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#contents ---- //PS3版の記述が随所に混在しており、混乱を招く部分が多々見受けられるため、支障が無いと思われるものは移動。 *テイルズ オブ ヴェスペリア 【ているず おぶ ゔぇすぺりあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:「正義」を貫き通すRPG)|CENTER:&amazon(B0015PUSQ0,image=https://cache.famitsu.com/img/catalog/item/0000/0000/0003/1369/medium/B0015PUSQ0.webp)&amazon(B001BDYPZ6)| |対応機種|Xbox 360|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2008年8月7日|~| |定価|7,800円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力、犯罪、言葉・その他|~| |通信機能|Xbox LIVE対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~| |廉価版|プラチナコレクション:2010年6月3日/3,990円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''それぞれの「正義」が動き出す''} }} ~ ---- **概要 『テイルズ オブ』シリーズの1作。略称は『TOV』『ヴェスペリア』で、キャラクターデザインは藤島康介氏。~ 360版が発売された当初、大作RPGシリーズが360で販売されるということで、大きく注目を浴びることになった。~ その約1年後にゲストキャラだったフレン・シーフォ((主人公ユーリ・ローウェルの幼馴染。))のパーティキャラ昇格、新仲間「パティ・フルール」参加などの追加要素を加えてPS3で移植版が発売されている(後述)。~ また、その2週間後に劇場版アニメが公開されたため、売上を大きく伸ばした。 ---- **特徴・新要素 ''戦闘システム「EFR-LMBS(エヴォルドフレックスレンジ・リニアモーションバトルシステム)」'' -フェイタルストライク --敵の術式への耐久値を0まで減らすと攻撃ヒット時に魔法陣が出る。その時にボタンを押すと雑魚敵には即死、ボス敵には大ダメージを与えることができる。 -オーバーリミッツ --画面左にオーバーリミッツゲージがあり、通常攻撃・術技を無制限に連携できる、魔術の詠唱時間が0になる、通常技より強力なバーストアーツを使用できるといった効果がある。 --レベル4までレベルが設定されており、秘奥義を使用するにはレベル3必要。 -シークレットミッション --ボス戦において、特定条件下で特定の術技を使用する、特定のアイテムを使用する等といったシークレットミッションが用意されており、それらの条件を満たすことでレアアイテムの入手や戦闘グレード増加などのボーナスがもらえる。 ''その他'' -スキル --スキルがついている武器を装備した状態で戦い続けることにより、LP(ラーニングポイント)を溜めてスキル習得が完了するシステムになった。 -アタッチメント --シリーズ初登場。装備すると外見の一部に装着される。装備できるのは1つだけで、サイズや位置は変えられない。 ---- **評価点 -トゥーンシェードで表現されたグラフィック面は、次世代機のスペックで写実的に表現されている他のゲームと若干貧相に見えるのが、よく見ると個々がかなり細部まで作りこまれておりトゥーンシェードの極みといっても良い。 --特にHDで描かれたキャラクターの髪がなだらかに揺れるのは非常に美しい。その筆頭がユーリなのは少々面白いとこでもある。 --「次世代機じゃないと出来ないようなグラフィックを目指した」とスタッフが豪語するに相応しい仕上がりとなっている。そのためか、2010年以降に発売されたシリーズ作品よりクオリティが高いと評価する者も存在する。 -戦闘システムは『アビス』のそれをベースにさらに洗練されており「フリーランで回避が簡単になりがち」や「高速魔術が強い」等といったことを除けば自由度が高く、それでいてとても分かりやすくとっつきやすいものとなっている。 --それでも『アビス』や『ラタトスク』に比べてフリーランが速度低下などで弱体化しているため、以前の様な万能なシステムでは無くなった。それでも十分強力ではあるが。 --FS(フェイタルストライク)やバーストアーツ、FSチェインなどの新要素は戦略性と爽快感を両立していると結構好評。秘奥義の演出も派手である。 -目立ったバグ・不具合が皆無で、ロード時間も早い。やりこみ要素も豊富な点は好評。 -シリーズファンへのファンサービスやニヤリとできる小ネタも随所にちりばめられている。『アビス』のキャラネタだったり、重要なボスが戦闘前にシリーズ作品名の単語を入れて話してくるなど。 --特にとある都市の闘技場ではシナリオが進むと''過去のテイルズ作品のキャラクター達と戦う事が出来るようになる。'' ---その中にはあの『ファンタジア』のダオスも登場する。声は2代目の森川智之氏。 ---ちなみに、『デスティニー2』のバルバトスも登場。もちろんプレイヤーがアイテムを使ったときのアレ(知っている人は知っている)も再現。 ---そして『エターニア』からまさかのシゼルが登場した。カットインも美人であり『エターニア』のファンからも好評である。 -プレイヤーへの配慮もかなり丁寧。 --難易度は初期設定で「イージー」「ノーマル」「ハード」の3段階から選べる。 ---大体のシリーズの特徴ではあるが、これによりシリーズ初心者でも気軽に高難易度のモードで挑戦することが可能。 ---今作の場合は特に難易度をイージーにした場合の配慮が手厚く、ステータスダウンだけでなく一部のボスが回復術を使わないなど、敵の行動パターン自体が優しくなるようになっている。 ---それでいてペナルティは引継ぎに必要なグレードが一切獲得できないだけであり、基本経験値は減らされずシークレットミッションなども問題なく達成可能という親切仕様となっている。 ---グレード稼ぎについては今作では非常に効率の良い方法があるため、そういった面でもかなり気軽に救済手段としてイージーを選択できるようになっている。 --サウンド1つとってもステレオ''モノラル''に加えてサラウンドも選べ、さらには戦闘時のボイスやイベント時のボイスや戦闘時のBGMなども個別で設定できるようになっている。 --ゲーム終盤になると、特定の場所でシリーズ恒例ともいえる作中ムービーや発生済みスキットの観覧や音楽の視聴、取得グレード数値の確認などが行えるようになる。 --今作ではこれらすべての機能がサブイベの消化不要で使えるうえ、全部一か所に纏められているので非常にアクセスしやすい。 ---さらに今作では、同じ場所にてシークレットミッションが発生する作中のボスとの再戦までもが可能となっている。未達成のまま取り逃した場合の救済措置として役に立つ。 -ストーリーそのものも、個々の各シーンを見ていけば、プレイヤーを引き込めるような物となっている。 --特にシナリオをよく読み込んだ人達からは「イエガー((重要な人物であり、言葉遣いこそルー語そのものでかなり笑えるものではあるが、その経歴はまさに今作のテーマである「光と影の対比」を端的に表したかのような経歴を持つ。))のエピソードはもっと用意して欲しかった」という意見が根強い名キャラとして評価されている。 --それに応えるかのように、PS3版ではイエガー関係のエピソードが更に追加されたり、小説版では彼の一生消えない「影」の部分に当たる過去が書かれている。また、戦闘時の専用曲も追加されており曲自体も好評である。 --スキットの量も多く、キャラクター達の楽しい雑談をたっぷりと聞くことが出来る。 -音楽はシリーズお馴染みの桜庭統氏と青山響氏((従来の田村信二氏。本作の360版からこの名義を使用している。))が担当しており、今作でも中々のクオリティを誇っている。 --特に「立ちはだかる強敵」は後年のシリーズにおいて大型ボスの曲に採用されることが多くなった。 -全体的にキャラクターの人気が高く、特に主人公であるユーリは公式の人気投票において三連覇を獲得するという快挙を成し遂げている((最終的には『デスティニー』のリオンと共に、殿堂入りという形で投票対象外にされるまでに至った。))。 ---- **賛否両論点 -キャラクターについてはシリーズの近作同様賛否の分かれる部分があり、シナリオでの描写に問題があるといえる部分が見られる。 --ユーリとエステルは行動や展開に矛盾があると指摘する声もある(ユーリについては後述)。 --また、PS3版で追加されたパティは360版で存在が示唆されていた点を含めて賛否両論。 --フレンはPS3版で出番が増加したためにシナリオに弊害が生じている。 #region(PS3版におけるフレンの参戦に関する指摘) -ユーリの親友であるフレンは言動や性格などは特に問題視されていないが、参戦のタイミングに対して問題がある。キャラ設定は下記の通り(電撃オンラインから抜粋)。 --“ユーリ”とともに帝都の下町で育ち、同じ理想を抱いて騎士団に入った青年。“ユーリ”が幻滅して辞めた後も騎士団にとどまり、着実に実績を積んで昇進する。 --騎士団において、貴族出身者からは成り上がりとして疎んじられ、逆に平民出身者からは希望の星と目されている。 --責任感が強く弱い者の味方だが、法を守る立場との板挟みになってしばしば思い悩むなど、生真面目で少々融通の利かない面がある。 --また、なにかと“ユーリ”にアドバイスをしがちだが、それは狭い下町でくすぶり続ける友を案じてのことである。 -''アレクセイに利用され、暗殺対象にされ、ラゴウは逆恨みで厳罰を下そうとし、キュモールには目の敵にされ…と多方面からこれでもかと圧迫され、理不尽な扱いを受けている。'' --COLOR(red){''にもかかわらず、彼をフォローしてくれる人物がほとんどいないなど、ユーリと対比と言いながら作中での待遇の差は歴然。''} --もっとも、これは彼の所属する帝国がいかに腐敗しているかを象徴している描写でもあり、その中において真面目なフレンが割りを食っているとも言える。 --このことからも、上記のユーリの件も相まってCOLOR(red){「''もはや正義の対比ではなく、フレン(の正義)すら踏み台にしてユーリ(の正義)を一方的に持ち上げているだけ''」}という趣旨の見方も少なくない。 --後半からは、彼が一切ユーリの罪に触れず、快く支援に回ってしまったことは容認したと言えて((実際物語後には特赦ではなくユーリを手柄を奪ったことを気にしている。))、(ラゴウに対して)「悪法も法」及び(ユーリに対して)「勝てば法が認可した官軍」の杓子定規な薄っぺらい正義だったと受け取られて仕方ないものになってしまった。 -360版では1回しかパーティに入らない上、操作したい場合でも、「ムーンセレクタ」を合成しないと操作不可能((だが、肝心の能力は技の数が乏しく、バーストアーツや秘奥義の使用・FSの発動が不可のため、使い勝手が非常に悪い。))。 --PS3版は、(フレンの「騎士団の隊長」という設定を考えると)その参戦タイミングについて問題が起こっている。 --また、本来なら同じ場所には立てないが目標は同じであるはずのフレンが、普通にパーティに入ってしまうこと自体を批判する声もある。 ---本来360版で別行動中のフレンが行っていた活躍は現場を任された部下が行ったことに変更されているが、とあるシーンでは隊長を犠牲にしかねない大胆すぎる行動を起こすため((元々はフレンが親友を信頼しているが故に咄嗟に思い付けた最終手段のようなものであり、隊長が活動中の状況に対し部下が起こせるような行動ではない。))、「フレンの活躍が無かったことにされた」「部隊として問題がある」等、特に批判が集中する場面になっている。 ---パーティキャラの1人レイヴンはフレンに正体を悟られないようにフレンと顔をあわせないようにしているのだが、その状態でもフレンが一時加入することについては「レイヴンの行動が無駄になってる」と否定的な意見も多い((一応スキットではフレン曰く「あまりの性格の差に同一人物とは思えなかった」と説明がされているが、ユーリ達はラピードが匂いで気づいたこともあり、声を聞いた時点で同一人物と瞬時に見抜いているため、理由として納得できるかと言われれば微妙である。))。 ---ストーリーに矛盾が出る等スタッフの「フレンが使えるのはファンサービス」という言葉が端的に現れたシーンとも言える。ただし、正体判明後の2人の和解のシーンは評価が高い。 //--また360版ではフレンがいない場面で行われた殺人が、フレンがパーティにいることにより結果的にフレンはユーリの殺人((上記2人のことではなく作中序盤からユーリを追い回し何度も戦った人物で、ユーリが最後の戦闘後に「地獄でやってろ」と斬りつけたことで穴に落下して死亡した。))を黙認することになってしまった。 //システム上戦闘は終わってもシナリオ上戦闘は終わったわけじゃないのに、その上で殺しも正当防衛だろう --ちなみににPS3版は、ガスファロスト、バクティオン、ヘラクレス、ザウデ不落宮、ヒピオニア大陸北東でゲスト参戦した後、終盤で正式にパーティキャラになる。 ---正式参戦となる和解後だけでも長い道のりとなるラストダンジョンやサブイベント、隠しダンジョンなど十分に活躍させられる機会に溢れているので、ストーリーを改変してまで途中参戦をせずとも良かったとする意見が多い。 --360版における「互いを信頼しながらも別々の道を歩み続け、背中を預け合う戦いを経て正式に真剣勝負をして和解する」というストーリー展開が高く評価されていた故に改編に対し賛否分かれてしまった面が強く、PS3版以降に初めて触れたプレイヤーからはフレンの使用機会が増えるメリットが勝って問題視されることは比較的少ない。 #endregion #region(エステルに関する指摘) -エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン --エステルという略称はユーリによるもの。第一王位継承者。天然で身分相応に浮世離れしている面があり、自身の旅の目的が曖昧なままユーリと行動を共にする。 --芯はしっかりしているのだが、「目的を探しながら旅をする」という名目上、自分の主張に矛盾が生じることも多い。 --よく突っ込まれることはCOLOR(red){「''フェローに会うのが目的なのに無理言って寄り道する羽目になる''」}COLOR(red){「''首領はカロルなのに無理言ってでしゃばっている''」}COLOR(red){「''大昔の宝箱を現代に持ち帰るなんて倫理観が欠如してる''」}「''フレンの安全がわかったのなら城へ戻るべき''」など。 --サブイベントでの「''ハルルで暮らしたい''」COLOR(red){「''絵本作家になりたい''」}についてCOLOR(red){「''皇族の自覚がない''」}ということで非難されている。 --ただこれらも意図されたものなのか、中盤では彼女の優柔不断な言動・行動に誰かが苦言を呈するという展開が幾度か見受けられる((ジュディスが度々「貴女のわがままで振り回すの?」と本来の目的を忘れて目の前の出来事にとらわれている事を指摘する、世界の毒と蔑まれたことに対する「必要ならば死んでもいい」という発言をユーリが「二度と言うな」と注意する、サブイベントで登場する彼女の師匠が多方面で注意する、等といったもの。その為、ユーリとは異なり、彼女を批判する意見は比較的少ない。))。 -それでも性根そのものは非常に献身的な上、余計なアクの無い一生懸命な性格な彼女を評価する声も少なくない。 --そもそも彼女が無理を言う時も決して単に身勝手な我儘というものではなく''目の前で悪人がのさばっていたり、困っている人がいるから放ってはおけないという懇意的なものであり、歴代のシリーズであればむしろパーティ全員で促進して助けるような内容・展開のものがほとんどである。'' --そのため、エステルに限って何かと他のメンバーが苦言を呈す事が多いのに対し、理不尽さや不快さを感じたプレイヤーも多い((但し今の自分たちでは助けようがない、どうしようもないのでそれなら自分の目的を優先したほうがいいと止むを得ずエステルに諦めさせようとする場面もある。))。 --また、とあるサブイベントで「カマトト姉ちゃん」と呼ばれる場面があるが、エステルにはそんな側面は存在しない。そのためスタッフとプレイヤーのエステル像が異なっているのではと疑われている部分がある。 -360版での彼女のAIはかなり頭が悪い事で有名だったがPS3版は改善された((大してダメージを受けていないのに上級魔法を使って回復する、前線で戦うことが多い、こちらの指示に全く従ってくれないなど。))。 --それでもそのままでやらせていると馬鹿な行動を繰り返す為已然頼りなく、術技を全て封印し、ごく一部の回復術のみだけを使用可能にしてようやく機能するレベル。 #endregion ---- **問題点 -音楽は単体で見れば高く評価されるものが多いが、音楽の使いどころを間違えている、という批判が多々見られる。 --本来ならシリアスなシーンなのにどうみても笑い所で流れるような気の抜ける音楽が流れたり、逆のパターンがあったり。 --なんと''360版では序盤から終盤までずっとラスボスのテーマが相当な回数で使い回されている。''PS3版では全部新曲に差し替えられた。 --OPムービーも主題歌もどちらも単体で見ればクオリティは高いが、映像と歌の区切りや盛り上がるタイミングが合っていない場面が多い。 -スキットの発生の遅さ --スキットと呼ばれるキャラクター達のちょっとした会話があるのだが、条件を満たしていても一定時間経つまで出てこない。 --また、その間隔が異様に長く設定されており、基本的に街での散策やダンジョンを歩き終わっても発生していないスキットがあるのは当たり前である。 --結果的に期間限定のサブイベントよろしく、意識していても非常に見逃しやすい。 --逆に全て見ようとすればダンジョンで敵がいるならまだしも街等では棒立ちして発生を待つ羽目にもなりうる。 ''戦闘システム面'' -戦闘スピードが落とされ、テンポがかなり遅くなったため、シリーズ作品の中ではモッサリとしていると評されることが多い。 --別にぎこちない動きをしているわけではなく、しっかりと60fpsで動き、かなり動きが作り込まれている類ではある。テンポよりも戦闘の演出を重視した結果と思われる。 -昔ながらのTP制であり、やはり終盤では回復させても焼け石に水。 --RPGというよりアクションゲームとして消費するシリーズにとって現在では古臭い物となっている((TP制ならせめてTP最大値が固定な『デスティニー2』方式にしてほしいともいわれる。))。 ---敵を斬るたびにTPが1回復するのだが、消費と回復のバランスが悪い。特技一回につき消費TP20以上などザラなので、そのたった1回を取り返すために20回斬るはめになり作業感が強い。 ---後半になればオレンジグミ一個で数百と回復させられるので、斬って回復はほぼ死に要素となっている。防御されてしまうと回復しない点もそれに拍車をかけている。 -操作キャラへの敵の集中 --シリーズ作品によっては、プレイヤーが操作しているキャラが狙われやすいものがあるが、今作は特に酷く、隊列を一番後ろにし、NPC3人全て最前衛だったとしても開幕に敵が全てNPCを無視してプレイヤーに向かって寄ってくるのが当たり前。 ---決められたルーチンによって動いている今作のNPCに敵の動きを止めさせるのは完全に不可能であり、その結果プレイヤーがどのキャラを操作していても常に数体に追い掛け回されっぱなしで、まともに戦闘を楽しめないという状況が頻発する。 -ダウン技が非常に多いため、攻略本やサイトを駆使して全ての技の性能を熟知することを強制される。 -秘奥義が魅せ技に近い扱いになっており、従来シリーズの中では威力が低くダメージソースとしての活用は厳しい。 -スキルの習得が装備している武器に依存する。 --そのため、明らかに弱い武器などを装備する必要ができてしまう。訪れる街ごとにを揃えた方が良いため、作業感が強い。 ---序盤において''ただの通過点に過ぎないデイドン砦にユーリのバックステップを習得できる武器が販売されている''という罠がある。 ---販売者も目立たないところに立っている行商人であるために見落としやすく、気づけないとかなり不便な戦闘を強いられることになる。 --また後半になり仲間が増えてくると、非常に短い時間間隔で誰かがスキルを習得し、そのたびに武器を変更しなければならず、大きな負担となる。 -秘奥義を出すと画面が明らかに一時停止している。しかし一戦闘につき、2回目以降なら一時停止しない。 -周回時、最高難易度で開始すると敵の防御力が極端に上がり与えるダメージが1になる。 --『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の問題点がそのままになっている。 -高難易度にすると敵が露骨に後衛を集中狙いする様になるが、人型ならまだしもモンスターまでもそれが徹底しており目の前のキャラクターを無視してまで狙う。 --その為、作品内で「モンスターに知恵は無い」とキャラクターが断言するにもかかわらず動きが異様に戦略的になりかなり不自然になる。 -『レジェンディア』『イノセンス』『ラタトスク』にあった敵のHPのゲージ表示はない。 --スキルに敵のHPのゲージ表示するものはあるが特定のキャラの専用スキルなのでこれを利用するとなるとパーティの自由度を狭めてしまう。 -AIの性能が低く仲間との共闘感が薄い。 --本作は敵ダウン時の挙動に難が多いため、邪魔にすら感じることがある。 ---ダウン技を全て封印しても、フリーランからの通常攻撃で転ばせる。 -OVLで敵を吹っ飛ばしてしまうため、発動タイミングによっては効果時間を大量に浪費してしまう。 -主人公が常用できる秘奥義が実質的に1つしかない。 //-コンボ中に敵の横槍が入った場合、それに反応して周囲を攻撃できる技を撃つのはまず間に合わないため、攻撃を中断することになりテンポが悪い。 //--ステップが標準装備となっているPS3作品の中では特にまどろっこしく感じられる。 //そもそも敵が複数いる状況で一体の敵に延々とコンボできる方がおかしくね -術の詠唱を完了してから、実際に効果が発動するまでが長く、ユーザーの意図するタイミングで発動することが不可能となっている。 --そのため、発動時における敵の位置は運任せとなっており著しく戦術性に欠ける。 -ファイアボールなど方向の概念がある術を、詠唱完了時ではなく、詠唱開始時の方向に向かって放つ。 --もちろん、詠唱開始から完了まで敵が一箇所で止まってくれているなどということは無い。 --操作キャラで意図的に足止めをすれば話は別だが、狙ったタイミングまで足止めするのは難しい。 --その為、敵のいる場所に直接発生する術以外は使い物にならず個性が薄い。 ---このようなシステムでありながら発動保証のようなものは一切存在せず、たとえ詠唱が完了していたとしても発動前に潰されてしまうと術は発動しない。 -敵がひたすら距離を開けようと戦闘フィールドをウロウロと逃げ回るだけの動作に入ってしまう事が有り、これが非常に鬱陶しい。 -消費TP14で、5秒間完全無敵になる疾風犬という技や「被ダメージの割合が増加する代わりに、消費TPが1になる」という、メリットとデメリットが全く釣り合っていないブッ壊れ性能な要素が平然と存在する。その2つを合わせて使おうものならば…想像するに難くないだろう。 -空中コンボを導入することは、本来は戦闘全体の調整にも影響することであり、たった1キャラのみに導入するなど労力に見合わない。 --当然ながら調整不足な出来となっている。雑魚には無敵、ボスには通用しないと両極端である。 --飛んでいる敵も同様に地上戦をメインとしたキャラが多い今作ではそれだけで大きなアドバンテージになっており、地上の敵と違い攻撃後の移動ルーチンが無いため攻撃間隔が非常に早く特にAIがまともに対処出来ず囲まれてあっという間に倒されてしまう。 -全てのボスが「ゴリ押し」パターンしかない。 --その為、こちらが貧弱な序盤は好き放題に蹂躙される戦闘ばかりなのに対し、こちらが強くなると逆に蹂躙するだけという戦略性も駆け引きもあったものではないバランス崩壊を起こしている。 #region(2周目の世紀末具合) -ほぼ全員のパーティキャラクターにハメ技や無限コンボが出来るようになり、同じ技を連発するだけでハメ技が出来る。 --唯一無限コンボが無いキャラがいるが、そのキャラもダウン状態に持ち込んでしまえばハメ技が出来てしまうので意味が無い。 --特に上記の疾風犬や高速魔術によって起こる通称''「タイダル祭り」''はファンの間であまりにも有名な究極のバランスブレイカーである。 ---360版に関しては、このほかにも上記の高速魔術を使った封殺技「永久ストップブロウ」や補助効果が永久になるスキルを利用した実質無敵技「永久フォースフィールド」などといったお手軽かつとんでもない組み合わせの技が大量にある。 --他にも、「空中戦が実質無敵状態((パーティキャラクターに空中戦メインのキャラがいるため尚更批判される。))」や、「オーバーリミッツ(OVL)が強すぎる((一定の状況下でのOVL中は無敵になる事も可能である上、リミッツボトルというゲージを増やすアイテムがあれば裏ボスすら封殺可能。))」など、いろいろと調整不足な部分も存在する。 --逆に言えばどのキャラクターにも強すぎる技やコンボが用意されている分、強いキャラクターと弱いキャラクターの差はそこまで大きくないと言える。 ---この余りにも壊れたバランスを前提としているのか、不満点にあがっている戦闘面の問題はほぼ全てOVL一つで解決するという滅茶苦茶っぷり。 #endregion -実績の解除が困難な物がある --「総移動距離10万Km」は普通にプレイしていては到底クリア不可能。バウルに乗ってスティックを固定して放置してクリアするプレイヤーが続出(それでも十数時間かかる)((PS3版のトロフィーでは「総移動距離5万Km」と半減されたが、これでも約7時間ほどかかる。))。 --期間限定のスキットが多いためコンプリートに注意が必要。 -敵シンボルに対して全体的に狭いマップが多く、またシンボルに接近した場合の敵の反応が非常に速いため、戦闘の回避が非常に難しい。 --ソーサラーリングを使えば敵の動きが止まり先制攻撃を仕掛けられるものの、敵が通路を塞いでしまい結局戦闘を回避できない事も多い。 --本作と同じくシンボルエンカウント制であり、同じ開発チームが過去に手掛けた『シンフォニア』『アビス』では問題なく戦闘を回避できる様に調整されていたため、それらと比べて劣化してしまったと言える。 ''シナリオ面'' -シナリオの始まり方が弱い --最初は盗まれた水道魔導器を追ってお使いを繰り返すというものであるが、その最初に設定される旅の目的自体が従来作品と比べて緊張感に欠け印象が薄い。 ---ヒロインが着いてくる理由は命を狙われている人物にその状況を伝えたいからと一見まともそうだが、当人にそのことを伝えても特に帰ることなくユーリについていくので、理由としては薄い方である((フォローするならばヒロインは箱入り娘的なところがあり、道中で旅をすることの楽しさを知るシーンが見られるので、もっと旅を続けたいという理由もあると思われる。))。 --物語の導入部におけるスケールやインパクトといったものとは無縁。当然、間で起こるイベントもそれ以下の重要度のものが並びやすく、あまり盛り上がらず淡々とした展開が続く。 ---こうなった原因の1つは賛否両論点でも取り上げられているが、主人公が歴代作品に比べて大人びていることにある。 ---冒頭で近所が大変なことになったり牢屋に入れられたりというイベントが発生するが、解決に向かう意志こそあるものの、冗談を交えた会話をするような余裕を見せるためどこか緩く見えてしまう。 ---これまでの主人公(や冒頭でリードするキャラクター)は精神的な幼さゆえの呑気さはあれど変化する事態への反応がはっきりしていたため盛り上がりに不満は少なかった。 -中盤までの筋は纏まってはいるのだが、最終章に入ってからは伏線もなしに唐突に「精霊」や「マナ」といった単語が登場し、説明も無いまま半ば超展開となっていきユーリたちに都合よく事が進んでいく。 //--その中でも特に目に付く展開として、世界を救うために4体の始祖の隷長を精霊に転生させる、要は事実上一度死亡させる必要があるのだが、既に死亡している1体、以前の戦いで死を免れない状態になっている1体はともかく、残りの2体は単に偶然が重なって死亡してしまうというものである。ここでこの偶然が無ければ無理矢理戦って殺害するという強硬手段以外に打つ手はなく、実質手詰まりになっていた事は想像に難くない。 //グシオスはエアルの吸収のし過ぎで星喰み化直前、クロームはそもそも自分の意志によるものなので、前者はともかくクロームのことまで単に偶然が重なって死亡というのは流石に暴論がすぎる。 --ファンからも最終章は微妙、いらなかった等と低く評価されやすい。最終章はラスボス絡みの矛盾点が生まれたため無いほうが締まっているという意見や、ラスボスと敵対する理由が分かりにくいという意見がある。 --また世界規模の窮地に立たされる事でユーリの罪が忘れ去られる(前述の通り、正確には特赦が出ている)など、メインテーマの「正義を貫き通す」が蔑ろにされている節もある。 --第二部までに描写してきたことと何の関係もない方向に話が進んでそのままエンディングという、シリーズ中で比較しても相当粗い部類に入ってしまっている。 --いっそユーリとフレン、そして帝国との確執を徹底的に深掘りした上で法の側の象徴としてたびたび登場するフレンをラスボスに昇華させれば話を畳めたのではないか、もしくは第二部の大ボスをそのままラスボスにすればよかったのではないか、という意見も多く出た。 -出番が多い割に人物像の描写が薄く、ただの狂人としてフェードアウトしてしまうキャラがいる。 --設定は存在するのだが描写されないため、初見では置いてけぼりにされる人もいる。 --壊れた言動などでそこそこ人気がある一方、作中で重大な事件を起こしたり何度も戦ってきたキャラに関して、一狂人のまま顛末も無く話を終わらせてしまうのを受け付けないユーザーもいるなど賛否が分かれている。 //そのキャラについてはシナリオそのものにおかしな点があるわけではないし、そういうキャラに狂人を置く事を良しとするかは好みの問題が大きいので賛否が分かれているという方向に文章を変更 -期間限定のサブイベントが多い。 --技の習得イベント、料理のイベントなど、システム的にも無視しがたいタイプのものも中盤から随所にちりばめられている。 --中にはその期間限定のイベントを見ないと発生しないイベントもある。このような物は大抵見る気が無いのなら見なくてもいい程度のおまけ要素ではあるが、''今作の場合は隠しダンジョンの条件もこれに含まれている''ので見逃したらセーブがない限り次の周からやり直し。 ---この点に関してはPS3版では隠しダンジョンの条件だけ改善されている。 -3Dテイルズでは定番だった水着コスチュームが存在しない(PS3版では追加された)。 --声付きのシーンで、ボイスがない台詞が入っている(PS3版では追加された)。 --2周目以降、レコード(所持ガルドやプレイ時間などプレイデータの記録)を引き継ぐと閲覧済みのスキットが発生しなくなる。引き継げるものは全て引き継ぎたいという人は道中の会話を楽しめなくなってしまう。 ---レコード自体はさほど重要な引き継ぎ要素ではなく、スキットプレイヤーで自由に見ることは可能だが、不評が多かったのか『グレイセス』以降では改善されている。 -アニメネタやBLネタなどの内輪ネタが多いのは人によっては拒否感がある。 --エステルの称号に歴代キャラの「BL((ちなみに、全て『V』にはゲスト出演していないキャラのものしかない。))」そのままの説明文がある、当然シリーズプレイヤーは腐女子だけではないため批判の方が圧倒的に多い。またエステルは腐女子キャラではないため、エステルの称号としても違和感が強い。COLOR(red){''まるで製作陣がエステルの印象を貶めようとしている様にしか思いようがない印象を受けてしまう。''} --エステルが初登場時に着ているドレスが、その服で戦闘があるにもかかわらず手に入らない。これに関してはPS3版やリマスターでも追加されなかった。 ---またリタが初登場時に着ているフードも手に入らない。こちらはその服で戦闘になることはないが、PS3版やリマスターで追加されなかった点は同様。 -OPムービーのシーンの多くがあまりに本編内容とかけ離れている。 --OPで長めの尺を取られているキャラ同士の戦闘シーンや対立関係の大半が本編では全く生じなかったり、逆に本編では長くシナリオの中心にいるのにOPには影も形もないキャラが複数いたりする。 --これまでのOPは歌のパートとムービーの切り替えがうまくマッチしていたのだが、今作はイントロを除くと微妙なタイミングでムービーが切り替わってしまう。 -&color(red){''ユーリのアウトローかつ矛盾した振る舞い・作中での行いや『正義』の扱いについての問題点が多過ぎる。''} #region(ネタバレ注意!) -ユーリ・ローウェル --元騎士団で、退団後は下町で用心棒、便利屋などの仕事を気まぐれに行なっている。シリーズ中の主人公では[[『テイルズオブシンフォニア -ラタトクスの騎士-』の「エミル」>テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-]]に次ぐ最年長だが、精神的にも熟成しており、ストーリーにおける成長といった要素は少ない。 --それ故物語では若く未熟なパーティーメンバーの背を押し、逆に成長を促す等といった長兄役なポジションであり、従来シリーズの主人公とはだいぶ変わっている。 --少々皮肉っぽい面があり、初対面の人間には敬語を使わない、良く思わない相手に対しては少々態度が冷たい等、フレンと比べると歳不相応に奔放な面も見受けられる。 -序盤こそ、ユーリの法で裁けぬ悪党を自らの手で裁く(暗殺する)「人の正義」と、フレンの帝国を内部から是正し法秩序を築き上げる「法の正義」の対比が描かれ固有ジャンル名の「正義を貫き通す」に相応しい内容となっていたのだが、中盤以降のあるイベント辺りを境にそれらが忘れ去られ、「正義で悪を倒す」勧善懲悪なシナリオにシフトしてしまう。 -物語中盤でのユーリとフェローの会話のシーンは本ストーリーの中でも特に意見が分かれる部分となっている。 --その内容だが、フェローがエステルの存在を「世界の毒」(殺すべき対象)と判断し、そして「''より大きなもの(世界)を守る為には斬り捨てることも必要だ''」とごもっともなことを伝える彼に対してユーリがCOLOR(red){「''その何を斬り捨てるか決められる程お前は偉いのかよ''」}とその発言を否定する、というものである。 --「加害者を裁いて被害者を救うこと」と「世界と個人を天秤にかけ斬り捨てること」は明らかに別の行為であるため会話自体がおかしいわけではないのだが、この2人の姿勢に共通点があるのも事実でありCOLOR(red){「''人のこと言えるのか?''」}という疑念を抱く人も少なくない。 --ただし、これについてはその後のイベントで親友に暗殺のことを激怒されたりする他、「彼の殺人に対する心境も変わってきたのでは?」という好意的意見も存在する。 ---そもそも、ラゴウやキュモールは個人の判断を仰ぐまでもなく、シリーズ通して見ても珍しい((テイルズは基本的に悪人と呼べるキャラが少ないというのもあるが。))超がつくほどの外道なので、ユーリだから、というわけでもない部分もある(実際に手を下すのはユーリならではだが)。 -むしろ終盤にエステルが攫われた後、COLOR(red){''フレンに怒りをぶつけ、暴言を吐く場面''}((フレンは反論をせずユーリ(+リタ)が一方的に攻める。リタは彼やエステリーゼの事情を知らない為、致し方無いが、(本人の意向だとはいえ)エステリーゼを実質的に誘拐する様な形を取ったユーリに彼を責める様な義理はないはずである。))はどう見ても八つ当たりであり、よっぽどCOLOR(red){「''お前が言うな''」}といえる場面となっている。 --ただし、ユーリは一連の事件にはエステルを攫われた自分にも責任がある事を認め、フレン側からの反論を受け付けるつもりである発言をするなど一応自分なりの筋は通している。 ---実際に反論をしなかったのはフレンの性格上の問題であり、そのことまでユーリの問題とは言えないだろう。 -また上記の通り暗殺については特赦が出たり、終盤までユーリを責める人物はほぼ私念によるもので「おかしい意見」扱いされたり、彼の「正義」やその所業が仇になる展開や周囲から非難を受けて孤立する…などといったアンチ展開が非常に少ない。 --結果的には救われる人間ばかりで不利益を被る人間は暗殺された当人とその親族((この人物も同レベルの悪人のため、ユーリが良心の呵責を感じたりする展開にはならない。))以外に皆無であり、挙句サブイベントでCOLOR(red){「''心の中の聖騎士様''」}というユーリの立場とは正反対の称号が手に入ったりと、仮にもCOLOR(red){''殺生を伴うアウトローな行動理念''}((相手がどうしようもない悪党や外道であるのは確かなのだが、それでも彼が人を殺めたことには変わりはない上、『TotA』のルークや『TOBe』のベルベットと違って人を殺めた事に罪悪感を抱く描写が絶無で、『TOE』のリッドのように(生活の為に動物を狩るリッドと正義の為に悪人を殺すユーリと単純比較は難しいとはいえ)命を奪う在り方そのものを直接問われるような展開も無いため、彼自身に対するプレイヤー達の批判に繋がった。))にもかかわらずまるで善行の如く美化されており、ダークヒーローさながらの大衆社会からの疎外感や孤高さを求めたプレイヤーからは批判する声もある。 --特にこの特赦については、いわば彼が「法で裁けない罪人」になってしまったという事でもあり、本末転倒であると批判する声もある。 ---ユーリの行動は彼によって暗殺されたラゴウやキュモールの様に私欲或いは悦楽のために他者を虐げるような蛮行では決して無く、そのうえ彼らが物語の黒幕の騎士団長アレクセイともつながりを持つ国家転覆を目論む一派と後に判明し、もはや「法で裁けない巨悪」と化していたアレクセイも含めた彼らを討つことが国や世界を救う結果をもたらした多大な功績に値するのも確かである。その辺りの捉え方によって特赦についての賛否が分かれていると言える。 ---ただし、本件での特赦判断自体は相応と認める立場でも、COLOR(red){''ユーリとフレンのそれぞれの正義の対比というテーマが、上述のようなアレクセイの正体と反乱などフレンが何も言えなくなりユーリの意に沿うような展開の連続となったことで、ほぼ失われてしまったのは批判的に見る向きが強い''} --また、物語終盤においても自らが罪人であることの自覚は強く持っているシーンこそあるが、騒動が全て片付いたら自らフレンの元に自首するようなことはなく、そういった素振りを見せることも一切なかった。 ---このため、後述のジュディスに関しては「ケジメをつけさせる」と言っておきながら、COLOR(red){''国から公に許されている立場であるとはいえ自分自身の所業に関してはロクにケジメをつけておらず、前述のようにケジメを強いられるような展開も無い為大甘にも程がある''}と批判的に見る向きもある。 --本作の転換点であるギルド結成についてもCOLOR(red){''「ラゴウを暗殺した翌日」「首領はカロルがなるようにと提案する」''}という点で批判される事がある。シナリオを進めると最大手のギルドの首領であるドン=ホワイトホースが、自身があずかり知らぬところで部下(息子)のやった事のケジメとして首を差し出す展開があり、ユーリは彼の覚悟を見て直前にギルドに損害を与えて失踪したジュディスを「ケジメをつけさせる」と追いかけるのだが、COLOR(red){''自身の暗殺がギルドに迷惑をかけているとは一切思っていない''}((そもそもカロルにバレたのはフレンがばらしたからであり、本人はしばらく言うつもりがなかった。この点ではTOZのロゼの方が「暗殺ギルドのリーダー」という形でよっぽど筋が通っている。))。 ---ドンの一件から場合によっては首領が責任を問われるのが示されているのに、抜けようとする素振りすらなかった((むしろジュディスとドンの件で崩壊しかけたギルドを終わらせるかと奮起している。))。 //--恐らく、そういったアンチ的な展開による挫折等によってキャラの魅力を損なう(とプレイヤーにとられる)事を恐れた故の扱いと思われる。しかしそれによって彼の信念や行動の重みや不条理さ、それに対する彼の覚悟が薄れ、結果的に彼の魅力に影を落としたばかりか、シナリオ面での矛盾やご都合主義さに繋がってしまっては元も子もない。 //「~と思われる」までの記述は明らかに憶測が入りすぎているし、「魅力に影を落とした」という部分も賛否が分かれているのは事実だがシリーズでトップクラスの人気がある事を考慮すれば影を落としたと言い切るのは中立性に欠ける。覚悟が薄れた描写なんて存在しないし、あとご都合主義はともかくアンチ展開が存在しない事によって生じた矛盾なんてあったっけ? -なお、COLOR(red){''後のスタッフの発言に「ユーリ以外の仲間キャラは頼りないし、ユーリを引き立たせる役割がある」というものがあり、ユーリへの評価が荒れる一因となっている。''} --相反する正義を持つフレンも「ユーリを引き立たせる為のライバル」と、COLOR(red){''本作の人間関係が彼の持ち上げを主軸にした構図になっているのは些か問題である。''} #endregion ---- **総評 本作は360最大のキラータイトルとして期待され、廉価版も含めると最終的に25万本もの売り上げを記録した。これは2017年現在において日本での360ソフトの最高記録であり、現在もこの記録を破るソフトは存在していない。本作の為''だけ''に本体を購入したというファンも多かったという。~ 賛否が分かれるのは、終盤以降のシナリオ面、「正義の対比」という複雑な主題を掲げているにもかかわらず、一方の正義側が圧勝してしまう展開になってしまい、それが活かし切れてないように思えること、クリア後から大崩壊するゲームバランスなどがあげられる。~ また、後述するDLCに関する評価や移植に対する評価などにおいて、本ゲームに付随する内容への評価は大きく割れている。~ //ただし、戦闘で行える要素は多く、自分の意志でバランス調整を行うことにより面白いゲームとなる。 //↑大昔に自分が無理やり褒めるために書いた文ですがやはりゲーム批評としては不適切なので消しておきます。 //今後のテイルズ オブ シリーズの展開を考える時の一つの指針となっており、ヴェスペリアのシステムやグラフィックを踏襲した新作やリメイクを望むプレイヤーも多い。 //編集合戦のせいで、結果的に情報の欠落を起こしてるので総評は丸ごと合戦前の状態に戻す。 ---- **DLC -レベルがDLC販売されたのは、シリーズ中でも本作が初。 --他にも合成素材やスキルセット、ゲーム内通貨などが、「本編でも手に入れられるが有料DLCでも購入できる商品」として販売された。 ---また箱版のインタビューでは「本編で入手できないものはDLCとして販売しない((この発言をした郷田努氏はPS3版ではプロデューサーを降りている。))」という発言があるがPS3版は…。 -PS3版でDL販売されたコスチューム(正確には内部的に存在する称号を解禁するためのアンロックキー)は、1つ300円の「なりきりコスチューム」が4種類×9キャラ分、1つ150円の「『TOA』生誕記念コスチューム」がユーリ・エステル・フレンに1つずつの計39種+αが販売されている。 --専用称号関連のDLCを全て買うとなると総額は''12,050円。''各種トロフィーには影響しないため、ご利用は計画的に。 -2010年5月28日に出た劇場版BD予約特典はユーリ・エステル限定でフェドロック隊コスチューム((ユーリは軽装版。前回は武装版だった。))だが、劇場版では主役クラスだったフレンには何故か用意されなかった。 ---- *テイルズ オブ ヴェスペリア(PS3版) |対応機種|プレイステーション3|&amazon(B002OB3ST8)|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~|~| |発売日|2009年9月17日|~|~| |通信機能|PlayStation Network対応(DLC配信)|~|~| |廉価版|PlayStation3 the Best:2012年8月2日/3,800円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ※360版と異なる内容の項目のみ表記する。 ---- **概要(PS3) 360版と比べると多くの変更点・追加要素がある。問題となった戦闘バランスは若干の改善が見られるものの調整し切れてはいない、新キャラ・パティの度重なる乱入は話の腰を折っている((肝心のパティの過去が明確に語られるシーンが本編中に存在せず、因縁の相手との決着が付いてもプレイヤーからしたら何が何だか分からず、感情移入がしづらいと言った描写不足も目立つ。))、フレン加入はテーマの消化に悪影響を及ぼしたと指摘されることも多い。~ イベントスキップやアイテム取得時のグラフィック・説明文表示といった機能は後の作品でもお馴染みとなる((イベントスキップ自体は、2008年発売の『ラタトスクの騎士』が初出だが、飛ばせるのは一部イベントだけだった。))。~ 代表的な変更・追加箇所の例を以下に示す。詳細な内容については[[こちら>http://www26.atwiki.jp/vesperia/pages/176.html]]を参照。~ -新パーティキャラクターパティ・フルール追加。 -フレンのパーティ加入時期の増加・延長、正式加入。 -「スペシャルフラッグR」(ラピードをパーティトップにすることが可能)追加。 -「アーツボール」の追加 (術技セット数が2倍に)。 -イベントのカメラワーク・演出見直し。イベントスキップ機能追加。 -新コスチューム、アタッチメント、術技追加。 -新ダンジョン、新ボスキャラクター、新ギガントモンスター追加。 -サブイベントの追加・拡張。桜庭氏の新曲12曲追加。 -『テイルズ オブ バーサス』初回特典にPS3版『ヴェスペリア』のオリジナルスキット解放のプロダクトコードを同梱。 -メインシナリオのフルボイス化。 -ゲームバランスが調整された。360版で強すぎると言われた技で、中でも意図的な仕様でないものは修正されている。 --数々の無限コンボ・ハメ対策としてボスに鋼体を追加したりなどされたものの、新たに別の手段が発見されており、根本的な解決には至らなかった。 --究極のバランスブレイカーとされた「タイダル祭り」は意図的な仕様として、元と近い形で残された。 --同じく究極のバランスブレイカーである「疾風犬」は修正されるどころか、この技のスキル変化で被弾するまで攻撃範囲が広がる「幻鋭犬」が追加され悪化した、しかも疾風犬と兼用も可能。 -最強クラスの戦闘能力を持つ隠しボスが追加。それに伴い裏ダンジョンも新たに追加された。 --迷路上に張り巡らされた各エリアを戦闘フィールド上で連戦をこなしながら移動する、という特殊な形式になっており、中には鋼体付きかつ特定の属性以外を全てダメージ1にしてしまう敵が登場するなど、かなりの高難易度ダンジョンとなっている。最深部にいるボスも、&bold(){こちらの壊れた強さを大前提とした凄まじい戦闘力を誇る。} -闘技場に参加していないパーティメンバーとも対戦する事ができるようになった。こちらもラスボスと同等、もしくはそれ以上というほどのかなりの強さなので、苦戦は必至。 ---- *テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER 【ているず おぶ ゔぇすぺりあ りますたー】 |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7/8/8.1/10(Steam)|CENTER:&amazon(B07H7Y5LHF)&amazon(B07H85GT1T)| |発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~| |開発元|QLOC|~| |発売日|2019年1月11日|~| |定価|【Switch/PS4】&br; 通常版:5,700円&br; 初回限定生産版:11,000円&br;【One】&br; 5,700円&br;【Win】&br; オープン価格((実質他機種と同額となっている。))(全て税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|10周年記念のリマスター版&br;英語音声を追加収録|~| ---- **概要(リマスター) 360版発売から10年目を控えた2018年6月10日(北米時間)に開催された「Xbox E3 2018 Briefing」にて発表されたHDリマスター版。国内向けには同年9月11日に正式発表された。~ これまでのシリーズタイトルは移植・リマスター版を除けば1タイトル1機種で展開され、マルチ展開はPS4/PS3といういわゆる「縦マルチ」のみだったが、今作はシリーズ初の他機種マルチで発売された((海外のみWin版とのマルチも存在したが、国内未発売だった。))。~ 基本的には解像度やフレームレートの向上が主な変更で、内容はPS3版と変わっていない。 **評価点(リマスター) -前述の通り、解像度、フレームレートが向上し、快適性がアップした。 --解像度向上に合わせてテクスチャも高解像度化されている。Win版は最大4Kで、他の機種もフルHD対応。Switch版の携帯機モードで持ち歩けるようになったのも好評を得た。 --なお、セーブ画面はXMBの機能をそのまま使っていたPS3版から360版の画面に戻されている。 -英語音声、多言語字幕に対応した。 --ゲーム起動時に日本語音声と英語音声を選択可能になっており、選択した言語に応じてOPムービーの主題歌も変わるようになった((これ自体は海外のみで発売されていたシリーズ作品のWin版で採用されていた要素。))。 --後のシリーズ作品で採用された戦闘後の掛け合い台詞の表示にも対応した。 -360/PS3版で配信されたDLCが一部を除いて収録された。 --コスチュームは『ケロロ軍曹』などの版権関連はなくなったものの、劇場版BDの特典だった「フェドロック隊制服 軽装ver」「フェドロック隊ごっこ」も収録。PS3版予約特典のTOAなりきりコスチュームは通常販売版の髪色違いのみが収録されている。 --あの物議を醸したレベルDLCやガルドDLCも収録されているので、難所の攻略などで使ってみるのもいいだろう。 --なお、DLC自体は360/PS3版同様、各機種のストアからダウンロードして該当アイテムを使用することで有効になるので、DLC未適応状態でのプレイも可能。 **問題点(リマスター) -発売当初は術技ショートカットやターゲット機能が正しく機能しなかったり、フリーズや一部イベントが発生しないなど大小様々なバグがあった。 --現在は2019年3月7日に配信された修正パッチで大方修正されている。発生していた問題の詳細も[[公式サイト>https://tov10th.tales-ch.jp/remaster/]]で公開されている。 -各キャラクターのお試しスキルセットのDLCがなぜか未収録。 --本作の戦闘はバックステップすらスキルを習得するまで使えず、序盤のモッサリっぷりの要因にもなっている。このため、いくつかのスキルを早めに習得できる同DLCがあると大分違うのだが…。 --実際にはそこまでスキルセットDLCを問題視しているプレイヤーは少ないため、これを問題点に上げるのはどうかと思われる。 -PS4版のみの問題点としてロードがPS3版よりやや長め。 --エゴソーの森でのロードが特に顕著でエリアによっては戦闘時に10秒近く待たされることも。 -パーティメンバーの名前が変更できなくなった。 --ゲームのプレイに直接影響する訳ではないとは言え、360/PS3版に存在した機能を削除してしまうのは改悪でしかない。 **総評(リマスター) 基本的にはPS3版に準拠しつつ、細かい部分での追加要素やDLC無料化、フレームレートなどの改善が嬉しい手堅い内容のリマスター移植である。~ 様々な改善、調整、追加がなされたPS3版からさらに調整された今作はシリーズ代表作を争う評判を得ているのは確かであり、良作以上の水準に達していると言えるだろう。 Switch版は携帯機として気軽にプレイできるという大きな利点もあるので、ヴェスペリアに興味があるなら是非手にとって頂きたい逸品である。 ---- **余談 -「''ユーリの外見が女性的であること''」は公式もネタにしている。というかゲーム中に勘違いするモブがいる。 --さらに公式のイベントにて、ユーリと担当声優・鳥海氏に''メイド服を着せて登場させていた。''こういった行動を取る公式に嫌悪感をしめすファンも多い。 ---そもそも彼は長髪であるものの身長180cmと長身で体格も引き締まっており、声も低め…と、年相応の男性らしさを持っており、美形ではあっても女性的かと問われれば間違いなくNOである。それを公式からして強引に女性要素と擦り合わせようとする行為そのものへの反感もある((かつて『テイルズ オブ マガジン』で連載していたカオス系ギャグ漫画「ているずV」では、ユーリ自身が「どこの世界に身長180センチで筋骨ばった野太い声の女がいるんだッ!!」と反論し、ユーリの女装もかなり酷評されている。))。 ---確かにユーリに女性然とした振る舞いをさせるネタそのものはファンの間で盛んに行われているが、あくまで''ファンの間だけで盛り上がるからこそ''栄えているのであり、公式が目をつけてプッシュしても顰蹙を買ってしまいがちである。 --一迅社の4コマ漫画ではユーリが「俺が女装すると美人過ぎて女性に失礼」と笑いながら語るネタがある。 -スタッフによるとユーリのコンセプトは「ダークヒーロー」だそうである。暗殺シーンを筆頭にダークな面があるが「孤独、日陰者」といったイメージは無く、仲間と和気藹々と旅をしたり、町の人や主要人物に頼りにもされる王道の要素も持つ。その為「ダーク」か「王道」か、個人の見解によって分類が分かれる、ある種珍しい主人公でもある。 --しかし、上記の指摘のように「ダーク」と言うには些か作中で賞賛されてる感が強く、「ダーク風味のいつものテイルズ主人公」という趣旨の評価が下されることも。 -主要キャラクターの1人フレンは『ギルティギア』のカイ=キスク、『アビス』のガイ・セシルと共通点が多く容姿も似ている。もっとも、藤島氏は「ガイとフレンは似ていない」と否定している。 --漫画家に「キャラの顔が似ている」と言うのは侮辱に等しいが、ガイとフレンは『レディアントマイソロジー3』のOPアニメで共演していたり名コンビとしての人気投票で上位だったりと公式もファンもセットにしたがっている。 --カイの場合、騎士団の団長を務めたこと、服の色、主人公の知人、真面目な性格など、ガイ以上に共通点が多い。 -パティの紹介の際に「テイルズ初の海賊キャラ」とかかれているが、厳密には『エターニア』に海賊キャラのチャットがいる。その為、この記載に関して一部で物議をかもした。 --この発言をした樋口氏は『デスティニー2』から開発に参加しているため、自身が関わるより以前の作品の内容を正確に把握していなかった事が原因であると思われる。ただし、確認せずにこういった発言をした事は軽率であったと言わざるを得ない。 -1作目『ファンタジア』の頃からアニメネタを隠し入れる事の多いシリーズだが((デッキブラシのアイテム解説が有名アニメ映画『魔女の宅急便』ネタ、アーチェ役のかないみか氏が『それいけ!アンパンマン』にてメロンパンナ役をやっている事からくる「メロンパン好き」発言など。))、本作にも同様のネタがあちこちに仕込まれている。 --カロルには360版でもカエルのコスチュームがあったのだが、PS3版ではさらに有料DLCで『[[ケロロ軍曹>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/202/38/TOV107.jpg]]((テイルズ世界とは全く関係ない吉崎観音氏作による漫画&アニメ出身のキャラ。))』コスチュームが販売された。これはカロルを演じている渡辺久美子氏の声優ネタ。パティを演じている斎藤千和氏もケロロ軍曹で日向夏美役として出演しているため、ケロロ軍曹の姿をしたカロルとパティをパーティに入れて戦闘に勝利するとパティが夏美のセリフを言う。 ---その後テイルズスタジオ監修の『ケロロRPG』が発売されたため、その伏線ではなかったかとも言われている。 --ジュディスのセリフ「水被って反省なさい」もネタ。これは久川綾氏が担当した水野亜美((美少女戦士セーラームーンシリーズの主要キャラ。))の決め台詞である。 -ヒロインであるエステルは、開発スタッフからもいまひとつ愛されていないと思われる発言がインタビューなどで散見される。このため一部では「今後のクロスオーバー作品で冷遇されるのでは?」と危惧する声もある。今のところ目立った冷遇はないが、他のキャラと比べると外部にあまり登場していない。 --ちなみに、2012年に発売された『[[PROJECT X ZONE]]』には、テイルズ オブ シリーズ代表としてユーリとエステルがペアユニット、フレンはソロユニットとして参戦している。 --ただし、2015年に発売された『[[PROJECT X ZONE 2>PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』ではヴェスペリアが続投参戦したものの、ユーリとペアユニットを組むキャラがフレンとなり、エステルはソロユニットに変更となった。とはいえ、前作から続投している作品ではそのほとんどがペアユニットの組み合わせが変更となっており、当作品に限った事ではない。 -某まとめブログの看板に使われている(無許可)ので、外部からは妙なイメージを持たれる事も。 -『アビス』と同様に、本作もお祭りゲーに出た時のユーリの持ち上げおよび優遇が過剰すぎる為、不満を漏らすファンは少なくない。 --詳細は省くが『レディアントマイソロジー3』ではそれが特に顕著になってしまった。 -PS3版の攻略本でのスタッフインタビューでは「タイダル祭り」に対して出来る限りの形で残したいと言っている辺り、意図的なバランスであることがうかがえる一方、疾風犬などのバランスブレイカーやハメ技については深く反省している様子もうかがえる。流石にスタッフもやりすぎたと思ったのだろう。 --実際これ以降の作品では、ヒット数に応じた硬直時間の短縮化や一定時間で自動復活する鋼体の存在など、ハメ技や無限コンボの類に対してかなり明確な対策が取られるようになる。 -『テイルズ オブ グレイセス』の予約特典はユーリ、リタ、パティのコスチュームが手に入るプロダクトコードだった。(PS3版では魔法カルタの景品)それぞれアスベル、シェリア、ソフィが着用するコスチュームである。 --これらを加えるとDLCで手に入るヒューバートがフレン、マリクがレイヴンと、『ヴェスペリア』だけ異様にコスチュームの数が多い。しかもヒューバートに至ってはすごく似合ってないと専らの評判である。 --他は『デスティニー』『デスティニー2』『シンフォニア』『アビス』のコスが1~3つと非常に偏っている。 -シンフォニア、アビスから続くシンプルな戦闘システムの最後の作品であり、本作をベースにして発展させたものをプレイしたいという声も一部にはある。 --以降の作品は複雑なシステムや仕様が絡むものが多くなり、良くも悪くも戦闘システムの敷居が高くなりつつある故だろう。
