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*ドラッグ オン ドラグーン 【どらっぐ おん どらぐーん】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B000083F5M,image=https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/bookoffonline/cabinet/1836/0001393010l.jpg?_ex=160x160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|キャビア|~| |発売日|2003年9月11日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)((アルティメットヒッツ版のみ。初版発売当時は審査されていない。))|~| |廉価版|アルティメットヒッツ&br;2008年9月4日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''怪作''|~| |ポイント|電波で救いようのないシナリオと前衛的なBGM&brゲームとしても非常に癖が強い出来&brアクが強く何かしらの闇を抱えている登場人物達&br''「何なのだ、これは! どうすればいいのだ?!」''|~| //最初のEDが一番マシだった&br大惨事ベビーブーム&br東京タワーが赤い理由 //EDが衝撃的という点を何個も挙げる必要性はない、更にポイントと言われてもゲームをやっていないと伝わらないものがあると思いいくつかCO。 |>|>|CENTER:''[[ドラッグ オン ドラグーンシリーズ]]''| //鬱ゲー判定(2015/01/29 無断編集対策の目印用。判定欄への明記は不可) ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''抗え、最後まで。''} }} ~ ---- **概要 2003年にスクウェア・エニックスから発売されたアクションRPG。~ 無双系のアクションである地上戦とドラゴンに乗りながら戦う3Dシューティング風の空中戦、独自のキャラクターと世界観が話題を呼んだ。 雑誌でも前情報が大きく取り上げられ、発売前から注目されていた。~ 「剣と魔法」「ドラゴンとの共闘」という要素が明かされ、「スクウェア・エニックスから完全新作のファンタジー作品が出る」と話題になったが、いろんな意味でプレイヤーの想像を裏切るその作風で大きな反響を呼ぶこととなった。 ---- **システム -一騎当千型のアクションである地上戦、ドラゴンを操作する3Dシューティング型の空中戦が中心となっている。 -地上戦では主人公カイムを操作して敵を斬り倒していく。 --ただ武器を振り回すだけでなく、攻撃中に特定のタイミングでボタンを押すと、敵を吹き飛ばす特殊攻撃の「フィニッシュブロー」を発生させることが可能。また、武器ごとに設定された「魔法」を使うこともできる。 ---主人公の装備している武器は、倒した敵の数により成長していくため、本作のやり込み要素の1つとして高く評価されている。 --呼び出せる回数と時間に制限があるが、仲間を呼び出して戦うことも可能。3人の仲間はそれぞれ性能が違うため、自分の好みに合わせて戦うことができる。 ---ただ、総合的な性能差は少々大きかったりする。というかレオナールが飛びぬけて強力で、アリオーシュとセエレはクセが強いため、どうしても困った際のお助けキャラ的に使うならほぼレオナールという状況になりがちではある。 --また、屋外での地上戦ではドラゴンに乗ってブレスで敵を焼き払う低空戦もできる。 -空中戦では、ドラゴンを操作して戦う。一直線にしか撃てないが威力の高い単発ブレスと、敵を追尾するが威力が低いロックオンブレス、強力な全体攻撃である大魔法を使い分けて戦うことが可能。 --ドラゴンもストーリーの進行に合わせて進化していく。形態によって攻撃力やロックオン可能数などに違いが出る。 ---- **評価点 -鬱だらけの設定やストーリーではあるが、好みの問題はあるものの、後述のように緻密な計算の上で組み立てられたものであるため、シナリオ自体の完成度は非常に高い。 --裏話などもかなり綿密に練られており、無駄な設定も豊富で、中二設定が大好物なユーザーにも好評。そのため資料集や攻略本と言った公式資料も人気だが、現在では品薄で資料集は値段も高騰している。 --鬱ばかりという訳ではなく、所々でしっかりとストーリーを魅せている。特に主人公と相棒のドラゴン(雌)の間に芽生える絆についての描写は評価が高い。これらの魅力は前述での「電波になってしまった」系のシナリオの作品では到底味わえない。 -奇抜な設定が多いものの、どのキャラクターも個性的で魅力があり、非常に人気が高い。 --個性的なキャラクターデザインや公式イラストなど、藤坂公彦氏の絵も非常に人気があり、この絵に惹かれたファンも多い。 -キャスト陣の演技。 --特に親友役の俳優・唐沢寿明氏の怪演、主人公とドラゴンの1人2役を演じたピーター氏((スタッフクレジット上では主人公が本名の池畑慎之介、ドラゴンがピーターの芸名でクレジットされている。))のキャラに良くマッチした演技はたいへん人気である。 ---唐沢氏による「''( ゚∀゚)o彡゜フリッ♪アエッ♪( ゚∀゚)o彡゜フリッ♪アエッ♪''」はみんなに愛される名ゼリフ((もっとも、この台詞の裏設定も類に漏れず鬱設定だが。))。 --主人公の妹役である初音映莉子氏の演技はたいへんな棒読みだが、陰鬱な世界観とキャラ設定に良く溶け込んでおり意外と好評だったりする。 --また、ラスボスの''幼女役に郷里大輔氏を起用する''という怪キャスティングもこのゲームの電波っぷりを演出するのに一役買っており、たいへん好評。 ---特に「''ヽ(`Д´)ノオガァーザァーン! オガァーザァーン!!''」というセリフは、多くのプレーヤーの心に(色んな意味で)焼きついた。 ---声優名を言われてもピンと来ない人のために補足すると、郷里氏は「太く迫力ある声に定評がある」人。アニメキャラでは『ドラゴンボールZ』の''ミスターサタン''や『北斗の拳』の''ウイグル獄長''、『機動戦士ガンダム(TV版)』の''ドズル・ザビ''など、ゲームで言えば『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』シリーズのジジイこと''三島平八''の声である。 ---正確に言えば、この幼女は本人(山下夏生嬢、当時''10歳'')と、彼女を呪縛する神の代理人(郷里氏)の、1人2役ならぬ2人1役状態。しかも山下嬢もさるもので「殺せよおら! 殺さないと…わたし、どうすればいいんでしょうか?」などとても正気ではないようなセリフが当てられている。 ---「スタッフは頭のねじが飛んでいる」「スタッフは変なクスリをキメている」と言われることも多い。唐沢氏にも突っ込まれたらしいが、報酬にPS2本体をプラスしたら喜んで演じてくれたそうな。 //---幼女は『DOD2』で成長しヒロインとして再登場するが、声優は変更され女優の小雪氏が担当している。 --他にも、山寺宏一氏、林原めぐみ氏((ちなみに、林原氏は本作収録時は妊娠中であったとのことだが、よりにもよって担当しているキャラはアリオーシュ。どう考えても胎教に悪いとしか思えない…。))、宮村優子氏などのベテラン声優が多数出演しており、キャストが非常に豪華である。 -ムービーやイベントシーンの演出が凝っている。 --特にムービーは美麗で非常に評価が高い。ムービーが入る場所も上手く選ばれており、ムービーシーンはどれも印象に残るものとなっている。 -チャプターセレクトはイベント、ムービー、ミッションパートで別個に細かく分かれており、ミッションにリトライしたい場合でも、ムービーなどを一気に飛ばしてミッションをスタート出来るため、繰り返しのプレイがしやすい仕様になっている。 //-本作に使用されるBGMは、ほぼ全てが既存のクラシック音楽をアレンジしたものである。 //--しかしそのアレンジ方法があまりにも大胆であり、「各クラシックから一部分のフレーズを抽出して再構成する」という異質極まりないもの。