている。 --通常攻撃を無効にして跳ね返してくる「はんにゃ武者」と「ぼうれいはんにゃ」、通常攻撃が全く当たらない「身かわし仙人」と、通常攻撃が全く効かない難敵が3種いる。何らかのアイテムを使って対処するしかない。前者2種は自然発生しないが、''身かわし仙人は奈落の果ての中盤で普通に出てくる。'' ---ぼうれいはんにゃに成仏のカマで斬りかかると、即死級の反射ダメージが跳ね返ってくるのは語り草になっている。 --ほかにも、あらゆる特殊攻撃を2ダメージ化する能力を得た「ギャザー系」、イカリ・倍速・オオイカリの杖を振るうようになった「バットカンガルー系」、''1ターンに4回連続攻撃してくる「グレートチキン」および「死神」''、「おばけ大根」「オヤジ戦車」「くねくねハニー」が深層で出てくる思わぬ強敵になっていたりと、過去作から強化されたモンスターもいる。 ---ギャザー系は''何故かカンガルーの杖は2ダメージに変換しない''というのも嫌らしいところ。普通にイカリや倍速になって襲ってくる。 --一方、新モンスターであるウツボカズラ系レベル3「祝福カズラ」は、使い方次第でこちらの装備品をお手軽に最強状態にできる。また、「パワーシールド」「ダイバクハツの巻物」「とびつきの杖」「吸収の壺」など、これらの凶悪なモンスターに対抗できる強力な新アイテムも多数用意されている。 ---プレイヤースキルを上げれば、運のみならず腕で凶悪なモンスターを対処できるし、お手軽な強化法も使わずにクリアすることはできる。~ 「理不尽」や「お手軽強化」をどうとるかが、この点の評価の分かれ目となる。 -武具の強化限界が低い。過去作のように+99まで鍛えられる武具は2つしかなく、それ以外の装備は高い物でも+50までしか鍛えられない。 --強化限界自体も「カタナの強化限界>こんぼうの強化限界」なので、弱い武器は本当に要らない子になってしまった。弱い武器は共鳴も弱い。 --ただし、今作は祝福された「天の恵みの巻物」や「地の恵みの巻物」で大幅に強化できてしまうため妥当との声も。 //特に、特殊能力が付いているものは上限が''8''という有様。 //↑上限が8の物が多いのはDS1。GB2では上限が8の武具は存在しない。 -冒険の履歴に難易度や手間がメチャクチャなものが存在する。 --まあやり込み要素なので難しいのは問題ないが、「全ての装備を身につけた」「全てのモンスターをワナにかけた」「全てのモンスターに肉で変身した」の3つは''達成した装備・モンスターを確認できない''ため、いくらなんでも手間がかかりすぎる。 -「壺の洞窟」と「天下一ワナ道会」の難易度が異常に高く、これらのダンジョンの99Fに到達するのは非常に困難。これらのダンジョンも冒険の履歴に関わってくる。 --「奈落の果て」「トンファンの穴」「鍛冶屋のかまど」は程良い難易度だが、上記の2つは難しすぎる。 --シナリオをクリアする分には、99Fまで潜る必要はない。あくまでやりこみプレイヤー向けへの挑戦状である。 -壺の洞窟はシリーズ初の「逃げダンジョン」。シレンのLvが1から上がらず、ほぼ全ての敵がシレンを一撃で倒せる攻撃力を持っている。敵から逃げたり、「とじこめの壺」などを使ってやり過ごすことで進むのだが……。 --ワンミスが即死に繋がるゲーム性も厳しいが、「ほぼ必須アイテムである透視の腕輪が低層でしか拾えない」「食料が普通のおにぎりしか落ちておらず餓死しやすい」と言った点も難易度を上げている。 ---後述している通り、初期アイテムに「おにぎり」が配布されていないのが問題。しかもおにぎりの出現率が低く、検証によると5階までは一切拾えない。 --敵の殆どは特殊能力を持たず、遠距離からの攻撃や倍速行動の敵は存在しない点では理不尽死は抑え目な方である。唯一厄介なのは壁をすり抜けるパコレプキーナくらいだが、動きがランダムな点がある程度救いになっている。 ---しかし、31F以降から出てくるギャザーが難敵。ほとんどの特殊攻撃を2ダメージに変換されるので、高飛び草やとびつきの杖といったアイテムでシレン自身が退避するしかない。さらに、60F以降になるとギャザーの出現率が若干上がる。 --ダンジョン名の通り、カギとなるアイテムは「とじこめの壺」である。 ---本作のとじこめの壺は、モンスターを閉じ込めた上でシレンが拾って持ち運ぶことができ、壺を割ると閉じ込めたモンスターが目潰し状態になって出てくる。目潰し状態になったモンスターは同士討ちに利用することが可能で、うまく使えばギャザーを倒してもらうこともできる。 --『[[トルネコの大冒険3>ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 ~不思議のダンジョン~]]』の「まぼろしの洞くつ」と比較されることもある。 ---まぼろしの洞くつもLv1・HP15で突き進むダンジョンで、遠距離攻撃や倍速行動を行うモンスターが出現するという点で壺の洞窟より凶悪。しかし、あちらでは「爆発の指輪」という救済アイテムがあり、その指輪さえあればほとんどのモンスターを倒せるので、壺の洞窟とはかなり別物である。 ---壺の洞窟はそもそも敵を倒すのが難しく、とじこめの壺で目潰し状態になったモンスターで同士討ちさせるか、HPが少ない洞窟マムルをふきとばしの杖で倒すくらいしかない。モンスターに会う度に何らかのアイテムの消耗を強いられるため、アイテムの節約が重要になってくる。 ---どちらかと言えば、『風来のシレン5Plus』の「ファミ通の挑戦状」「至高への挑戦」というダンジョンの方が近い。こちらはほぼ完全に壺の洞窟をオマージュしており、大きな違いは「とじこめの壺」が「やりすごしの壺」に差し替えられている程度である。 -本作のワナ師状態は、他のシリーズとはかなり異なる独自な仕様になっている。 --落ちているワナを拾うと「ワナのもと」というアイテムになる。ワナのもとは、別のワナに作り替えることができる。 ---こう書くと有利なように思えるが、フロアごとに作り替えられるワナの種類は限られており、「落とし穴」や「デロデロの湯」などの便利なワナが全フロアで作れるわけではない。 ---「序盤で落とし穴を拾い集めておき、終盤の危険フロアを一気にかけ降りる」といった他のシリーズの常套手段は使えない。 --さらに、ワナを作り替えるのにも1ターン消費する上に、ワナが変化する順番は決まっているため、目当てのワナを出現させるのに数ターン必要になることが多い。 ---モンスターが目の前に来てからワナのもとを置いているようでは、とても対処が間に合わない。 ---すぐに強力なワナを仕掛けるのが難しいので、開幕部屋でモンスター数体に囲まれているとそれだけで厳しい。 -そのため、本作のワナダンジョン「天下一ワナ道会」の99Fバージョンは、シリーズ最高峰の難易度を誇る。 --盾がほぼ存在せず、手に入る武器もカタナ以上に強いものが存在しないため、肉弾戦はせいぜい15F程度までが限界である。 ---本作ではシレンの攻撃力が下がることも、肉弾戦で得た経験値が減ることもない。代わりに罠にかけるだけでは経験値は得られず、レベル上げには同士討ちや亡霊武者系のモンスターを使ってレベル上げした敵を地雷などで倒す、と言うのが基本となる。 --飛行タイプへの対策に乏しい。 ---飛行タイプのモンスターは罠にかからないので、ワナダンジョンではこれらのモンスターへの対抗策が重要となる。しかし、本作ではシレン2の「中腹の井戸」のようなモンスターを即死させられる「バクハの巻物」や無理やり罠にかける「ワナ作動の巻物」が存在しない。 ---過去作と共通した対策と言えば地雷を自分で踏んでその巻き込みで倒すというものがあるが、地雷が出現するフロアが限られているうえに、狙って地雷を引けるとは限らないので、飛行モンスターに遭遇した時点では遅いパターンが多い。