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*キャプテン翼 【きゃぷてんつばさ】 |ジャンル|スポーツ・シミュレーション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/4122lmnDPEL.jpg,width=200,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HBY)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|テクモ|~| |発売日|1988年4月28日|~| |定価|5,500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼シリーズリンク>キャプテン翼シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 週刊少年ジャンプで連載していたサッカー漫画「キャプテン翼」をゲーム化。~ アクション性を徹底排除しながらも、リアルタイムで試合が進行するという、今までのスポーツゲームとは一線を画するシステムを備えたことで話題を呼んだ。~ 漫画本編の「中学生編」から「Jr.ユース編」までを追う、原作準拠のストーリー。 ムービーシーンを取り入れストーリー性と演出を重視したテクモシアターシリーズ第1弾。 **特徴 -スポーツゲームでありながらシミュレーションゲーム --直接選手を操作できるのはボール持ちの味方だけ。それ以外の選手は全て自動的に動くようになっている。 ---ボタンを押せばコマンド入力画面に切り替わり、パスを出したり、シュートを打ったり、フォーメーションコマンドを使うことができる。 --敵とクロスプレイになると画面が切り替わり、時間制限なしでコマンドを入力する。攻め側はドリブル・パス・シュート・コンビプレイなどのコマンドで、守り側はタックル・パスカット・マークなどの中から選択する。 ---後のシリーズで登場するシュート対応に特化したブロックはまだなく、本作ではシュート対応はタックルとなる。 --選手はそれぞれレベル、能力値、必殺技が設定されており、上記のコマンドの成立に大きく関わってくる。 --各コマンドの使用には「ガッツ」を消費する。必殺技を使用する際には、大きくガッツを消費する。 --選手に成長要素があり、たとえ試合に負けても選手に経験値が入ってレベルアップする。 -アナウンサー --試合中の画面下部はアナウンサーの解説コーナーになっている。 ---パスやトラップ、シュート等、行動を起こす毎に実況形式で説明が入る。 --なお実況を担当しているのはオリジナルキャラ「おがい((名前の由来はアニメ版で翼を演じた声優・小粥よう子(現・日比野朱里)氏から。彼女はこれが縁で原作者・高橋陽一氏と結婚し、現在に至る。))(中学生編、今作のみ)」と「チャーリー高橋(Jr.ユース編)」。彼らは実況以外でもキックオフさせずに放置しておくと勝手に喋り出したり、マイクをかじりはじめたり、眠り出したりと色々なパフォーマンスを繰り広げるのがシリーズの名物の一つになっている。 -相手がランダムのリーグ戦 --今作のみの特徴として、対戦相手がランダムで決まる試合があり、Jr.ユース編の予選リーグと決勝トーナメント1回戦が該当する。 ---予選リーグでは強豪国(イタリア、ウルグアイ、アルゼンチン(最強))と一般国(イングランド、ベルギー、ポルトガル、スペイン、ポーランド、マレーシア(最弱)、カナダ)がそれぞれ2チームずつリーグに登場する。リーグ戦4試合を戦い抜きリーグでの成績が2位以内だと予選を突破できる。決勝トーナメント1回戦では強豪3国のうちリーグ戦で戦わなかった国との戦いになる。つまり強豪3国とは必ず戦うことになる。 ---基本的には勝ち点の多い順で順位を決め勝ち点は勝利で2点・引分けで1点。勝ち点が同点ならば得失点差の優劣、それも同じ場合は総得点の多い方が上位となる。因みにこれは当時のワールドカップ等でも使われていた国際ルールに準拠している((アメリカワールドカップが行われた1994年から勝ち点は勝利時3点になり相対的に引分けが0.5勝相当から0.33勝相当に下がって、より勝ちの重みが増したことになる。))。 ---全ての国との対戦が必須ではない一般国は強さにバラつきが大きく登場チームの編成しだいで難易度が変化する。必ず戦うことになる強豪国もイタリアとの対戦のタイミングが日向の新必殺「ネオタイガーショット」体得の鍵になるため軽視はできない。 -パスワード制 --ゲーム内では「スコアメモ」と呼称。 --ドラゴンクエストのような、定型文パスワードもいくつか存在する。 ---- **評価点 -子供でも遊びやすいシステム --複雑な操作を必要としないこのシステムは独特の戦略性を生み、サッカーそのものの面白さも充分に引き出した。 --成長要素のおかげで「次は勝てるかも知れない」という希望を持てるため、最後までプレイしやすい。 -キャラクターが大きい --大きな頭身の選手たちが生き生きと動き回る。必殺シュートなども、ボールの威力や軌道の変化などを再現し、その強烈さを印象付けている。 --ゲーム本来の面白さもさることながら、いわゆる「キャプテン翼の世界を再現したキャラゲー」としての魅力も十分である。 -上記のキャラ含め演出面は「シアター」の名に恥じない出来。 --特にシュートの弾道は様々な形で表現され、特にドライブシュートの急落下する様、スカイラブで飛ぶ立花兄弟の躍動など花形は充分すぎるほどの力の入れよう。威力ではあまり高くなく地味な部類に入る松山のイーグルシュートも直線のシュートながら使い回しではなく地を這うような原作のイメージが的確に演出されている。 --モブも含めた共通演出でもタックルの滑り込む挙動やドリブルで抜いていく姿、キーパーのアクションなども非常にダイナミックで見ていて心躍るものが目白押し。 --これは後の作品で更に飛躍的に進化していき、よりその魅力を高めていくのでその地盤となったことも大いに評価できる。 -わかりやすいアナウンサーの存在 --アナウンサーのおかげで、ルールが良く分からない小さな子供でも、割とすんなり状況が把握できた。 --容量の都合もあり、敵は一部の強キャラを除いて「てきの 9ばん」のようにアナウンサーにあるまじき呼び方をするが、このおかげで、注目すべき敵キャラが誰なのかわかりやすい。 --味方が点を入れるとニッコリ顔になり、敵が点を入れると渋い顔をする。わかりやすい。 -BGMも質が良い --FC音源で再現したアニメ版主題歌「燃えてヒーロー」エンディングは「翼よ走れ」が使われている点などもファンには嬉しいサービス。 --東邦戦で流れる日向小次郎のテーマ「荒野への叫び」は作中のBGMの中でも特に評価が高い。 --オリジナル曲も良曲ぞろいで、続編でもアレンジされて使われている。 -キャラのステータスも原作イメージを忠実に再現している。 --全能力が高くて頼りになる翼、シュートとタックルに秀でドリブル時に相手を吹飛ばしやすい日向、翼を凌ぐ能力を誇るが心臓病のためガッツの消耗が極端に早い三杉(残り5分を切ると強制的に0に)、ラストの西ドイツ戦のみ出場し圧倒的な能力を持つ若林など、非常に凝っている。 --原作で「取るや弾くどころかボールにさわってすらいない(イングランドの無名選手にもあっさりゴールを許している)」屈指のザルキーパーとして有名なフランスのGKアモロがしっかり再現されており(但し無名扱いの「てきのキーパー」表記)能力値がかなり低く設定されている。一応一般国(カナダやポルトガルなど1・3回戦の相手)のGKよりは能力値は高いが、強豪国で同じく無名GKのアルゼンチンやウルグアイ(2・4・5回戦の相手)のGKよりも弱い。しかも戦うタイミングが準ラスト(6回戦)なのを鑑みれば時期的にこちらのレベルも高まっているので体感的には一般国のGKクラス以下。 ---忠実すぎるためか格差も大きく、後述の問題点もあるのだが…。 -東邦戦での原作再現 --東邦戦で原作通りの結果になるようにプレイすると原作を忠実に再現した特殊な展開となる。わざわざ専用の一枚絵やセリフが用意されている。