~ //クラブミュージックやヒップホップで多く見られるフレーズサンプリングやリミックスの手法を用いている。 //--その再構成の仕方や編集も「フレーズの途中をぶった切って何度も何度も繰り返す」「あえてリズムをずらす」「わざとノイズを入れる」等の手法で、狂気的な本作のストーリーに絶妙にマッチさせている。決して万人受けするものではないが、その評価は非常に高い。 //--素材となったクラシック音楽は、本作のためにオーケストラで録音したものを使用するなど、非常に手間が掛かっている。~ //ちなみに本作のBGM、あまりに異常すぎて''「BGM製作中オーケストラの人に白い目で見られた」''という逸話があるほど。 //賛否両論点と統合 -もっさりしているアクション部分だが、一部の武器は爽快感があり人気。また、フィニッシュブローで敵を吹き飛ばすのはなかなか爽快。 -武器関係のシステムは、前述した「固有モーションが乏しい」という点以外では概ね好評。 --武器はレベルが上がる度に攻撃力と外観が成長し、固有魔法も強化されて派手になっていく。 --また、全ての武器には固有の物語が用意されており、レベルを上げる度に物語の続きが開放され読むことが可能になる「ウェポンストーリー」と呼ばれるシステムがあるため、武器を育てる楽しみがある。 --その物語は簡潔でありながらも、おとぎ話のような感動物・悲惨な結末を迎えるものなどと様々でバリエーション豊かなので、読むだけでも楽しい内容になっている。 --ちなみに本作に登場する武器は、いわゆる''「陰惨な過去がある」「呪われた魔剣」「悲劇的な経緯を持つ」''といったものがほぼ全てであり、成長システムも''血を吸わせて強化させる''(=殺害数)ということになっている。こういった点も中二設定が好きなユーザーから高い支持を得ている。 --なお、武器を成長させるために敵をちまちま倒す羽目になるのだが、''やってる内にもっさりした地上戦が段々と楽しくなってくる。''こう思えるようになれるとあなたは立派な『DOD』ファンです。''『DOD』の世界へようこそ。'' -ドラゴンに跨っての低空戦(人によっては上空戦も)は爽快感があり、非常に評価が高い。 --上空戦は操作に癖が強いが慣れれば意のままにドラゴンを操れる。 ---技の使用の駆け引きも、上空戦をより面白くさせている。 --低空戦は地上の敵をドラゴンで壊滅させる…という戦い方で、まさに「人がゴミのようだ!」という気分が味わえる。 ---ドラゴン騎乗時には通常攻撃ですら雑魚はだいたい即死か瀕死。俺TUEEEE! 周囲の敵を一気に焼き殺す超必殺技「ファイアーブレス」も爽快である。 ---ただし、「問題点」にもあるが、ステージによっては敵の配置がまばらなので結局しらみ潰しになりやすい点、敵の対空攻撃に弱い点などから、ストレスを感じる要因にもなり得る。 ---- **賛否両論点 ''重々しい雰囲気の血塗られた世界観'' -シナリオ、キャラクター性、世界設定はもちろん、台詞回し、BGM、果てにはステージまで電波づくし。オープニングの時点で既に狂気を帯びている。 #region(オープニング映像) #video(https://www.youtube.com/watch?v=V39sEfiRnBE) #endregion -BGMも全体的に狂気じみており、聴いているとだんだん精神が不安定になりそうな内容。 --BGM担当者は、『[[リッジレーサー>リッジレーサーシリーズ]]』シリーズなどで知られる佐野信義氏と相原隆行氏。 --サウンドディレクターでもある[[佐野氏のサイト>https://www.wikihouse.com/sanodg/index.php?%A5%C9%A5%E9%A5%C3%A5%B0%A5%AA%A5%F3%A5%C9%A5%E9%A5%B0%A1%BC%A5%F3%20%2F%20Drag-on%20Dragoon]]では、今作のサウンドの製作秘話が語られている。 --本作に使用されるBGMは、ほぼ全てが既存のクラシック音楽をアレンジしたものである。 ---しかしそのアレンジ方法があまりにも大胆であり、「''各クラシック音楽から一部分のフレーズを抽出して再構築する''」という異質極まりないもの。 ---「フレーズの途中をぶった切って何度も何度も繰り返す」「あえてリズムをずらす」「エフェクトを掛ける」など、クラブミュージックなどで使用されるフレーズサンプリングやリミックスの手法を用いている。 ---ちなみに素材となったクラシック音楽は、本作のために生のフルオーケストラで録音した物である。~ ちなみに本作のBGM、あまりに異常すぎて''「BGM製作中オーケストラの人に白い目で見られた」''という逸話があるほど。 ---こうして制作されたBGM群は、狂気に満ちた世界観に上手くマッチしており、作中での違和感は意外にも少ない。 ---ただ、''その作風故に曲単体の好みが極端に分かれる。''~ かつてはユーザーはおろか商業誌(のレビュー)にも酷評された一方で、近年はその唯一無二の作風が再評価される傾向にある。~ 決して万人受けするものではないが、魅力に憑りつかれた人たちからの評価は非常に高い。 ---素直に人気なのは「セエレの祈・上空」や下記の主題歌くらいである。「セエレの祈・上空」はサイドストーリーのステージ曲なのだが、''CMで使えそうなのがこれしかなかった''という理由でCMのBGMにも使用されていた。 ---フリアエの心情を歌詞にした主題歌「尽きる」も凄まじい。狂気に満ち溢れた伴奏と囁くようなボーカルが特徴であり、本作を象徴する曲として評価が高い。 歌詞も負けず劣らずで、簡単に意訳すると「''兄と結ばれたかった、でもだめでした、死にます''」という内容。ちなみに&color(red){''この曲を逆再生すると、フリラエの心境がより深く浮き彫りになる。''} -敵キャラもホラー性を感じさせるものが多い。特に終盤に登場する「敵」はプレイヤーに強烈なトラウマを植え付けた。 --ちなみに''正式名称が「敵」''である。プレイヤーからは通称「ダンシングベイビー」の名で親しまれて(?)いる。 #region(「敵」との戦闘シーン ※閲覧注意) #video(https://www.youtube.com/watch?v=WB0aIgQljso) #endregion -敵味方問わず(CERO的に)ヤバ気な設定と性格を持つキャラ達。まともそうに見える者も大体全員何かしら黒い部分を秘めており、ドロドロしている。 --まず一番まともでなければならないはずの主人公・カイムからして、苛烈で執念深い復讐鬼。COLOR(red){''趣味は殺人。''} --他に操作できる仲間キャラも、ゲイでショタコンの騎士・レオナールに、精神を病み食人癖を持つ未亡人・アリオーシュ、無意識のうちにいい子ぶる癖のある少年・セエレの3人。 --主人公の妹・フリアエは近親相姦願望持ちの重度のブラコン。 --主人公の親友・イウヴァルトも、カイムへの嫉妬やフリアエのブラコンを知ったショックのあまり徐々に狂っていく。 --味方の神官・ヴェルドレは自身の保身しか頭にない。アリオーシュが「敵」に捕食された際に、恐怖の余り独りだけ物陰に隠れて怯えていたため、多くのプレイヤーからツッコミを入れられた((もっとも、作中では一番人間らしいキャラではあるのだが。))。 --妖精達は一見可愛らしいものの、口を開けばねちねちとした罵詈雑言が飛び出す。 --黒幕の幼女・マナも、虐待された過去やセエレに対する恨み、「神」の影響から狂気に満ちたセリフや行動が多い。 --本作で唯一まともで良識人なのは相棒でメインヒロインのドラゴン・アンベルぐらいである。 -世界一電波で狂気的なストーリー --パッケージ裏の「''かつて、これほどまでに挑戦的で意欲的なシナリオがあったであろうか!?''」というフレーズは伊達ではない。ただあまりにも挑戦的すぎて意欲的すぎた。 --ただし、ありがちな製作者の技量不足の結果生じた不整合や手抜きなどで「結果的に電波になってしまった」というものではなく、製作者が「''あえて電波に仕上げた''」類の電波シナリオであり、構成や描写力そのものはしっかりとしている(故になおのこと強烈なのだが)。 --また、パッと見では単なる電波でも、深読みすると実はとんでもない鬱設定だった…という場面も多数。 --ゲーム中で語られない裏設定なども多いが、どれも悉く黒い。 -本作はマルチエンディング制だが、エンディングの展開も…。 #region(以下強烈なネタバレ。クリックで展開) -シナリオが進行するにつれ妹や親友がどんどんおかしくなっていき、親友は主人公を裏切り、妹はほとんどのストーリー分岐で死ぬ。 -そして5つあるエンディングのどれもが誰かが死んだり世界が絶望的な状況に立たされる鬱エンド。 --最初にたどり着くエンディング(Aエンド)も、主人公の最愛の相棒であるドラゴンと生き別れねばならないエンディングなのだが、そのエンディングが一番マシで救いはあると言われている。 --他のエンディング(Bエンド・Cエンド・Dエンド・Eエンド)は「妹が化け物と化した挙句増殖する」「相棒のアンベルと殺し合わなければならない」「世界は助かっても主人公パーティは全滅する」など全く救いが無い。 ---そして、5つ目のEエンド、通称「''新宿エンド''」はゲーム史を紐解いても稀な電波で救いの無いエンディング。 #region(新宿エンド強烈なネタバレ) --内容を簡単に書くと「理由がわからないまま相棒のドラゴンとともに突然に現代の新宿上空に転移し、なぜか''音ゲー''でラスボスとの勝負を強いられ、それに勝利したら''自衛隊の戦闘機に撃墜されて死亡''」というもの。そのあまりに衝撃的な展開に呆然となるプレイヤーが続出した。 --超展開ではあるとはいえ、一応、こういう状況になった理屈は設定上では説明がつく。しかし、本作では設定面の解説が極めてわかりづらく、ほとんどのプレイヤーには「意味不明な展開」としか受け取られなかった。 --そして最後の最後に戦いの元凶であるマナ(の声)から「''本当に、本当にありがとうございました''」というねぎらいのメッセージが流れて物語は幕を閉じるのだが、多くのプレイヤーからすれば''お前が言うなの極み''であり、COLOR(red){''頑張って戦ったのに本当に何一つ救われなかった''}とトドメを刺されるのである。 --上記の最終決戦前に相棒のドラゴンが発する''「何なのだ、これは! どうすればいいのだ?!」''という困惑の叫びは、この場までやってきた全プレイヤーの気持ちを代弁した本作屈指の名台詞である。 --そしてこの台詞と同時に、こうすればいいのだと言わんばかりに''今から始まる音ゲーバトルのルール''が解説されるのである。いや、欲しかったのはストーリー上での説明なのだが…。 --で、この音ゲーバトルは「ボスの出してくる白帯と黒帯の攻撃を、こちらも同じ色の帯を出して打ち消す」という簡素なものではある。しかし、ラストになるにつれて白帯と黒帯の密度が濃くなり、恐ろしいほどの鬼畜難易度になり、多くのプレイヤーを絶望させた。 ---一応、「スタートボタンでポーズが可能」「(帯の順番は毎回同じなので)覚える」「(前2つを利用して)紙に書く」などいくつかの対処法は編み出されている。 ---ちなみに、「白と黒の2色・同じ色で打ち消す」というコンセプトから[[某STG>斑鳩]]を思い浮かべた人も多い模様。ちなみに後の『NiaR』インタビューにてディレクターの横尾太郎氏が[[「最も好きなゲーム」だと明言している>https://getnews.jp/archives/60285]]。 #endregion -「Aエンドを見て鬱になり、救いを求めてBエンド → Cエンド → Dエンド → Eエンドと見るがどんどん鬱になっていき、最後にAエンドをもう一度見て癒される…(´∀`)」という何とも言えない事態が起こってしまった。 -ちなみに、このゲームのキャッチフレーズは「抗え、最後まで。」というもの。''最後まで抗った結果がこれだよ!'' --「どうあがいても絶望」とキャッチコピーの如く言われることがある。元々は別のゲーム『[[SIREN]]』のキャッチフレーズなのだが、どの結末でもハッピーエンドに行き着けない様が見事にマッチしている。 #endregion ---- **問題点 -地上戦のアクションがもっさりしている。人によっては空中戦ももっさりしていると感じる。 --半分以上のミッションがこの地上戦であり、しかもマップは広大だが敵の数が少ない面が多い。さらに隠し武器などを手に入れる条件が「敵を◯分以内に全滅させる」的なものが多く、ストレスが溜まりやすい。 -地上の敵の配置も微妙で、敵の密度が少ないマップだと敵をしらみつぶしにちまちま殲滅して回る作業になってしまう。 --しかも地上戦の敵兵は、所定の場所から一定距離離れると目の前の主人公を無視して所定の場所に戻ってしまう。なんとも間抜けな光景である。 --また、プレイヤーキャラは一定時間移動し続けると全力疾走の体勢になって移動速度が上がるのだが、全力疾走になるまでの所要時間が長く、微妙な速度の小走りで戦場を転々と移動するシュールな場面が多発する。 //-''片手剣も両手で振り回す''など主人公のモーションに違和感がある。どう考えても打撃に向かない杖も両手で振り回す。槍も振り回す。というか手に持ったものはだいたい全部両手で振り回す。 //--別の言い方をすると、折角豊富な種類があるのに、種類ごとの固有モーションがあまり無い。 -せっかく武器の種類が豊富なのに、種類ごとの固有モーションが乏しい。 --このためどんな武器であれ、手に持ったものほぼ全てを両手で振り回しているため違和感があるうえ動きが硬いため、かなりもっさり感がある。 ---一応、武器毎の連続技のバリエーションは豊富であり、槍は突きが多かったり斧は振り回しが多かったりと差別化はされているので、ゲームとしてフォローはできてはいるが。 --なお、武器は8個まで装備して戦闘中に持ち替え可能なのだが、その都度MPがゼロになるため、結局1種の武器で固定になりがち。「モーションは弱いが魔法は強い武器」の活用も難しい。 -シチュエーションとしては大軍VS大軍が多いのだが、何故かゲーム中の戦場に味方は1人も居ない。 --それにもかかわらず味方兵士による「帝国軍の奴らめ! なんて強さだ!」「カイム様! ここはもう持ちません!」という具合の実況がちょくちょく入るため、不自然。 --続編である『DOD2』では味方軍も登場するようになっている。 -一部武器の取得条件に、事前情報無しでは気付かないような物がある。エンディングの発生条件に武器の取得率が組み込まれているため、無視できないのが困りもの。 //「攻略本無しで分かるか!」と言いたくなるような取得条件が設定されている。 --中でも特に言われるのが「特定のミッション中、特定のルートで特定の部屋に侵入した時にのみ発生する増援部隊を全滅させる」というもの。偶然手に入れることはあるかも知れないが、自分で気付けと言うのは無茶である。 ---しかも、よりによってそういった武器の1つ「古の覇王」は今作屈指の使い勝手と爽快感を誇る。 -ドラゴンによる低空戦 --爽快感はあるものの、弓矢による攻撃やドラゴンのブレスを反射する敵の存在から、活躍の機会は意外と限られている。上手く操作すれば回避は可能だが、「思ったように暴れられなくてストレスが溜まる」という声は少なくない。 --敵の密度の低さやリアクションの薄さもあり、「ドラゴンを駆って敵兵士の大軍を薙ぎ倒す」という痛快なイメージの割りにこぢんまりとしたプレイ感覚になっている。 -難易度が「ノーマル」と「イージー」から選べるものの、アクションが苦手なプレイヤーには辛い部分がある。 --地上戦の武器取得条件に「難易度がノーマル」というものがあり、「最後のエンディングが見たいが、武器が取得できない(発生条件を満たせない)」というプレイヤーが続出した。 --また、最終決戦はアクション要素や難易度といったこととは無関係の内容のため、挫折したプレイヤーも多い。 -セエレ(仲間の少年)の演技が棒読み。 --上記の通りフリアエ(主人公の妹)も割と棒だが、設定的整合性もありキャラに合っているとして好評。しかし、セエレの場合はそれにしても棒読みぶりが目立つためあまり好評でない。 --キャストが子役であるため致し方ないとも言えるが、同じくキャストが子役であるマナは比較的上手であったため目立ってしまっている。 --『DOD2』でも登場するが、相変わらずである(周りも棒読みの上出番自体も少なめなので影は薄いが)。 -ストーリーは評価されているものの、戦闘後に申し訳程度にブツ切りのストーリーイベントが入る程度なので、話が飛び飛びになっている印象を受ける。 -カメラワークが悪い。 --カメラの任意操作は一時的な効果しか無く、勝手にすぐ操作前の位置に戻されてしまうため不便。 --カメラをプレイヤーキャラの背後に戻す操作は「操作キャラの状態をニュートラルに戻して一瞬待つ」であり、他の操作と両立できない上テンポが悪い。 --地上戦ではカメラの位置も妙にプレイヤーキャラに近く、いまいち周りを見渡しづらい。 --屋内だと壁に影響されてすぐブレるため見づらい。 ---- **総評 「一癖も二癖もある」という表現では到底収まりきらない、全てが癖だらけのゲームである。~ もっさりしたアクション、奇想天外なストーリー、前衛的なBGMなどから、発売当初はクソゲー呼ばわりされることも多かった。~ しかし一旦ハマったプレイヤーに言わせると「もっさりしてない『DOD』なんて『DOD』じゃない」とのことであり、本作の魅力はその癖の部分を差し置いては語れないだろう。~ 奇抜な世界観やキャラクター、救いのないストーリーや裏設定に魅せられ、本文中に挙げた問題点すら笑い話として受け入れて本作を愛するディープなファンは多い。~ 彼らにとってはアクション面の難もゲーム性として考慮すべき一要素であり、むしろ、作りが似てしまいがちな無双系ゲームにおいて、上空戦やウェポンストーリーなどの要素で他作品との差別化を図っている点を評価する声もある。 不思議と人を惹き付ける存在感を放つが誰もが納得するような出来ではなく、さりとて一概にクソゲーとも言い切れない。なんとも奇妙な怪作と言えよう。~ 近年は世界観を共有する『NieR』シリーズの好評などもあって、世間での評価も当初のそれからは大きく見直されている。 ---- **続編 -続編『[[ドラッグ オン ドラグーン2 封印の紅、背徳の黒]]』も出ており、一番まともだった最初で見られるAエンドのその後の世界が舞台になっている((厳密にはBエンドの要素も含んでいる。))。 -この『DOD』シリーズを手がけたキャビアは、後に『[[NieR RepliCant>NieR RepliCant Gestalt]]』を製作している。 --こちらは相変わらずのキャビア節はあるもののかなりとっつきやすくなっており、高評価を得ている。 ---実は特定のエンディングの数百年後を舞台としているという裏設定が存在している。 -シリーズ生誕10周年となる2013年には『[[ドラッグ オン ドラグーン3]]』が発売された。 ---- **余談 -「概要」にもあった通り、発売元がかの有名なスクエニだったこともあり、発売当初は「剣と魔法と竜の世界を舞台にした王道アクションRPG」を期待して買ったプレイヤーも多く、一時は2ちゃんねるの本スレがたいへんな騒ぎになった。 --この騒ぎは、「ディレクターの横尾太郎氏が入っているロッカーをプレイヤーたちが罵倒しながら蹴りつける」アスキーアートがいくつも貼られるという内容から、「横尾ロッカー祭り」と呼ばれている。 ---横尾氏はこの件が非常にショックだったらしく、「DODの思い出は?」と質問された際に「ロッカーです」と答えていた。 -本作を最後までやり尽くしたプレイヤーに贈られる台詞「本当に、本当にありがとうございました」は、プレイヤーサイドはもちろん、開発スタッフ側にも相当ネタになったのか、以降のシリーズにもほぼ必ず何らかの形で使われている。 -ちょうどスクウェア・エニックスの合併をまたいだ企画の1つで、合併前はエニックスを発売社として発売する予定だった([[参照1>https://www.famitsu.com/game/coming/1138173_1407.html]])。 --キャビアの岩崎拓矢氏(元ナムコで『[[エースコンバット3 エレクトロスフィア]]』のディレクターなど)とエニックスの柴貴正氏が飲み会で企画を立ち上げたという開発経緯。 --エニックスと元『エースコンバット』シリーズスタッフでドラゴンに乗るフライトシューティングという安直な企画が通り、さらに開発途中で『[[真・三國無双]]』が流行ってるから要素を入れようとフライト+無双という形になった。 --そもそも先述した「王道っぽい雰囲気」になってしまったのも、エニックス時代に上から「スクウェアっぽいデザインにしてくれ」と指示を受けたからとの話である([[参照2>https://www.youtube.com/watch?v=1gaBnQFm6uU]])。 --なお、Eエンドの結末は無双要素が入る前の初期企画段階で思い付いたエンディングとのこと。 ---ただし、この初期エンディング案に繋げる展開は普通に企画書を出しても通らないと思い、Eエンドに関連する諸々の修正が難しい時期に入ってから詳細な企画書を見せたとのこと。 ---その後、Eエンドに繋がるラストバトルを作る際に考えたことは「ゲームプレイヤーにとって最もつらい、想像を絶する状況とはなんだろう?」だったとのこと。そして実際に多くのプレイヤーが「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」という心境に陥った。 -ちなみに、このゲームのノベライズ版も2種類発行されている。ノベライズ版はどちらもキャラクターの心情がより深く描写されており、読み応えのある一品となっている。ゲームをプレイした人には一読の価値あり。 -アーケードの『[[LORD of VERMILION]]』にこの作品から3名+1頭が特別出演しており、カード絵もキャラデザインを担当していた藤坂公彦氏によるもので意外な形での再登場に一部のファンを驚かせた。他にも『DOD』で使われた武器防具が主人公の装備品として登場する。 -2003年10月22日にサウンドトラックのVol.1、同年11月21日はvol.2が発売された。 -2010年4月20日に本作のサウンドトラックが復刻され再発売された。Vol.1と2をセットにした2枚組での再発売。 --復刻を記念して、4月19日にUstreamで「もし当時のスタッフが『ドラッグ オン ドラグーン』サントラ復刻の連絡を聞いたら。(略して“もしドラ”)」が放送された。 ---「Eエンドの企画書出したらスタッフにも突っ込まれた」等、当時の様々な裏話を聞くことができた。 -海外版タイトルは『Drakengard (ドラッケンガード)』で、テーマソングが英訳版に差し替えられている以外にゲーム内容に変更はない。 --ちなみに、日本版タイトルである『DRAG-ON DRAGOON(ドラッグ オン ドラグーン)』は、海外基準だと「ふとんが吹っ飛んだ」といったような寒い駄洒落レベルの語感として受け取られるようである。 -『DOD3』の発表に伴い、発売から10年後の2013年、ヤングガンガンで『死ニ至ル赤』の副題で突如コミカライズされた。公式HPでは「伝説的カルトゲーム」として紹介されている。 --カイムやフリアエなど『DOD1』の人物が登場するが、『DOD1』と全く同じ世界というわけではなくパラレル的な扱いとなっている。主人公2人は完全新規キャラであり、一方については『DOD3』に登場している。 --青年向け漫画という媒体故かゲームと比べてエログロ描写が色濃く描かれている。 --単行本では、「天使の教会」に関する秘密の一部なども語られている。 -また、『DOD3』の設定資料集にて、『DOD3』のエンディングから派生する『DOD』のストーリー「DOD1.3」が掲載されている(『DOD3』は本作よりも前の時代が舞台)。 --当のエンディングは設定的に本作にとても関わりがある人物が明確に生存する唯一のエンディングだが、厳密には本作につながらない(本作で重要な「ある概念」が存在しない)ため、IFのストーリーである。 --各キャラの立場はかなり変化しており、意外さにさらに意外さを重ねた展開の果てに、''どうしようもない絶望を叩きつけてくれる。'' ---一部、前提条件以前の齟齬((簡潔に言うと、ドラゴンが人間に騙されて家畜扱いされても反抗しないほど純真。))が存在しているが、設定ミスレベルではないのでおそらくは意図的なものと考えられる。本作との差異については考察の余地はあるが、詳細は不明((そもそもヨコオタロウ氏は意図して考察の余地が有る作りにしたらしい。))。 --後に、おそらく本作に最も近い展開を迎える「ストーリーサイド」という小説が発売された。ここでは、さらに「女神の封印」の秘密が語られている。