#contents ---- //PS3版の記述が随所に混在しており、混乱を招く部分が多々見受けられるため、支障が無いと思われるものは移動。 *テイルズ オブ ヴェスペリア 【ているず おぶ ゔぇすぺりあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:「正義」を貫き通すRPG)|CENTER:&amazon(B0015PUSQ0,image=https://cache.famitsu.com/img/catalog/item/0000/0000/0003/1369/medium/B0015PUSQ0.webp)&amazon(B001BDYPZ6)| |対応機種|Xbox 360|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2008年8月7日|~| |定価|7,800円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル、暴力、犯罪、言葉・その他|~| |通信機能|Xbox LIVE対応(ダウンロードコンテンツ配信)|~| |廉価版|プラチナコレクション:2010年6月3日/3,990円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''それぞれの「正義」が動き出す''} }} ~ ---- **概要 『テイルズ オブ』シリーズの1作。略称は『TOV』『ヴェスペリア』で、キャラクターデザインは藤島康介氏。~ 360版が発売された当初、大作RPGシリーズが360で販売されるということで、大きく注目を浴びることになった。~ その約1年後にゲストキャラだったフレン・シーフォ((主人公ユーリ・ローウェルの幼馴染。))のパーティキャラ昇格、新仲間「パティ・フルール」参加などの追加要素を加えてPS3で移植版が発売されている(後述)。~ また、その2週間後に劇場版アニメが公開されたため、売上を大きく伸ばした。 ---- **特徴・新要素 ''戦闘システム「EFR-LMBS(エヴォルドフレックスレンジ・リニアモーションバトルシステム)」'' -フェイタルストライク --敵の術式への耐久値を0まで減らすと攻撃ヒット時に魔法陣が出る。その時にボタンを押すと雑魚敵には即死、ボス敵には大ダメージを与えることができる。 -オーバーリミッツ --画面左にオーバーリミッツゲージがあり、通常攻撃・術技を無制限に連携できる、魔術の詠唱時間が0になる、通常技より強力なバーストアーツを使用できるといった効果がある。 --レベル4までレベルが設定されており、秘奥義を使用するにはレベル3必要。 -シークレットミッション --ボス戦において、特定条件下で特定の術技を使用する、特定のアイテムを使用する等といったシークレットミッションが用意されており、それらの条件を満たすことでレアアイテムの入手や戦闘グレード増加などのボーナスがもらえる。 ''その他'' -スキル --スキルがついている武器を装備した状態で戦い続けることにより、LP(ラーニングポイント)を溜めてスキル習得が完了するシステムになった。 -アタッチメント --シリーズ初登場。装備すると外見の一部に装着される。装備できるのは1つだけで、サイズや位置は変えられない。 ---- **評価点 -トゥーンシェードで表現されたグラフィック面は、次世代機のスペックで写実的に表現されている他のゲームと若干貧相に見えるのが、よく見ると個々がかなり細部まで作りこまれておりトゥーンシェードの極みといっても良い。 --特にHDで描かれたキャラクターの髪がなだらかに揺れるのは非常に美しい。その筆頭がユーリなのは少々面白いとこでもある。 --「次世代機じゃないと出来ないようなグラフィックを目指した」とスタッフが豪語するに相応しい仕上がりとなっている。そのためか、2010年以降に発売されたシリーズ作品よりクオリティが高いと評価する者も存在する。 -戦闘システムは『アビス』のそれをベースにさらに洗練されており「フリーランで回避が簡単になりがち」や「高速魔術が強い」等といったことを除けば自由度が高く、それでいてとても分かりやすくとっつきやすいものとなっている。 --それでも『アビス』や『ラタトスク』に比べてフリーランが速度低下などで弱体化しているため、以前の様な万能なシステムでは無くなった。それでも十分強力ではあるが。 --FS(フェイタルストライク)やバーストアーツ、FSチェインなどの新要素は戦略性と爽快感を両立していると結構好評。秘奥義の演出も派手である。 -目立ったバグ・不具合が皆無で、ロード時間も早い。やりこみ要素も豊富な点は好評。 -シリーズファンへのファンサービスやニヤリとできる小ネタも随所にちりばめられている。『アビス』のキャラネタだったり、重要なボスが戦闘前にシリーズ作品名の単語を入れて話してくるなど。 --特にとある都市の闘技場ではシナリオが進むと''過去のテイルズ作品のキャラクター達と戦う事が出来るようになる。'' ---その中にはあの『ファンタジア』のダオスも登場する。声は2代目の森川智之氏。 ---ちなみに、『デスティニー2』のバルバトスも登場。もちろんプレイヤーがアイテムを使ったときのアレ(知っている人は知っている)も再現。 ---そして『エターニア』からまさかのシゼルが登場した。カットインも美人であり『エターニア』のファンからも好評である。 -プレイヤーへの配慮もかなり丁寧。 --難易度は初期設定で「イージー」「ノーマル」「ハード」の3段階から選べる。 ---大体のシリーズの特徴ではあるが、これによりシリーズ初心者でも気軽に高難易度のモードで挑戦することが可能。 ---今作の場合は特に難易度をイージーにした場合の配慮が手厚く、ステータスダウンだけでなく一部のボスが回復術を使わないなど、敵の行動パターン自体が優しくなるようになっている。 ---それでいてペナルティは引継ぎに必要なグレードが一切獲得できないだけであり、基本経験値は減らされずシークレットミッションなども問題なく達成可能という親切仕様となっている。 ---グレード稼ぎについては今作では非常に効率の良い方法があるため、そういった面でもかなり気軽に救済手段としてイージーを選択できるようになっている。 --サウンド1つとってもステレオ''モノラル''に加えてサラウンドも選べ、さらには戦闘時のボイスやイベント時のボイスや戦闘時のBGMなども個別で設定できるようになっている。 --ゲーム終盤になると、特定の場所でシリーズ恒例ともいえる作中ムービーや発生済みスキットの観覧や音楽の視聴、取得グレード数値の確認などが行えるようになる。 --今作ではこれらすべての機能がサブイベの消化不要で使えるうえ、全部一か所に纏められているので非常にアクセスしやすい。 ---さらに今作では、同じ場所にてシークレットミッションが発生する作中のボスとの再戦までもが可能となっている。未達成のまま取り逃した場合の救済措置として役に立つ。 -ストーリーそのものも、個々の各シーンを見ていけば、プレイヤーを引き込めるような物となっている。 --特にシナリオをよく読み込んだ人達からは「イエガー((重要な人物であり、言葉遣いこそルー語そのものでかなり笑えるものではあるが、その経歴はまさに今作のテーマである「光と影の対比」を端的に表したかのような経歴を持つ。))のエピソードはもっと用意して欲しかった」という意見が根強い名キャラとして評価されている。 --それに応えるかのように、PS3版ではイエガー関係のエピソードが更に追加されたり、小説版では彼の一生消えない「影」の部分に当たる過去が書かれている。また、戦闘時の専用曲も追加されており曲自体も好評である。 --スキットの量も多く、キャラクター達の楽しい雑談をたっぷりと聞くことが出来る。 -音楽はシリーズお馴染みの桜庭統氏と青山響氏((従来の田村信二氏。本作の360版からこの名義を使用している。))が担当しており、今作でも中々のクオリティを誇っている。 --特に「立ちはだかる強敵」は後年のシリーズにおいて大型ボスの曲に採用されることが多くなった。 -全体的にキャラクターの人気が高く、特に主人公であるユーリは公式の人気投票において三連覇を獲得するという快挙を成し遂げている((最終的には『デスティニー』のリオンと共に、殿堂入りという形で投票対象外にされるまでに至った。))。 ---- **賛否両論点 -キャラクターについてはシリーズの近作同様賛否の分かれる部分があり、シナリオでの描写に問題があるといえる部分が見られる。 --ユーリとエステルは行動や展開に矛盾があると指摘する声もある(ユーリについては後述)。 --また、PS3版で追加されたパティは360版で存在が示唆されていた点を含めて賛否両論。 --フレンはPS3版で出番が増加したためにシナリオに弊害が生じている。 #region(PS3版におけるフレンの参戦に関する指摘) -ユーリの親友であるフレンは言動や性格などは特に問題視されていないが、参戦のタイミングに対して問題がある。キャラ設定は下記の通り(電撃オンラインから抜粋)。 --“ユーリ”とともに帝都の下町で育ち、同じ理想を抱いて騎士団に入った青年。“ユーリ”が幻滅して辞めた後も騎士団にとどまり、着実に実績を積んで昇進する。 --騎士団において、貴族出身者からは成り上がりとして疎んじられ、逆に平民出身者からは希望の星と目されている。 --責任感が強く弱い者の味方だが、法を守る立場との板挟みになってしばしば思い悩むなど、生真面目で少々融通の利かない面がある。 --また、なにかと“ユーリ”にアドバイスをしがちだが、それは狭い下町でくすぶり続ける友を案じてのことである。 -''アレクセイに利用され、暗殺対象にされ、ラゴウは逆恨みで厳罰を下そうとし、キュモールには目の敵にされ…と多方面からこれでもかと圧迫され、理不尽な扱いを受けている。'' --COLOR(red){''にもかかわらず、彼をフォローしてくれる人物がほとんどいないなど、ユーリと対比と言いながら作中での待遇の差は歴然。''} --もっとも、これは彼の所属する帝国がいかに腐敗しているかを象徴している描写でもあり、その中において真面目なフレンが割りを食っているとも言える。 --このことからも、上記のユーリの件も相まってCOLOR(red){「''もはや正義の対比ではなく、フレン(の正義)すら踏み台にしてユーリ(の正義)を一方的に持ち上げているだけ''」}という趣旨の見方も少なくない。 --後半からは、彼が一切ユーリの罪に触れず、快く支援に回ってしまったことは容認したと言えて((実際物語後には特赦ではなくユーリを手柄を奪ったことを気にしている。))、(ラゴウに対して)「悪法も法」及び(ユーリに対して)「勝てば法が認可した官軍」の杓子定規な薄っぺらい正義だったと受け取られて仕方ないものになってしまった。 -360版では1回しかパーティに入らない上、操作したい場合でも、「ムーンセレクタ」を合成しないと操作不可能((だが、肝心の能力は技の数が乏しく、バーストアーツや秘奥義の使用・FSの発動が不可のため、使い勝手が非常に悪い。))。 --PS3版は、(フレンの「騎士団の隊長」という設定を考えると)その参戦タイミングについて問題が起こっている。 --また、本来なら同じ場所には立てないが目標は同じであるはずのフレンが、普通にパーティに入ってしまうこと自体を批判する声もある。 ---本来360版で別行動中のフレンが行っていた活躍は現場を任された部下が行ったことに変更されているが、とあるシーンでは隊長を犠牲にしかねない大胆すぎる行動を起こすため((元々はフレンが親友を信頼しているが故に咄嗟に思い付けた最終手段のようなものであり、隊長が活動中の状況に対し部下が起こせるような行動ではない。))、「フレンの活躍が無かったことにされた」「部隊として問題がある」等、特に批判が集中する場面になっている。 ---パーティキャラの1人レイヴンはフレンに正体を悟られないようにフレンと顔をあわせないようにしているのだが、その状態でもフレンが一時加入することについては「レイヴンの行動が無駄になってる」と否定的な意見も多い((一応スキットではフレン曰く「あまりの性格の差に同一人物とは思えなかった」と説明がされているが、ユーリ達はラピードが匂いで気づいたこともあり、声を聞いた時点で同一人物と瞬時に見抜いているため、理由として納得できるかと言われれば微妙である。))。 ---ストーリーに矛盾が出る等スタッフの「フレンが使えるのはファンサービス」という言葉が端的に現れたシーンとも言える。ただし、正体判明後の2人の和解のシーンは評価が高い。 //--また360版ではフレンがいない場面で行われた殺人が、フレンがパーティにいることにより結果的にフレンはユーリの殺人((上記2人のことではなく作中序盤からユーリを追い回し何度も戦った人物で、ユーリが最後の戦闘後に「地獄でやってろ」と斬りつけたことで穴に落下して死亡した。))を黙認することになってしまった。 //システム上戦闘は終わってもシナリオ上戦闘は終わったわけじゃないのに、その上で殺しも正当防衛だろう --ちなみににPS3版は、ガスファロスト、バクティオン、ヘラクレス、ザウデ不落宮、ヒピオニア大陸北東でゲスト参戦した後、終盤で正式にパーティキャラになる。 ---正式参戦となる和解後だけでも長い道のりとなるラストダンジョンやサブイベント、隠しダンジョンなど十分に活躍させられる機会に溢れているので、ストーリーを改変してまで途中参戦をせずとも良かったとする意見が多い。 --360版における「互いを信頼しながらも別々の道を歩み続け、背中を預け合う戦いを経て正式に真剣勝負をして和解する」というストーリー展開が高く評価されていた故に改編に対し賛否分かれてしまった面が強く、PS3版以降に初めて触れたプレイヤーからはフレンの使用機会が増えるメリットが勝って問題視されることは比較的少ない。 #endregion #region(エステルに関する指摘) -エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン --エステルという略称はユーリによるもの。第一王位継承者。天然で身分相応に浮世離れしている面があり、自身の旅の目的が曖昧なままユーリと行動を共にする。 --芯はしっかりしているのだが、「目的を探しながら旅をする」という名目上、自分の主張に矛盾が生じることも多い。 --よく突っ込まれることはCOLOR(red){「''フェローに会うのが目的なのに無理言って寄り道する羽目になる''」}COLOR(red){「''首領はカロルなのに無理言ってでしゃばっている''」}COLOR(red){「''大昔の宝箱を現代に持ち帰るなんて倫理観が欠如してる''」}「''フレンの安全がわかったのなら城へ戻るべき''」など。 --サブイベントでの「''ハルルで暮らしたい''」COLOR(red){「''絵本作家になりたい''」}についてCOLOR(red){「''皇族の自覚がない''」}ということで非難されている。 --ただこれらも意図されたものなのか、中盤では彼女の優柔不断な言動・行動に誰かが苦言を呈するという展開が幾度か見受けられる((ジュディスが度々「貴女のわがままで振り回すの?」と本来の目的を忘れて目の前の出来事にとらわれている事を指摘する、世界の毒と蔑まれたことに対する「必要ならば死んでもいい」という発言をユーリが「二度と言うな」と注意する、サブイベントで登場する彼女の師匠が多方面で注意する、等といったもの。その為、ユーリとは異なり、彼女を批判する意見は比較的少ない。))。 -それでも性根そのものは非常に献身的な上、余計なアクの無い一生懸命な性格な彼女を評価する声も少なくない。 --そもそも彼女が無理を言う時も決して単に身勝手な我儘というものではなく''目の前で悪人がのさばっていたり、困っている人がいるから放ってはおけないという懇意的なものであり、歴代のシリーズであればむしろパーティ全員で促進して助けるような内容・展開のものがほとんどである。'' --そのため、エステルに限って何かと他のメンバーが苦言を呈す事が多いのに対し、理不尽さや不快さを感じたプレイヤーも多い((但し今の自分たちでは助けようがない、どうしようもないのでそれなら自分の目的を優先したほうがいいと止むを得ずエステルに諦めさせようとする場面もある。))。 --また、とあるサブイベントで「カマトト姉ちゃん」と呼ばれる場面があるが、エステルにはそんな側面は存在しない。そのためスタッフとプレイヤーのエステル像が異なっているのではと疑われている部分がある。 -360版での彼女のAIはかなり頭が悪い事で有名だったがPS3版は改善された((大してダメージを受けていないのに上級魔法を使って回復する、前線で戦うことが多い、こちらの指示に全く従ってくれないなど。))。 --それでもそのままでやらせていると馬鹿な行動を繰り返す為已然頼りなく、術技を全て封印し、ごく一部の回復術のみだけを使用可能にしてようやく機能するレベル。 #endregion ---- **問題点 -音楽は単体で見れば高く評価されるものが多いが、音楽の使いどころを間違えている、という批判が多々見られる。 --本来ならシリアスなシーンなのにどうみても笑い所で流れるような気の抜ける音楽が流れたり、逆のパターンがあったり。 --なんと''360版では序盤から終盤までずっとラスボスのテーマが相当な回数で使い回されている。''PS3版では全部新曲に差し替えられた。 --OPムービーも主題歌もどちらも単体で見ればクオリティは高いが、映像と歌の区切りや盛り上がるタイミングが合っていない場面が多い。 -スキットの発生の遅さ --スキットと呼ばれるキャラクター達のちょっとした会話があるのだが、条件を満たしていても一定時間経つまで出てこない。 --また、その間隔が異様に長く設定されており、基本的に街での散策やダンジョンを歩き終わっても発生していないスキットがあるのは当たり前である。 --結果的に期間限定のサブイベントよろしく、意識していても非常に見逃しやすい。 --逆に全て見ようとすればダンジョンで敵がいるならまだしも街等では棒立ちして発生を待つ羽目にもなりうる。 ''戦闘システム面'' -戦闘スピードが落とされ、テンポがかなり遅くなったため、シリーズ作品の中ではモッサリとしていると評されることが多い。 --別にぎこちない動きをしているわけではなく、しっかりと60fpsで動き、かなり動きが作り込まれている類ではある。テンポよりも戦闘の演出を重視した結果と思われる。 -昔ながらのTP制であり、やはり終盤では回復させても焼け石に水。 --RPGというよりアクションゲームとして消費するシリーズにとって現在では古臭い物となっている((TP制ならせめてTP最大値が固定な『デスティニー2』方式にしてほしいともいわれる。))。 ---敵を斬るたびにTPが1回復するのだが、消費と回復のバランスが悪い。特技一回につき消費TP20以上などザラなので、そのたった1回を取り返すために20回斬るはめになり作業感が強い。 ---後半になればオレンジグミ一個で数百と回復させられるので、斬って回復はほぼ死に要素となっている。防御されてしまうと回復しない点もそれに拍車をかけている。 -操作キャラへの敵の集中 --シリーズ作品によっては、プレイヤーが操作しているキャラが狙われやすいものがあるが、今作は特に酷く、隊列を一番後ろにし、NPC3人全て最前衛だったとしても開幕に敵が全てNPCを無視してプレイヤーに向かって寄ってくるのが当たり前。 ---決められたルーチンによって動いている今作のNPCに敵の動きを止めさせるのは完全に不可能であり、その結果プレイヤーがどのキャラを操作していても常に数体に追い掛け回されっぱなしで、まともに戦闘を楽しめないという状況が頻発する。 -ダウン技が非常に多いため、攻略本やサイトを駆使して全ての技の性能を熟知することを強制される。 -秘奥義が魅せ技に近い扱いになっており、従来シリーズの中では威力が低くダメージソースとしての活用は厳しい。 -スキルの習得が装備している武器に依存する。 --そのため、明らかに弱い武器などを装備する必要ができてしまう。訪れる街ごとにを揃えた方が良いため、作業感が強い。 ---序盤において''ただの通過点に過ぎないデイドン砦にユーリのバックステップを習得できる武器が販売されている''という罠がある。 ---販売者も目立たないところに立っている行商人であるために見落としやすく、気づけないとかなり不便な戦闘を強いられることになる。 --また後半になり仲間が増えてくると、非常に短い時間間隔で誰かがスキルを習得し、そのたびに武器を変更しなければならず、大きな負担となる。 -秘奥義を出すと画面が明らかに一時停止している。しかし一戦闘につき、2回目以降なら一時停止しない。 -周回時、最高難易度で開始すると敵の防御力が極端に上がり与えるダメージが1になる。 --『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の問題点がそのままになっている。 -高難易度にすると敵が露骨に後衛を集中狙いする様になるが、人型ならまだしもモンスターまでもそれが徹底しており目の前のキャラクターを無視してまで狙う。 --その為、作品内で「モンスターに知恵は無い」とキャラクターが断言するにもかかわらず動きが異様に戦略的になりかなり不自然になる。 -『レジェンディア』『イノセンス』『ラタトスク』にあった敵のHPのゲージはデフォルトでは表示されない。 --スキルに敵のHPのゲージを表示するものはあるが特定のキャラの専用スキルなのでこれを利用するとなるとパーティの自由度を狭めてしまう。 -AIの性能が低く仲間との共闘感が薄い。 --本作は敵ダウン時の挙動に難が多いため、邪魔にすら感じることがある。 ---ダウン技を全て封印しても、フリーランからの通常攻撃で転ばせる。 -OVLで敵を吹っ飛ばしてしまうため、発動タイミングによっては効果時間を大量に浪費してしまう。 -主人公が常用できる秘奥義が実質的に1つしかない。 //-コンボ中に敵の横槍が入った場合、それに反応して周囲を攻撃できる技を撃つのはまず間に合わないため、攻撃を中断することになりテンポが悪い。 //--ステップが標準装備となっているPS3作品の中では特にまどろっこしく感じられる。 //そもそも敵が複数いる状況で一体の敵に延々とコンボできる方がおかしくね -術の詠唱を完了してから、実際に効果が発動するまでが長く、ユーザーの意図するタイミングで発動することが不可能となっている。 --そのため、発動時における敵の位置は運任せとなっており著しく戦術性に欠ける。 -ファイアボールなど方向の概念がある術を、詠唱完了時ではなく、詠唱開始時の方向に向かって放つ。 --もちろん、詠唱開始から完了まで敵が一箇所で止まってくれているなどということは無い。 --操作キャラで意図的に足止めをすれば話は別だが、狙ったタイミングまで足止めするのは難しい。 --その為、敵のいる場所に直接発生する術以外は使い物にならず個性が薄い。 ---このようなシステムでありながら発動保証のようなものは一切存在せず、たとえ詠唱が完了していたとしても発動前に潰されてしまうと術は発動しない。 -敵がひたすら距離を開けようと戦闘フィールドをウロウロと逃げ回るだけの動作に入ってしまう事が有り、これが非常に鬱陶しい。 -消費TP14で、5秒間完全無敵になる疾風犬という技や「被ダメージの割合が増加する代わりに、消費TPが1になる」という、メリットとデメリットが全く釣り合っていないブッ壊れ性能な要素が平然と存在する。その2つを合わせて使おうものならば…想像するに難くないだろう。 -空中コンボを導入することは、本来は戦闘全体の調整にも影響することであり、たった1キャラのみに導入するなど労力に見合わない。 --当然ながら調整不足な出来となっている。雑魚には無敵、ボスには通用しないと両極端である。 --飛んでいる敵も同様に地上戦をメインとしたキャラが多い今作ではそれだけで大きなアドバンテージになっており、地上の敵と違い攻撃後の移動ルーチンが無いため攻撃間隔が非常に早く特にAIがまともに対処出来ず囲まれてあっという間に倒されてしまう。 -全てのボスが「ゴリ押し」パターンしかない。 --その為、こちらが貧弱な序盤は好き放題に蹂躙される戦闘ばかりなのに対し、こちらが強くなると逆に蹂躙するだけという戦略性も駆け引きもあったものではないバランス崩壊を起こしている。 #region(2周目の世紀末具合) -ほぼ全員のパーティキャラクターにハメ技や無限コンボが出来るようになり、同じ技を連発するだけでハメ技が出来る。 --唯一無限コンボが無いキャラがいるが、そのキャラもダウン状態に持ち込んでしまえばハメ技が出来てしまうので意味が無い。 --特に上記の疾風犬や高速魔術によって起こる通称''「タイダル祭り」''はファンの間であまりにも有名な究極のバランスブレイカーである。 ---360版に関しては、このほかにも上記の高速魔術を使った封殺技「永久ストップブロウ」や補助効果が永久になるスキルを利用した実質無敵技「永久フォースフィールド」などといったお手軽かつとんでもない組み合わせの技が大量にある。 --他にも、「空中戦が実質無敵状態((パーティキャラクターに空中戦メインのキャラがいるため尚更批判される。))」や、「オーバーリミッツ(OVL)が強すぎる((一定の状況下でのOVL中は無敵になる事も可能である上、リミッツボトルというゲージを増やすアイテムがあれば裏ボスすら封殺可能。))」など、いろいろと調整不足な部分も存在する。 --逆に言えばどのキャラクターにも強すぎる技やコンボが用意されている分、強いキャラクターと弱いキャラクターの差はそこまで大きくないと言える。 ---この余りにも壊れたバランスを前提としているのか、不満点にあがっている戦闘面の問題はほぼ全てOVL一つで解決するという滅茶苦茶っぷり。 #endregion -実績の解除が困難な物がある --「総移動距離10万Km」は普通にプレイしていては到底クリア不可能。バウルに乗ってスティックを固定して放置してクリアするプレイヤーが続出(それでも十数時間かかる)((PS3版のトロフィーでは「総移動距離5万Km」と半減されたが、これでも約7時間ほどかかる。))。 --期間限定のスキットが多いためコンプリートに注意が必要。 -敵シンボルに対して全体的に狭いマップが多く、またシンボルに接近した場合の敵の反応が非常に速いため、戦闘の回避が非常に難しい。 --ソーサラーリングを使えば敵の動きが止まり先制攻撃を仕掛けられるものの、敵が通路を塞いでしまい結局戦闘を回避できない事も多い。 --本作と同じくシンボルエンカウント制であり、同じ開発チームが過去に手掛けた『シンフォニア』『アビス』では問題なく戦闘を回避できる様に調整されていたため、それらと比べて劣化してしまったと言える。 ''シナリオ面'' -シナリオの始まり方が弱い --最初は盗まれた水道魔導器を追ってお使いを繰り返すというものであるが、その最初に設定される旅の目的自体が従来作品と比べて緊張感に欠け印象が薄い。 ---ヒロインが着いてくる理由は命を狙われている人物にその状況を伝えたいからと一見まともそうだが、当人にそのことを伝えても特に帰ることなくユーリについていくので、理由としては薄い方である((フォローするならばヒロインは箱入り娘的なところがあり、道中で旅をすることの楽しさを知るシーンが見られるので、もっと旅を続けたいという理由もあると思われる。))。 --物語の導入部におけるスケールやインパクトといったものとは無縁。当然、間で起こるイベントもそれ以下の重要度のものが並びやすく、あまり盛り上がらず淡々とした展開が続く。 ---こうなった原因の1つは賛否両論点でも取り上げられているが、主人公が歴代作品に比べて大人びていることにある。 ---冒頭で近所が大変なことになったり牢屋に入れられたりというイベントが発生するが、解決に向かう意志こそあるものの、冗談を交えた会話をするような余裕を見せるためどこか緩く見えてしまう。 ---これまでの主人公(や冒頭でリードするキャラクター)は精神的な幼さゆえの呑気さはあれど変化する事態への反応がはっきりしていたため盛り上がりに不満は少なかった。 -中盤までの筋は纏まってはいるのだが、最終章に入ってからは伏線もなしに唐突に「精霊」や「マナ」といった単語が登場し、説明も無いまま半ば超展開となっていきユーリたちに都合よく事が進んでいく。 //--その中でも特に目に付く展開として、世界を救うために4体の始祖の隷長を精霊に転生させる、要は事実上一度死亡させる必要があるのだが、既に死亡している1体、以前の戦いで死を免れない状態になっている1体はともかく、残りの2体は単に偶然が重なって死亡してしまうというものである。ここでこの偶然が無ければ無理矢理戦って殺害するという強硬手段以外に打つ手はなく、実質手詰まりになっていた事は想像に難くない。 //グシオスはエアルの吸収のし過ぎで星喰み化直前、クロームはそもそも自分の意志によるものなので、前者はともかくクロームのことまで単に偶然が重なって死亡というのは流石に暴論がすぎる。 --ファンからも最終章は微妙、いらなかった等と低く評価されやすい。最終章はラスボス絡みの矛盾点が生まれたため無いほうが締まっているという意見や、ラスボスと敵対する理由が分かりにくいという意見がある。 --また世界規模の窮地に立たされる事でユーリの罪が忘れ去られる(前述の通り、正確には特赦が出ている)など、メインテーマの「正義を貫き通す」が蔑ろにされている節もある。 --第二部までに描写してきたことと何の関係もない方向に話が進んでそのままエンディングという、シリーズ中で比較しても相当粗い部類に入ってしまっている。 --いっそユーリとフレン、そして帝国との確執を徹底的に深掘りした上で法の側の象徴としてたびたび登場するフレンをラスボスに昇華させれば話を畳めたのではないか、もしくは第二部の大ボスをそのままラスボスにすればよかったのではないか、という意見も多く出た。 -出番が多い割に人物像の描写が薄く、ただの狂人としてフェードアウトしてしまうキャラがいる。 --設定は存在するのだが描写されないため、初見では置いてけぼりにされる人もいる。 --壊れた言動などでそこそこ人気がある一方、作中で重大な事件を起こしたり何度も戦ってきたキャラに関して、一狂人のまま顛末も無く話を終わらせてしまうのを受け付けないユーザーもいるなど賛否が分かれている。 //そのキャラについてはシナリオそのものにおかしな点があるわけではないし、そういうキャラに狂人を置く事を良しとするかは好みの問題が大きいので賛否が分かれているという方向に文章を変更 -期間限定のサブイベントが多い。 --技の習得イベント、料理のイベントなど、システム的にも無視しがたいタイプのものも中盤から随所にちりばめられている。 --中にはその期間限定のイベントを見ないと発生しないイベントもある。このような物は大抵見る気が無いのなら見なくてもいい程度のおまけ要素ではあるが、''今作の場合は隠しダンジョンの条件もこれに含まれている''ので見逃したらセーブがない限り次の周からやり直し。 ---この点に関してはPS3版では隠しダンジョンの条件だけ改善されている。 -3Dテイルズでは定番だった水着コスチュームが存在しない(PS3版では追加された)。 --声付きのシーンで、ボイスがない台詞が入っている(PS3版では追加された)。 --2周目以降、レコード(所持ガルドやプレイ時間などプレイデータの記録)を引き継ぐと閲覧済みのスキットが発生しなくなる。引き継げるものは全て引き継ぎたいという人は道中の会話を楽しめなくなってしまう。 ---レコード自体はさほど重要な引き継ぎ要素ではなく、スキットプレイヤーで自由に見ることは可能だが、不評が多かったのか『グレイセス』以降では改善されている。 -アニメネタやBLネタなどの内輪ネタが多いのは人によっては拒否感がある。 --エステルの称号に歴代キャラの「BL((ちなみに、全て『V』にはゲスト出演していないキャラのものしかない。))」そのままの説明文がある、当然シリーズプレイヤーは腐女子だけではないため批判の方が圧倒的に多い。またエステルは腐女子キャラではないため、エステルの称号としても違和感が強い。COLOR(red){''まるで製作陣がエステルの印象を貶めようとしている様にしか思いようがない印象を受けてしまう。''} --エステルが初登場時に着ているドレスが、その服で戦闘があるにもかかわらず手に入らない。これに関してはPS3版やリマスターでも追加されなかった。 ---またリタが初登場時に着ているフードも手に入らない。こちらはその服で戦闘になることはないが、PS3版やリマスターで追加されなかった点は同様。 -OPムービーのシーンの多くがあまりに本編内容とかけ離れている。 --OPで長めの尺を取られているキャラ同士の戦闘シーンや対立関係の大半が本編では全く生じなかったり、逆に本編では長くシナリオの中心にいるのにOPには影も形もないキャラが複数いたりする。 --これまでのOPは歌のパートとムービーの切り替えがうまくマッチしていたのだが、今作はイントロを除くと微妙なタイミングでムービーが切り替わってしまう。 -&color(red){''ユーリのアウトローかつ矛盾した振る舞い・作中での行いや『正義』の扱いについての問題点が多過ぎる。''} #region(ネタバレ注意!) -ユーリ・ローウェル --元騎士団で、退団後は下町で用心棒、便利屋などの仕事を気まぐれに行なっている。シリーズ中の主人公では[[『テイルズオブシンフォニア -ラタトクスの騎士-』の「エミル」>テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-]]に次ぐ最年長だが、精神的にも熟成しており、ストーリーにおける成長といった要素は少ない。 --それ故物語では若く未熟なパーティーメンバーの背を押し、逆に成長を促す等といった長兄役なポジションであり、従来シリーズの主人公とはだいぶ変わっている。 --少々皮肉っぽい面があり、初対面の人間には敬語を使わない、良く思わない相手に対しては少々態度が冷たい等、フレンと比べると歳不相応に奔放な面も見受けられる。 -序盤こそ、ユーリの法で裁けぬ悪党を自らの手で裁く(暗殺する)「人の正義」と、フレンの帝国を内部から是正し法秩序を築き上げる「法の正義」の対比が描かれ固有ジャンル名の「正義を貫き通す」に相応しい内容となっていたのだが、中盤以降のあるイベント辺りを境にそれらが忘れ去られ、「正義で悪を倒す」勧善懲悪なシナリオにシフトしてしまう。 -物語中盤でのユーリとフェローの会話のシーンは本ストーリーの中でも特に意見が分かれる部分となっている。 --その内容だが、フェローがエステルの存在を「世界の毒」(殺すべき対象)と判断し、そして「''より大きなもの(世界)を守る為には斬り捨てることも必要だ''」とごもっともなことを伝える彼に対してユーリがCOLOR(red){「''その何を斬り捨てるか決められる程お前は偉いのかよ''」}とその発言を否定する、というものである。 --「加害者を裁いて被害者を救うこと」と「世界と個人を天秤にかけ斬り捨てること」は明らかに別の行為であるため会話自体がおかしいわけではないのだが、この2人の姿勢に共通点があるのも事実でありCOLOR(red){「''人のこと言えるのか?''」}という疑念を抱く人も少なくない。 --ただし、これについてはその後のイベントで親友に暗殺のことを激怒されたりする他、「彼の殺人に対する心境も変わってきたのでは?」という好意的意見も存在する。 ---そもそも、ラゴウやキュモールは個人の判断を仰ぐまでもなく、シリーズ通して見ても珍しい((テイルズは基本的に悪人と呼べるキャラが少ないというのもあるが。))超がつくほどの外道なので、ユーリだから、というわけでもない部分もある(実際に手を下すのはユーリならではだが)。 -むしろ終盤にエステルが攫われた後、COLOR(red){''フレンに怒りをぶつけ、暴言を吐く場面''}((フレンは反論をせずユーリ(+リタ)が一方的に攻める。リタは彼やエステリーゼの事情を知らない為、致し方無いが、(本人の意向だとはいえ)エステリーゼを実質的に誘拐する様な形を取ったユーリに彼を責める様な義理はないはずである。))はどう見ても八つ当たりであり、よっぽどCOLOR(red){「''お前が言うな''」}といえる場面となっている。 --ただし、ユーリは一連の事件にはエステルを攫われた自分にも責任がある事を認め、フレン側からの反論を受け付けるつもりである発言をするなど一応自分なりの筋は通している。 ---実際に反論をしなかったのはフレンの性格上の問題であり、そのことまでユーリの問題とは言えないだろう。 -また上記の通り暗殺については特赦が出たり、終盤までユーリを責める人物はほぼ私念によるもので「おかしい意見」扱いされたり、彼の「正義」やその所業が仇になる展開や周囲から非難を受けて孤立する…などといったアンチ展開が非常に少ない。 --結果的には救われる人間ばかりで不利益を被る人間は暗殺された当人とその親族((この人物も同レベルの悪人のため、ユーリが良心の呵責を感じたりする展開にはならない。))以外に皆無であり、挙句サブイベントでCOLOR(red){「''心の中の聖騎士様''」}というユーリの立場とは正反対の称号が手に入ったりと、仮にもCOLOR(red){''殺生を伴うアウトローな行動理念''}((相手がどうしようもない悪党や外道であるのは確かなのだが、それでも彼が人を殺めたことには変わりはない上、『TotA』のルークや『TOBe』のベルベットと違って人を殺めた事に罪悪感を抱く描写が絶無で、『TOE』のリッドのように(生活の為に動物を狩るリッドと正義の為に悪人を殺すユーリと単純比較は難しいとはいえ)命を奪う在り方そのものを直接問われるような展開も無いため、彼自身に対するプレイヤー達の批判に繋がった。))にもかかわらずまるで善行の如く美化されており、ダークヒーローさながらの大衆社会からの疎外感や孤高さを求めたプレイヤーからは批判する声もある。 --特にこの特赦については、いわば彼が「法で裁けない罪人」になってしまったという事でもあり、本末転倒であると批判する声もある。 ---ユーリの行動は彼によって暗殺されたラゴウやキュモールの様に私欲或いは悦楽のために他者を虐げるような蛮行では決して無く、そのうえ彼らが物語の黒幕の騎士団長アレクセイともつながりを持つ国家転覆を目論む一派と後に判明し、もはや「法で裁けない巨悪」と化していたアレクセイも含めた彼らを討つことが国や世界を救う結果をもたらした多大な功績に値するのも確かである。その辺りの捉え方によって特赦についての賛否が分かれていると言える。 ---ただし、本件での特赦判断自体は相応と認める立場でも、COLOR(red){''ユーリとフレンのそれぞれの正義の対比というテーマが、上述のようなアレクセイの正体と反乱などフレンが何も言えなくなりユーリの意に沿うような展開の連続となったことで、ほぼ失われてしまったのは批判的に見る向きが強い''} --また、物語終盤においても自らが罪人であることの自覚は強く持っているシーンこそあるが、騒動が全て片付いたら自らフレンの元に自首するようなことはなく、そういった素振りを見せることも一切なかった。 ---このため、後述のジュディスに関しては「ケジメをつけさせる」と言っておきながら、COLOR(red){''国から公に許されている立場であるとはいえ自分自身の所業に関してはロクにケジメをつけておらず、前述のようにケジメを強いられるような展開も無い為大甘にも程がある''}と批判的に見る向きもある。 --本作の転換点であるギルド結成についてもCOLOR(red){''「ラゴウを暗殺した翌日」「首領はカロルがなるようにと提案する」''}という点で批判される事がある。シナリオを進めると最大手のギルドの首領であるドン=ホワイトホースが、自身があずかり知らぬところで部下(息子)のやった事のケジメとして首を差し出す展開があり、ユーリは彼の覚悟を見て直前にギルドに損害を与えて失踪したジュディスを「ケジメをつけさせる」と追いかけるのだが、COLOR(red){''自身の暗殺がギルドに迷惑をかけているとは一切思っていない''}((そもそもカロルにバレたのはフレンがばらしたからであり、本人はしばらく言うつもりがなかった。この点ではTOZのロゼの方が「暗殺ギルドのリーダー」という形でよっぽど筋が通っている。))。 ---ドンの一件から場合によっては首領が責任を問われるのが示されているのに、抜けようとする素振りすらなかった((むしろジュディスとドンの件で崩壊しかけたギルドを終わらせるかと奮起している。))。 //--恐らく、そういったアンチ的な展開による挫折等によってキャラの魅力を損なう(とプレイヤーにとられる)事を恐れた故の扱いと思われる。しかしそれによって彼の信念や行動の重みや不条理さ、それに対する彼の覚悟が薄れ、結果的に彼の魅力に影を落としたばかりか、シナリオ面での矛盾やご都合主義さに繋がってしまっては元も子もない。 //「~と思われる」までの記述は明らかに憶測が入りすぎているし、「魅力に影を落とした」という部分も賛否が分かれているのは事実だがシリーズでトップクラスの人気がある事を考慮すれば影を落としたと言い切るのは中立性に欠ける。覚悟が薄れた描写なんて存在しないし、あとご都合主義はともかくアンチ展開が存在しない事によって生じた矛盾なんてあったっけ? -なお、COLOR(red){''後のスタッフの発言に「ユーリ以外の仲間キャラは頼りないし、ユーリを引き立たせる役割がある」というものがあり、ユーリへの評価が荒れる一因となっている。''} --相反する正義を持つフレンも「ユーリを引き立たせる為のライバル」と、COLOR(red){''本作の人間関係が彼の持ち上げを主軸にした構図になっているのは些か問題である。''} #endregion ---- **総評 本作は360最大のキラータイトルとして期待され、廉価版も含めると最終的に25万本もの売り上げを記録した。これは2017年現在において日本での360ソフトの最高記録であり、現在もこの記録を破るソフトは存在していない。本作の為''だけ''に本体を購入したというファンも多かったという。~ 賛否が分かれるのは、終盤以降のシナリオ面、「正義の対比」という複雑な主題を掲げているにもかかわらず、一方の正義側が圧勝してしまう展開になってしまい、それが活かし切れてないように思えること、クリア後から大崩壊するゲームバランスなどがあげられる。~ また、後述するDLCに関する評価や移植に対する評価などにおいて、本ゲームに付随する内容への評価は大きく割れている。~ //ただし、戦闘で行える要素は多く、自分の意志でバランス調整を行うことにより面白いゲームとなる。 //↑大昔に自分が無理やり褒めるために書いた文ですがやはりゲーム批評としては不適切なので消しておきます。 //今後のテイルズ オブ シリーズの展開を考える時の一つの指針となっており、ヴェスペリアのシステムやグラフィックを踏襲した新作やリメイクを望むプレイヤーも多い。 //編集合戦のせいで、結果的に情報の欠落を起こしてるので総評は丸ごと合戦前の状態に戻す。 ---- **DLC -レベルがDLC販売されたのは、シリーズ中でも本作が初。 --他にも合成素材やスキルセット、ゲーム内通貨などが、「本編でも手に入れられるが有料DLCでも購入できる商品」として販売された。 ---また箱版のインタビューでは「本編で入手できないものはDLCとして販売しない((この発言をした郷田努氏はPS3版ではプロデューサーを降りている。))」という発言があるがPS3版は…。 -PS3版でDL販売されたコスチューム(正確には内部的に存在する称号を解禁するためのアンロックキー)は、1つ300円の「なりきりコスチューム」が4種類×9キャラ分、1つ150円の「『TOA』生誕記念コスチューム」がユーリ・エステル・フレンに1つずつの計39種+αが販売されている。 --専用称号関連のDLCを全て買うとなると総額は''12,050円。''各種トロフィーには影響しないため、ご利用は計画的に。 -2010年5月28日に出た劇場版BD予約特典はユーリ・エステル限定でフェドロック隊コスチューム((ユーリは軽装版。前回は武装版だった。))だが、劇場版では主役クラスだったフレンには何故か用意されなかった。 ---- *テイルズ オブ ヴェスペリア(PS3版) |対応機種|プレイステーション3|&amazon(B002OB3ST8)|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~|~| |発売日|2009年9月17日|~|~| |通信機能|PlayStation Network対応(DLC配信)|~|~| |廉価版|PlayStation3 the Best:2012年8月2日/3,800円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ※360版と異なる内容の項目のみ表記する。 ---- **概要(PS3) 360版と比べると多くの変更点・追加要素がある。