Dance Dance Revolution EXTREME

【だんすだんすれぼりゅーしょん えくすとりーむ】

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミ
稼動開始日 2002年12月
判定 良作
ポイント これまでの集大成
バグはほとんどなし
秀逸な演出
Dance Dance Revolutionシリーズ

概要

  • 「足でプレーするゲーム」というユニークなスタイル、東芝EMI(現:ユニバーサルミュージック)の「Dancemania」シリーズとのタイアップで実現したクオリティの高い楽曲が、ゲームファンのみならず一般層にも受け、1998~99年頃にブームとなった。しかしそれ以降は沈静し、8作目である今作をもって一旦アーケード版の開発は休止となる。
  • アーケード版の収録楽曲数は、2002年当時の音楽ゲーム事情からすると、驚愕の220曲以上。ステップデータも1600譜面以上。
  • 過去のシリーズで人気が高かったDancemaniaライセンス楽曲の多くが復活、シリーズの総集編としてbeatmaniabeatmania IIDXシリーズからの移植曲のみならず、GuitarFreaks & DrumManiaシリーズpop'n musicシリーズに加え、KEYBOARDMANIAやbeatmania III、ParaPara Paradise・DanceManiaXといった派生シリーズからの移植曲も多い。

システム

  • 「連モード(NONSTOP)」が復活。コースプレーモードは「鬼モード(CHALLENGE)」と合わせて2種類になった。
    • 連モードは3rdまで搭載されていたものと同じく、ダンスメーター制で4曲連続プレーするもの。
    • 鬼モードは前作と同じく「4回コンボを切ると即アウト」となるライフ制の超上級者向けコースが勢揃いする。
  • MARVELOUS判定の導入
    • 連モード・鬼モード限定で、PERFECTの更に上位の判定であるMARVELOUSが導入された。判定幅はPERFECTの半分ほど。
    • SuperNOVAでDDRシリーズが復活した際も残留。続編のSuperNOVA2からは通常プレーでも導入された。
    • 一応通常プレーモードでも、PERFECTで踏んだ際に判定ゾーンが白く光ればMARVELOUSの判定で踏んでいることがわかるようになっている。
  • オプション関連
    • 以降のシリーズではお馴染みになる、判定ゾーン付近で矢印のスクロールが減速する「BRAKE」*1、矢印の間隔が広がったり狭くなったりフワフワするような動きになる「WAVE」*2、通常より矢印の流れる速度が遅くなるハイスピード「0.25倍」・「0.5倍」が、いずれも鬼コース限定で登場した。
    • これらは全て次回作のSuperNOVAから通常オプションとして選択できるようになったが、スピード系の低速2種類はX2以降で削除された。

楽曲に関して

  • 過去に人気の高かったDancemaniaライセンス曲の復活
    • DDRシリーズの代名詞とも言える、Smile.dkの「Butterfly」や、「HERO」・「IF YOU WERE HERE」・「CAPTAIN JACK(GRANDALE MIX)」などが復活。新しく鬼譜面がつけられたものも存在する。
  • 過去のオリジナル曲の復活
    • 基本的にほぼ全ての過去シリーズのオリジナル楽曲が復活。beatmania IIDXとのリンクプレーによってプレーできたクラブバージョンの楽曲も、一部が復活した。
  • DDRオリジナル曲
    • 基本的に他BEMANIシリーズからの移植楽曲が多いが、その半数ほどがDDR用にリサイズされており、単純に短くなって踊りやすくなっただけでなく、元の機種のサイズでは聞くことができなかったパートが追加されているものもある。(Colors(for EXTREME)など)
  • 移植楽曲
    • 先述の通り集大成ということで、ユーザーからのアンケートを元にそれまでのBEMANI機種の人気楽曲を多く収録。beatmania・pop'n music・GUITARFREAKS & drummaniaなどのメジャーシリーズだけでなく、ParaParaParadiseやMAMBO A GO GOなどの機種からも収録された。
    • beatmania・beatmania IIDXシリーズからの移植曲は、同じダンスミュージックをモチーフにしているゲームだけに、親和性が高く、新規カットもあって評価が高い。
    • 今まで移植がほとんどなかったDanceManiaXやParaPara Paradiseからの移植曲は、元々NAOKIが書き下ろした楽曲が多く、ようやくDDR本シリーズへの合流が叶った。
    • 一方で、ギタドラシリーズからの移植曲は「The Least 100sec」や「三毛猫ロック」など、元の機種では人気があるものの、DDRでプレーするとなると疑問符がつくような曲もある。
    • また、ヨーロッパでリリースされたDancing Stageシリーズ(欧州ではタイトル名が違う*3)から、3曲が国内へ移植された。
  • 新規版権楽曲
    • 4thMIX以前のDancemaniaライセンス曲が多く復活、MAX・MAX2のライセンス曲も大半が引き継がれる一方で、EXTREMEで新たに収録されたDancemaniaライセンス曲はたったの8曲である。しかし、いずれもCMなどで一度は耳にしたことのある著名な楽曲や、バブルガムダンスの名曲と言われている楽曲など、個性豊かな曲を揃えてきてはいる。
    • 「WE WILL ROCK YOU」と「WE ARE THE CHAMPION」が同時収録されているのもミソ。Queenのファンならニヤリとする事間違いなし。
  • 5thMIX以来のPARANOiAシリーズ新曲・4thMIX以来のTRIP MACHINEシリーズ新曲が登場。
    • 元々PARANOiAシリーズはRebirthで打ち止めにするつもりだった(作曲者談)のだが、最終作ということでPARANOIA Survivorが収録された。今までの最高BPMであった200をさらに大幅に上回る270というスピードとなっている。
    • 一方TRIP MACHINE Survivorは、これまでのシリーズ楽曲の要素を散りばめたようなトリッキーな楽曲に仕上がっている。
    • また、隠し楽曲としてPARANOIA Suvivor MAXが収録。初代PARANOiAがPARANOiA MAX~Dirty Mix~へ進化したように、PARANOIA Survivorも進化。BPMは更に速い290となった。この楽曲の鬼譜面がAC版EXTREME当時の最強譜面であった。(X以降の20段階表記で16の値が付けられている)