原作愛を感じるこだわりっぷり。 -シンプルさゆえの評価点 --ゲーム前半の中学生サッカー大会の原作では、過酷な試合において翼がケガを重ねていき、それゆえに全力を発揮できなかったり、選手生命にもかかわるような描写が見られるなど、痛々しい展開が多かった。 ---しかし、本作ではこう言った要素は存在せず、純粋に実力でぶつかり合う展開が終始なされている。原作再現が不足しているという指摘もなくはないが、これもまた一つの形として評価されている。 **問題点 初作ということもあって、各所に粗削りな点が多々存在する。 ''ゲームバランスの問題'' -各能力の格差 --全日本メンバー間の能力の格差が酷すぎる。確かに原作でも選手間での能力格差はあったが、今作はどう見ても調整に問題がある。 ---傾向として、「原作で活躍した部分のパラメータが異常に高く、他は南葛中のスタメンとほぼ同等」と言った調整が多い。翼や日向、岬、松山、三杉が強いのはわかるが、''石崎が反町や次藤よりシュート力が高かったり''、''新田と立花兄弟の能力値が同じ''という事態が発生しており、ファンなら少々首を捻らざるを得ない。 ---全日本チーム内において、得意な分野と不得意な分野では''実に2~3倍程度の能力値の差''が発生する。にもかかわらず、敵チームはこちらのエース級(翼、日向、岬、三杉、松山)の能力値に合わせて調整されているため、当然下位のレギュラー((新田、佐野、立花兄弟はいずれも必殺シュートを持ってはいるがシュート力が低いためロクに決まらない。ただし最強の隠しシュート「ドライブタイガー」の発動条件(必殺シュートを3回キーパーに防がれる)を満たすための生贄としては使えるのでまだマシではある。なお佐野は原作で使ったはずのオーバーヘッドキックを使えない。))やベンチ選手((修哲トリオ(井沢、滝、来生)や沢田、反町。特に滝のドリブル(他の南葛イレブンよりマシなだけで全日本では低い方)や反町のシュート力(全選手中下から2位タイ、最下位は佐野と沢田)といった本来の得意分野が再現されていないのは酷い。井沢以外は必殺シュートもない。))は使う旨味のない、役たたずとなる。 ---なぜかタックルが異常に高い(全日本中2位)日向((本作ではまだ強引なドリブルやタイガータックルは必殺技として存在せず、日向の特殊能力扱いで固有の名称も無かった。つまり続編経験者から見ればこの能力設定は「タダでタイガータックル使い放題」という数値だと言える。))や''守備関連能力が他者を大幅に引き離すほど高い三杉((今作の三杉は25分経過すると強制的にガッツ0になるが今作では試合中のガッツの回復自体は他選手同様に行われるし、自動カット時はガッツ値の影響を受けないので守備要員として置いておくだけでもそれなりに機能する。))''等、後の展開を予想させる設定も多いので面白くはあるのだが…。 --当然GKも能力格差が酷い。 ---南葛中のS・G・G・K(スーパー・ガンバリ・ゴール・キーパー)((これはワールドユース編で呼ばれたものであって当時はなかった呼称。そもそも、その起源だった若林の「S・G・G・K」も当時は「G・S・G・K」だった))こと森崎君の各能力を1と仮定して比較した場合''森崎:1 若島津:1.5((原作同様、怪我をしているという設定のようで、レベルが上がりすぎると三角飛びが必ず失敗するようになる。)) 若林:3''となる。GKのレベルは森崎を基準に引き継がれるので、森崎を使い続けるメリットは攻略上全く無い。どうしても使い続けるのなら愛と根性、相当な労力を要することになる。~ ネット普及後、原作での扱い((何もできずにゴールされたり、「キーパー森崎君とれなーい!」を「キーパー森崎君だからとれなーい!」に改変したコラ画像が出回ったりした))や本作での性能などから、森崎君に対してS・G・G・K(スーパー・&bold(){ガッカリ}・ゴール・キーパー)などとネタにされる事が増えたりもした。それを差し置いても、森崎君はなんだかんだファンから愛されてるキャラであることは間違いないのだが…。~ もっとも、今作では最初から全GKが使えるわけではないため、各GKに出番がきちんと用意されており一応バランスは取れている(森崎は全国大会編の正GK、若林はJY編決勝しか出場しないのでそれまでは若島津が事実上の全日本の正GK。これは原作に完全準拠の設定。)。 --レベルが高いと何でもありになる。 ---味方ゴール前からシュートを打っても、敵選手を何人もふっとばしてあっさりと敵ゴールに入る無茶苦茶な局面も…。但し、若島津や若林以上の実力のキーパーにはあまり通用しない。 -負け越し(レベル上げ)前提のゲームバランス --1試合ごとの敵チームの強さの上昇が激しく、反則等のランダム要素は存在しない為、無敗で勝ち抜くのは困難。 ---負けるたびに日本での試合であろうとも若林から叱咤される。お前はドイツにいる筈だろうに… ''その他システム面の問題'' -試合前のインフォメーション関連 --フォーメーションやディフェンスタイプの変更は実装されておらず、フォーメーションは原作の4-3-3で固定。 ---このため中盤の守備が薄く、相手チームにボールを奪われると容易にカウンターされてしまう。 --スタメン、ベンチ間でしかポジションチェンジを行えない。例えば松山をDFからFWに変更する場合は一度控えに回してから任意のポジションに移さなければならず、少々面倒。ハーフタイム(一度入れ替えた選手は×マークが付き二度と選択できない。)や全国大会編ではポジションの変更すらできない。 ---さらに自分で設定したフォーメーションを記憶してくれない。特に途中参加で戦力として期待できる岬や若林はベンチ側に設定されているために、基本的に各試合ごとに設定し直さなければならない。また、ディフェンダーも、能力の高い石崎が外され、彼より能力が劣る高杉がスタメンに起用されている。もっともこれは原作再現であるし、また全日本にはディフェンス向きの選手自体が少ないので(松山や三杉をDFとして使わないならば)高杉も使う余地はある。 -試合中関連 ---ドリブル中に表示されるのは、ボールを持っているキャラクターのみで、そのほかのキャラクターは操作できない。つまり、敵がボールを持っているときはほぼ操作不能。 ---ボールを持っていない選手のポジションは「パス」コマンドを選ばないと表示されない。 ---利用価値の低い「マーク」コマンド。相手に行動させずに他の選手を守備に参加させられる…という効果があるのだが、ほとんどの選手はマーク能力自体がかなり低く設定されているため、実際は滅多なことでは成功しない「死にコマンド」である。事実、次回作からは削除された。 ---パス先に指定できるのは、一度のパスコマンドで表示される4人だけ。そのためどうしてもパスしたい味方が出てこない場合、何度か「パス」コマンドを選びなおすことで、表示させてやる必要がある。これは仕様として一応説明書にも記載されている。 ''キャラゲーとしての問題'' -必殺技はシュート系とコンビプレイのみ。 --しかもプレイヤー側が使用できるのは翼と岬のゴールデンコンビのみ。敵側で政夫と和夫が使っていたジェミニアタックはなぜか使用できない。 --そのためにほかのコマンド(タックル、ドリブル、パスカット等)は純粋に能力値の勝負になっている…が、これが前述の難点になってしまっている。 -最も不遇なのが次藤で、原作で猛威を振るった巨体を利したチャージやブロックが一切ない。 --また、必殺シュートはあるのに次藤が巨体から繰り出したパワーによるシュートはなく前述の通り次藤自身のシュート力も低い。ゲームでも比良戸中は原作通り準々決勝(ゲームでは6戦目)の相手だというのに原作と違ってまったく強敵に思えない((原作では南葛相手に3点差をつけた唯一の相手。))。 ---ただしディフェンス能力自体は高いので味方の守備要員としては有能。この点に関しては石崎に大きく優っている。そもそも本作では次藤に限らず必殺ディフェンス自体がほとんど存在しない((唯一の例外が若島津の三角跳び。))ので、原作再現が不完全なのは次藤に限った話ではない。 -南葛中のメンバーで修哲トリオは本来、ゲームメーカー(パス)の井沢、ドリブルの滝、シュートの来生という位置付けのはずだが、来生のシュート力は井沢や石崎と同じでしかない。