問題となった戦闘バランスは若干の改善が見られるものの調整し切れてはいない、新キャラ・パティの度重なる乱入は話の腰を折っている((肝心のパティの過去が明確に語られるシーンが本編中に存在せず、因縁の相手との決着が付いてもプレイヤーからしたら何が何だか分からず、感情移入がしづらいと言った描写不足も目立つ。))、フレン加入はテーマの消化に悪影響を及ぼしたと指摘されることも多い。~ イベントスキップやアイテム取得時のグラフィック・説明文表示といった機能は後の作品でもお馴染みとなる((イベントスキップ自体は、2008年発売の『ラタトスクの騎士』が初出だが、飛ばせるのは一部イベントだけだった。))。~ 代表的な変更・追加箇所の例を以下に示す。詳細な内容については[[こちら>http://www26.atwiki.jp/vesperia/pages/176.html]]を参照。~ -新パーティキャラクターパティ・フルール追加。 -フレンのパーティ加入時期の増加・延長、正式加入。 -「スペシャルフラッグR」(ラピードをパーティトップにすることが可能)追加。 -「アーツボール」の追加 (術技セット数が2倍に)。 -イベントのカメラワーク・演出見直し。イベントスキップ機能追加。 -新コスチューム、アタッチメント、術技追加。 -新ダンジョン、新ボスキャラクター、新ギガントモンスター追加。 -サブイベントの追加・拡張。桜庭氏の新曲12曲追加。 -『テイルズ オブ バーサス』初回特典にPS3版『ヴェスペリア』のオリジナルスキット解放のプロダクトコードを同梱。 -メインシナリオのフルボイス化。 -ゲームバランスが調整された。360版で強すぎると言われた技で、中でも意図的な仕様でないものは修正されている。 --数々の無限コンボ・ハメ対策としてボスに鋼体を追加したりなどされたものの、新たに別の手段が発見されており、根本的な解決には至らなかった。 --究極のバランスブレイカーとされた「タイダル祭り」は意図的な仕様として、元と近い形で残された。 --同じく究極のバランスブレイカーである「疾風犬」は修正されるどころか、この技のスキル変化で被弾するまで攻撃範囲が広がる「幻鋭犬」が追加され悪化した、しかも疾風犬と兼用も可能。 -最強クラスの戦闘能力を持つ隠しボスが追加。それに伴い裏ダンジョンも新たに追加された。 --迷路上に張り巡らされた各エリアを戦闘フィールド上で連戦をこなしながら移動する、という特殊な形式になっており、中には鋼体付きかつ特定の属性以外を全てダメージ1にしてしまう敵が登場するなど、かなりの高難易度ダンジョンとなっている。最深部にいるボスも、&bold(){こちらの壊れた強さを大前提とした凄まじい戦闘力を誇る。} -闘技場に参加していないパーティメンバーとも対戦する事ができるようになった。こちらもラスボスと同等、もしくはそれ以上というほどのかなりの強さなので、苦戦は必至。 ---- *テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER 【ているず おぶ ゔぇすぺりあ りますたー】 |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7/8/8.1/10(Steam)|CENTER:&amazon(B07H7Y5LHF)&amazon(B07H85GT1T)| |発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~| |開発元|QLOC|~| |発売日|2019年1月11日|~| |定価|【Switch/PS4】&br; 通常版:5,700円&br; 初回限定生産版:11,000円&br;【One】&br; 5,700円&br;【Win】&br; オープン価格((実質他機種と同額となっている。))(全て税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|10周年記念のリマスター版&br;英語音声を追加収録|~| ---- **概要(リマスター) 360版発売から10年目を控えた2018年6月10日(北米時間)に開催された「Xbox E3 2018 Briefing」にて発表されたHDリマスター版。国内向けには同年9月11日に正式発表された。~ これまでのシリーズタイトルは移植・リマスター版を除けば1タイトル1機種で展開され、マルチ展開はPS4/PS3といういわゆる「縦マルチ」のみだったが、今作はシリーズ初の他機種マルチで発売された((海外のみWin版とのマルチも存在したが、国内未発売だった。))。~ 基本的には解像度やフレームレートの向上が主な変更で、内容はPS3版と変わっていない。 **評価点(リマスター) -前述の通り、解像度、フレームレートが向上し、快適性がアップした。 --解像度向上に合わせてテクスチャも高解像度化されている。Win版は最大4Kで、他の機種もフルHD対応。Switch版の携帯機モードで持ち歩けるようになったのも好評を得た。 --なお、セーブ画面はXMBの機能をそのまま使っていたPS3版から360版の画面に戻されている。 -英語音声、多言語字幕に対応した。 --ゲーム起動時に日本語音声と英語音声を選択可能になっており、選択した言語に応じてOPムービーの主題歌も変わるようになった((これ自体は海外のみで発売されていたシリーズ作品のWin版で採用されていた要素。))。 --後のシリーズ作品で採用された戦闘後の掛け合い台詞の表示にも対応した。 -360/PS3版で配信されたDLCが一部を除いて収録された。 --コスチュームは『ケロロ軍曹』などの版権関連はなくなったものの、劇場版BDの特典だった「フェドロック隊制服 軽装ver」「フェドロック隊ごっこ」も収録。PS3版予約特典のTOAなりきりコスチュームは通常販売版の髪色違いのみが収録されている。 --あの物議を醸したレベルDLCやガルドDLCも収録されているので、難所の攻略などで使ってみるのもいいだろう。 --なお、DLC自体は360/PS3版同様、各機種のストアからダウンロードして該当アイテムを使用することで有効になるので、DLC未適応状態でのプレイも可能。 **問題点(リマスター) -発売当初は術技ショートカットやターゲット機能が正しく機能しなかったり、フリーズや一部イベントが発生しないなど大小様々なバグがあった。 --現在は2019年3月7日に配信された修正パッチで大方修正されている。発生していた問題の詳細も[[公式サイト>https://tov10th.tales-ch.jp/remaster/]]で公開されている。 -各キャラクターのお試しスキルセットのDLCがなぜか未収録。 --本作の戦闘はバックステップすらスキルを習得するまで使えず、序盤のモッサリっぷりの要因にもなっている。このため、いくつかのスキルを早めに習得できる同DLCがあると大分違うのだが…。 --実際にはそこまでスキルセットDLCを問題視しているプレイヤーは少ないため、これを問題点に上げるのはどうかと思われる。 -PS4版のみの問題点としてロードがPS3版よりやや長め。 --エゴソーの森でのロードが特に顕著でエリアによっては戦闘時に10秒近く待たされることも。 -パーティメンバーの名前が変更できなくなった。 --ゲームのプレイに直接影響する訳ではないとは言え、360/PS3版に存在した機能を削除してしまうのは改悪でしかない。 **総評(リマスター) 基本的にはPS3版に準拠しつつ、細かい部分での追加要素やDLC無料化、フレームレートなどの改善が嬉しい手堅い内容のリマスター移植である。~ 様々な改善、調整、追加がなされたPS3版からさらに調整された今作はシリーズ代表作を争う評判を得ているのは確かであり、良作以上の水準に達していると言えるだろう。 Switch版は携帯機として気軽にプレイできるという大きな利点もあるので、ヴェスペリアに興味があるなら是非手にとって頂きたい逸品である。 ---- **余談 -「''ユーリの外見が女性的であること''」は公式もネタにしている。というかゲーム中に勘違いするモブがいる。 --さらに公式のイベントにて、ユーリと担当声優・鳥海氏に''メイド服を着せて登場させていた。''こういった行動を取る公式に嫌悪感をしめすファンも多い。 ---そもそも彼は長髪であるものの身長180cmと長身で体格も引き締まっており、声も低め…と、年相応の男性らしさを持っており、美形ではあっても女性的かと問われれば間違いなくNOである。それを公式からして強引に女性要素と擦り合わせようとする行為そのものへの反感もある((かつて『テイルズ オブ マガジン』で連載していたカオス系ギャグ漫画「ているずV」では、ユーリ自身が「どこの世界に身長180センチで筋骨ばった野太い声の女がいるんだッ!!」と反論し、ユーリの女装もかなり酷評されている。))。 ---確かにユーリに女性然とした振る舞いをさせるネタそのものはファンの間で盛んに行われているが、あくまで''ファンの間だけで盛り上がるからこそ''栄えているのであり、公式が目をつけてプッシュしても顰蹙を買ってしまいがちである。 --一迅社の4コマ漫画ではユーリが「俺が女装すると美人過ぎて女性に失礼」と笑いながら語るネタがある。 -スタッフによるとユーリのコンセプトは「ダークヒーロー」だそうである。暗殺シーンを筆頭にダークな面があるが「孤独、日陰者」といったイメージは無く、仲間と和気藹々と旅をしたり、町の人や主要人物に頼りにもされる王道の要素も持つ。その為「ダーク」か「王道」か、個人の見解によって分類が分かれる、ある種珍しい主人公でもある。 --しかし、上記の指摘のように「ダーク」と言うには些か作中で賞賛されてる感が強く、「ダーク風味のいつものテイルズ主人公」という趣旨の評価が下されることも。 -主要キャラクターの1人フレンは『ギルティギア』のカイ=キスク、『アビス』のガイ・セシルと共通点が多く容姿も似ている。もっとも、藤島氏は「ガイとフレンは似ていない」と否定している。 --漫画家に「キャラの顔が似ている」と言うのは侮辱に等しいが、ガイとフレンは『レディアントマイソロジー3』のOPアニメで共演していたり名コンビとしての人気投票で上位だったりと公式もファンもセットにしたがっている。 --カイの場合、騎士団の団長を務めたこと、服の色、主人公の知人、真面目な性格など、ガイ以上に共通点が多い。 -パティの紹介の際に「テイルズ初の海賊キャラ」とかかれているが、厳密には『エターニア』に海賊キャラのチャットがいる。その為、この記載に関して一部で物議をかもした。 --この発言をした樋口氏は『デスティニー2』から開発に参加しているため、自身が関わるより以前の作品の内容を正確に把握していなかった事が原因であると思われる。ただし、確認せずにこういった発言をした事は軽率であったと言わざるを得ない。 -1作目『ファンタジア』の頃からアニメネタを隠し入れる事の多いシリーズだが((デッキブラシのアイテム解説が有名アニメ映画『魔女の宅急便』ネタ、アーチェ役のかないみか氏が『それいけ!アンパンマン』にてメロンパンナ役をやっている事からくる「メロンパン好き」発言など。))、本作にも同様のネタがあちこちに仕込まれている。 --カロルには360版でもカエルのコスチュームがあったのだが、PS3版ではさらに有料DLCで『[[ケロロ軍曹>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/202/38/TOV107.jpg]]((テイルズ世界とは全く関係ない吉崎観音氏作による漫画&アニメ出身のキャラ。))』コスチュームが販売された。これはカロルを演じている渡辺久美子氏の声優ネタ。パティを演じている斎藤千和氏もケロロ軍曹で日向夏美役として出演しているため、ケロロ軍曹の姿をしたカロルとパティをパーティに入れて戦闘に勝利するとパティが夏美のセリフを言う。 ---その後テイルズスタジオ監修の『ケロロRPG』が発売されたため、その伏線ではなかったかとも言われている。 --ジュディスのセリフ「水被って反省なさい」もネタ。これは久川綾氏が担当した水野亜美((美少女戦士セーラームーンシリーズの主要キャラ。))の決め台詞である。 -ヒロインであるエステルは、開発スタッフからもいまひとつ愛されていないと思われる発言がインタビューなどで散見される。このため一部では「今後のクロスオーバー作品で冷遇されるのでは?」と危惧する声もある。今のところ目立った冷遇はないが、他のキャラと比べると外部にあまり登場していない。 --ちなみに、2012年に発売された『[[PROJECT X ZONE]]』には、テイルズ オブ シリーズ代表としてユーリとエステルがペアユニット、フレンはソロユニットとして参戦している。 --ただし、2015年に発売された『[[PROJECT X ZONE 2>PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』ではヴェスペリアが続投参戦したものの、ユーリとペアユニットを組むキャラがフレンとなり、エステルはソロユニットに変更となった。とはいえ、前作から続投している作品ではそのほとんどがペアユニットの組み合わせが変更となっており、当作品に限った事ではない。 -某まとめブログの看板に使われている(無許可)ので、外部からは妙なイメージを持たれる事も。 -『アビス』と同様に、本作もお祭りゲーに出た時のユーリの持ち上げおよび優遇が過剰すぎる為、不満を漏らすファンは少なくない。 --詳細は省くが『レディアントマイソロジー3』ではそれが特に顕著になってしまった。 -PS3版の攻略本でのスタッフインタビューでは「タイダル祭り」に対して出来る限りの形で残したいと言っている辺り、意図的なバランスであることがうかがえる一方、疾風犬などのバランスブレイカーやハメ技については深く反省している様子もうかがえる。流石にスタッフもやりすぎたと思ったのだろう。 --実際これ以降の作品では、ヒット数に応じた硬直時間の短縮化や一定時間で自動復活する鋼体の存在など、ハメ技や無限コンボの類に対してかなり明確な対策が取られるようになる。 -『テイルズ オブ グレイセス』の予約特典はユーリ、リタ、パティのコスチュームが手に入るプロダクトコードだった。(PS3版では魔法カルタの景品)それぞれアスベル、シェリア、ソフィが着用するコスチュームである。 --これらを加えるとDLCで手に入るヒューバートがフレン、マリクがレイヴンと、『ヴェスペリア』だけ異様にコスチュームの数が多い。しかもヒューバートに至ってはすごく似合ってないと専らの評判である。 --他は『デスティニー』『デスティニー2』『シンフォニア』『アビス』のコスが1~3つと非常に偏っている。 -シンフォニア、アビスから続くシンプルな戦闘システムの最後の作品であり、本作をベースにして発展させたものをプレイしたいという声も一部にはある。 --以降の作品は複雑なシステムや仕様が絡むものが多くなり、良くも悪くも戦闘システムの敷居が高くなりつつある故だろう。

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