*ドラッグ オン ドラグーン 【どらっぐ おん どらぐーん】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B000083F5M,image=https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/bookoffonline/cabinet/1836/0001393010l.jpg?_ex=160x160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|キャビア|~| |発売日|2003年9月11日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)((アルティメットヒッツ版のみ。初版発売当時は審査されていない。))|~| |廉価版|アルティメットヒッツ&br;2008年9月4日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''怪作''|~| |ポイント|電波で救いようのないシナリオと前衛的なBGM&brゲームとしても非常に癖が強い出来&brアクが強く何かしらの闇を抱えている登場人物達&br''「何なのだ、これは! どうすればいいのだ?!」''|~| //最初のEDが一番マシだった&br大惨事ベビーブーム&br東京タワーが赤い理由 //EDが衝撃的という点を何個も挙げる必要性はない、更にポイントと言われてもゲームをやっていないと伝わらないものがあると思いいくつかCO。 |>|>|CENTER:''[[ドラッグ オン ドラグーンシリーズ]]''| //鬱ゲー判定(2015/01/29 無断編集対策の目印用。判定欄への明記は不可) ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''抗え、最後まで。''} }} ~ ---- **概要 2003年にスクウェア・エニックスから発売されたアクションRPG。~ 無双系のアクションである地上戦とドラゴンに乗りながら戦う3Dシューティング風の空中戦、独自のキャラクターと世界観が話題を呼んだ。 雑誌でも前情報が大きく取り上げられ、発売前から注目されていた。~ 「剣と魔法」「ドラゴンとの共闘」という要素が明かされ、「スクウェア・エニックスから完全新作のファンタジー作品が出る」と話題になったが、いろんな意味でプレイヤーの想像を裏切るその作風で大きな反響を呼ぶこととなった。 ---- **システム -一騎当千型のアクションである地上戦、ドラゴンを操作する3Dシューティング型の空中戦が中心となっている。 -地上戦では主人公カイムを操作して敵を斬り倒していく。 --ただ武器を振り回すだけでなく、攻撃中に特定のタイミングでボタンを押すと、敵を吹き飛ばす特殊攻撃の「フィニッシュブロー」を発生させることが可能。また、武器ごとに設定された「魔法」を使うこともできる。 ---主人公の装備している武器は、倒した敵の数により成長していくため、本作のやり込み要素の1つとして高く評価されている。 --呼び出せる回数と時間に制限があるが、仲間を呼び出して戦うことも可能。3人の仲間はそれぞれ性能が違うため、自分の好みに合わせて戦うことができる。 ---ただ、総合的な性能差は少々大きかったりする。というかレオナールが飛びぬけて強力で、アリオーシュとセエレはクセが強いため、どうしても困った際のお助けキャラ的に使うならほぼレオナールという状況になりがちではある。 --また、屋外での地上戦ではドラゴンに乗ってブレスで敵を焼き払う低空戦もできる。 -空中戦では、ドラゴンを操作して戦う。一直線にしか撃てないが威力の高い単発ブレスと、敵を追尾するが威力が低いロックオンブレス、強力な全体攻撃である大魔法を使い分けて戦うことが可能。 --ドラゴンもストーリーの進行に合わせて進化していく。形態によって攻撃力やロックオン可能数などに違いが出る。 ---- **評価点 -鬱だらけの設定やストーリーではあるが、好みの問題はあるものの、後述のように緻密な計算の上で組み立てられたものであるため、シナリオ自体の完成度は非常に高い。 --裏話などもかなり綿密に練られており、無駄な設定も豊富で、中二設定が大好物なユーザーにも好評。そのため資料集や攻略本と言った公式資料も人気だが、現在では品薄で資料集は値段も高騰している。 --鬱ばかりという訳ではなく、所々でしっかりとストーリーを魅せている。特に主人公と相棒のドラゴン(雌)の間に芽生える絆についての描写は評価が高い。これらの魅力は前述での「電波になってしまった」系のシナリオの作品では到底味わえない。 -奇抜な設定が多いものの、どのキャラクターも個性的で魅力があり、非常に人気が高い。 --個性的なキャラクターデザインや公式イラストなど、藤坂公彦氏の絵も非常に人気があり、この絵に惹かれたファンも多い。 -キャスト陣の演技。 --特に親友役の俳優・唐沢寿明氏の怪演、主人公とドラゴンの1人2役を演じたピーター氏((スタッフクレジット上では主人公が本名の池畑慎之介、ドラゴンがピーターの芸名でクレジットされている。))のキャラに良くマッチした演技はたいへん人気である。 ---唐沢氏による「''( ゚∀゚)o彡゜フリッ♪アエッ♪( ゚∀゚)o彡゜フリッ♪アエッ♪''」はみんなに愛される名ゼリフ((もっとも、この台詞の裏設定も類に漏れず鬱設定だが。))。 --主人公の妹役である初音映莉子氏の演技はたいへんな棒読みだが、陰鬱な世界観とキャラ設定に良く溶け込んでおり意外と好評だったりする。 --また、ラスボスの''幼女役に郷里大輔氏を起用する''という怪キャスティングもこのゲームの電波っぷりを演出するのに一役買っており、たいへん好評。 ---特に「''ヽ(`Д´)ノオガァーザァーン! オガァーザァーン!!''」というセリフは、多くのプレーヤーの心に(色んな意味で)焼きついた。 ---声優名を言われてもピンと来ない人のために補足すると、郷里氏は「太く迫力ある声に定評がある」人。アニメキャラでは『ドラゴンボールZ』の''ミスターサタン''や『北斗の拳』の''ウイグル獄長''、『機動戦士ガンダム(TV版)』の''ドズル・ザビ''など、ゲームで言えば『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』シリーズのジジイこと''三島平八''の声である。 ---正確に言えば、この幼女は本人(山下夏生嬢、当時''10歳'')と、彼女を呪縛する神の代理人(郷里氏)の、1人2役ならぬ2人1役状態。しかも山下嬢もさるもので「殺せよおら! 殺さないと…わたし、どうすればいいんでしょうか?」などとても正気ではないようなセリフが当てられている。 ---「スタッフは頭のねじが飛んでいる」「スタッフは変なクスリをキメている」と言われることも多い。唐沢氏にも突っ込まれたらしいが、報酬にPS2本体をプラスしたら喜んで演じてくれたそうな。 //---幼女は『DOD2』で成長しヒロインとして再登場するが、声優は変更され女優の小雪氏が担当している。 --他にも、山寺宏一氏、林原めぐみ氏((ちなみに、林原氏は本作収録時は妊娠中であったとのことだが、よりにもよって担当しているキャラはアリオーシュ。どう考えても胎教に悪いとしか思えない…。))、宮村優子氏などのベテラン声優が多数出演しており、キャストが非常に豪華である。 -ムービーやイベントシーンの演出が凝っている。 --特にムービーは美麗で非常に評価が高い。ムービーが入る場所も上手く選ばれており、ムービーシーンはどれも印象に残るものとなっている。 -チャプターセレクトはイベント、ムービー、ミッションパートで別個に細かく分かれており、ミッションにリトライしたい場合でも、ムービーなどを一気に飛ばしてミッションをスタート出来るため、繰り返しのプレイがしやすい仕様になっている。 //-本作に使用されるBGMは、ほぼ全てが既存のクラシック音楽をアレンジしたものである。 //--しかしそのアレンジ方法があまりにも大胆であり、「各クラシックから一部分のフレーズを抽出して再構成する」という異質極まりないもの。~ //クラブミュージックやヒップホップで多く見られるフレーズサンプリングやリミックスの手法を用いている。 //--その再構成の仕方や編集も「フレーズの途中をぶった切って何度も何度も繰り返す」「あえてリズムをずらす」「わざとノイズを入れる」等の手法で、狂気的な本作のストーリーに絶妙にマッチさせている。決して万人受けするものではないが、その評価は非常に高い。 //--素材となったクラシック音楽は、本作のためにオーケストラで録音したものを使用するなど、非常に手間が掛かっている。~ //ちなみに本作のBGM、あまりに異常すぎて''「BGM製作中オーケストラの人に白い目で見られた」''という逸話があるほど。 //賛否両論点と統合 -もっさりしているアクション部分だが、一部の武器は爽快感があり人気。また、フィニッシュブローで敵を吹き飛ばすのはなかなか爽快。 -武器関係のシステムは、前述した「固有モーションが乏しい」という点以外では概ね好評。 --武器はレベルが上がる度に攻撃力と外観が成長し、固有魔法も強化されて派手になっていく。 --また、全ての武器には固有の物語が用意されており、レベルを上げる度に物語の続きが開放され読むことが可能になる「ウェポンストーリー」と呼ばれるシステムがあるため、武器を育てる楽しみがある。 --その物語は簡潔でありながらも、おとぎ話のような感動物・悲惨な結末を迎えるものなどと様々でバリエーション豊かなので、読むだけでも楽しい内容になっている。 --ちなみに本作に登場する武器は、いわゆる''「陰惨な過去がある」「呪われた魔剣」「悲劇的な経緯を持つ」''といったものがほぼ全てであり、成長システムも''血を吸わせて強化させる''(=殺害数)ということになっている。こういった点も中二設定が好きなユーザーから高い支持を得ている。 --なお、武器を成長させるために敵をちまちま倒す羽目になるのだが、''やってる内にもっさりした地上戦が段々と楽しくなってくる。''こう思えるようになれるとあなたは立派な『DOD』ファンです。''『DOD』の世界へようこそ。'' -ドラゴンに跨っての低空戦(人によっては上空戦も)は爽快感があり、非常に評価が高い。 --上空戦は操作に癖が強いが慣れれば意のままにドラゴンを操れる。 ---技の使用の駆け引きも、上空戦をより面白くさせている。 --低空戦は地上の敵をドラゴンで壊滅させる…という戦い方で、まさに「人がゴミのようだ!」という気分が味わえる。 ---ドラゴン騎乗時には通常攻撃ですら雑魚はだいたい即死か瀕死。俺TUEEEE! 周囲の敵を一気に焼き殺す超必殺技「ファイアーブレス」も爽快である。 ---ただし、「問題点」にもあるが、ステージによっては敵の配置がまばらなので結局しらみ潰しになりやすい点、敵の対空攻撃に弱い点などから、ストレスを感じる要因にもなり得る。 ---- **賛否両論点 ''重々しい雰囲気の血塗られた世界観'' -シナリオ、キャラクター性、世界設定はもちろん、台詞回し、BGM、果てにはステージまで電波づくし。オープニングの時点で既に狂気を帯びている。 #region(オープニング映像) #video(https://www.youtube.com/watch?v=V39sEfiRnBE) #endregion -BGMも全体的に狂気じみており、聴いているとだんだん精神が不安定になりそうな内容。 --BGM担当者は、『[[リッジレーサー>リッジレーサーシリーズ]]』シリーズなどで知られる佐野信義氏と相原隆行氏。 --サウンドディレクターでもある[[佐野氏のサイト>https://www.wikihouse.com/sanodg/index.php?%A5%C9%A5%E9%A5%C3%A5%B0%A5%AA%A5%F3%A5%C9%A5%E9%A5%B0%A1%BC%A5%F3%20%2F%20Drag-on%20Dragoon]]では、今作のサウンドの製作秘話が語られている。 --本作に使用されるBGMは、ほぼ全てが既存のクラシック音楽をアレンジしたものである。 ---しかしそのアレンジ方法があまりにも大胆であり、「''各クラシック音楽から一部分のフレーズを抽出して再構築する''」という異質極まりないもの。 ---「フレーズの途中をぶった切って何度も何度も繰り返す」「あえてリズムをずらす」「エフェクトを掛ける」など、クラブミュージックなどで使用されるフレーズサンプリングやリミックスの手法を用いている。 ---ちなみに素材となったクラシック音楽は、本作のために生のフルオーケストラで録音した物である。~ ちなみに本作のBGM、あまりに異常すぎて''「BGM製作中オーケストラの人に白い目で見られた」''という逸話があるほど。 ---こうして制作されたBGM群は、狂気に満ちた世界観に上手くマッチしており、作中での違和感は意外にも少ない。 ---ただ、''その作風故に曲単体の好みが極端に分かれる。''~ かつてはユーザーはおろか商業誌(のレビュー)にも酷評された一方で、近年はその唯一無二の作風が再評価される傾向にある。~ 決して万人受けするものではないが、魅力に憑りつかれた人たちからの評価は非常に高い。 ---素直に人気なのは「セエレの祈・上空」や下記の主題歌くらいである。「セエレの祈・上空」はサイドストーリーのステージ曲なのだが、''CMで使えそうなのがこれしかなかった''という理由でCMのBGMにも使用されていた。 ---フリアエの心情を歌詞にした主題歌「尽きる」も凄まじい。狂気に満ち溢れた伴奏と囁くようなボーカルが特徴であり、本作を象徴する曲として評価が高い。 歌詞も負けず劣らずで、簡単に意訳すると「''兄と結ばれたかった、でもだめでした、死にます''」という内容。ちなみに&color(red){''この曲を逆再生すると、フリラエの心境がより深く浮き彫りになる。''} -敵キャラもホラー性を感じさせるものが多い。特に終盤に登場する「敵」はプレイヤーに強烈なトラウマを植え付けた。 --ちなみに''正式名称が「敵」''である。プレイヤーからは通称「ダンシングベイビー」の名で親しまれて(?)いる。 #region(「敵」との戦闘シーン ※閲覧注意) #video(https://www.youtube.com/watch?v=WB0aIgQljso) #endregion -敵味方問わず(CERO的に)ヤバ気な設定と性格を持つキャラ達。まともそうに見える者も大体全員何かしら黒い部分を秘めており、ドロドロしている。 --まず一番まともでなければならないはずの主人公・カイムからして、苛烈で執念深い復讐鬼。COLOR(red){''趣味は殺人。''} --他に操作できる仲間キャラも、ゲイでショタコンの騎士・レオナールに、精神を病み食人癖を持つ未亡人・アリオーシュ、無意識のうちにいい子ぶる癖のある少年・セエレの3人。 --主人公の妹・フリアエは近親相姦願望持ちの重度のブラコン。 --主人公の親友・イウヴァルトも、カイムへの嫉妬やフリアエのブラコンを知ったショックのあまり徐々に狂っていく。 --味方の神官・ヴェルドレは自身の保身しか頭にない。アリオーシュが「敵」に捕食された際に、恐怖の余り独りだけ物陰に隠れて怯えていたため、多くのプレイヤーからツッコミを入れられた((もっとも、作中では一番人間らしいキャラではあるのだが。))。 --妖精達は一見可愛らしいものの、口を開けばねちねちとした罵詈雑言が飛び出す。 --黒幕の幼女・マナも、虐待された過去やセエレに対する恨み、「神」の影響から狂気に満ちたセリフや行動が多い。 --本作で唯一まともで良識人なのは相棒でメインヒロインのドラゴン・アンベルぐらいである。 -世界一電波で狂気的なストーリー --パッケージ裏の「''かつて、これほどまでに挑戦的で意欲的なシナリオがあったであろうか!?''」というフレーズは伊達ではない。ただあまりにも挑戦的すぎて意欲的すぎた。 --ただし、ありがちな製作者の技量不足の結果生じた不整合や手抜きなどで「結果的に電波になってしまった」というものではなく、製作者が「''あえて電波に仕上げた''」類の電波シナリオであり、構成や描写力そのものはしっかりとしている(故になおのこと強烈なのだが)。 --また、パッと見では単なる電波でも、深読みすると実はとんでもない鬱設定だった…という場面も多数。 --ゲーム中で語られない裏設定なども多いが、どれも悉く黒い。 -本作はマルチエンディング制だが、エンディングの展開も…。 #region(以下強烈なネタバレ。