大型地雷のダメージも即死級に上がっており「地雷ナバリの盾」のような軽減アイテムもないので、これで対策してもその後の回復手段が無ければかなり危険である。 ---まともな対策と言えば「あたらずの腕輪」を装備して飛行モンスターに物を投げて無理やり罠を作動させるという方法しかないのだが…… --80F~89Fに出現するエーテルデビル系Lv3モンスター、「メチルサタン」が最大の難敵。 ---こいつは&bold(){透明状態・2倍速行動・罠にかからない・杖の魔法弾をランダムな方向に反射}という凶悪性能を持つ。 ---シレンの最大HP250・防御力0という状況で、約75ダメージの攻撃を2発繰り出してくる。つまり、HP満タンでも2ターン攻撃されれば死亡。 ---位置を予想しやすい通路なら、「一時しのぎの杖」や「チキンの肉」を投げるなど対処手段もあるが、部屋のド真ん中でメチルサタンに襲われ、どこにいるか分からない状況だと手の打ちようがない。当然あたらずの腕輪を併用したワナ作動もコイツ相手には通用しにくい。 ---80F~84Fは落とし穴が出現するのでまだいいが、後半の85F~89Fは落とし穴が使えず、メチルサタンに怯えながら階段の探索を余儀なくされる。 --それ以前にデブートンやベアボーグ、ノコギガッターも凶悪なので、80Fまで辿り着くのも十分に困難である。 --メチルサタンを乗り越えても、90F以降が最後の鬼門になる。 ---95Fからはなんと、地雷・デロデロの湯・落とし穴と言ったモンスターを即死させる罠が登場しない。まともに使えるのは鈍足の罠・回転盤のみであり、これらを駆使して敵をやり過ごすしかなく、つるはしなどの壁を掘るアイテムを使わないと逃走すら困難になる。それどころか、召喚スイッチ・イカリのワナ・警報スイッチといったプレイヤーに不利な罠ばかり頻出し、これらのワナを敵が勝手に踏んでしまうので、''ワナダンジョンなのにワナ師の腕輪を外して探索した方が安全''と言われる始末。 ---ワナダンジョン故に強力なアイテムが少なく、開幕モンスターハウスに対処できるようなアイテムはほとんど無い。万が一、大部屋モンスターハウスを引いてしまったら、スカイドラゴンに四方八方から炎を吐かれまくって為す術なく終了である。 --少なくとも、『シレン5』の「ゲンさんのシマ」「ワナ師の箱庭」より難しい。旧作の「掛軸裏の洞窟」「中腹の井戸」も難しいという声が多いが、天下一ワナ道会がシリーズ最難関のワナダンジョンと名高い。クリアには相当な運や実力、覚悟が必要となるだろう。 ---天下一ワナ道会は中腹の井戸と同様に、レアアイテムのカラクロイドの盾が手に入る唯一のダンジョンとなっている。「中腹の井戸」50階に相当するカラクロイドの盾だが、「天下一ワナ道会」では90階以降まで潜らないと手に入らず、しかも90階まで到達しても確実に拾えるとは限らない。 -他のシリーズと比べて「自然発生しないモンスター」がかなり多く、多数のモンスターを持て余している。 --自然発生しないモンスターとは、普通にダンジョンに配置されることがない敵のこと。基本的に「上位種か下位種からのレベル変化」「シューベル系の召喚」「特殊モンスターハウス」でしか遭遇する機会がなく、存在意義が薄い。 ---『シレン1』の「ねむり大根」や『シレン2』の「タウロス」など、旧作にも同じような立場のモンスターはいたが、本作は特に多い。 --具体的には、ノコギガッターの下位種「クーワガッター」、上記にも挙げた厄介な能力を持つ「はんにゃ武者」「ワルガマゴン」、他にも「おおチンタラ」「ネズミ黒幕」「ガイコツまどう」「ガイコツまじん」「地獄の使者」「スルードラゴン」「イカだいおう」「おおヒャクメ」「杖振りワルガキ」「ワースゴーグラー」「グレンゴーグラー」など、数多く存在する。 ---あの「アークドラゴン」と「イッテツ戦車」も本作では自然発生はしない。