ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0059 今のしあわせ無くしたゆっくり
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ankoss
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※konozamaあきさんの作品「単発ゆっくりぬるいじめ劇場 まりさのしあわせ」に触発さ
れて書きました。
※konozamaあきさんの作品「単発ゆっくりぬるいじめ劇場 まりさのしあわせ」に触発さ
れて書きました。
今のしあわせ無くしたゆっくり
その子まりさは野良ゆっくりだった、らしい。
らしい、と言うのも、子まりさは野良だった頃の記憶がない。気がついたときには飼いゆ
っくりとして暮らしていた。
過去の記憶を失うということは今まで培ってきた”自分”を失うと言うことだ。人間なら
ば常に不安を抱えることになるだろう。。
だが、そこは脳天気な餡子脳のゆっくりのこと。子まりさは気にしていなかった。
っくりとして暮らしていた。
過去の記憶を失うということは今まで培ってきた”自分”を失うと言うことだ。人間なら
ば常に不安を抱えることになるだろう。。
だが、そこは脳天気な餡子脳のゆっくりのこと。子まりさは気にしていなかった。
今の子まりさはとてもゆっくりしている。
暖かい家に、美味しいご飯。
しつけは厳しいけれど、やさしいおにいさん。
明るくのんびりとした姉れいむ。
賢くて、細かいことに気がつく姉ぱちゅりー。
そして、とてもゆっくりした母れいむ。
たくさんのゆっくりに囲まれ、子まりさはとてもゆっくりしていた。
不安なんて、どこにもなかった。
しつけは厳しいけれど、やさしいおにいさん。
明るくのんびりとした姉れいむ。
賢くて、細かいことに気がつく姉ぱちゅりー。
そして、とてもゆっくりした母れいむ。
たくさんのゆっくりに囲まれ、子まりさはとてもゆっくりしていた。
不安なんて、どこにもなかった。
ある日、子まりさはおにいさんに連れられ、家族といっしょに公園まで遊びに来た。
子まりさにとっては初めての――記憶に残っているうちでは初めての――外出だった。
初めての公園。あんよをくすぐる芝生の柔らかな感触。肌を撫でる草の匂い。髪を揺らす
風。どれだけ見上げても目に入りきらない、どこまでも広くて高い空。
なにもかもが初めてで、刺激的で、新鮮だった。
子まりさは大いにはしゃぎ、姉ゆっくりたちと思う存分遊んだ。
子まりさにとっては初めての――記憶に残っているうちでは初めての――外出だった。
初めての公園。あんよをくすぐる芝生の柔らかな感触。肌を撫でる草の匂い。髪を揺らす
風。どれだけ見上げても目に入りきらない、どこまでも広くて高い空。
なにもかもが初めてで、刺激的で、新鮮だった。
子まりさは大いにはしゃぎ、姉ゆっくりたちと思う存分遊んだ。
そして。
気がつけば、子まりさ独り草むらの中にいた。
不思議だった。
子まりさのあんよは、初めてで跳ねにくいはずの草むらを難なく進んでいた。薄暗く見え
づらいそこを、何にぶつかることなく進むことができた。
まるで、何度も通ったことがあるかのように。
そもそも自分はどこに向かおうとしているのか。
子まりさにはなにもかもがわからない。それなのにあんよは止まらなかった。
気がつけば、子まりさ独り草むらの中にいた。
不思議だった。
子まりさのあんよは、初めてで跳ねにくいはずの草むらを難なく進んでいた。薄暗く見え
づらいそこを、何にぶつかることなく進むことができた。
まるで、何度も通ったことがあるかのように。
そもそも自分はどこに向かおうとしているのか。
子まりさにはなにもかもがわからない。それなのにあんよは止まらなかった。
そして、そこに着いた。
薄汚れ、くたびれ、横倒しになったダンボール。
こんなもの、知らない。
子まりさは戸惑いつつ、でもここが自分の目的地だと、理由もなく確信した。
なにかあるのかもしれない。
戸惑いながら、それでも子ゆっくり特有の好奇心で、子まりさはダンボールの中に潜り込
んだ。
しかしそこは空っぽだ。なにもない。
子まりさはすっかり混乱してしまった。こんな何もない場所にどうして来てしまったのか。
「きょうはおにいさんがこうえんにいこうっていって、みんなでおそとにでて……」
こんなもの、知らない。
子まりさは戸惑いつつ、でもここが自分の目的地だと、理由もなく確信した。
なにかあるのかもしれない。
戸惑いながら、それでも子ゆっくり特有の好奇心で、子まりさはダンボールの中に潜り込
んだ。
しかしそこは空っぽだ。なにもない。
子まりさはすっかり混乱してしまった。こんな何もない場所にどうして来てしまったのか。
「きょうはおにいさんがこうえんにいこうっていって、みんなでおそとにでて……」
気づけば、今日の出来事を口にしていた。記憶を整理するため声に出して確認する、とい
うのは有効な手段だ。もちろんゆっくりの餡子脳がそんな理論的な思考をしたわけではな
く、無意識だった。
うのは有効な手段だ。もちろんゆっくりの餡子脳がそんな理論的な思考をしたわけではな