"ボス曲"に関して

  • BEMANIシリーズにおける、条件を満たすことでプレーできる高難易度楽曲のこと。
  • DDR MAXのボス「MAX 300」、MAX2のボス「MAXX UNLIMITED」に続き、3曲目の「The Legend of MAX」が登場。これまでの曲の面影をあまり感じさせないものとなっている。
  • PARANOIA Survivor,Suvivor MAX,TRIP MACHINE Survivor
    • 先述の通り、PARANOIAの2曲は高速スクロールと急な半減速などで、プレーヤーを振り回す。一方TRIP MACHINE Suvivorは、今までのシリーズ同様変則的なリズムとステップでプレーヤーを翻弄する。こちらは1歩目を踏み出すまでスクロールが1/4速となっており、一歩目を踏んだ瞬間に基本BPMの170に戻る、というギミックがある。
  • ENCORE EXTRA STAGEでは、ゲームタイトルをそのまま曲名にした「Dance Dance Revolution」が登場。1st~4thのオープニングテーマを元に、新規ボーカルなどを追加した楽曲になっている。背景ムービーでは同じく1st~4thのオープニングムービーが流れる。そしてこの曲の譜面はかつてのPARANOiAがそうであったように、今までの楽曲の譜面から印象的な部分が一部ずつ引用されており、最終作を彩るにふさわしい楽曲・譜面・演出になっている。

楽曲解禁

  • 今作のアーケード版はオペレーターによるパスワード入力での解禁となっている。パスワードを入力した後は、電源を切っても解禁状況はリセットされないようになっている。
    • 解禁されるのは家庭用からの移植曲、BEMANIシリーズからの移植曲、そしてボス曲である。

評価点

  • 難易度『習』を国内アーケード版で初搭載。
    • 初心者向けの難易度であり、シングルプレーのみ搭載。この譜面ではバックダンサーによるガイドも表示される。
  • メインモードに難易度『鬼』が新設された。
    • 難易度『鬼』自体は前作DDRMAX2にも存在したが、鬼モード限定の特定の曲のみだったりワンモアエクストラ曲限定だったりした。しかし今作でのメインモードにも難易度『鬼』譜面として解禁され、難易度設定が5段階になった。
    • 『鬼』という名称ではあるがその立ち位置は特別譜面といった所である。その為、すべての楽曲に鬼譜面が用意されている訳ではない。
    • 開発スタッフ曰く、「習<楽<踊<激<鬼」ではなく「習<楽<踊<激+鬼」との事。
    • 特別譜面ゆえにその内容は様々。大抵は激以上の最難譜面だったりするが。中には鬼モード(いくらスコアが良くても4回コンボを切るだけで即アウト)での使用を前提としたものもある為、激よりクリアは簡単だがスコア・コンボが出にくい…というようなものだったりすることも。
  • 通常のダンスゲージを用いたNONSTOPが『連モード』として復活。
    • 『鬼モード』は超上級者向けで完全に一見お断りだったが、コースモード2本化により初中級者でも手軽にコースが遊べるようになった。
    • 連・鬼ともにコース内容も充実しており、タイムリリースによる隠しコースの追加なども行われた。