それでいて井沢はパス力が高くなっている上、石崎はタックルやパスカット力が非常に高い(この2人の他の能力はすべて来生と同じなので、これだけでも来生の上位互換)。更に井沢や石崎はダイビングヘッドが使えるので実質得点力でも来生を上回るので来生のみ原作での持ち味を殺されてしまっている((一応、全国大会編ではポジション変更が行えないのでCFの来生が最もダイレクトシュートを使用しやすくMFの井沢はともかくDFの石崎がダイビングヘッドを使うには長時間ボールキープする必要に迫られる。 この時に他DFも前進してしまうのでボールを奪われれば一気に味方ゴールに攻め込まれる危険性のある戦略ではある。))。 -ゲームオリジナルの展開 --全国大会から始まるので地区予選決勝の相手、大友中とは戦えない。 ---原作では事実上中学編での初試合と呼べる戦いで、Jr.ユース編に登場する新田もいるので再現しても良かったと思うのだが。 --ゲームバランスの関係か試合順が変わっていたり(東一中と錦が丘)、他の中学が戦ったチーム(明和東、南宇和)と戦う。 ---ただし原作で戦ったチームは(錦が丘を除いて)どれも強敵なので、難易度の調整という意味では機能している。 ---試合順はまあ仕方がないとしても、原作で戦わなかった中学との戦いははっきり言って蛇足。こんなことなら1回戦を原作の静岡大会で大勝した相手のうちから1校、その次を地区決勝の大友中にした方が自然。 ---また、原作の設定に逆らってまで入れた明和東中だが全員「てきの〇ばん」という無名選手扱いと拘りがあるのかないのかよくわからないことになっている。せめてキャプテンの成田や元明和FCメンバー8人中でのリーダー格であるCFの沢木あたりは入れるべきだっただろう。 --全日本編ではアドベンチャーゲームをプレイする必要がある。パリ市内のどこかにいる、重要な仲間キャラクターを探し出すのが目的で探し出せれば以後、試合に加わってくれるようになるのだが… ---制限時間があったり、調べる場所を厳密にカーソル指定しなくてはならない場面があるなど、難易度は地味に高い。しかもクリアする方法が''対象人物がいる場所でコマンド総当りの後に帰る''と偶然すれ違って会える((一応、原作の再現である。))という物で、普通にやっているとまず気づかない。 ---またこのアドベンチャーでピエールに会うことができるのだが、''おれのいえはかねもちだ つばさ かねもちはいいぞ''などとのたまう((勿論、原作のピエールはこんな人物ではない。))。 //--特定の相手に対して負けっぱなしのまま他の相手に勝って優勝することがある。 //---リアルなリーグ戦方式は原作を無視すれば面白い要素だが「リーグ2位以内なら予選通過」により「特定の相手(大体ウルグアイかアルゼンチン)に対して負けっぱなしのまま形式的に優勝(話の流れでは「なかったこと」になる敗戦時のリトライは除く)」というシチュエーションが発生するので「完全勝利主義」のキャプテン翼らしくない。 //---基本的にキャプテン翼は苦戦しながらも全勝のストーリー。例外的に小学生編の予選リーグ1回戦で明和(日向のチーム)に6対7で負けたことがあったが、結果的に2位通過で決勝トーナメントを勝ち進み、決勝で再び明和と顔を合わせ試合終了間近にリードを奪い、そのままでも3対2で優勝のはずだったが翼は「1回戦は6対7で負けているから、1点差の勝ちでは引分けと同じ」と完全勝利に拘り追加点を奪った(2試合を合算すれば10対9で勝利)((現実なら大抵の人はここまで潔癖な考え方はまずしない。逆にヘタに攻めてカウンターで同点にされたりすることを嫌う傾向にある。また1回戦は森崎(南葛)深谷(明和)という控えのザルキーパー同士だったが、決勝は若林と若島津が出ており明らかに1点の重みが違うため、1点差のままでも正GKから多く取った南葛が「実力でも完全優勝」と言っても何ら差し支えない。))。このように一度負けた相手にも、それ以上の形で勝っているがゲームでは再戦すらできない((因みにゲームの元ネタにあたるJrユース大会の予選リーグは1位のみが決勝トーナメント(準決勝)進出だった。))。 //流石に好みの問題すぎると思ったのでCO。 //ただゲームとしてなら好みの問題だろうがキャラゲーという観点では大事でしょ。実際2は話の上ではリーグ2位まで1次リーグ突破だったけど絶対1位通過前提だったし2以降のようなオリジナルストーリーならまだしも原作準拠だから //↑いや、そもそも「完全勝利主義」というのがよくわからない。中学生大会編で単独優勝をするように「ゲームオリジナル展開になることもある」にすぎないだろうし原作準拠の試合結果にもちゃんとできる。予選二位通過をすることで原作の展開に致命的な矛盾を起こす要素には見えないのだが。 -ネオタイガーショットの習得方法 --原作と同じく吉良監督からブラックボールを送ってもらって習得するのだが… ---フラグが立つ条件が日向のレベルを12以上にしてから''1試合で2回ペナルティエリア内からのタイガーショットを失敗する。''という物。タイガーショットは強力なため、普通のキーパーでは失敗させるどころか点が入ってしまい、まず条件を満たすことができない。 ---イタリア(試合タイミングがランダム)、西ドイツ戦(最終戦)のような強力なキーパーがいる試合で狙わなければ習得しにくい、という本末転倒な状況に。 -用意された試合中の選手グラフィックは数種類程度、かつ全部標準的な体型である為、時に違和感が生じたりする。 --特に顕著なのが角刈りタイプで、巨漢の次藤や小柄な沢田やカルツが早田などと同じ外見になってしまっている。しかも原作での次藤はパワーで強引に吹っ飛ばして進むタイプのドリブル一本なのに普通にかわすだけになっており全くらしさがない(因みにゲーム中で強引なドリブルをする日向は原作準拠だが、かわして抜くことも普通にあったので次藤ほどではない)。 ---当時、まだ信頼性のあったファミコン通信の(付録冊子であるが)ゲームカタログのレビューでも「見分けのつかないキャラ」を指摘されている。特に「岬、三杉、反町、松山」は原作でも肥えたファンでないと区別がつきにくいのだが、ドット絵ではもう四つ子である。((原作初期では松山は日向と同じ目の描き方をしており、一応差別化されている。)) ---本作オリジナルの要素として、岬は茶髪、三杉は赤髪、というように同じ顔つきのキャラは原作から髪の色を変更することで何とか差別化している。「Ⅱ」も髪色による区別は続いた。 ---「Ⅲ」以降はカットインに専用の絵が与えられたキャラが増えており、多少改善されている。 --グラフィックに関しては、当時は使える容量が少なく、容量節約のため仕方のない事であったのだろう(特にプラットフォームがFCの本作であればなおさらである)。 ---- **総評 粗があるとは言え、今までになかった、リアルタイムシミュレーションゲームという斬新なアイデアは多くのユーザーを魅了した。選手ごとにコマンドを選び、ガッツを消費して実行させる…このシステムの登場でアクション性に依存しないスポーツゲームも製作できると言う事を知らしめ、シミュレーション形式のスポーツゲームが登場し始めるきっかけとなった功績は大きい。~ ~ そしてもう一つ注目したいのが、「キャラゲー=クソゲー」というセオリーを覆した数少ない作品の一つでもあること。システムの改善、オリジナルストーリーで原作のその後を描く…など独自の発展を続け、原作終了後実に6年間もシリーズが保たれていたことは、アニメ・マンガをベースとした作品としては大変珍しいケースであった。 ---- **その後の展開 -本作の人気から続編が作られシリーズ化していった。まず1990年7月に『[[キャプテン翼II スーパーストライカー]]』を発売。 --技の幅が広がったり、システムもさらに改良され非常に評価が高い。 --原作のジャンプ連載は本作の発売時期に終了し、完結した状態だったため、テクモによるオリジナルストーリーだがキャラクターはそれぞれ原作がしっかり踏襲されており、オリジナルキャラもその中に自然に溶け込んでおりゲームヌキにして、ストーリーそのものの評価も非常に高い。 -移植版やリメイクは出ていないが1992年に海外で発売されている「テクモカップ サッカーゲーム」はほぼこれと同じ内容である。 --ただし、版権にかかわる部分は変更されており「キャプテン翼」との関連性は無い。「キャプテン翼」の知名度があるヨーロッパでも北米版準拠のでの発売となったが、タイトルのみ発売地域に合わせ「テクモカップ フットボールゲーム」と改題されている((なお、ヨーロッパにおいてはMDにも『III』のシステム準拠で本作の続編が開発されていたものの、諸事情により発売中止となってしまった。))。 --また、今作と同じく原作準拠でストーリーもほぼ同じ作品がPS2(バンダイ製)、NDS(コナミ製)で発売されている。 ---どちらもある程度の違いはあるものの''コマンド選択で各行動を行う''、''各行動にカットインが入る''等本作の影響を受けた表現やシステムが使われている。 -スーパードッジボールを題材にしたドッジ弾平や[[FFX>ファイナルファンタジーX]]のミニゲームのブリッツボール等、この作品の影響を受けたゲームは意外と多い。 **余談 -アニメ終了及び連載終了直前の販売 --実は当初の発売は1986年であったのだが、発売延期を繰り返した結果記載されている年月日に発売されるという経緯を持ち、相当な難産であった事が窺える。 --元々が漫画を題材にした所詮キャラゲーの為に開発中止も十分にあり得た事であり、そうなっていたら現在のスポーツゲームの在り方が変わっていた可能性もあり得た。 -お遊びメッセージの数々 --全国大会優勝時の会話時に出てくる「ン?」の時に十字キーの右か左を押したり、アドベンチャーの時にキャラクターの口元を調べると変なメッセージが出る。 ---主役は俺だと言い合う翼、日向、そこに首を突っ込む若島津やコミックスやゲームの宣伝、ユニホームの交換を拒否したり同時優勝になった時に日向を罵倒したりしてボコボコにされる等感動をぶち壊しにする事請け合い。 ---この技は徳間書店のファミコン情報誌『ファミリーコンピュータMagazine』1988年11号(6月3日号)の裏技コーナー「超ウルトラ技50+1」に掲載されたが、同コーナーで掲載されたものを集約した大技林には何故か掲載されていない。 --岬捜索のアドベンチャーパートで出会うピエールの口を調べると「ピエールホットライン」と言って「ここに電話するといいことあるぞ」と03-256-2525という番号を教えてくる。 ---これはテクモのテレフォンサービス「テクモホットライン」であり説明書にもその記載がある。 ---因みにこの番号が使われたのは本作が最後で12月の『[[忍者龍剣伝]]』では03-222-7550((続編でも決勝前に隠しイベントでシュナイダーがこの電話番号を教えてくれる。))に変わっている。これはその後しばらく使われ1991年には東京23区の一斉変更に合わせアタマに3が付いて03-3222-7550として持続使用されたが現在は使われていない。 --同パートで岬の父一郎の口を調べると「ゲージュツはバクハツだ!」と言うネタもある。 -テクモスタッフの遊び心なのか、リーグ戦で戦うチームにオリジナルキャラクターが登場する。 --登場するのはマッハー(ポーランド)、リネカー(イングランド)、アルゴス(スペイン)、シャラーナ(ポルトガル)の4人。 ---オリジナル必殺シュートはなく、特徴があるのはドリブル倍速のマッハーだけ。次回作でもポーランドチームで対戦する事になる。 ---イングランドは原作でフランスと戦っており、原作キャラのDFロブソンもきちんと出場しているが、リネカーは完全オリジナルキャラ。続編ではロリマーという名前に変わっている((同名でゲーリー・リネカーというイングランド人選手が実在しており後に来日しJリーグの「名古屋グランパス」に3年ほど在籍してプレーしていた。(ちなみに1986年のワールドカップメキシコ大会の得点王で、当時のイングランド代表のエースである。)開発スタッフが当時彼のことを知っていたか知らなかったかは定かではないが、Ⅱの開発時点ではまったく同じ名前では問題ありと判断して変えられたと考えられる。))。IIIからは必殺シュートも体得。~ 劇場版で登場した((TVでも中学生編の準決勝と決勝の間で翼が見ていた夢の中(小学生の全国優勝の後の回想という形)で登場。))パワーストライカーのスティーブは登場していない((小学生編設定の「VS」でも出ていない。その一方でTV放送時にスティーブのチームメイトのリチャードがパワー技を使うストライカーとして登場している。))。 ---スペインのアルゴスくんは同時期発売予定の『[[アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃]]』の宣伝も兼ねていたが、本作の発売がかなり遅れたため結局1年も間が開いてしまい宣伝効果は低かった。 ---ポルトガルチームは次回作でも登場するが、西ドイツに負けてしまうため再戦の機会はない。 -ガッツ不足の際の「くっ! ガッツがたりない!」という台詞がよくネタにされる。 --この台詞はキャプテン翼の本編とは直接の関係はなく、ゲーム制作者の口癖をゲームに入れただけとのこと。 -南宇和戦の前に監督に情報を聞くと「武井のダイビングヘッドには気を付けろ」と言われるが、実装すらされていないため使うことはない。 --原作で南宇和は、松山率いるふらの中と準々決勝(ふらのにとっては南葛戦の前)で対戦しキャッチに来たキーパー加藤の手を強引にヘディングで押し込んでゴールを決めたが、ボールそのものが高かったのでこれはゲーム中で「ヘディング」に該当する(アニメでも原作でも「ダイビングヘッド」とは言及されていない)。 --後のメガCD版では「パワーヘディング」として正式に必殺技となった。 -上述の通り日向の「ネオタイガーショット」は全日本入りしてから体得するため、その台詞は完全に仲間(プレイヤー側)ありきのものになっている。 --だが、そのフラグ自身は独立しており、それさえ立っていれば敵側にいる日向でもネオタイガーを放ってくる。 --つまりパスワードでそれを体得した状態で国内大会から始めると南葛対東邦戦でも放ってくるのだが、その時「''くらえ!とうほう!''これがおれのネオタイガーショットだ!」とまるで自殺点(オウンゴール)する気マンマンのような珍妙な台詞を見ることができる。 ---当然、その言葉に反してちゃんと森崎の守る南葛ゴールに向けて容赦なく飛んでくる。 --他に特殊なパスワードなどで全日本で東邦(日向のいる中等部)を相手に戦う場合も、同じ台詞を見ることができる。 -ファミ通にて2003年にファミコン生誕20周年を記念して行った「最も心に残ったファミコンソフトは?」というアンケートでは本作が27位、IIが51位に入り、キャラゲー部門では1位と2位を独占した。 --キャラゲーとしては他に類を見ない程長く愛されてるゲームであることが窺える。 ---上記の様に原作終了前後の発売でありながらゲームオリジナルストーリーの続編が出る程の人気を誇り、後に原作の続編が連載される等与えた影響は予想以上に大きい事が窺える。 -島田秀平が都市伝説の持ちネタ「[[ドラクエI>ドラゴンクエスト]]のパスワードが意味のある文章になる」のキャプテン翼版がいくつか存在する。~ 「つばさはつ よいつよい つよいつよい~ つよいつよ いつよいつ よいなあああ」~ 「ぼくはおお ぞらつばさ とみさきたろ~ うふたりそ ろつてゆう しようしよう」~ 「もえろもえ ろもえろも えろもえろも~ えろもえろ もえろひゆ うがこじろう」~ 等、その他にもある。 ただし、ドラクエの様に「未来の予言的文章」では無いし、早くから知れ渡っているので仕込みの疑いがある。 -CMではアニメ本編での場面は一切使われていない。最後のタイトルコール「キャプテン翼もうすぐ新登場だ!」も、翼役の小粥よう子氏ではなく三杉役の溝口綾氏。 --難産の果ての話題作の割にCMはアニメからの流用はなく実写のサッカー映像にゲーム画面のみと、さほど力を入れようが感じ難いものになっている。 --ゲーム本編で使われていないボツ絵が見られる一面もある。