しかし、前者はスカイドラゴン出現階に「タベラレルー」がいること、後者は下位種が同士討ちでレベルアップしやすい性質を持つことから、それなりに見かける機会がある。 --いわゆるモンスター図鑑の「もののけ手帳」を完成させるためには、レベル変化アイテムや「ぼうれい武者」を駆使して様々なモンスターを倒す必要がある。 --せっかく多種多様なモンスターがいるのに、もののけ手帳を埋める程度の価値しかないモンスターもいるというのは残念である。99Fダンジョンが5つもあるのだから、自然発生するモンスターをもっと増やすことは難しくはなかっただろう。 ---ただ、多くの種類のモンスターを出すほどダンジョンが面白くなるという訳でもないし、自然発生するモンスターを厳選してバランスを練った結果とも考えられる。ねむり大根やはんにゃ武者のように、能力が強すぎるのでわざと出現を自重していると思われるケースも見られる。 --ぶっちゃけ、自然発生しないモンスターがいなくてもゲームにあまり支障は出ないので、限られたROMの容量を無駄遣いしている、こいつらを削って新しい要素を入れればさらに面白いゲームになっていた、という意見もある。 ---しかし、「しあわせの杖」や「不幸の杖」といったレベル変化アイテムの利用価値に関わっていることや、ほぼ全てのモンスターに色違いが3種いるというシレンシリーズの良い伝統を守るために、消す訳にもいかなかったと考えられる。 ---- **問題点 -GBCというハードの制約故か、操作性が厳しく、ゲームの処理やテンポも遅い。 --GBCとGBAで若干操作方法が異なっている。GBCではセレクトボタンでマップが表示できるのだが、GBAではその操作は「ナナメ移動モード」になる。 ---恐らく、初期型GBAのボタン配列では十字とスタートボタンの同時操作がし辛いための代替措置だと思われる。 ---ボタン配置がGBC準拠のGBASPもボタンの数が豊富なGBプレーヤーもGBAとして扱われるため、これらのハードで『シレンGB2』をプレイすると「マップをワンタッチで表示できない」という不便な一面ばかりが際立ってしまう(ウインドウから開くことは出来るが、それはGBCも同様)。 ---ちなみにGBCで斜め移動を使いたい場合は「スタート+十字」。操作方法の具体的な違いは以下の通り。 |CENTER:|CENTER:|CENTER:|CENTER:|c |~ボタン操作|~シレンGB1|~シレンGB2&br()(GBC)|~シレンGB2&br()(GBA)| |攻撃|>|>|A| |ダッシュ|>|>|B+十字| |ウインドウ|>|>|Bちょん押し| |アイテム整理|>|>|道具画面でスタート| |振り向き|>|>|スタートちょん押し| |斜め移動|>|スタート+十字|セレクトちょん押し| |矢|>|>|セレクト+A| |マップ|>|セレクトちょん押し|-| |足踏み|>|>|B+A| |旅仲間と入れ替わり|B+十字|>|十字のみ| -セーブデータが1つしか作れない。セーブデータのコピー(バックアップ)も不可能なので、アイテムロストの危険が増えた。 --従来の作品ではデータは2~3つ作れたが、これ以降の携帯機作品(『[[DS>不思議のダンジョン 風来のシレンDS]]』、『[[DS2>不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』、『[[4>不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ]]』)はセーブデータ1つのみが基準になってしまった。 --かつては『シレンGB1』の取説にてバックアップを推奨するくらいバックアップには寛容だったものだが、当時の緩さから打って変わって完全にバックアップを殺しにかかっている、この心変わりっぷりは衝撃的かもしれない。 --次回作の『外伝』では、倒されても紛失・劣化しないエレキ箱などでバランスを取っているが、本作にはまだそういった救済措置もない。 --おそらくは、アイテム交換機能を利用してアイテム増殖を防ぐためと思われる。 //旧GBソフトであるシレンGB1がセーブ3つなんだからGBCソフトが1つしかセーブ作れないのをゲームボーイカラーのせいにするのはどうかと //シレン5はセーブデータ2つになった。 -ゲームの進行を著しく妨げる、続行不可能になる、&bold(){セーブデータが破壊される}といった致命的なバグが多数存在。 --1つしか作れないセーブデータを破壊されるのは致命的である。特に有名なものは公式ページでも警告されていた。 --具体的に言うと、倉庫でダッシュなどの動作を行うと、なぜか冒頭の魔城の牢屋に放り込まれるシーンに移る。~ そのままでも進行可能だが、街の人間が全員いなくなる状態に移り、ゲームを続行できなくなる。 --また、エンディングの終わりの途中で電源を切ってしまうと、街の人間消失バグが発生することがある。こちらは充電切れ等でもない限り起きないことだが、この場合、クリア後のイベントが起きなくなる。ラスボスとは戦えるが、倒してもなぜかレベル1の状態でまたラスボスと戦うという無限ループに陥る。 -本作には「おまもり」「友情の杖」「万能の杖」「吸い出しの巻物」などの没アイテムが存在するが、バグによってこれらが出現してしまうことがある。~ そのまま所持しているとセーブデータに不具合が出る可能性が非常に高いので、万が一入手してしまった場合はすぐに捨てることを推奨する。 --「おまもり」は特に有名で、ネット上の攻略掲示板でも度々出現報告が挙がっていた。現在では再現性がある入手方法も見つかっている。 --鍛冶屋のかまどをクリアすると「ラセン風魔の盾」が手に入るが、この時アイテムがいっぱいの状態だと、何かを捨てるように言われる。この時に装備中の呪われた装備品を選択すると、「おまもり」が手に入ってしまう。 -ダンジョンに入った時に最初から持っている食料が普通の「おにぎり」。他のシリーズでは大きなおにぎり(大きいおにぎり)なのだが。 --本作は前作までと比べてフロアそのものが狭く、探索にかかる歩数が少ないことを見越したバランス調整なのかもしれない。しかし満腹度のやりくりに難儀する序盤で、満腹度50%分の差が出てしまっているのは大きい。 --壺の洞窟のみ初期アイテムにおにぎりが配布されておらず、これも餓死しやすい一因になっている。代わりに最初から「とじこめの壺」を3つ所持している。 -ンフー以外の仲間キャラクターが弱い。 --本作の仲間はレベル上限が10ほどに設定されているが、仲間自身が敵を倒さないと経験値が得られない仕様になっている。 --前述の通りンフーはかなり強いが、仲間は1人しか連れていけない仕様のせいで、それ以外の仲間の活躍を食っているともとれる。 --ペケジは『[[シレン1>不思議のダンジョン2 風来のシレン]]』と違っておにぎりを強請る事がなく、純粋な高火力アタッカーとして活躍できるが、特殊能力がない上にレベルの上限も7と低めに設定されている。 ---ンフーは能力を抜きにしてもペケジを上回る攻撃力・防御力を持っているため、ンフーを仲間にできるようになるとペケジは留守番になりがち。 --お竜は今作でも目潰し攻撃ができるが、その射程範囲は&bold(){隣接する敵のみ}。同じ部屋にいる敵全員に目潰し攻撃ができた『シレン1』と比べて大幅に弱体化している。 ---正面の敵だけを目潰しにしたところで大した意味はない。なぜかといえば、目潰しされた敵は「目潰しされる前に向いていた方向に進み、障害があれば攻撃する」よう組まれているためである。つまり、お竜が敵と殴り合っている最中に目潰しをしても、敵は攻撃する方向を変えてはくれないので、そのまま攻撃を食らってしまう。目潰ししたところでお竜は敵を避けてから攻撃することはない。