クリックで展開) -シナリオが進行するにつれ妹や親友がどんどんおかしくなっていき、親友は主人公を裏切り、妹はほとんどのストーリー分岐で死ぬ。 -そして5つあるエンディングのどれもが誰かが死んだり世界が絶望的な状況に立たされる鬱エンド。 --最初にたどり着くエンディング(Aエンド)も、主人公の最愛の相棒であるドラゴンと生き別れねばならないエンディングなのだが、そのエンディングが一番マシで救いはあると言われている。 --他のエンディング(Bエンド・Cエンド・Dエンド・Eエンド)は「妹が化け物と化した挙句増殖する」「相棒のアンベルと殺し合わなければならない」「世界は助かっても主人公パーティは全滅する」など全く救いが無い。 ---そして、5つ目のEエンド、通称「''新宿エンド''」はゲーム史を紐解いても稀な電波で救いの無いエンディング。 #region(新宿エンド強烈なネタバレ) --内容を簡単に書くと「理由がわからないまま相棒のドラゴンとともに突然に現代の新宿上空に転移し、なぜか''音ゲー''でラスボスとの勝負を強いられ、それに勝利したら''自衛隊の戦闘機に撃墜されて死亡''」というもの。そのあまりに衝撃的な展開に呆然となるプレイヤーが続出した。 --超展開ではあるとはいえ、一応、こういう状況になった理屈は設定上では説明がつく。しかし、本作では設定面の解説が極めてわかりづらく、ほとんどのプレイヤーには「意味不明な展開」としか受け取られなかった。 --そして最後の最後に戦いの元凶であるマナ(の声)から「''本当に、本当にありがとうございました''」というねぎらいのメッセージが流れて物語は幕を閉じるのだが、多くのプレイヤーからすれば''お前が言うなの極み''であり、COLOR(red){''頑張って戦ったのに本当に何一つ救われなかった''}とトドメを刺されるのである。 --上記の最終決戦前に相棒のドラゴンが発する''「何なのだ、これは! どうすればいいのだ?!」''という困惑の叫びは、この場までやってきた全プレイヤーの気持ちを代弁した本作屈指の名台詞である。 --そしてこの台詞と同時に、こうすればいいのだと言わんばかりに''今から始まる音ゲーバトルのルール''が解説されるのである。いや、欲しかったのはストーリー上での説明なのだが…。 --で、この音ゲーバトルは「ボスの出してくる白帯と黒帯の攻撃を、こちらも同じ色の帯を出して打ち消す」という簡素なものではある。しかし、ラストになるにつれて白帯と黒帯の密度が濃くなり、恐ろしいほどの鬼畜難易度になり、多くのプレイヤーを絶望させた。 ---一応、「スタートボタンでポーズが可能」「(帯の順番は毎回同じなので)覚える」「(前2つを利用して)紙に書く」などいくつかの対処法は編み出されている。 ---ちなみに、「白と黒の2色・同じ色で打ち消す」というコンセプトから[[某STG>斑鳩]]を思い浮かべた人も多い模様。ちなみに後の『NiaR』インタビューにてディレクターの横尾太郎氏が[[「最も好きなゲーム」だと明言している>https://getnews.jp/archives/60285]]。 #endregion -「Aエンドを見て鬱になり、救いを求めてBエンド → Cエンド → Dエンド → Eエンドと見るがどんどん鬱になっていき、最後にAエンドをもう一度見て癒される…(´∀`)」という何とも言えない事態が起こってしまった。 -ちなみに、このゲームのキャッチフレーズは「抗え、最後まで。」というもの。''最後まで抗った結果がこれだよ!'' --「どうあがいても絶望」とキャッチコピーの如く言われることがある。元々は別のゲーム『[[SIREN]]』のキャッチフレーズなのだが、どの結末でもハッピーエンドに行き着けない様が見事にマッチしている。 #endregion ---- **問題点 -地上戦のアクションがもっさりしている。人によっては空中戦ももっさりしていると感じる。 --半分以上のミッションがこの地上戦であり、しかもマップは広大だが敵の数が少ない面が多い。さらに隠し武器などを手に入れる条件が「敵を◯分以内に全滅させる」的なものが多く、ストレスが溜まりやすい。 -地上の敵の配置も微妙で、敵の密度が少ないマップだと敵をしらみつぶしにちまちま殲滅して回る作業になってしまう。 --しかも地上戦の敵兵は、所定の場所から一定距離離れると目の前の主人公を無視して所定の場所に戻ってしまう。なんとも間抜けな光景である。 --また、プレイヤーキャラは一定時間移動し続けると全力疾走の体勢になって移動速度が上がるのだが、全力疾走になるまでの所要時間が長く、微妙な速度の小走りで戦場を転々と移動するシュールな場面が多発する。 //-''片手剣も両手で振り回す''など主人公のモーションに違和感がある。どう考えても打撃に向かない杖も両手で振り回す。槍も振り回す。というか手に持ったものはだいたい全部両手で振り回す。 //--別の言い方をすると、折角豊富な種類があるのに、種類ごとの固有モーションがあまり無い。 -せっかく武器の種類が豊富なのに、種類ごとの固有モーションが乏しい。 --このためどんな武器であれ、手に持ったものほぼ全てを両手で振り回しているため違和感があるうえ動きが硬いため、かなりもっさり感がある。 ---一応、武器毎の連続技のバリエーションは豊富であり、槍は突きが多かったり斧は振り回しが多かったりと差別化はされているので、ゲームとしてフォローはできてはいるが。 --なお、武器は8個まで装備して戦闘中に持ち替え可能なのだが、その都度MPがゼロになるため、結局1種の武器で固定になりがち。「モーションは弱いが魔法は強い武器」の活用も難しい。 -シチュエーションとしては大軍VS大軍が多いのだが、何故かゲーム中の戦場に味方は1人も居ない。 --それにもかかわらず味方兵士による「帝国軍の奴らめ! なんて強さだ!」「カイム様! ここはもう持ちません!」という具合の実況がちょくちょく入るため、不自然。 --続編である『DOD2』では味方軍も登場するようになっている。 -一部武器の取得条件に、事前情報無しでは気付かないような物がある。エンディングの発生条件に武器の取得率が組み込まれているため、無視できないのが困りもの。 //「攻略本無しで分かるか!」と言いたくなるような取得条件が設定されている。 --中でも特に言われるのが「特定のミッション中、特定のルートで特定の部屋に侵入した時にのみ発生する増援部隊を全滅させる」というもの。偶然手に入れることはあるかも知れないが、自分で気付けと言うのは無茶である。 ---しかも、よりによってそういった武器の1つ「古の覇王」は今作屈指の使い勝手と爽快感を誇る。 -ドラゴンによる低空戦 --爽快感はあるものの、弓矢による攻撃やドラゴンのブレスを反射する敵の存在から、活躍の機会は意外と限られている。上手く操作すれば回避は可能だが、「思ったように暴れられなくてストレスが溜まる」という声は少なくない。 --敵の密度の低さやリアクションの薄さもあり、「ドラゴンを駆って敵兵士の大軍を薙ぎ倒す」という痛快なイメージの割りにこぢんまりとしたプレイ感覚になっている。 -難易度が「ノーマル」と「イージー」から選べるものの、アクションが苦手なプレイヤーには辛い部分がある。 --地上戦の武器取得条件に「難易度がノーマル」というものがあり、「最後のエンディングが見たいが、武器が取得できない(発生条件を満たせない)」というプレイヤーが続出した。 --また、最終決戦はアクション要素や難易度といったこととは無関係の内容のため、挫折したプレイヤーも多い。 -セエレ(仲間の少年)の演技が棒読み。 --上記の通りフリアエ(主人公の妹)も割と棒だが、設定的整合性もありキャラに合っているとして好評。しかし、セエレの場合はそれにしても棒読みぶりが目立つためあまり好評でない。 --キャストが子役であるため致し方ないとも言えるが、同じくキャストが子役であるマナは比較的上手であったため目立ってしまっている。 --『DOD2』でも登場するが、相変わらずである(周りも棒読みの上出番自体も少なめなので影は薄いが)。 -ストーリーは評価されているものの、戦闘後に申し訳程度にブツ切りのストーリーイベントが入る程度なので、話が飛び飛びになっている印象を受ける。 -カメラワークが悪い。 --カメラの任意操作は一時的な効果しか無く、勝手にすぐ操作前の位置に戻されてしまうため不便。 --カメラをプレイヤーキャラの背後に戻す操作は「操作キャラの状態をニュートラルに戻して一瞬待つ」であり、他の操作と両立できない上テンポが悪い。 --地上戦ではカメラの位置も妙にプレイヤーキャラに近く、いまいち周りを見渡しづらい。 --屋内だと壁に影響されてすぐブレるため見づらい。 ---- **総評 「一癖も二癖もある」という表現では到底収まりきらない、全てが癖だらけのゲームである。~ もっさりしたアクション、奇想天外なストーリー、前衛的なBGMなどから、発売当初はクソゲー呼ばわりされることも多かった。~ しかし一旦ハマったプレイヤーに言わせると「もっさりしてない『DOD』なんて『DOD』じゃない」とのことであり、本作の魅力はその癖の部分を差し置いては語れないだろう。~ 奇抜な世界観やキャラクター、救いのないストーリーや裏設定に魅せられ、本文中に挙げた問題点すら笑い話として受け入れて本作を愛するディープなファンは多い。~ 彼らにとってはアクション面の難もゲーム性として考慮すべき一要素であり、むしろ、作りが似てしまいがちな無双系ゲームにおいて、上空戦やウェポンストーリーなどの要素で他作品との差別化を図っている点を評価する声もある。 不思議と人を惹き付ける存在感を放つが誰もが納得するような出来ではなく、さりとて一概にクソゲーとも言い切れない。なんとも奇妙な怪作と言えよう。~ 近年は世界観を共有する『NieR』シリーズの好評などもあって、世間での評価も当初のそれからは大きく見直されている。 ---- **続編 -続編『[[ドラッグ オン ドラグーン2 封印の紅、背徳の黒]]』も出ており、一番まともだった最初で見られるAエンドのその後の世界が舞台になっている((厳密にはBエンドの要素も含んでいる。))。 -この『DOD』シリーズを手がけたキャビアは、後に『[[NieR RepliCant>NieR RepliCant Gestalt]]』を製作している。 --こちらは相変わらずのキャビア節はあるもののかなりとっつきやすくなっており、高評価を得ている。 ---実は特定のエンディングの数百年後を舞台としているという裏設定が存在している。 -シリーズ生誕10周年となる2013年には『[[ドラッグ オン ドラグーン3]]』が発売された。 ---- **余談 -「概要」にもあった通り、発売元がかの有名なスクエニだったこともあり、発売当初は「剣と魔法と竜の世界を舞台にした王道アクションRPG」を期待して買ったプレイヤーも多く、一時は2ちゃんねるの本スレがたいへんな騒ぎになった。 --この騒ぎは、「ディレクターの横尾太郎氏が入っているロッカーをプレイヤーたちが罵倒しながら蹴りつける」アスキーアートがいくつも貼られるという内容から、「横尾ロッカー祭り」と呼ばれている。 ---横尾氏はこの件が非常にショックだったらしく、「DODの思い出は?」と質問された際に「ロッカーです」と答えていた。 -本作を最後までやり尽くしたプレイヤーに贈られる台詞「本当に、本当にありがとうございました」は、プレイヤーサイドはもちろん、開発スタッフ側にも相当ネタになったのか、以降のシリーズにもほぼ必ず何らかの形で使われている。 -ちょうどスクウェア・エニックスの合併をまたいだ企画の1つで、合併前はエニックスを発売社として発売する予定だった([[参照1>https://www.famitsu.com/game/coming/1138173_1407.html]])。 --キャビアの岩崎拓矢氏(元ナムコで『[[エースコンバット3 エレクトロスフィア]]』のディレクターなど)とエニックスの柴貴正氏が飲み会で企画を立ち上げたという開発経緯。 --エニックスと元『エースコンバット』シリーズスタッフでドラゴンに乗るフライトシューティングという安直な企画が通り、さらに開発途中で『[[真・三國無双]]』が流行ってるから要素を入れようとフライト+無双という形になった。 --そもそも先述した「王道っぽい雰囲気」になってしまったのも、エニックス時代に上から「スクウェアっぽいデザインにしてくれ」と指示を受けたからとの話である([[参照2>https://www.youtube.com/watch?v=1gaBnQFm6uU]])。 --なお、Eエンドの結末は無双要素が入る前の初期企画段階で思い付いたエンディングとのこと。 ---ただし、この初期エンディング案に繋げる展開は普通に企画書を出しても通らないと思い、Eエンドに関連する諸々の修正が難しい時期に入ってから詳細な企画書を見せたとのこと。 ---その後、Eエンドに繋がるラストバトルを作る際に考えたことは「ゲームプレイヤーにとって最もつらい、想像を絶する状況とはなんだろう?」だったとのこと。そして実際に多くのプレイヤーが「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」という心境に陥った。 -ちなみに、このゲームのノベライズ版も2種類発行されている。ノベライズ版はどちらもキャラクターの心情がより深く描写されており、読み応えのある一品となっている。ゲームをプレイした人には一読の価値あり。 -アーケードの『[[LORD of VERMILION]]』にこの作品から3名+1頭が特別出演しており、カード絵もキャラデザインを担当していた藤坂公彦氏によるもので意外な形での再登場に一部のファンを驚かせた。他にも『DOD』で使われた武器防具が主人公の装備品として登場する。 -2003年10月22日にサウンドトラックのVol.1、同年11月21日はvol.2が発売された。 --絶版後はプレミア価格となり入手困難な時期もあったが、後述する形でサントラが再販売された。 -2010年4月20日に本作のサントラが復刻され再発売された。Vol.1と2をセットにした2枚組での再発売。 --復刻を記念して、4月19日にUstreamで「もし当時のスタッフが『ドラッグ オン ドラグーン』サントラ復刻の連絡を聞いたら。(略して“もしドラ”)」が放送された。 ---「Eエンドの企画書出したらスタッフにも突っ込まれた」等、当時の様々な裏話を聞くことができた。 -海外版タイトルは『Drakengard (ドラッケンガード)』で、テーマソングが英訳版に差し替えられている以外にゲーム内容に変更はない。 --ちなみに、日本版タイトルである『DRAG-ON DRAGOON(ドラッグ オン ドラグーン)』は、海外基準だと「ふとんが吹っ飛んだ」といったような寒い駄洒落レベルの語感として受け取られるようである。 -『DOD3』の発表に伴い、発売から10年後の2013年、ヤングガンガンで『死ニ至ル赤』の副題で突如コミカライズされた。公式HPでは「伝説的カルトゲーム」として紹介されている。 --カイムやフリアエなど『DOD1』の人物が登場するが、『DOD1』と全く同じ世界というわけではなくパラレル的な扱いとなっている。主人公2人は完全新規キャラであり、一方については『DOD3』に登場している。 --青年向け漫画という媒体故かゲームと比べてエログロ描写が色濃く描かれている。 --単行本では、「天使の教会」に関する秘密の一部なども語られている。 -また、『DOD3』の設定資料集にて、『DOD3』のエンディングから派生する『DOD』のストーリー「DOD1.3」が掲載されている(『DOD3』は本作よりも前の時代が舞台)。 --当のエンディングは設定的に本作にとても関わりがある人物が明確に生存する唯一のエンディングだが、厳密には本作につながらない(本作で重要な「ある概念」が存在しない)ため、IFのストーリーである。 --各キャラの立場はかなり変化しており、意外さにさらに意外さを重ねた展開の果てに、''どうしようもない絶望を叩きつけてくれる。'' ---一部、前提条件以前の齟齬((簡潔に言うと、ドラゴンが人間に騙されて家畜扱いされても反抗しないほど純真。))が存在しているが、設定ミスレベルではないのでおそらくは意図的なものと考えられる。本作との差異については考察の余地はあるが、詳細は不明((そもそもヨコオタロウ氏は意図して考察の余地が有る作りにしたらしい。))。 --後に、おそらく本作に最も近い展開を迎える「ストーリーサイド」という小説が発売された。ここでは、さらに「女神の封印」の秘密が語られている。

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