*キャプテン翼 【きゃぷてんつばさ】 |ジャンル|スポーツ・シミュレーション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/4122lmnDPEL.jpg,width=200,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HBY)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |発売元|テクモ|~| |発売日|1988年4月28日|~| |定価|5,500円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼シリーズリンク>キャプテン翼シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 週刊少年ジャンプで連載していたサッカー漫画「キャプテン翼」をゲーム化。~ アクション性を徹底排除しながらも、リアルタイムで試合が進行するという、今までのスポーツゲームとは一線を画するシステムを備えたことで話題を呼んだ。~ 漫画本編の「中学生編」から「Jr.ユース編」までを追う、原作準拠のストーリー。 ムービーシーンを取り入れストーリー性と演出を重視したテクモシアターシリーズ第1弾。 **特徴 -スポーツゲームでありながらシミュレーションゲーム --直接選手を操作できるのはボール持ちの味方だけ。それ以外の選手は全て自動的に動くようになっている。 ---ボタンを押せばコマンド入力画面に切り替わり、パスを出したり、シュートを打ったり、フォーメーションコマンドを使うことができる。 --敵とクロスプレイになると画面が切り替わり、時間制限なしでコマンドを入力する。攻め側はドリブル・パス・シュート・コンビプレイなどのコマンドで、守り側はタックル・パスカット・マークなどの中から選択する。 ---後のシリーズで登場するシュート対応に特化したブロックはまだなく、本作ではシュート対応はタックルとなる。 --選手はそれぞれレベル、能力値、必殺技が設定されており、上記のコマンドの成立に大きく関わってくる。 --各コマンドの使用には「ガッツ」を消費する。必殺技を使用する際には、大きくガッツを消費する。 --選手に成長要素があり、たとえ試合に負けても選手に経験値が入ってレベルアップする。 -アナウンサー --試合中の画面下部はアナウンサーの解説コーナーになっている。 ---パスやトラップ、シュート等、行動を起こす毎に実況形式で説明が入る。 --なお実況を担当しているのはオリジナルキャラ「おがい((名前の由来はアニメ版で翼を演じた声優・小粥よう子(現・日比野朱里)氏から。彼女はこれが縁で原作者・高橋陽一氏と結婚し、現在に至る。))(中学生編、今作のみ)」と「チャーリー高橋(Jr.ユース編)」。彼らは実況以外でもキックオフさせずに放置しておくと勝手に喋り出したり、マイクをかじりはじめたり、眠り出したりと色々なパフォーマンスを繰り広げるのがシリーズの名物の一つになっている。 -相手がランダムのリーグ戦 --今作のみの特徴として、対戦相手がランダムで決まる試合があり、Jr.ユース編の予選リーグと決勝トーナメント1回戦が該当する。 ---予選リーグでは強豪国(イタリア、ウルグアイ、アルゼンチン(最強))と一般国(イングランド、ベルギー、ポルトガル、スペイン、ポーランド、マレーシア(最弱)、カナダ)がそれぞれ2チームずつリーグに登場する。リーグ戦4試合を戦い抜きリーグでの成績が2位以内だと予選を突破できる。決勝トーナメント1回戦では強豪3国のうちリーグ戦で戦わなかった国との戦いになる((ただし特殊なパスワードを使ったなどして予選4試合を圧倒的過ぎる勝ち方で進めた場合、何故か決勝であたる西ドイツと対戦する事になる。なおここで西ドイツに勝ってもエンディングにはならないし、なんなら決勝でもう1回西ドイツとやり合う事になる))。つまり強豪3国とは必ず戦うことになる。 ---基本的には勝ち点の多い順で順位を決め勝ち点は勝利で2点・引分けで1点。勝ち点が同点ならば得失点差の優劣、それも同じ場合は総得点の多い方が上位となる。因みにこれは当時のワールドカップ等でも使われていた国際ルールに準拠している((アメリカワールドカップが行われた1994年から勝ち点は勝利時3点になり相対的に引分けが0.5勝相当から0.33勝相当に下がって、より勝ちの重みが増したことになる。))。 ---全ての国との対戦が必須ではない一般国は強さにバラつきが大きく登場チームの編成しだいで難易度が変化する。必ず戦うことになる強豪国もイタリアとの対戦のタイミングが日向の新必殺「ネオタイガーショット」体得の鍵になるため軽視はできない。 -パスワード制 --ゲーム内では「スコアメモ」と呼称。 --ドラゴンクエストのような、定型文パスワードもいくつか存在する。 ---- **評価点 -子供でも遊びやすいシステム --複雑な操作を必要としないこのシステムは独特の戦略性を生み、サッカーそのものの面白さも充分に引き出した。 --成長要素のおかげで「次は勝てるかも知れない」という希望を持てるため、最後までプレイしやすい。 -キャラクターが大きい --大きな頭身の選手たちが生き生きと動き回る。必殺シュートなども、ボールの威力や軌道の変化などを再現し、その強烈さを印象付けている。 --ゲーム本来の面白さもさることながら、いわゆる「キャプテン翼の世界を再現したキャラゲー」としての魅力も十分である。 -上記のキャラ含め演出面は「シアター」の名に恥じない出来。 --特にシュートの弾道は様々な形で表現され、特にドライブシュートの急落下する様、スカイラブで飛ぶ立花兄弟の躍動など花形は充分すぎるほどの力の入れよう。威力ではあまり高くなく地味な部類に入る松山のイーグルシュートも直線のシュートながら使い回しではなく地を這うような原作のイメージが的確に演出されている。 --モブも含めた共通演出でもタックルの滑り込む挙動やドリブルで抜いていく姿、キーパーのアクションなども非常にダイナミックで見ていて心躍るものが目白押し。 --これは後の作品で更に飛躍的に進化していき、よりその魅力を高めていくのでその地盤となったことも大いに評価できる。 -わかりやすいアナウンサーの存在 --アナウンサーのおかげで、ルールが良く分からない小さな子供でも、割とすんなり状況が把握できた。 --容量の都合もあり、敵は一部の強キャラを除いて「てきの 9ばん」のようにアナウンサーにあるまじき呼び方をするが、このおかげで、注目すべき敵キャラが誰なのかわかりやすい。 --味方が点を入れるとニッコリ顔になり、敵が点を入れると渋い顔をする。わかりやすい。 -BGMも質が良い --FC音源で再現したアニメ版主題歌「燃えてヒーロー」エンディングは「翼よ走れ」が使われている点などもファンには嬉しいサービス。 --東邦戦で流れる日向小次郎のテーマ「荒野への叫び」は作中のBGMの中でも特に評価が高い。 --オリジナル曲も良曲ぞろいで、続編でもアレンジされて使われている。 -キャラのステータスも原作イメージを忠実に再現している。 --全能力が高くて頼りになる翼、シュートとタックルに秀でドリブル時に相手を吹飛ばしやすい日向、翼を凌ぐ能力を誇るが心臓病のためガッツの消耗が極端に早い三杉(残り5分を切ると強制的に0に)、ラストの西ドイツ戦のみ出場し圧倒的な能力を持つ若林など、非常に凝っている。 --原作で「取るや弾くどころかボールにさわってすらいない(イングランドの無名選手にもあっさりゴールを許している)」屈指のザルキーパーとして有名なフランスのGKアモロがしっかり再現されており(但し無名扱いの「てきのキーパー」表記)能力値がかなり低く設定されている。一応一般国(カナダやポルトガルなど1・3回戦の相手)のGKよりは能力値は高いが、強豪国で同じく無名GKのアルゼンチンやウルグアイ(2・4・5回戦の相手)のGKよりも弱い。しかも戦うタイミングが準ラスト(6回戦)なのを鑑みれば時期的にこちらのレベルも高まっているので体感的には一般国のGKクラス以下。 ---忠実すぎるためか格差も大きく、後述の問題点もあるのだが…。 -東邦戦での原作再現 --東邦戦で原作通りの結果になるようにプレイすると原作を忠実に再現した特殊な展開となる。わざわざ専用の一枚絵やセリフが用意されている。