ファジカルファイター

【ふぁじかるふぁいたー】

ジャンル シューティング
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 シグマ商事
開発元 メイクソフトウェア
発売日 1991年5月17日
定価 6,200円(税別)
判定 なし
ポイント RPG要素のあるSTG
ファジー理論は失敗


概要

タイトル通りファジィ理論*1を織り込んだシューティングゲーム。
シグマ商事のRPGというと『摩訶摩訶』があまりにも有名だが本作にもカオス要素が少々。
RPG要素のあるシューティングゲームとしても知られている。

特徴

  • 世界観
    • 舞台は平和な惑星FUNNY(FUNNYというのは実際の表記。カタカナではなくアルファベット表記は日本のゲームでは珍しい)。
    • ディメンジョンストーンが奪われたせいで空間がおかしくなり、混乱が起こる。
    • 主人公マルクは木こりの息子であり、王様からファジカルファイターを授かりディメンジョンストーンを探し世界を救うべく旅に出る。
    • パラメーターはRPGらしく、HP、MPである。通貨は勿論GOLD。
  • ゲーム内容
    • 城と街パート
      • 初回は200Gとパワーウイングが支給される。
      • 城下町ではGOLDで買い物が出来る。
    • シューティングパート
      • 一般的な横スクロールシューティングとなっており、最後にはボスが待ち構える。
      • 敵を倒すとスコアではなくGOLDが加算。FAILEDするとGOLD半減。
      • パワーウイングを使えば撤退出来る。
  • パスワードは4桁の数字で再開。

評価点

  • 豊富なステージが用意されており、BGMに合わせてスクロールが緩急自在という演出もある。
  • グラフィック関連
    • タイトル画面のデザインが芸術的なレベル。そして序盤とエンディングのみだが一枚絵が多数用意、切り替わる際はフェードする。
    • メニューを開いた際は自機が大きく表示される。
    • 顔グラフィックは、王様等のメインキャラは勿論、店の人のようなサブキャラまで用意されている。
    • 敵は反転する際にこっちを見た中割りが用意。地形はクリスタルの輝きなど作り込まれている。
  • 各ステージ毎にマッチしたBGMが用意されている。
    • 宇宙ステージでは、最初は低速からゆったり広大な宇宙を表現、そしてBPMが加速して激しい闘いに入る。
    • ボス戦BGMは2種類。RPGの戦闘曲に使ってもマッチしている。
  • ラスボス
    + ネタバレ注意
    • 大きな風格に巨大な翼など色々動く、戦い方も突進、炎攻撃など多彩かつ強力。
    • 曲も専用のものが用意されている。これまたRPGの戦闘曲としてよく合っている。
    • 会話が無いのが残念であるが、本作のボスとしての威厳は十分保っていると言える。

賛否両論点

  • 城と街について。
    • 広さは1画面と狭い。そしてあるのは施設が3個のみ。最初から最後までこの仕様。
  • ステージが長い。1ステージあたり道中だけで3分以上かかる。
    • しかも処理落ちする。
  • HPMPの向上はアイテムの購入という仕様。本作に経験値という概念はない。

問題点

  • ファジー機能
    • ゲームタイトル通り本作の目玉となっており、自機自身がファジカルに思考し敵の攻撃を回避などするというもの。しかし、実際は敵の攻撃を回避出来なかったり自分から敵に触れていったりと全く役にたたないどころか、デメリットの方が多い。
    • 選択した際は画面下にONと表示されるが、OFFにして自分で操作した方が良い。
  • パスワード
    • 4桁と聞いて引っかかった人もいると思うが、収まらない部分は切り捨てられる。
    • これを使って再開しても一定のパラメータの状態で再開。結局、再び稼ぎ作業を強いられる事に。
    • プレーヤーが稼いだGOLD、アイテムなどは記録出来ず曖昧な事に、このあたりも悪い意味でのファジー要素と言える。
    • これだったら、長くても良いからちゃんとGOLDアイテムが反映されるようにして欲しかったという意見が強い。
  • ボス関連
    • ボスのHPがかなり高いのだがHPゲージは表示されない為、いつ終わるとも知れない戦いに神経をすり減らす事になる。(ただしこの仕様自体は当時のゲームとしては珍しいものではない)
    • ボスを撃破した際はポケモンフラッシュほどではないにせよかなり目に悪い。
      • 戦闘後にGOLDが手に入るが、いくらなのか表示されず分かり辛い。
    • 会話も一切なく、Dストーンを奪った理由もはっきりしない。これはシューティングとしては珍しくはないが、RPG要素を含む作品としては物足りない印象もある。
  • 会話は各世界の王様のみ。町の人々とは買い物のみ。
    • これもボス同様、ただのシューティングなら問題にならないが、RPG要素を含む作品であるが故に物足りなくなってしまう部分と言える。
  • ワープは以前行った事のあるステージに行けるのだが料金が高く使いづらい。

総評

問題点を見ての通りタイトルにまで冠したファジイ要素は失敗に終わったと言える。
しかしながら、RPG要素については多彩な世界観が精緻に作り込まれており魅力的なところもあるとして一定の評価を得ている。

  • 今も昔も「STGは複雑かつ高難易度で当然」という風潮があるなかで「操作は最低限のシンプルさで、時間をかけて自機強化&装備を整えればSTG初心者でも充分クリア可能」という間口の広い難易度調整をしたことは評価に値するだろう。
    (ただし、上述のパスワード制が長時間プレイのネックではあるが…… )
    • 例を挙げると、最強防具「光のシールド」装備ならステージ道中は体当たり主体でも突破できるほど。 また最強武器「クラッシュビーム」は高弾速・広範囲・連射可能かつボス敵すら瞬殺する超威力、という公式チート武器。
      • もっとも、どちらも値段は他の装備の比ではない程に高額なわけだが……。 だが「ウェーブビーム」や「バックレーザー」のように費用対効果がズバ抜けた武器もいくつかあるので、これらがある意味で救済策となっている。

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最終更新:2024年04月10日 14:51

*1 90年代初頭にこの理論を表すファジーという言葉が流行っていたため、これにかこつけられたと思われる。