賛否両論点

  • 旧足10の曲の大量追加
    • DDRMAXはMAX300、MAX2はMAXX UNLIMITEDと前々作・前作では旧足10ボス曲はシリーズ毎に1曲までであったが、今作ではそのルールをぶち破り多数の最高難易度曲(旧足10)が現れた。これによりDDRの高難易度化が今まで以上に加速してしまった。
      • 今作は最終作として作られており、大多数のプレーヤーも旧足10程度は簡単にクリアするようになった為エンドコンテンツとしてあえて旧足10を大量追加したと思われる。
      • もっとも流石に難易度踊以下で旧足10になるような曲はなく、どの旧足10曲も頑張れば初心者でもできる習譜面、非ボス曲の踊程度の難易度である楽譜面は用意されている。
  • PARANOIA Survivor(MAX含む)に入れられた譜面ギミック。
    • 今までのPARANOiAシリーズは単純に「譜面難易度と速度」で高難易度を保っていたが、Survivorは譜面ギミックが導入された故に「こんなのPARANOiAじゃない」という声があった。
      また、Survivorに対してSurvivorMAXの譜面は「MAXで曲が伸びた部分までは、Survivorの譜面にMIRRORかけただけ」なのが初期から発覚しており、手抜きが疑われていた。

問題点

  • 特定の状況下で一部の鬼コース・連コースの難易度を変更できてしまうバグが問題になった。
    • 特定の手順を踏む事で各曲の難易度のみがすり替わってしまうのだが、この事がいくつか問題を引き起こす事になった。
      • 各コースを使用してIRが開催されていたため、一部のコースにおいて、 本来の理論値よりも高いスコア が出せてしまう不具合が存在した。また、今作のみLow ScoreのIRも開催されていたため、本来よりも難易度の低い譜面で挑戦する事ができ、こちらも 低いスコアでクリアする事が可能 となってしまっていた。
      • 但し、当時のDDRのトッププレーヤーの数の少なさから、明らかにおかしいとされるスコアにおいてはプレーヤー間で突っ込みが入る可能性が高いため、結果として前作や前々作のように特定のコースのIRが中止される事態には至らなかった。
      • また、これを利用してその楽曲に 本来存在しない難易度 も選択できてしまう。鬼譜面が存在しない曲で鬼譜面を選択した場合、通常は激譜面になるが、 一部楽曲はデータ上に残っていた没譜面をプレーする 事ができた。逆に鬼譜面専用曲で激以下の譜面を選択した場合、没譜面が存在しない場合は 100%強制リセットを引き起こす 。故意にリセットを誘発できてしまうため、基板に影響を及ぼす可能性がある。

総評

過去作に比べ収録音の音質を落とす等、容量不足に悩まされながらも新規ムービーや汎用ムービー等による演出は秀逸。まさにDance Dance Revolutionの旧集大成を彩るにふさわしい名作。
残念ながら、DDRシリーズはアーケード版は今作で約3年半の沈黙を迎えるが、多くのプレーヤーが続編を願わずにはいられなかった。そして復活の報を聞いて歓喜したのは、この作品が紛れも無い傑作として歴史に残っていたからに他ならない。

余談

  • DDRをプレーできるゲームセンターの減少
    • 目立つゲームなのでプレーヤーが少なく、また筐体が大きく場所もとるのでDDRを置く店はどんどん減ってしまった。
    • いつも遊んでいたゲーセンから急にDDRが撤去され電車に乗らないとプレーできなくなったということも。
      • その結果現在でもDDRの置いてある都会にはプレーヤーが集中し十分なインカムが得れる一方、地方には全く置かないという地方格差の激しい状態になってしまった。
  • シリーズの休止期間には、北米で本作の楽曲と独自の楽曲を使い、インターフェイスを新調した「EXTREME」「EXTREME2」やXboxでのコンシューマーソフトなども発売され、日本でのブームを思わせるような一大ブームを引き起こした。アーケード版SuperNOVAが日本でも稼働することになったのは、北米でのムーブメントが由縁である。
    • これらの海外版ソフトで登場した新曲は上記の海外版EXTREMEを日本向けにアレンジしたソフトに収録され、一部はAC版SuperNOVAにも移植された。


Dance Dance Revolution EXTREME (PS2)

【だんすだんすれぼりゅーしょん えくすとりーむ】

対応機種 プレイステーション2
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 2003年10月9日
定価 6,800円(税別)
判定 良作
ポイント 完成度の高い家庭用移植

概要(PS2)

  • アーケード版の稼働から約10ヶ月後に発売されたPS2版。

評価点(PS2)