く、無意識だった。
「しばふさんはとってもふかふかさくさくできもちよかったよ。れいむおねーさんはちょ
うちょをおっかけて、ぱちゅりーおねーさんはおはなのなまえをおしえてくれて……」
うちょをおっかけて、ぱちゅりーおねーさんはおはなのなまえをおしえてくれて……」
一日の出来事を話すうちに、子まりさは何故だかひどく楽しくなってきた。
一日の楽しかったこと。それを口に出すのがうれしくてたまらない。
一日の楽しかったこと。それを口に出すのがうれしくてたまらない。
それなのに。
涙が、でてきた。
涙が、でてきた。
楽しいのに。嬉しいのに。なぜだか涙が止まらない。
なにがなんだかわからない。
でも、餡子のどこかが言っていた。
確かに今していることは楽しい。でも、足りない。とても大切なものが決定的に足りない。
子まりさはなにがなんだかわからず、ただただ泣き続けた。
なにがなんだかわからない。
でも、餡子のどこかが言っていた。
確かに今していることは楽しい。でも、足りない。とても大切なものが決定的に足りない。
子まりさはなにがなんだかわからず、ただただ泣き続けた。
――「ゆっくりわすれていってね」。
それは、ゆっくり用に開発された記憶消去薬だ。ゆっくりは数字を3までしか数えられな
いほど頭が悪く、昨日のことも簡単に忘れるほど記憶力も悪いというのが常識だ。反面、
飾りのわずかな違いで個体の認識をするという一面を持つ。
それは、ゆっくり記憶餡によるものだ。記憶餡は、ゆっくりとした記憶だけは決して忘れ
ないようにできている。ゆっくりは常に体内の餡子を流動させて活動するが、命を司る中
枢餡とこの記憶餡だけはほとんど固定されている。
「ゆっくりわすれていってね」は、その記憶餡を流動させる効果を持つ。そうすることに
より、ゆっくりは通常忘れない過去の記憶、出会ったゆっくりの飾りなどの特徴なども忘
れてしまう。
欠点としては、新陳代謝の活発な赤ゆっくり~子ゆっくりには効果的だが、成体ゆっくり
には効きが悪いことだ。それでも「ゆっくりわすれていってね」によって、ゆっくりの調
教効率は飛躍的に向上した。
それは、ゆっくり用に開発された記憶消去薬だ。ゆっくりは数字を3までしか数えられな
いほど頭が悪く、昨日のことも簡単に忘れるほど記憶力も悪いというのが常識だ。反面、
飾りのわずかな違いで個体の認識をするという一面を持つ。
それは、ゆっくり記憶餡によるものだ。記憶餡は、ゆっくりとした記憶だけは決して忘れ
ないようにできている。ゆっくりは常に体内の餡子を流動させて活動するが、命を司る中
枢餡とこの記憶餡だけはほとんど固定されている。
「ゆっくりわすれていってね」は、その記憶餡を流動させる効果を持つ。そうすることに
より、ゆっくりは通常忘れない過去の記憶、出会ったゆっくりの飾りなどの特徴なども忘
れてしまう。
欠点としては、新陳代謝の活発な赤ゆっくり~子ゆっくりには効果的だが、成体ゆっくり
には効きが悪いことだ。それでも「ゆっくりわすれていってね」によって、ゆっくりの調
教効率は飛躍的に向上した。
それが、子まりさの記憶を失わせたのだ。
子まりさは元野良だった。
母ありすは子まりさのゆっくりを願い、人間にあずけた。
あずけられたその日に、子まりさは餌に混ぜられた「ゆっくりわすれていってね」を口に
した。
母ありすは子まりさのゆっくりを願い、人間にあずけた。
あずけられたその日に、子まりさは餌に混ぜられた「ゆっくりわすれていってね」を口に
した。
このダンボールで母ありすと暮らしていた。
夕方になると、今子まりさが跳ねてきた道を通りここに帰ってきた。
眠る前は寄り添い合い、今の子まりさのように一日の出来事を話し合った。
とてもゆっくりした時間だった。大切な、かけがえのない時間だった。
夕方になると、今子まりさが跳ねてきた道を通りここに帰ってきた。
眠る前は寄り添い合い、今の子まりさのように一日の出来事を話し合った。
とてもゆっくりした時間だった。大切な、かけがえのない時間だった。
だが、それはもう、ない。
母ありすはもういない。
ダンボールの中にいない。子まりさの記憶の中にすらいない。
ここに子まりさが来たのは、微かに残った記憶餡が、かつて過ごした場所に来たことでわ
ずかに甦ったことによるものだった。
だが、それもきっと一度きり。
こんなことはもうないだろう。
ダンボールの中にいない。子まりさの記憶の中にすらいない。
ここに子まりさが来たのは、微かに残った記憶餡が、かつて過ごした場所に来たことでわ
ずかに甦ったことによるものだった。
だが、それもきっと一度きり。
こんなことはもうないだろう。
子まりさは泣き続ける。
思い出せないのに哀しいのか。
思い出せないから哀しいのか。
ただ、ただ、泣き続ける。
思い出せないのに哀しいのか。
思い出せないから哀しいのか。
ただ、ただ、泣き続ける。
子まりさは、おにいさんと今の家族が探しにくるまで、ずっとずっと泣き続けた。
そして。
子まりさは。
数日後、ダンボールの中で泣いた事すら忘れた。
子まりさは。
数日後、ダンボールの中で泣いた事すら忘れた。
by触発あき
元ネタ:konozamaあき