原作愛を感じるこだわりっぷり。 -シンプルさゆえの評価点 --ゲーム前半の中学生サッカー大会の原作では、過酷な試合において翼がケガを重ねていき、それゆえに全力を発揮できなかったり、選手生命にもかかわるような描写が見られるなど、痛々しい展開が多かった。 ---しかし、本作ではこう言った要素は存在せず、純粋に実力でぶつかり合う展開が終始なされている。原作再現が不足しているという指摘もなくはないが、これもまた一つの形として評価されている。 **問題点 初作ということもあって、各所に粗削りな点が多々存在する。 ''ゲームバランスの問題'' -各能力の格差 --全日本メンバー間の能力の格差が酷すぎる。確かに原作でも選手間での能力格差はあったが、今作はどう見ても調整に問題がある。 ---傾向として、「原作で活躍した部分のパラメータが異常に高く、他は南葛中のスタメンとほぼ同等」と言った調整が多い。翼や日向、岬、松山、三杉が強いのはわかるが、''石崎が反町や次藤よりシュート力が高かったり''、''新田と立花兄弟の能力値が同じ''という事態が発生しており、ファンなら少々首を捻らざるを得ない。 ---全日本チーム内において、得意な分野と不得意な分野では''実に2~3倍程度の能力値の差''が発生する。にもかかわらず、敵チームはこちらのエース級(翼、日向、岬、三杉、松山)の能力値に合わせて調整されているため、当然下位のレギュラー((新田、佐野、立花兄弟はいずれも必殺シュートを持ってはいるがシュート力が低いためロクに決まらない。ただし最強の隠しシュート「ドライブタイガー」の発動条件(必殺シュートを3回キーパーに防がれる)を満たすための生贄としては使えるのでまだマシではある。なお佐野は原作で使ったはずのオーバーヘッドキックを使えない。))やベンチ選手((修哲トリオ(井沢、滝、来生)や沢田、反町。特に滝のドリブル(他の南葛イレブンよりマシなだけで全日本では低い方)や反町のシュート力(全選手中下から2位タイ、最下位は佐野と沢田)といった本来の得意分野が再現されていないのは酷い。井沢以外は必殺シュートもない。))は使う旨味のない、役たたずとなる。 ---なぜかタックルが異常に高い(全日本中2位)日向((本作ではまだ強引なドリブルやタイガータックルは必殺技として存在せず、日向の特殊能力扱いで固有の名称も無かった。つまり続編経験者から見ればこの能力設定は「タダでタイガータックル使い放題」という数値だと言える。))や''守備関連能力が他者を大幅に引き離すほど高い三杉((今作の三杉は25分経過すると強制的にガッツ0になるが今作では試合中のガッツの回復自体は他選手同様に行われるし、自動カット時はガッツ値の影響を受けないので守備要員として置いておくだけでもそれなりに機能する。))''等、後の展開を予想させる設定も多いので面白くはあるのだが…。 --当然GKも能力格差が酷い。 ---南葛中のS・G・G・K(スーパー・ガンバリ・ゴール・キーパー)((これはワールドユース編で呼ばれたものであって当時はなかった呼称。そもそも、その起源だった若林の「S・G・G・K」も当時は「G・S・G・K」だった))こと森崎君の各能力を1と仮定して比較した場合''森崎:1 若島津:1.5((原作同様、怪我をしているという設定のようで、レベルが上がりすぎると三角飛びが必ず失敗するようになる。)) 若林:3''となる。GKのレベルは森崎を基準に引き継がれるので、森崎を使い続けるメリットは攻略上全く無い。どうしても使い続けるのなら愛と根性、相当な労力を要することになる。~ ネット普及後、原作での扱い((何もできずにゴールされたり、「キーパー森崎君とれなーい!」を「キーパー森崎君だからとれなーい!」に改変したコラ画像が出回ったりした))や本作での性能などから、森崎君に対してS・G・G・K(スーパー・&bold(){ガッカリ}・ゴール・キーパー)などとネタにされる事が増えたりもした。それを差し置いても、森崎君はなんだかんだファンから愛されてるキャラであることは間違いないのだが…。~ もっとも、今作では最初から全GKが使えるわけではないため、各GKに出番がきちんと用意されており一応バランスは取れている(森崎は全国大会編の正GK、若林はJY編決勝しか出場しないのでそれまでは若島津が事実上の全日本の正GK。これは原作に完全準拠の設定。)。 --レベルが高いと何でもありになる。 ---味方ゴール前からシュートを打っても、敵選手を何人もふっとばしてあっさりと敵ゴールに入る無茶苦茶な局面も…。但し、若島津や若林以上の実力のキーパーにはあまり通用しない。 -負け越し(レベル上げ)前提のゲームバランス --1試合ごとの敵チームの強さの上昇が激しく、反則等のランダム要素は存在しない為、無敗で勝ち抜くのは困難。 ---負けるたびに日本での試合であろうとも若林から叱咤される。お前はドイツにいる筈だろうに… ''その他システム面の問題'' -試合前のインフォメーション関連 --フォーメーションやディフェンスタイプの変更は実装されておらず、フォーメーションは原作の4-3-3で固定。 ---このため中盤の守備が薄く、相手チームにボールを奪われると容易にカウンターされてしまう。 --スタメン、ベンチ間でしかポジションチェンジを行えない。例えば松山をDFからFWに変更する場合は一度控えに回してから任意のポジションに移さなければならず、少々面倒。ハーフタイム(一度入れ替えた選手は×マークが付き二度と選択できない。)や全国大会編ではポジションの変更すらできない。 ---さらに自分で設定したフォーメーションを記憶してくれない。特に途中参加で戦力として期待できる岬や若林はベンチ側に設定されているために、基本的に各試合ごとに設定し直さなければならない。また、ディフェンダーも、能力の高い石崎が外され、彼より能力が劣る高杉がスタメンに起用されている。もっともこれは原作再現であるし、また全日本にはディフェンス向きの選手自体が少ないので(松山や三杉をDFとして使わないならば)高杉も使う余地はある。 -試合中関連 ---ドリブル中に表示されるのは、ボールを持っているキャラクターのみで、そのほかのキャラクターは操作できない。つまり、敵がボールを持っているときはほぼ操作不能。 ---ボールを持っていない選手のポジションは「パス」コマンドを選ばないと表示されない。 ---利用価値の低い「マーク」コマンド。相手に行動させずに他の選手を守備に参加させられる…という効果があるのだが、ほとんどの選手はマーク能力自体がかなり低く設定されているため、実際は滅多なことでは成功しない「死にコマンド」である。事実、次回作からは削除された。 ---パス先に指定できるのは、一度のパスコマンドで表示される4人だけ。そのためどうしてもパスしたい味方が出てこない場合、何度か「パス」コマンドを選びなおすことで、表示させてやる必要がある。これは仕様として一応説明書にも記載されている。 ''キャラゲーとしての問題'' -必殺技はシュート系とコンビプレイのみ。 --しかもプレイヤー側が使用できるのは翼と岬のゴールデンコンビのみ。敵側で政夫と和夫が使っていたジェミニアタックはなぜか使用できない。 --そのためにほかのコマンド(タックル、ドリブル、パスカット等)は純粋に能力値の勝負になっている…が、これが前述の難点になってしまっている。 -最も不遇なのが次藤で、原作で猛威を振るった巨体を利したチャージやブロックが一切ない。 --また、必殺シュートはあるのに次藤が巨体から繰り出したパワーによるシュートはなく前述の通り次藤自身のシュート力も低い。ゲームでも比良戸中は原作通り準々決勝(ゲームでは6戦目)の相手だというのに原作と違ってまったく強敵に思えない((原作では南葛相手に3点差をつけた唯一の相手。))。 ---ただしディフェンス能力自体は高いので味方の守備要員としては有能。この点に関しては石崎に大きく優っている。そもそも本作では次藤に限らず必殺ディフェンス自体がほとんど存在しない((唯一の例外が若島津の三角跳び。))ので、原作再現が不完全なのは次藤に限った話ではない。 -南葛中のメンバーで修哲トリオは本来、ゲームメーカー(パス)の井沢、ドリブルの滝、シュートの来生という位置付けのはずだが、来生のシュート力は井沢や石崎と同じでしかない。