  • 基本的にアーケード版に収録されていたコナミオリジナル曲・新Dancemaniaライセンス楽曲は全て収録されており、総収録楽曲数は驚きの111曲となっている。
    • 唯一「SENORITA (Speedy Mix)」のみが未収録となっている。
    • アーケード版で復活したDancemaniaライセンス楽曲は、次の「Party Collection」にて収録されることになる。
  • アーケード版では復活しなかったダンサーキャラクターも復活。5thMIX以前のキャラクターに隠しキャラクターを合わせて、計58人ものダンサーキャラクターが、最大3人まで表示できるようになっている。
  • ボス曲として、これまでNAOKIの楽曲を独自解釈でリミックスしてきた、2MB(U1-ASAMi)による「MAX.(period)」が登場。原曲に最も忠実なリミックスだが、「高難易度化への警鐘」と、「プレーヤーへの感謝」(Thank you for Playing)をテーマにしている。
    • 楽曲中盤には「初代ボス曲のPARANOiAが同曲の譜面と同時に流れる」という演出で難易度の変遷を対比させている。そして、終盤にはBPM600という、目視がほぼ不可能なほどの超高速で多くの矢印がスクロールする難所が存在し、この当時のボス曲において際限なく上がり続けるBPMと難易度に対する皮肉を織り交ぜたものとなっている。
    • 曲の節々に挿入される「Why do you need KONAMI Original Songs?」は、U1が家庭版DDRの編曲に対して当初から掲げてきていたテーマ*4。この楽曲では「プレーヤーの求めているものはこれなのか」という疑問にも取れる。
    • DDR SuperNOVA2時のエリアファンミーティングX10において、U1-ASAMiは「この曲がアーケードに移植されるときは、本当にDDRが終わるとき」という発言を残していた、のだが…
  • 目立つバグ等もなく、上述のMAX.(period)の演出、そしてこの楽曲をクリアした後に出現する家庭用オリジナルエンディングの演出で、DDRシリーズのひとつの終焉を彩った。
    • 実際にはその後も家庭用タイトルのみでのリリースは細々と続いていったわけだが。
    • 家庭版エンディングに使用されたのは、DDR5thMIX収録の「Remember you」のアンプラグドバージョン。DDRとプレーヤーの関係とも解釈できる歌詞に、これまでの足あとを辿る映像なども相まって、涙したプレーヤーも多い。
      • 残念ながら、当の「Remenber You」は再収録ならず、次回作のParty Collectionまでお預け。
  • 家庭用新曲及び移植曲も豊富。
    • 新曲はこれまでの家庭用でもおなじみである、平田祥一郎とSota Fujimoriによる楽曲が中心。移植曲はbeatmania III・beatmania IIDXから新規に4曲追加されている。これらの楽曲は、MAX.(period)を残して全てアーケード版の次回作SuperNOVAで移植された。

問題点(PS2)

  • 強いて言えば上記のMAX.(period)が鬼モードの一部コースにも含まれている為、当該コースのクリアが困難になってしまっている。
    • 該当するのは2MB楽曲のみで構成された「2MB道」とボス曲で構成された「伝説道」、そして家庭用で新たに追加された「ULTRA16」である。
    • 「伝説道」と「ULTRA16」の2つはそもそも難易度が高いコースだったためまだマシ(?)なのだが、問題なのは「2MB道」。こちらはAC版ではまだ手の出せる難易度であったのだが、本作でコース最後の曲として激譜面が組み込まれてしまい一気に激ムズコースと化してしまった。「伝説道」では難易度調整のためか激譜面ではなく鬼譜面を組み込んでいたのだが*5、このコースでも同じようにすればよかったのではないか?

総評(PS2)

大量曲収録、そして3rdからの電撃復活のノンストップモード、DDRMAX2から続投のマニアックな鬼モードまで再現してある為、過去のシリーズのアーカイブとして、一番におすすめされる作品になっており、いまだに評価が高い。
何より中古相場が高値で推移していることからも、本作が傑作と呼ばれるにふさわしい出来上がりであることは疑いの余地がない。

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最終更新:2023年07月18日 14:54

*1 DDRMAXから導入されている「BOOST」とは正反対の加速度となる。

*2 矢印の動く幅はHSの設定に左右されず、等速でも8倍でも同じ動きになる。ただし、フリーズアローの見た目の長さはHS依存になるため、HSの数値を高く設定すると後から来る矢印がフリーズアローと重なって流れてくる。

*3 欧州では特殊な事情があり、タイトルなどに「Revolution」を使うことができない。

*4 初出は3rdMIXのサウンドトラック。以降のシリーズでもこのフレーズを枕詞に添えて楽曲紹介を行なっている。

*5 本作の鬼譜面は現行作品の譜面とは違い、激譜面に一回り手加減を入れた譜面となっている。