目潰し攻撃自体にダメージはないため、これではただ無駄にダメージを受けているだけである。それどころか既に目潰しした敵に目潰しする無駄行為を行うこともあり、お竜にタイマンを任せると劣勢に追い込まれやすい。 ---そのため、シレンとの戦いにおいての補助として目潰しを期待するぐらいしか活躍を見込めない。しかし、お竜のレベルを上げるためにはお竜に倒させる必要があるので、育成が難しい。 ---ンフーは「イカエンペラーの肉」を食べさせることで、『シレン1』のお竜と同じ''部屋内にいる敵全員を対象とする目潰しを使えるようになる''。お竜の目潰しを弱体化させる必要はあったのだろうか…… ---お竜はリメイク版の『[[DS2>不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』で再強化され、『シレン1』と同様に部屋にいる敵全員を効果範囲とする目潰しに戻った。 --マーモは『シレン2』と同じく、戦闘は行わないがアイテムを10個預けることが可能。 ---本作では、投げたアイテムもシューノー(収納)してくれるように強化された。そのため、セルアーマー系に弾き飛ばされたアイテムが消滅するのを防いでくれる。 ---反面、攻撃を食らうごとにアイテムを1個落とすという弱点が増えており、倉庫係として安心してアイテムを持たせることができなくなっている。聖域の巻物を預けてしまった際は、落としたら回収不能になってしまう。 ---アイテムを10個持ってくれるというのは、さすがのンフーにも真似できない個性なのだが、それでも圧倒的な魅力を持つンフーを差し置いて連れて行く気にはあまりならない。『シレン2』では他の仲間と併用できることが便利だったのだが、本作では仲間を1人しか連れていけないという仕様が出番を減らしている。 ---そもそも、シュテン山の守り神の化身という設定なのに、なぜイルパの街にまで流れ着いたのかが謎なところである。 ---ペケジやお竜と違ってストーリーに絡んでこないので、その点でも影が薄い。そもそも、マーモは''喋って動けるタンス''というシュールなキャラクターなので、全体的にシリアスな本作のストーリーには似合わないのだが。 --「人形(ゼンマイガー)」という仲間キャラクターに至っては、''上記の3人がまだマシに思えるくらい弱い。'' ---ダンジョンの奥に連れて行き「生かしたまま帰る」と最大9段階パワーアップするのだが、最高まで鍛えてもそんな強くない上、''1度でも倒されると1段階目に戻る''ため、はっきり言って全く使えない。 ---なぜ戻るかというと、「倒された=壊れた」という設定のため。こいつを仲間にするには町の人形屋から買うのだが、壊してから再び仲間にしようとすると修理代を取られる。 ---『シレン2』のリクの方がまだマシと思えるレベル。おそらく旅仲間としては、不思議のダンジョンシリーズ中屈指の弱さであろう…。 ---ところで、この人形を売っているのは「オハギ」と「キナコ」という2人のオカマ男。元ネタはタレントのおすぎとピーコだろうか。 --本作の仲間キャラクターは、にぎり変化の特技を受けると''まずそうなおにぎりになって即死する''((シレンのように数ターンすれば治る状態異常ではなく、アイテムとしてのおにぎりそのものに変化してしまう))という弱点がある。 ---初回挑戦の「トンファンの穴」はンフーを20Fまで連れて行くのが目的だが、17Fからにぎり変化が出現する。~ ンフーがおにぎりにされてしまったら問答無用で冒険失敗になってしまう。何故こんな理不尽な仕様にしたのだろうか。 ---幸いにも、トンファンの穴以外の仲間を連れて行けるダンジョンでは、にぎり変化系は自然発生しないのが救いである。 -フロアの構造が、分かれ道無しの「一本道」になっているケースが多い。端まで行ってしまうと、戻るのが面倒な作業になる。 -レア武器である「秘剣カブラステギ」を入手するのに、別のカートリッジとの道具交換が必須。 --周りに本作を持っている知人がいなければ、自分で複数のカートリッジを買う必要がある。 --9種類のアイテムを集める必要があるのだが、1つのカートリッジにはうち7種類しか出てこないので、ソフトが2つだけだと出てこないアイテムが被る可能性がある。 ---実際、ファンブックで我孫子さんと河内さんがやったときに1個かぶっていた。 --今までの作品では秘剣カブラステギが最強武器だったが、本作では優秀な共鳴相手がいないため、強さにおいても不遇な立ち位置になってしまった。 ---本作の最強装備候補は、優秀な共鳴効果を持つ「火迅風魔刀&ラセン風魔の盾」と「マムルの剣&マムルの盾」の二択である。「剛剣マンジカブラ」の共鳴相手となる盾は「装甲カブラサライ」だが、秘剣カブラステギの共鳴相手はいない。 ---- **総評 GBCのソフトながらそのボリュームは圧倒的。~ バグや調整不足気味な要素も多く見られる一方、独特なギミックや設計から本作を支持するプレイヤーは多い。~ 風来救助隊・特訓ダンジョンなど初心者に向けた要素やシリーズで定番となった要素も多く、シリーズの中でも革命的一作である。 ---- **余談 -クリアキャンペーンの崩壊 --本作においても発売後から約2ヶ月間、チュンソフト恒例クリアキャンペーンが行われた。本作ではタイムアタックではなく、ストーリークリア時のハイスコアを競うというものであったが、新実装された通信システムが原因で崩壊することとなる。 --上手いプレイをするとハイスコアが出ると説明書には簡潔に書かれていたのだが。実際は、進んだフロア数の多さ・倒した敵の多さ・レベルの低さに加えて、「所持アイテムの総売値がそのままプラスされる」という仕様があった。アイテムの売値はスコア内で圧倒的な比率(ほぼ99%)を締めており、これは「アイテムを持ち込まずにクリアするよりも、しこたまアイテムを持ち込んでクリアしたほうが良い」という上手さを真っ向から否定する仕様である。 ---他のシレンシリーズのスコア計算式も似たようなものだが、クリアキャンペーンに利用したのがまずかった。 --それだけならば崩壊とまではいくはずもないのだが、本作から実装された通信・救助システムにより、クリア前のデータにクリア後のデータでしか手に入らない高級アイテムを受け渡し可能であった。 ---当時既にインターネットは普及し始めており、またたく間に情報は広がり、これにより、入賞したいのであればアイテム送信用にカートリッジとGBCをもう1セット用意することが必須となってしまった。 --上記だけでも大分問題ではあるのだが、本ゲームで最も高額なアイテムは「前述したカブラステギのパーツとなるアイテムのうちの一つカランバの矢を99本束ねたもの」であり、所持アイテムの売値を最大にするならば「99本のカランバの矢を、壺増大の巻物で最大拡張した強化の壷にぎっちりと詰め込み、それを所持限界の20個まで用意すること」が最適解となる。 ---当然まともにプレイすれば何百時間と費やさねば揃うわけがないのだが、救助システムのバグであるアイテム分裂バグにより、多少手間だが量産可能。もっと言ってしまえば、当時全盛期であった改造ツールのプロアクションリプレイでデータを弄れば簡単に揃ってしまう。 ---逆に言えば、何百時間とゲームをプレイすれば普通に揃えることも不可能ではないため、ズルをしたプレイヤーとそうでないプレイヤーの区別が全くつかなくなってしまう。 --以上の結果キャンペーンがまともに機能しなくなってしまい、最終的に「上位1000名に対して記念品をプレゼントする」という予告から、「応募者全員にありがとうカードをプレゼントする」にサイレント変更された。 ---一番割を食ったのは、真面目にハイスコアを目指したプレイヤー達である。 --本作の失敗を反省したのか、次回作『外伝』でキャンペーンに使われたダンジョン「鋼賀の隠し穴」は、本作とは逆の「持込アイテムの合計価格に応じてスコアが減少する」という特殊なスコア計算式になっていた。 //ゲームそのものの問題点ではないので移動 ---- **その後の展開 2008年11月13日にDSで『[[不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 砂漠の魔城]]』のタイトルでリメイクされた。 #co(){-ハードの性能向上により''グラフィック・音質・操作性が大きく強化され、戦闘・移動のテンポも速くなった。'' --移動速度が速すぎるので、ミスを多発するプレイヤーも多い。速度設定は変更できるが、「ふつう」と「はやい」の中間がほしかったという意見もある。 -マップが通常画面、あるいは上画面に表示できるようになった。 -メッセージの履歴を見られるようになった。 -GB2に存在したバグが全て修正された。 -''通路の視界が暗くなった''(SFC版のシレン等と同じ仕様)。 --それに伴い、せんこうだんの杖が削除された。 -倉庫に壺の中身を預けられるようになった。 -壺の最大容量が5に減らされた。 -レベル4のモンスターが追加された。 -シレンの攻撃力の上限が上がった。 -シレンの最大HPの上限が250から300に上がった。 -ノコギガッターが弱体化した。 -秘剣カブラステギが1つのカートリッジで入手できるようになった。 -長時間電源を入れっぱなしにすることでフリーズする可能性がある。 -''『風来のシレンDS』寄りにアレンジされた部分がある''。具体的には以下の点。 --「天下一ワナ道会」の仕様がシレンDSと同じになった。 --敵の視界が通路でも2マスになり、逃げるモンスターを追いにくくなった。ちなみにワルガマラとワルっトドは通常攻撃しなくなった。 --部屋にいる仮眠状態のモンスターが、いきなり起き出すことがあるようになった。 ---上記2つの仕様により、「壺の洞窟」の攻略がより困難になった。 --アイテムを投擲してもワナを発動させることができなくなった。 ---それに伴い、ワナあての腕輪が削除された。当たらずの腕輪は存在するが、ほぼ完全にマイナスアイテムと化した。 -未識別の杖の使用回数が表示されなくなってしまった。 -追加ダンジョンが3つできたが、いずれも持ち込みありのダンジョン。 --うち2つは持ち込みなしでも突破可能な難易度ではある。 -「ボーグマムル」の追加と、それを守りながら進む(初回30F限定)ダンジョンの追加。 --相変わらず弱くて扱いにくい上、クリア前は倒されるとゲームオーバーしてしまう。メイン装備を失ってしまったプレイヤーは数知れず。しかも救助依頼もできない。 --もっとも、アイテム没収はダンジョンで守るべき対象が死んだのだから当然のことではある。トンファンの穴のンフーと全く同じ仕様の上、持ち込みありなので守るのは楽。 -倉庫の中身を更新して倉庫を出たり、ダンジョンをクリアするor失敗するたびにセーブ画面が発生する。 -最強武器候補である火迅風魔刀が1つしか入手できなくなり、失った後の再入手ができなくなった。明らかな設定ミスだという指摘が多い。 その他細かい変更点は、[[こちら>http://www39.atwiki.jp/shiren_ds2/pages/17.html]](外部リンク)を参照されたし。 ハードの性能向上で快適にプレイできるようになったものの、一部ダンジョンの仕様変更や火迅風魔刀の仕様など、新たな問題点が生まれてしまう結果になった。 GB2とDS2のどちらが良作なのかは一概には決められないが、どちらともお薦めできる作品ではある。} //単独記事が出来ているのでそっちに書くべきなのでは?

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