こんな勇者に誰がした

11:こんな勇者に誰がした

谷口誠は愛する獣、ゲレートの姿を捜し住宅地を歩いていた。

「たく、殺し合いとかねーわ…ゲレートどこだ…?」
「わぁぁああああぁあ!!」
「ん…? 何だおい」

突然、少年とも少女ともつかない声色の悲鳴が響いた。
明らかに尋常な様子では無い、誠は悲鳴の聞こえた方向へ考えるより早く向かう。

「……!」

路地を曲がった先で見たものは、血に塗れた剣を携えた白い鉢巻をした青年、
そしてそのすぐ傍には血溜まりの中に倒れ身動き一つしない青い竜の少年。
現場状況からして、下手人はどう考えても――――。

「おっと、見られたな……」
「うっ…何だこいつ」

とんでもなく邪悪そうな笑いを浮かべ、その青年は誠の方に向き直り剣を向けた。
その表情を見て平和的な会話は絶対に望めないと誠は頭の中で即決する。
青年の向こうの竜少年はまだ息があるように見えるが今はこの青年をどうにかした方が良さそうだ。

「全く、もしもの力もスターライトも使えないと来た…まあそんな物が無くても、
自分の腕っぷしだけで十分いけるけどなぁ」
「もしもの…何だ?」
「知らないのかもしもの力を…もしかして異世界の人間か? まあいいや……」
「…そこの竜の子供を刺したのはあんたか?」
「…だったらどうする?」
「……いや、どうもしないですすんません、じゃあそう言う事で」

竜少年には悪いが自分の命を守れないで他人の命は守れない。
青年に軽く会釈をしその場を立ち去ろうとした、が、青年は許してはくれないようだった。

「悪いけどお前にも、死んで貰う、ぜ!」

剣を構え、青年が誠に斬り掛かった。

「……!」
「死ねっ! 俺のためになぁ!」

「そうはいくかよ!!」

青年――勇者アレックスの目に何かが噴き付けられる。
その瞬間、アレックスの視力は奪われ、彼は悲鳴を上げた。

「ぎゃああぁあああぁ!? 目が、目がああああ!!」

剣を落とし、両目を手で覆い悶えるアレックスに、誠は思い切り蹴りを入れアスファルトの上に倒す。
そしてアレックスの上に圧し掛かりその顔面に何度も何度も殴打を加えた。

「こいつ! この! この野郎!」

数回渾身の殴打を加えた所で、アレックスは気を失った。
誠はアレックスから離れ、竜少年の元に駆け寄ったが、もう事切れてしまっていた。

「死んでる…くそっ…」

もしかしたら助けられたかもしれないのに、と誠は悔しい気持ちになる。
傍に竜少年の所持品と思われるデイパックが落ちていた。
少し気が引けるが自分の支給品は先程青年に使った催涙スプレーと、安眠枕の二つ。
何か武器になるようなものが無ければこの後自分の身を守る事が非常に困難になる。
特にこの白鉢巻の男のような危険人物に出会った時等に非常に困る事になるだろう。

「……」

そしてデイパックの中から短機関銃、Vz25と予備の弾倉が三つ出てくる。
ついでに青年が持っていたショートソードも拾う。デイパックを漁ると、針金が出て来た。
具体的に何に使えそうなのかは思い付かなかったが、とにかく使えそうだと思い誠は針金を自分のデイパックに突っ込む。

「行くか…いつまでもこんな糞野郎に付き合ってられね」

気絶した鉢巻男を放っておいて誠は再びゲレートの捜索を開始した。

◆◆◆

「ぐ……」

どれぐらい時間が経った時だろうか、アレックスはようやく意識を取り戻した。
左頬が腫れ、目も痛い。

「くそっ…あいつ……舐めた真似を…この勇者アレックス様に向かって……」

ふらふらと立ち上がり、恨み言を続けた。

「次会ったら、絶対に」

ダァン!!

銃声と同時にアレックスの頭部から鮮血が噴き出し、アレックスは再びアスファルトに倒れ、血溜まりを作り、動かなくなった。
小型の自動拳銃を構えた少年、骨川スネ夫がアレックスの背後に立っていた。

「はぁ、はぁ…やっちゃった…もう、戻れない…」

震えた声でそう言うと、スネ夫はアレックスのデイパックを漁る。
しかし基本支給品以外には何も入っていないようだった。
自分の支給品はたった今男を射殺するのに使用した小型自動拳銃アキュテックHC-380と、古い形の電子辞書の二つ。
拳銃なのは良いが小型故威力はあまり無いとスネ夫は思っていた。実際は使用されている.380ACP弾は、
対人用としては必要十分な威力を持っているのだが。
これから殺し合いを進めて行く上で武器は多い方が良い。

「もっと、武器が欲しい…」

くそっ、と悪態をつくと、スネ夫は足早にその場から立ち去った。


【大谷裕次郎@オリキャラ  死亡確認】
【アレックス@VIPツクスレ・もしもシリーズ  死亡確認】
【残り  48人】


【早朝/C-6住宅地】
【谷口誠@オリキャラ】
[状態]健康
[装備]Vz24(32/32)
[持物]基本支給品一式、Vz24弾倉(3)、ショートソード、針金、催涙スプレー(2)、安眠枕
[思考・行動]
基本:殺し合いはしない。ゲレートを捜す。
1:首輪を何とかしたい。
[備考]
※ロワ参戦前からの参戦です。
※骨川スネ夫から離れた場所にいます。

【骨川スネ夫@ドラえもん】
[状態]健康、精神不安定
[装備]アキュテックHC-380(12/13)
[持物]基本支給品一式、アキュテックHC-380弾倉(2)、旧式電子辞書
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
1:ドラえもん達には会いたくない。
[備考]
※参戦時期は不明です。


010:汚い花火 目次順 012:憤慨、驚愕、贖罪

GAME START 谷口誠 030:腐ってく未来
GAME START 大谷裕次郎 死亡
GAME START アレックス 死亡
GAME START 骨川スネ夫 029:揺らぐ決心

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