それでいて井沢はパス力が高くなっている上、石崎はタックルやパスカット力が非常に高い(この2人の他の能力はすべて来生と同じなので、これだけでも来生の上位互換)。更に井沢や石崎はダイビングヘッドが使えるので実質得点力でも来生を上回るので来生のみ原作での持ち味を殺されてしまっている((一応、全国大会編ではポジション変更が行えないのでCFの来生が最もダイレクトシュートを使用しやすくMFの井沢はともかくDFの石崎がダイビングヘッドを使うには長時間ボールキープする必要に迫られる。 この時に他DFも前進してしまうのでボールを奪われれば一気に味方ゴールに攻め込まれる危険性のある戦略ではある。))。 -ゲームオリジナルの展開 --全国大会から始まるので地区予選決勝の相手、大友中とは戦えない。 ---原作では事実上中学編での初試合と呼べる戦いで、Jr.ユース編に登場する新田もいるので再現しても良かったと思うのだが。 --ゲームバランスの関係か試合順が変わっていたり(東一中と錦が丘)、他の中学が戦ったチーム(明和東、南宇和)と戦う。 ---ただし原作で戦ったチームは(錦が丘を除いて)どれも強敵なので、難易度の調整という意味では機能している。 ---試合順はまあ仕方がないとしても、原作で戦わなかった中学との戦いははっきり言って蛇足。こんなことなら1回戦を原作の静岡大会で大勝した相手のうちから1校、その次を地区決勝の大友中にした方が自然。 ---また、原作の設定に逆らってまで入れた明和東中だが全員「てきの〇ばん」という無名選手扱いと拘りがあるのかないのかよくわからないことになっている。せめてキャプテンの成田や元明和FCメンバー8人中でのリーダー格であるCFの沢木あたりは入れるべきだっただろう。 --全日本編ではアドベンチャーゲームをプレイする必要がある。パリ市内のどこかにいる、重要な仲間キャラクターを探し出すのが目的で探し出せれば以後、試合に加わってくれるようになるのだが… ---制限時間があったり、調べる場所を厳密にカーソル指定しなくてはならない場面があるなど、難易度は地味に高い。しかもクリアする方法が''対象人物がいる場所でコマンド総当りの後に帰る''と偶然すれ違って会える((一応、原作の再現である。))という物で、普通にやっているとまず気づかない。 ---またこのアドベンチャーでピエールに会うことができるのだが、''おれのいえはかねもちだ つばさ かねもちはいいぞ''などとのたまう((勿論、原作のピエールはこんな人物ではない。))。 //--特定の相手に対して負けっぱなしのまま他の相手に勝って優勝することがある。 //---リアルなリーグ戦方式は原作を無視すれば面白い要素だが「リーグ2位以内なら予選通過」により「特定の相手(大体ウルグアイかアルゼンチン)に対して負けっぱなしのまま形式的に優勝(話の流れでは「なかったこと」になる敗戦時のリトライは除く)」というシチュエーションが発生するので「完全勝利主義」のキャプテン翼らしくない。 //---基本的にキャプテン翼は苦戦しながらも全勝のストーリー。例外的に小学生編の予選リーグ1回戦で明和(日向のチーム)に6対7で負けたことがあったが、結果的に2位通過で決勝トーナメントを勝ち進み、決勝で再び明和と顔を合わせ試合終了間近にリードを奪い、そのままでも3対2で優勝のはずだったが翼は「1回戦は6対7で負けているから、1点差の勝ちでは引分けと同じ」と完全勝利に拘り追加点を奪った(2試合を合算すれば10対9で勝利)((現実なら大抵の人はここまで潔癖な考え方はまずしない。逆にヘタに攻めてカウンターで同点にされたりすることを嫌う傾向にある。また1回戦は森崎(南葛)深谷(明和)という控えのザルキーパー同士だったが、決勝は若林と若島津が出ており明らかに1点の重みが違うため、1点差のままでも正GKから多く取った南葛が「実力でも完全優勝」と言っても何ら差し支えない。))。このように一度負けた相手にも、それ以上の形で勝っているがゲームでは再戦すらできない((因みにゲームの元ネタにあたるJrユース大会の予選リーグは1位のみが決勝トーナメント(準決勝)進出だった。))。 //流石に好みの問題すぎると思ったのでCO。 //ただゲームとしてなら好みの問題だろうがキャラゲーという観点では大事でしょ。実際2は話の上ではリーグ2位まで1次リーグ突破だったけど絶対1位通過前提だったし2以降のようなオリジナルストーリーならまだしも原作準拠だから //↑いや、そもそも「完全勝利主義」というのがよくわからない。中学生大会編で単独優勝をするように「ゲームオリジナル展開になることもある」にすぎないだろうし原作準拠の試合結果にもちゃんとできる。予選二位通過をすることで原作の展開に致命的な矛盾を起こす要素には見えないのだが。 -ネオタイガーショットの習得方法 --原作と同じく吉良監督からブラックボールを送ってもらって習得するのだが… ---フラグが立つ条件が日向のレベルを12以上にしてから''1試合で2回ペナルティエリア内からのタイガーショットを失敗する。''という物。タイガーショットは強力なため、普通のキーパーでは失敗させるどころか点が入ってしまい、まず条件を満たすことができない。 ---イタリア(試合タイミングがランダム)、西ドイツ戦(最終戦)のような強力なキーパーがいる試合で狙わなければ習得しにくい、という本末転倒な状況に。 -用意された試合中の選手グラフィックは数種類程度、かつ全部標準的な体型である為、時に違和感が生じたりする。 --特に顕著なのが角刈りタイプで、巨漢の次藤や小柄な沢田やカルツが早田などと同じ外見になってしまっている。しかも原作での次藤はパワーで強引に吹っ飛ばして進むタイプのドリブル一本なのに普通にかわすだけになっており全くらしさがない(因みにゲーム中で強引なドリブルをする日向は原作準拠だが、かわして抜くことも普通にあったので次藤ほどではない)。 ---当時、まだ信頼性のあったファミコン通信の(付録冊子であるが)ゲームカタログのレビューでも「見分けのつかないキャラ」を指摘されている。特に「岬、三杉、反町、松山」は原作でも肥えたファンでないと区別がつきにくいのだが、ドット絵ではもう四つ子である。((原作初期では松山は日向と同じ目の描き方をしており、一応差別化されている。)) ---本作オリジナルの要素として、岬は茶髪、三杉は赤髪、というように同じ顔つきのキャラは原作から髪の色を変更することで何とか差別化している。「Ⅱ」も髪色による区別は続いた。 ---「Ⅲ」以降はカットインに専用の絵が与えられたキャラが増えており、多少改善されている。 --グラフィックに関しては、当時は使える容量が少なく、容量節約のため仕方のない事であったのだろう(特にプラットフォームがFCの本作であればなおさらである)。 ---- **総評 粗があるとは言え、今までになかった、リアルタイムシミュレーションゲームという斬新なアイデアは多くのユーザーを魅了した。選手ごとにコマンドを選び、ガッツを消費して実行させる…このシステムの登場でアクション性に依存しないスポーツゲームも製作できると言う事を知らしめ、シミュレーション形式のスポーツゲームが登場し始めるきっかけとなった功績は大きい。~ ~ そしてもう一つ注目したいのが、「キャラゲー=クソゲー」というセオリーを覆した数少ない作品の一つでもあること。システムの改善、オリジナルストーリーで原作のその後を描く…など独自の発展を続け、原作終了後実に6年間もシリーズが保たれていたことは、アニメ・マンガをベースとした作品としては大変珍しいケースであった。 ---- **その後の展開 -本作の人気から続編が作られシリーズ化していった。まず1990年7月に『[[キャプテン翼II スーパーストライカー]]』を発売。 --技の幅が広がったり、システムもさらに改良され非常に評価が高い。 --原作のジャンプ連載は本作の発売時期に終了し、完結した状態だったため、テクモによるオリジナルストーリーだがキャラクターはそれぞれ原作がしっかり踏襲されており、オリジナルキャラもその中に自然に溶け込んでおりゲームヌキにして、ストーリーそのものの評価も非常に高い。 -移植版やリメイクは出ていないが1992年に海外で発売されている「テクモカップ サッカーゲーム」はほぼこれと同じ内容である。 --ただし、版権にかかわる部分は変更されており「キャプテン翼」との関連性は無い。「キャプテン翼」の知名度があるヨーロッパでも北米版準拠のでの発売となったが、タイトルのみ発売地域に合わせ「テクモカップ フットボールゲーム」と改題されている((なお、ヨーロッパにおいてはMDにも『III』のシステム準拠で本作の続編が開発されていたものの、諸事情により発売中止となってしまった。))。 --また、今作と同じく原作準拠でストーリーもほぼ同じ作品がPS2(バンダイ製)、NDS(コナミ製)で発売されている。 ---どちらもある程度の違いはあるものの''コマンド選択で各行動を行う''、''各行動にカットインが入る''等本作の影響を受けた表現やシステムが使われている。 -スーパードッジボールを題材にしたドッジ弾平や[[FFX>ファイナルファンタジーX]]のミニゲームのブリッツボール等、この作品の影響を受けたゲームは意外と多い。 **余談 -アニメ終了及び連載終了直前の販売 --実は当初の発売は1986年であったのだが、発売延期を繰り返した結果記載されている年月日に発売されるという経緯を持ち、相当な難産であった事が窺える。 --元々が漫画を題材にした所詮キャラゲーの為に開発中止も十分にあり得た事であり、そうなっていたら現在のスポーツゲームの在り方が変わっていた可能性もあり得た。 -お遊びメッセージの数々 --全国大会優勝時の会話時に出てくる「ン?」の時に十字キーの右か左を押したり、アドベンチャーの時にキャラクターの口元を調べると変なメッセージが出る。 ---主役は俺だと言い合う翼、日向、そこに首を突っ込む若島津やコミックスやゲームの宣伝、ユニホームの交換を拒否したり同時優勝になった時に日向を罵倒したりしてボコボコにされる等感動をぶち壊しにする事請け合い。 ---この技は徳間書店のファミコン情報誌『ファミリーコンピュータMagazine』1988年11号(6月3日号)の裏技コーナー「超ウルトラ技50+1」に掲載されたが、同コーナーで掲載されたものを集約した大技林には何故か掲載されていない。 --岬捜索のアドベンチャーパートで出会うピエールの口を調べると「ピエールホットライン」と言って「ここに電話するといいことあるぞ」と03-256-2525という番号を教えてくる。 ---これはテクモのテレフォンサービス「テクモホットライン」であり説明書にもその記載がある。 ---因みにこの番号が使われたのは本作が最後で12月の『[[忍者龍剣伝]]』では03-222-7550((続編でも決勝前に隠しイベントでシュナイダーがこの電話番号を教えてくれる。))に変わっている。これはその後しばらく使われ1991年には東京23区の一斉変更に合わせアタマに3が付いて03-3222-7550として持続使用されたが現在は使われていない。 --同パートで岬の父一郎の口を調べると「ゲージュツはバクハツだ!」と言うネタもある。 -テクモスタッフの遊び心なのか、リーグ戦で戦うチームにオリジナルキャラクターが登場する。 --登場するのはマッハー(ポーランド)、リネカー(イングランド)、アルゴス(スペイン)、シャラーナ(ポルトガル)の4人。 ---オリジナル必殺シュートはなく、特徴があるのはドリブル倍速のマッハーだけ。次回作でもポーランドチームで対戦する事になる。 ---イングランドは原作でフランスと戦っており、原作キャラのDFロブソンもきちんと出場しているが、リネカーは完全オリジナルキャラ。続編ではロリマーという名前に変わっている((同名でゲーリー・リネカーというイングランド人選手が実在しており後に来日しJリーグの「名古屋グランパス」に3年ほど在籍してプレーしていた。(ちなみに1986年のワールドカップメキシコ大会の得点王で、当時のイングランド代表のエースである。)開発スタッフが当時彼のことを知っていたか知らなかったかは定かではないが、Ⅱの開発時点ではまったく同じ名前では問題ありと判断して変えられたと考えられる。))。IIIからは必殺シュートも体得。~ 劇場版で登場した((TVでも中学生編の準決勝と決勝の間で翼が見ていた夢の中(小学生の全国優勝の後の回想という形)で登場。))パワーストライカーのスティーブは登場していない((小学生編設定の「VS」でも出ていない。その一方でTV放送時にスティーブのチームメイトのリチャードがパワー技を使うストライカーとして登場している。))。 ---スペインのアルゴスくんは同時期発売予定の『[[アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃]]』の宣伝も兼ねていたが、本作の発売がかなり遅れたため結局1年も間が開いてしまい宣伝効果は低かった。 ---ポルトガルチームは次回作でも登場するが、西ドイツに負けてしまうため再戦の機会はない。 -ガッツ不足の際の「くっ! ガッツがたりない!」という台詞がよくネタにされる。 --この台詞はキャプテン翼の本編とは直接の関係はなく、ゲーム制作者の口癖をゲームに入れただけとのこと。 -南宇和戦の前に監督に情報を聞くと「武井のダイビングヘッドには気を付けろ」と言われるが、実装すらされていないため使うことはない。 --原作で南宇和は、松山率いるふらの中と準々決勝(ふらのにとっては南葛戦の前)で対戦しキャッチに来たキーパー加藤の手を強引にヘディングで押し込んでゴールを決めたが、ボールそのものが高かったのでこれはゲーム中で「ヘディング」に該当する(アニメでも原作でも「ダイビングヘッド」とは言及されていない)。 --後のメガCD版では「パワーヘディング」として正式に必殺技となった。 -上述の通り日向の「ネオタイガーショット」は全日本入りしてから体得するため、その台詞は完全に仲間(プレイヤー側)ありきのものになっている。 --だが、そのフラグ自身は独立しており、それさえ立っていれば敵側にいる日向でもネオタイガーを放ってくる。 --つまりパスワードでそれを体得した状態で国内大会から始めると南葛対東邦戦でも放ってくるのだが、その時「''くらえ!とうほう!''これがおれのネオタイガーショットだ!」とまるで自殺点(オウンゴール)する気マンマンのような珍妙な台詞を見ることができる。 ---当然、その言葉に反してちゃんと森崎の守る南葛ゴールに向けて容赦なく飛んでくる。 --他に特殊なパスワードなどで全日本で東邦(日向のいる中等部)を相手に戦う場合も、同じ台詞を見ることができる。 -ファミ通にて2003年にファミコン生誕20周年を記念して行った「最も心に残ったファミコンソフトは?」というアンケートでは本作が27位、IIが51位に入り、キャラゲー部門では1位と2位を独占した。 --キャラゲーとしては他に類を見ない程長く愛されてるゲームであることが窺える。 ---上記の様に原作終了前後の発売でありながらゲームオリジナルストーリーの続編が出る程の人気を誇り、後に原作の続編が連載される等与えた影響は予想以上に大きい事が窺える。 -島田秀平が都市伝説の持ちネタ「[[ドラクエI>ドラゴンクエスト]]のパスワードが意味のある文章になる」のキャプテン翼版がいくつか存在する。~ 「つばさはつ よいつよい つよいつよい~ つよいつよ いつよいつ よいなあああ」~ 「ぼくはおお ぞらつばさ とみさきたろ~ うふたりそ ろつてゆう しようしよう」~ 「もえろもえ ろもえろも えろもえろも~ えろもえろ もえろひゆ うがこじろう」~ 等、その他にもある。 ただし、ドラクエの様に「未来の予言的文章」では無いし、早くから知れ渡っているので仕込みの疑いがある。 -CMではアニメ本編での場面は一切使われていない。最後のタイトルコール「キャプテン翼もうすぐ新登場だ!」も、翼役の小粥よう子氏ではなく三杉役の溝口綾氏。 --難産の果ての話題作の割にCMはアニメからの流用はなく実写のサッカー映像にゲーム画面のみと、さほど力を入れようが感じ難いものになっている。 --ゲーム本編で使われていないボツ絵が見られる一面もある。

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